≪場のふるまい侠 所収
   


   ≪ 私たちは、すでに 「不空実相」 の中に立ち尽している ≫

   
   ――― 偽りようもなく、誤魔化しようもないくらいに ・・・

   赤い血が流れている。


   
   それぞれが、それぞれの 『場の叡智』 と呼ばれる 「観音の知見」 に

   目覚めることに依って、各場ごとの 「良知良能性」 が発揮される。

  
   他の誰に頼ることもなく、他の如何なるものに依拠することもなく、

   一人自らの 『良心』 に従って、自他に渡る 「済度」 (自救他救)

   が行われる。


   あらゆる連想ゲームから脱退し、

   覿面に如実知真なる 「如是の実相」 を諦めることに依って、

   群れることなく、覇を競うこともなく、

   場の過不足を知り、その常と異常とを知り給う。


   いわゆる、『菩提心』 の自ずからなる発露として、

   <為すべきと為さざるべき> とを知り、

   各場ごとの、ささやかな一隅を照らし始める。


   ――― 他の誰におもねることもなく、無師知に目覚め、

   一人自らの矜持として、只 ひたすら 「済度」 (唯仏与仏) し始める。