• 「学問の独立」と「学術会議問題」に、直接の相関は無いぞ。ー【琉球新報社説】学術会議法改正案 学問の独立を保障せよ 【東京社説】学術会議と政府 知性の声に耳傾けねば


 「イチャモン」と考えるべきなのだろうか。或いは本当に真剣に学術会議に政府の統制が及ばないことこそ、学問の独立だ。」と「考えて居る」のか。はたまた、「学術会議に巣くう外国のスパイを、擁護援護している。」のか。下掲琉球新報も、少なくとも一時期の朝日新聞も、「学術会議問題」は「学問の自由の侵害だ」とか「学問の独立を脅かすとか言う主張を、社説で堂々と、って事は(多分)素面で、行っていた。

 所謂「学術会議問題」は、政府の一諮問機関である学術会議に対して、政府が当然の如く有しており、明文化もされている任免権を、明文化された条文通りに「行使した」と言うだけの話だ。「政府が当然有する任免権」を、長年の「慣習」で「行使してこなかった」という「実績」を盾にとって、学術会議自身とアカ新聞が騒いでいるのが、「学術会議問題」だ。

 「政府が当然有して明文化もされている任免権の行使の問題」ではあるが、タイトルにもしたとおり、「学問の独立」とも「学問の自由」とも、基本的に無関係である。
 
 って、「簡単簡明な理屈」が、「アカ新聞には判らない」ってことは、「裏に何かある」と考えて置いた方が、安全側であるな。

  • (1)【琉球新報社説】学術会議法改正案 学問の独立を保障せよ 

学術会議法改正案 学問の独立を保障せよ

 

 

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1665443.html

 

2023年2月20日 05:00

社説

mail_share

 

 政府は日本学術会議の組織見直しのため、会員選考に第三者が関与する選考諮問委員会(仮称)新設を柱とする学術会議法改正案の概要を明らかにした。会員選考では諮問委の意見に尊重義務を課す。

 

 政府案に対し、学術会議は「歴史の転換点となり得る大きな問題だ」(梶田隆章会長)と強く反発している。

 会員選考に政府の意向を反映しなければならないのであれば、学術会議の独立性は失われる。憲法が保障する学問の自由をも侵す。政府案はとうてい認められない。

 そもそも政府が学術会議の見直しを言い出したのは、菅義偉前首相による新会員6人の任命拒否が発端だ。拒否の理由を明確に説明することが菅氏、そして政府に課せられた責任である。組織の在り方に論点をすり替える手法では国民も納得できない。

 学術会議法改正案で新設する諮問委について、政府は選考の透明性を高めるとする。現在は会員らによる候補者選考を経て首相に推薦する。推薦に基づき首相が任命する形式だ。しかし議論の発端となったのは選考過程の不透明さでなく、菅氏が一方的に任命拒否したことだ。透明性を理由に挙げるのは筋違いだ。

 学術会議は既に選考方針を明らかにしている。会員のジェンダーバランスや地域バランスに考慮し、大学や研究機関だけではなく産業、医療、法曹、教育といった現場で優れた研究・業績を有する人物の選考を検討するという内容だ。候補者数や選考過程も公表するとしており、透明性は十分に確保されている。

 政府案に批判が集まるのは、時の政権に批判的な人物や政策・主張が相いれない人物を排除するのに諮問委を運用するのではないか、という懸念が払拭されないからだ。

 政府案公表を前に会見した元学術会議会長の広渡清吾東京大名誉教授は、諮問委の役割に関し、任命拒否の「前さばき」で拒否を正当化するものと指摘し、学術会議の存在意義を損なうと批判した。学術会議が専門的、広範な視点で推薦しようとする人物を諮問委が拒否するのであれば、選考の不透明さは逆に深まる。

 改正案でもう一つの焦点は「首相の任命権が形式的か否か」だ。従来は学術会議の推薦を追認する形式的なものとされた。改正案は任命拒否正当化のため、実質的な任命権は首相にあるとする解釈を維持しようとしている。

 諮問委と首相の実質的な任命権、この二つを実施すればどうなるか。学者や作家でつくる「学問と表現の自由を守る会」は昨年12月の声明で「政府の御用機関」に変質すると指摘した。

 改正案は組織論にとどまらず、日本の学問の自由が保障されるか、侵害されるのを許すのかという問題をはらむ。全ての国民に関わる課題だ。

 今こそ熟議が必要だ。政府は改正案を撤回し、国民的議論を経た上で再考すべきだ。

  • (2)【東京社説】学術会議と政府 知性の声に耳傾けねば

学術会議と政府 知性の声に耳傾けねば

 

 

https://www.tokyo-np.co.jp/article/234108?rct=editorial

 

2023年3月2日 07時51分

 

 政府が目指す日本学術会議の改革法案にノーベル賞受賞者らが「独立性を損なう」と再考を求める声明を出した。政府案は同会議の会員の人選に事実上、介入しうる内容だ。断固反対する。

