書庫: 龍のすみか 所収
   


   我々は、生態系と言う有機無機相互に連動し関連し合う

   全体的なシステムを甘く見すぎていた。

   等価性の原理に基づく、≪生成≫ と言う名の余剰と再生、

   生産と消滅のオートマティックなシステムをである。


   ひょっとすると、

   我々は、ここ百年ほどの間に、我々自身の愚かさを

   我々自身の手で証明してしまったのかも知れない。


   生態系と言う生住異滅する完全に自律化された系の中に、

   それ自体では機能しない不完全なエネルギー機関と、

   それ自体では制御できないシステムを持ち込むことに依って、

   
   言わば、生態系と人工機関と言う、

   二重の <入れ子構造> のような機構を形成することによって、

   しかも、当のエネルギー機関を無際限に負荷し続けることによって、

   系全体のオーバーフロー、引いてはオーバーヒートを

   惹起させてしまったのかも知れない。


   それでも曾っては、未だ生成と消滅との等価性に於いて、

   系全体の平静を保っていられたが、

   ここまで無際限かつ傍若無人に振舞われると、

   いくら温厚な生態系と言えども、不調和を来たし、

   愚図って見せるのも致し方ないと言える。


   それにしても、一見不調和に見える生態系が、

   じつは、一向に、正当かつ正常に働いて見えるのは、

   ( むしろ、冷酷なまでに当必然的に見えるのは、)

   私だけのヒイキ目か・・・?