書庫: 夏休み中の寸言居士 所収
   


   7月23日 (水)  晴れ


   子供の頃から、夏の朝の爽やかさが好きだった。

   しかし今では、そんな朝は此処には無い。

   すでに室温は30度を越えている。  (7時現在)

   蝉だけがけたたましく鳴いている。


     
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   「休めない人ね」 ・・・ と、奥さんに笑われた。

   やむを得ざる仕儀とは言え、

   これまで何かにせき立てられ、

   追い立てられるように生きてきた。

   金輪際ゴメンだ、と思いつつも、

   習慣のワダチは、そう簡単には解けそうもない。


   無為であることを恐れ、うしろめたく思う私がいる。

   何かしら、有為有能、有益でなければならぬかのように。

   背後には、そして前面にも社会的通念、或は、常識と言う

   世間の網の目が張り巡らされ、蜘蛛の糸に手足をからめ取られ

   取り込まれた一匹の虫のように、アセリ・モガキ・イラ立つ私がいる。

   
   ( 自利自利、我利我利、義理義理・・・と。)

   
   およそ、悠々自適どころの騒ぎじゃない。



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