平成18年6月15日(木)       ≪ごまめの歯ぎしり≫ 所収

  

   我ら孫氏(孫悟空)の末裔にして 、あたかも石猿の如し。
 
   有難くも観音さんの妙力を以って、手を出し、足を出し、口を出すも、
   未だ不埒なるに依りて、「知恵の輪」をかまされて自由を得ず。

 
   (・・はなはだ不自由なること、この上無し。)

 
   
   由って、慈悲深き普化禅師、これに追い打ちを掛けるように
   彼の市中に於いて、是の如き言句を為す。

  
   
   「 明頭来や明頭打、暗頭来や暗頭打、
   
     四方八面来や旋風打、虚空来や連架打 」 と。

   
   ( 生き埋めじゃ!生き埋めじゃ!)
 
 
 
   そこは意地の悪い臨済師のこと、侍者を遣わし、

   がっちりと掴まえさせて、次の如く云わしむ。

 
   「 総に不与麼に来たる時如何 」 と。
 
 
   その時、普化少しもあわてず( 何を こなくそ!)と、托開して云く。

 
   「 明日は、大悲院でお接待があるワィ 」 と。

 
   これにて老婆な師(臨済)も、ようやく落ち着いた次第である。

 
 
   このファルス、有態に見れば、救われたのは当の臨済師の方
   
   だったやも知れぬ。 *   ( 喝ァ ―― ツ。) 

  
  
   * 『臨済録』 勘弁七(岩波文庫) 参照。