書庫: 龍のすみか 所収
   


   ≪場の破れ≫

   ――― 美は乱調にあり。


   
   雲門曰く、

   「世界恁麼に広闊たり。

    甚に因ってか鐘声裏に向かって七条を披る」。


      (『無門関』 十六 「鐘声七条」 より )


   
   たまには、裃着けてお行儀の良いのも結構だが、

   とかく肩が凝り、足がしびれてどもならん。

   
   これが毎日毎時となると、そもそも息が続かんし、

   上手の手からも水が漏れる。


   大杉栄は、「諧調はもはや美ではない」

   と言い切ったが、そこまで言わなくとも、

   時には <大あくび> もいいものだ。


   放屁放尿とまでは言わないまでも、

   俺のような野暮天には、土台、型にはめて見ても

   アッチにはみ出し、コッチに足らず、

   ヤッサカ・モッサカするのが関の山だ。


   今のところ、うまくはないにしても、

   別段不自由はないし、

   何とか両刀使いでしのいでいる。


   いわゆる、木に竹を接ぐような生活、

   <アレもコレも> と。