• 住民が、「理解する」とは限らない。国防は「住民」に優先する。-【朝日社説】空港・港の共用 防衛強化 住民の理解を

 

  • (1)【朝日社説】空港・港の共用 防衛強化 住民の理解を

空港・港の共用 防衛強化 住民の理解を

 https://www.asahi.com/articles/DA3S15906834.html

 

 

社説

 

2024年4月8日 5時00分

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座安あきのさん

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航空自衛隊と民間機が共用する那覇空港。防衛力強化のために整備を進める「特定利用空港」に指定された=那覇市

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 防衛力強化の一環として、自衛隊や海上保安庁が平時から、民間の空港や港湾を円滑に利用できるように整備する政府の計画が動き出した。公共インフラの機能強化は、地元に恩恵ももたらすが、有事に標的になりかねないという不安も伴う。地域住民の理解が不可欠だ。

 

 「特定利用空港・港湾」として、まず北海道、四国、九州・沖縄の5空港11港湾が選ばれた。戦闘機や護衛艦も使えるよう、滑走路の延伸・強化や岸壁の整備・海底の掘り下げなどを行う。今年度予算に370億円が計上された。

 

 政府は、より大型の航空機や船舶が利用できるようになれば、有事の避難や災害派遣のみならず、平時の物流や観光にも利点があるとアピールする。自衛隊の訓練の頻度も「年数回程度」という。

 

 ただ、実際の地元への負担や影響を、今から見通すのは困難だろう。自衛隊・海保はすでに民間の施設を利用しており、新たに「攻撃目標とみなされる可能性が高まるとはいえない」と政府はいうが、この言葉で安心する住民がどれほどいようか。

 

 昨秋の段階の候補地、38カ所のうち、自治体の同意が得られたのが、今回指定された16カ所にとどまったことが何より、地元の懸念がぬぐい切れていない証左だ。

 

 中国をにらんだ自衛隊の「南西シフト」が進む沖縄県では、国管理の那覇空港と石垣市管理の石垣港の2カ所にとどまった。県が管理する新石垣空港や与那国空港など10カ所は見送られた。玉城デニー知事は、整備後の運用などに「不明な点が残されている」とのコメントを出した。

 

 鹿児島空港など2空港6港湾が候補となった鹿児島県も、国からの説明が不十分で判断材料が整っていないとして、同意には至らなかった。

 

 政府は今後、候補地への説得を続け、指定を拡大する方針だ。だが、安全保障を理由に、具体的な運用方法など、詳細な説明を避けていては、地元の納得は得られまい。リスクを含め、可能な限り情報開示に努める必要がある。指定済みの地域においても、住民の懸念に丁寧に向き合うことを忘れてはならない。

 

 同盟強化で一体的な運用が進む米軍の利用があるのかも、あいまいなままだ。政府は「米軍が本枠組みに参加することはない」としているが、米軍は日米地位協定に基づいて、国内の空港や港湾に出入りしている。「分散」を軸にした米軍の新戦略では、同盟国のインフラの活用が想定されてもいる。明確な説明が求められる。

 

  • (2)端的に、「住民の理解」は、必須ではない。

 喩え、「住民の誰一人として理解を示さなかった」としても、国防の為、国家安全保障の為、敢えて断行・決行するのも、政府の仕事である。
 無論、この場合は、「不人気な政策を実行する」訳であるから、支持率に影響する可能性はあるし、次の選挙で負ける可能性が高まる事もあろう。だから、人気取りの為や選挙のためには、「住民の理解を得るべきだ」というのは一つの論理である。

 だが、国防や国家安全保障と言うモノは、一国の存亡にも関わる事さえある重大事だ。「人気取り」や「次の選挙」よりも、優先すべき事もある・・・と言うよりは、ほぼ「人気取り」や「次の選挙」よりも、国防や国家安全保障の方が「優先すべきである」と言うのは、一寸冷静に考えれば「自明」であろう。
 
 故に、敢えて章題にしたのである。「端的に、「住民理解」は、必須ではない。」と。

 であるならば、上掲朝日社説の主張は、一見尤もらしく、俗耳には入りやすかろうが、「愚論にして暴論」であり、「衆愚政治のススメ」でもある。
 
 それこそ正に、「朝日らしい」とは言えるがな。