書庫: 龍のすみか 所収
   


   ≪ 行為 (言動/作用) は認識に先行する。≫

   
   認識が先行する行為は、認識論的な <拘束力> を持ち、

   自縄自縛的な、あるいは、自己拘束的な <抑止の弊害> に

   見舞われる。


   
   実はわたしが、これら一連のアイデアを得たのは、

   因果律的な思惟や思考の結果ではなく、

   また、他者の言質や書物から得たのものでもなく、

   禅的体験を通じて、それも、その言語的表明の困難さに、

   ――― つまり、認識 (表現) の困難さに、

   突き当たってのことなのです。


   従来する直截的、或は、象徴的 (詩的) な言語表現、

   ( 或は、「直截的行為」 ) の他に、

   より一般的に通用するような、

   ( 具体的に言えば、側にいる家族にさえ解るような )

   言語表現はないものかと、様々に試行錯誤していた時に、

   まるで偶然のように、突発的に <ひらめいた> のです。


   ≪真空の自発的対称性の破れ≫ と。


   わたしは、これを ≪出会い≫ と呼び、

   ≪啓示≫ としている。

   
   ――― そう、この世で <あなた> と <わたし> とが、

   偶然にも出会ったようにです。