≪場のふるまい侠 所収
   


    『不空現成』


   < わたし達は、すでに 「不空実相」 の中に立ち尽している >

   ――― 今此処に 「脱体現成」 し来たる者 *

   
   * 今此処に、如来しつつ如去する者


   
   ≪正位に証を執るは毒海に堕在する≫ と、言われる。

   
   当処に、識量 (意識量/運動量) を量滅 (心空) し、

   あまつさえ、法界量 (無意識量/状態量) さえも量滅 (法空) したる者、

   この者、原点 (正位) の復帰者であり、ゼロ点への回帰者である。

   「一切皆空」 と言い、「五薀皆空」 と言うのが是れである。

   いわゆる、「人境倶奪」 の無量法界に立つのである。

   人空を了じ法空を了じて、無量法界に佇むのである。 


   しかして、当の 「了空」 (絶対無) さえ空じて <我に返り> **

   ひとり、今此処に屹立 (脱体現成) するのである。

   ** 正気に戻ること、或は 「正覚」 (正見) に立つこと。

   
   これを、≪不空現成≫ (我に始まり我に返る) *** と呼んでいる。

   *** <我に迷い我に悟る> とも。


   言うところの、<佛果の現成(成就)> (即身成仏) であり、

   <自我得佛来底の自己> (即心即仏) であり、

   その覚悟 (自覚) である。