平成18年7月21日(金)       ≪煩悩のかさぶた≫ 所収

 
   年がら年中、
   
   「佛々神々」(ブツブツ、ガミガミ)言いながら
   
   生き暮らしておると言うのに、
   
   一体、何が不足だと言うのだ。

   
   物が言えなくなってから
   
   「・・そんなことは聞いてなかった」
   
   とは、言うまいぞ。

   
   それにしても、
   
   仏という字を口にしただけでも三日も口を漱ぎ、
   
   「即心是仏」と説くのを聴いただけでも、
   
   耳を塞いで逃げ去る男の話に到っては
   
   もはや、なんとも言いようがない。   ( 佛草佛草 )


 
   僧問う、
 
   「和尚、甚麼(なん)と為てか即心是仏と説く」。
 
   祖(馬祖)曰く、
 
   「小児の啼くを止めんが為なり」。
 
   曰く、
 
   「啼き止みし時如何」。
 
   祖曰く、
 
   「非心非佛」。       
              
                
       
       (『無門関』三十「即心即佛」訳注 参照)