≪場のふるまい窟 所収
   


   『自己救済の道』 (4)


   
   運命の奴隷となって、一生卑屈に泣き暮らすか、

   それとも、運命を手玉にとって自家薬籠中の物とするか。


   運命と自己とが一体なれば、猟師の懐に飛び込んだ飛鳥に似て、

   撃つ事も叶わず、求めることも、追いかけることもなく、

   自らのフトコロで静かに暖める外あるまい。


   さて、この運命なるもの、

   自己なるか、自己ならざるか。

   (自己なるか、他己なるか。)


   もし、自己ならざると言うのなら、

   この運命は、終生あなたの眼前に有って、

   あなたの鼻面を捉えてあなた自身を引きずり回し、

   およそ、手に負えない怪物となる。


   しかし、もしあなたが、

   これこそ <私自身だ> と言うのなら、

   この怪物は、あなたのフトコロに抱きとめられ、

   何時の日か、大空を羽ばたく鳳凰となって、

   自由自在に天空を天翔けるに違いないのである。