≪場のふるまい頃 所収
   


   ≪ワッハッハ≫

   ――― 場のふるまい
 


   <人人箇の生縁有り> と言われる。

   <各々の機先を透徹す> と。

   いまさら、過去の因縁を繙くまでもあるまい。


   目先にとらわれると見失い、

   目を離して追いかけると、

   たちまち、足もとがお留守になる。


   <出身は猶易かるべきも、脱体に道うは応に難かるべし> *

   と言われるように。

   * 『碧巌録』 第四六則 「鏡清雨滴声」 参照。


   もとより、 <いわずもがな> とは言え、

   人それぞれに箇の生縁有り、と言うのである。



   <仏手と驢脚と生縁と>


   仏に非ず、

   道に非ず、

   禅に非ず。



   ――― 巨霊手を擡(もた)ぐるに多子(たし)なし、

   分破す華山の千万重。