平成18年5月3日 書庫:≪転生譚≫ 所収
私が、具体的に 『名なきもの』 の存在を知ったのは、もう久しい以前になるが、
友人宅で酔いつぶれて、朝帰りした田んぼのあぜ道でのことでした。
早場米の田植えも済み、まだ肌寒い朝もやの中、何かしらうごめくものの気配を
感じて “フット” そこに目をやった時、その 「正体」 を見たのである。
それはちょうど、オタマジャクシが蛙へと変容する過程と言うか、
いまだ蛙に成りきらぬオタマジャクシと言うか、
言わば、蛙でもなければオタマジャクシでもない
『オタマがえる』 を見たのである。 (『かえるジャクシ』???)
――― 『 キャツニハ、ナマエ (名称) ガ ナイ!』 と。
すると、昨夜の酔いもすっかり興醒めて、
あたり一面が 『名なき存在(現象)』 一色となって現前化したのである。
(・・・そういゃ、俺も以前には名前が無かったのだ、と。)
しみじみと我が手を眺めた次第である。
『黄龍の三関』
我が手、佛手と何似ぞ。枕頭背後を摸り得たり。
覚えず大笑呵々。元来通身是れ手。
我が脚、驢脚と何似ぞ。未だ歩を挙せざる時踏著す。
四海に横行するに一任す。倒しまに楊岐の三脚に跨がる。
(『無門関』黄龍三関 参照)
私が、具体的に 『名なきもの』 の存在を知ったのは、もう久しい以前になるが、
友人宅で酔いつぶれて、朝帰りした田んぼのあぜ道でのことでした。
早場米の田植えも済み、まだ肌寒い朝もやの中、何かしらうごめくものの気配を
感じて “フット” そこに目をやった時、その 「正体」 を見たのである。
それはちょうど、オタマジャクシが蛙へと変容する過程と言うか、
いまだ蛙に成りきらぬオタマジャクシと言うか、
言わば、蛙でもなければオタマジャクシでもない
『オタマがえる』 を見たのである。 (『かえるジャクシ』???)
――― 『 キャツニハ、ナマエ (名称) ガ ナイ!』 と。
すると、昨夜の酔いもすっかり興醒めて、
あたり一面が 『名なき存在(現象)』 一色となって現前化したのである。
(・・・そういゃ、俺も以前には名前が無かったのだ、と。)
しみじみと我が手を眺めた次第である。
『黄龍の三関』
我が手、佛手と何似ぞ。枕頭背後を摸り得たり。
覚えず大笑呵々。元来通身是れ手。
我が脚、驢脚と何似ぞ。未だ歩を挙せざる時踏著す。
四海に横行するに一任す。倒しまに楊岐の三脚に跨がる。
(『無門関』黄龍三関 参照)