 二〇二〇年の菅義偉首相(当時)による学術会議の会員候補の任命拒否をきっかけに、政府は会員選考の在り方など同会議の組織見直しの法案を今国会に提出する方針で作業を進めている。

 会員は現在、新会員候補を現会員が選んで首相に推薦する仕組みだが、政府案では産業界などからのメンバーを含む第三者で「選考諮問委員会(仮称)」をつくる。会員選考にあたっては、同委員会の意見を聞き、尊重しなければならないとする。

 この政府案に対し、危惧する声明を出したのは、野依良治・名古屋大特別教授や本庶佑・京都大特別教授、白川英樹・筑波大名誉教授、天野浩・名古屋大教授ら八人である。数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受けた森重文・京都大特別教授も加わる。

 「成熟した先進国の政府は、ナショナルアカデミー(科学者の代表会議)の活動の自律を尊重し、介入しないことを不文律にしてきた」「(法改正は)学術会議の独立性を毀損(きそん)するおそれがあり、大きな危惧を抱く」「学術の独立性といった根源的かつ重要な問題につながる」などとした声明だ。

 環境やエネルギー、遺伝子など現代文明が抱える問題について、学術会議は総合的で確かな知見を与えうる会員で構成される。逆に政府の息がかかった第三者が委員の人選に関与すれば、会議自体が政府の意向に影響されよう。

 学術会議は過去に軍事研究に批判的な見解を示しているが、政府が「政治の力」でそれを否定すれば、学術の世界からの助言はまるで意味をなさなくなる。

 政府への批判を封じる意図なら独裁国家と同じ発想ではないか。学術会議が独立性もなく、政府に誘導されては存在意義も失う。

 声明には学術について「人類が手にしている崇高な知的営み」と記す。その領域に政治が介入し、己の思うがままにしようと企てるのなら愚かというほかはない。

 学術会議の歴代会長も岸田文雄首相宛てに反対声明を出している。政府は日本が誇る知性の声に耳を傾け、会員の人選や運営に介入する野心を捨てるべきだ。

 

  • (3)喩え「学術会議が完全な政府の下部組織でアリ、その運営を全面的に政府が握った」としても、「学問の自由」は保証できる。学術会議は「政府の諮問機関」でしかなく、学会ではないから、だ。

 寧ろ、「学問の独立性」と言うならば、各種学会に於ける自由闊達な議論こそ、保証されねばならない、筈である。例えば憲法学会なんかに「自由闊達な議論が保証されている」とは、到底思えない。

 もし仮に、「日本憲法学会に於ける議論は既に十分に自由闊達である」としたら、日本憲法学会に属するセンセイガタは、日本国憲法発布以来約80年間且つ自衛隊発足以来70年以上も経るのに、「日本国憲法はそのままで、即ち自衛隊なんぞ存在しない状態で、我が国の安全安泰、我が領土領空領海及び我が国民の生命財産の保障が、可能であるとする論拠根拠理由が、全く説明も議論もされていない」という現状は、「日本憲法学会とは、恐ろしく浮世離れした学会である。」事を示している、としか思えない。

 別にそんな「浮世離れした学会」があっても良い。だが、そんな浮世離れした学会には、現実の政治に影響してほしくないモノである。政治とは正に、真っ先に、現実の問題なのであるから。

 で、学会ではないが政府の一諮問機関ではある(筈の)学術会議も、相当に「浮世離れしている」ことは間違いなさそうだ。何しろ、その発足以来3度にわたって軍事研究の禁止」を宣言し、ある範囲で強制すらもしているのだから。一体どの口で「学問の自由」とか抜かすんだろうねぇ。手前ぇ等「軍事研究する自由」を、思い切り蹂躙しているじゃぁないか。
 
 まあ、「軍事研究の禁止」を高らかに宣言している学術会議のセンセイガタは、航空機(*1)も利用しなければネットも使わず(*2)、グーグルマップも大半のカーナビ(*3)も利用を拒否して、陸路海路限定の旅(*4)を、悠々楽しんでお居られる、のだろう。
 
 まさか、航空機、インターネット、グーグルマップやカーナビを、利用したりはしていないよな(修辞的疑問文)。
 

  • <注記>
  • (*1) 航空機の発達史は、軍用機の発達史と一体不可分である。現在の旅客機のほぼフォーマットである、低翼単葉全金属製機は、第1次大戦ドイツ軍攻撃機ユンカースJ1がその嚆矢であるし、世界初の実用ジェット機は、やはりドイツのメッサーシュミットMe262戦闘機である。従って、「軍事研究の否定」は「航空機利用の否定」を伴わなければ、説得力を全く持たない、ことになろう。  
  •  
  • (*2) インターネットの起源は、軍用通信網である。従って(以下略)・・・ 
  •  
  • (*3) グーグルマップ利用端末のほぼ全てと、カーナビの大半は、その位置情報をGPSに依っている。GPSは、軍用に開発された衛星航法システムの民間利用である。従って(以下略)・・・ 
  •  
  • (*4) 航空機を利用できないのだから、必然的に、そうなる。