書庫: 龍のすみか 所収
   


   文化的背景としての社会的な他律的規矩や規範を

   その前後 (構造) に持ち、

   その中でのみ許される真似と追従の自律的選択肢とは、

   およそ自由とは名ばかりの、

   動物園のオリの中に取り込まれた <猿猴の自由> である。


   ましてやその中で、さるぐつわを噛まされ、

   手足までも縛られようものなら、

   これは最早、猿猴に裃を着けたようなもので、

   最悪の事態と言わざるを得まい。


   もし人が、真に自由を言うなら、

   少なくとも、この言語ゲーム世界の全体、

   言葉を含む、<意識するものと意識されるもの> の全体、

   個と世界、個と超個とが相互作用する世界の全体を、

   いまここに、自己対称化し対自化して見せるだけの

   器量と度量が求められる。


   これはおそらく、

   猿猴の手なぐさみである小智小才の分際では如何ともし難く、

   一人、 ≪ジナ (jina) の末裔≫ 足らんと欲した者のみに許される、

   ≪究極の選択 (決意)≫ と言える。


                           (孫悟空と観音様)