• 主語がデカいな、オイ。―【沖縄タイムス社説】ガザ「人類の危機」 停戦し子どもたち守れ


 左翼の特徴の一つに「主語がデカい」ってのがあるそうだ。何かというと「世界」とか「国際社会」とか「人類」とか、そこまで行かずとも「女性」とか「男性」とか。「デカい主語」を使うのは、ある種の権威付けなんだろう。「私はこう思う。」と言うよりは、「そんな事は世間が許さない」とか言う方が「説得力を増す」って事は、ありそうな事だ。また、自分個人の意見を「多くの者」就中「大多数」の「意見」と表明すれば、それも相応の「威嚇」になりそうだ。
 嘗て「一世を風靡した」感もあった「Occupy運動」こと「ウォール街を占拠せよ」運動のキャッチフレーズが、「俺たちは99%だ!!」だったが、コレも「デカい主語」の一種だろう。

 であるならば、正真正銘掛け値無しの左翼で在り、朝日に並ぶ「三アカ新聞」と弊ブログでは呼び習わしている沖縄タイムスが、こんな「デカい主語」を社説に掲げるのも、「無理はない」と言うべきか、「左翼らしい」と言うべきか・・・

  • (1)【沖縄タイムス社説】ガザ「人類の危機」 停戦し子どもたち守れ

ガザ「人類の危機」 停戦し子どもたち守れ

 

2023/11/13

 「ガザが子どもたちの墓場になっている」

 

 国連のグテレス事務総長は6日、パレスチナ自治区ガザの惨状をそう表現し、改めて即時停戦を求めた。

 

 ガザ保健当局は11日、ガザ市最大級のシファ病院が電力切れで機能停止に陥り、新生児2人が死亡したと表明した。

 

 パレスチナ赤新月社は12日、運営するガザ市のアルクッズ病院が電力切れで機能停止に陥ったと発表した。

 

 「道は破壊され、物資が運べない。水、食料、薬、マットレス。必要最低限のものがない」「逃げ場はなく、生き地獄だ」

 

 

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の日本人職員が共同通信のオンライン取材に応じ、ガザの惨状をそのように報告したのは10月のことである。

 

 ガザの人道危機は悪化する一方だ。

 

 これまでの戦闘の死者はイスラエル側で1200人。ガザ側で1万1千人以上、このうち子どもの犠牲は4500人に及ぶ。

 

 イスラエルのネタニヤフ首相は、民間人の被害の責任はイスラム組織ハマスにあるとして停戦を拒否し、ハマスを壊滅させるまで攻撃の手を緩めない構えだ。

 

 ハマスの残虐行為に対する報復の軍事作戦であっても、民間人や子どもたちを「生き地獄」に放り込むような蛮行は誰にも許されていない。

 

 戦争や武力紛争の最中であっても人道的に守らなければならない最低限のルールが国際人道法で定められているのである。

 

■    ■

 

 事態は一刻の猶予も許されない。ガザの惨状を止めるには、国際社会が圧力を強める以外にない。

 

 

 米国のバイデン政権の仲介に応える形でイスラエル軍は、1日4時間の戦闘休止時間を設けることに同意した。

 

 だが、どこに避難せよというのか。行った先で身の安全が保証されているわけではない。

 

 イスラエル軍はシファ病院の地下にハマスが司令部を置いているとみており、凄惨な戦闘によりさらに多くの民間人、子どもたちが犠牲になる危険性が高まっている。

 

 ガザの現状は今や「人道危機」の段階を超えて「人類の危機が起きている」とグテレス事務総長は指摘する。

 

 国連安全保障理事会は関係国の対立から一致した対応ができず、機能不全に陥っている。

 

■    ■

 

 「国際社会は私たちを見放したのか」。映像を通して伝わってくるのは、ガザ市民の悲痛な叫びである。

 

 国連や国際社会がガザ市民を守らなければ、一体、誰が窮地に追い込まれた人々を守るのか。

 

 米国のバイデン政権は、イスラエル支援と人道危機への対処という相反する二つの政策の間で右往左往しているように見える。

 

 

 米国に対しては「人類の危機」への対処を優先するよう求めたい。何の罪もない子どもや民間人の犠牲をこれ以上増やすことがあってはならない。

 

c 株式会社沖縄タイムス社

 

  • (2)ガザ住民が一人残らず殺されたとしても、それは「虐殺」ではあるかも知れないが、「人類の危機」では、無い。

 「虐殺」事態は、大陸史でも人類史でも、さして珍しくない事象であるが、それらの「虐殺」が「人類の危機」と結びついた事例は、殆ど無い。良い処、広島と長崎への原爆投下が「核戦争による人類滅亡ないし人類文明崩壊」につながっているぐらいであう。東京大空襲も、ドレスデンも、ハンブルクも、「人類の危機」には遠く及ばない。

 況んや、パレスチナはガザ地区へのイスラエル軍の攻撃が仮に「虐殺」で在り、そこに住む住人を老若男女を問わず皆殺しにしたとしても、それは「近年希に見る大虐殺」とはなり得ても、「人類の危機」ではない。有り体に言って「人類は安泰」だ。

 あ、勘違いするなよ。私(ZERO)は、ガザ地区に限らず「虐殺」を肯定している訳では無い。寧ろ、虐殺も戦略爆撃も大嫌いだし、女子どもを盾にとって女子どもを攻撃する男児の風上にも置けない様なテロリストも大嫌いだ。だが、仮にイスラエルが「ガザ大虐殺」=ガザ住民皆殺し を行ったとしても、それを「人類の危機」なんて大仰なモノには結びつけない/結びつかない、と言っているのだ。

 上掲社説を読むと、ガザ「虐殺」を「人類の危機」と言い出したのは、グテレス国連事務総長らしい。

1> ガザの現状は今や「人道危機」の段階を越えて
2> 「人類の危機が起きている」とグテレス事務総長は指摘する。


 で、その「人類の危機」って特大の主語に乗っかって、沖縄タイムス社説は上掲の通り「大はしゃぎ」って訳だ。

 グテレス事務総長様も、「人道危機の上位概念」として、より強い刺激的な表現を選んだのだろうが(*1)、大風呂敷も過ぎようぞ。

 諄いようだが、繰り返そうか。

 仮にイスラエル軍が「ガザ大虐殺」を実施し、ガザ住民を一人残らず皆殺ししたとしても、それは、「人類の危機」なんて大仰なモノには、ならない。

3> 国連や国際社会がガザ市民を守らなければ、一体、誰が窮地に追い込まれた人々を守るのか。

 なんて「お涙頂戴の浪花節」も上掲社説にはあるが・・・イヤ、国連や国際社会が守らない「窮地に追い込まれた人々」なんて、ガザ以外にも幾らでも居ろうが。

 否、寧ろ、「国連や国際社会」が「何処かの誰かを守る」なんて事は、滅多に無い。「平和を愛する諸国民」よりは未だ当てになる(少なくとも、国連は、組織として実体がある。)かも知れないが、「国連や国際社会」を当てにして、市民も国民も人民も、守れる訳がない(*2)。
 
 市民でも国民でも人民でも、それを守るのは先ず第一に主権国家である。国連も国際社会も、当てにはならない。況んや「平和を愛する諸国民」も、軍隊すら持たない地方自治体も、論外だ。

 で、当該ガザ地区の場合、統治する主権国家に一番近いのは「ハマス」で、その「ハマス」がイスラエルに対してミサイル攻撃をかけ、婿のイスラエル国民を拉致誘拐して人質にとっているのが、今次の「ガザ虐殺」の発端である。

 であるならば、今次「ガザ虐殺」の責任の少なくとも一端(*3)は、「ハマス」にある。

 それを無視して、国連や国際社会や米国に「ガザ虐殺の停止」=「イスラエル軍の攻撃停止」を「人類の危機」などと言う大仰な盾を取って訴える上掲社説は、とてもじゃぁ無いが「公平な報道」を心掛けるべきジャーナリズムとは程遠いものである。

 尤も、沖縄二紙はとうの昔に「中共のプロパガンダ期間」と考えた方が「安全側である」と、私(ZERO)は判定し、ことある毎に喧伝しているが、ね。
 

  • <注記>
  • (*1) 或いは・・・国連事務総長様が「左翼」って可能性も、あるにはあるな。 
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  • (*2) って主張は、だ。「平和を愛する諸国民」なんぞを当てにしている「日本国憲法前文」に対する痛烈な批判だぞ。無論、意識しての、批判だ。 
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  • (*3) 私(ZERO)に言わせれば、大半