-
不信はあれども、人身事故無し。-【沖縄タイムス社説】[オスプレイ配備10年]強行が政府不信広げた 【琉球新報社説】オスプレイ配備10年 普天間配備機の撤去を
何しろ、オスプレイが沖縄の米軍基地に配備される前後の沖縄二紙の騒ぎったら、尋常では無かった。
無論、こと国防であるとか安全保障であるとか米軍基地絡みとなると、「発狂して尋常では無くなる」のは、沖縄二紙のデフォルトなんだが、世界初の実用チルトローター機という画期的な新機軸を備えるとは言えたかだか「米軍新型輸送機」でしかないオスプレイに対して、「危険な欠陥機」だの「未亡人製造機(*1)」だの「空飛ぶ棺桶(*2)」だの、「非難対象が一軍用機種」だから良いモノの(*3)、コレが個人や企業や団体だったら立派な名誉毀損になりそうな罵詈雑言を並べ立てられた上、非人道的なレベルで利己的なことに「基地周辺住民の沖縄県民の命を危険に曝すから、沖縄配備(だけ)反対」と公言断言され、「沖縄県民大会決議」なんて公式公的文書にまでなっているのである。
ああ、「非人道的なレベルで利己的な、沖縄県民大会決議」を出したのは、「沖縄県民であって、沖縄二紙ではない」が、同決議を出すに当たって大いに「危険な欠陥機オスプレイ」と煽り立て、決議が出てからはその決議を礼賛絶賛しているのは、沖縄二紙だ。「非人道的なレベルで利己的な、沖縄県民大会決議」に対し、沖縄二紙の責任は、決して軽くは無かろう。
ああ、諄いようだが解説しておこう。「オスプレイは危険な欠陥機であり、基地周辺住民の沖縄県民の命を危険に曝すから、沖縄配備(だけ)反対」と明言断定断言している「沖縄県民大会決議」を、私(ZERO)が「非人道的なレベルで利己的」と断罪弾劾するのは、「危険な欠陥機オスプレイに対する対処法が、非人道的なレベルで利己的だから」だ。
先ず、断言しておくべきだろうな。「オスプレイは、危険な欠陥機などではない。」と私は考えて居る。だが、「仮にオスプレイが危険な欠陥機」だとしたら、その危険に真っ先に曝され免れようが無いのは、「オスプレイが配備された基地の周辺住民」ではない。況んや、「オスプレイが配備された沖縄基地周辺の沖縄県民」では、もっと、ない。
「欠陥機であるオスプレイ」の危険に真っ先に曝され、免れようが無いのは、そのオスプレイに搭乗し、操縦したり運ばれたりする将兵であり、沖縄米軍基地に配備されたオスプレイならば、それに搭乗する米軍将兵である。ああ、今は我が陸自にもオスプレイは配備されているから、オスプレイに搭乗する陸自将兵も、同じく「真っ先に欠陥機オスプレイの危険に曝され、免れようが無い」な。
左様に「真面に考える」ならば、「危険な欠陥機オスプレイ」に対する「真っ当な対処」は、「オスプレイの沖縄(だけ)配備中止/撤回」な訳が無い。「オスプレイの飛行停止、運行中止」であり「オスプレイの欠陥除去」であり、それが適わないのならば「オスプレイの廃棄処分」を訴えるべきであり、コレは沖縄配備のオスプレイに限った話では無い、筈だ。
であるというのに、当該「沖縄県民大会決議」と来たら、「危険な欠陥機オスプレイ」の危険を「基地周辺の沖縄県民に対する危険」としか捕らえず、考えず、当時でさえ既に沖縄県以外の米軍に配備されていたオスプレイに対し、「沖縄配備反対」するだけ、なのである。
コレは、字面文言は違えども、「沖縄配備だけ反対」であり、その意味するところは「オスプレイに搭乗している米軍将兵(当時)の命も、沖縄以外のオスプレイ配備基地周辺住民の命も、知ったことではない。」という明言断言断定である。
「非人道的なレベルで利己的」としか、評しようがあるまい。
で、そんな「非人道的レベルの利己主義者である沖縄県民」に迎えられたオスプレイが、配備されて10年を経たそうだ。下掲するのは、「オスプレイ配備10周年を記念する、沖縄二紙の社説」である。さて、少なくとも10年前は「非人道的なレベルで利己的」であることを暴露した沖縄二紙は、今はどうなっているか・・・(読まなくても、大凡予想は付くな。)
-
<注記>
-
(*1) 因みに、航空機史上には、一時期「未亡人製造機」とあだ名されながら、後に傑作機として名を残した機種が、少なくとも2機種ある。第2次大戦中の双発中型爆撃機B-26 マローダーと、超音速戦闘機黎明期のセンチュリーシリーズの一つ、ロッキードF-104スターファイターだ。特に後者は、我が国でもライセンス生産されて航空自衛隊に配備され、我が国防空の一翼を担った他、西ドイツなどでもライセンス生産された、押しも押されもしそうにない傑作機に化けた。
-
故に、「未亡人製造機」と呼ばれたからとて、絶望するのは気が早い、と言うべきだろう。
-
-
(*2) この仇名も、先代がいたなぁ・・・第1次大戦機だった、気がする。
-
-
(*3) 自由意志も明らかにはないし、口もきかないから、訴訟も起こさないだろうしな。
(1)【沖縄タイムス社説】[オスプレイ配備10年]強行が政府不信広げた
【沖縄タイムス社説】[オスプレイ配備10年]強行が政府不信広げた
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1033820
2022年10月1日 12:29
「空飛ぶ欠陥機」と呼ばれるMV22オスプレイが、「世界一危険」といわれる米軍普天間飛行場に配備されてから、きょうで10年になる。
沖縄の民意を無視し続ける政権の姿勢が、政府不信を広げている。
配備の約1カ月前の2012年9月9日、宜野湾海浜公園であった県民大会には、計画の即時撤回と普天間飛行場の閉鎖、撤去を求め、主催者発表で約10万1千人が集まった。県議会と全41市町村議会の反対決議を背景に、基地絡みの集会では復帰後、最大となった。
普天間飛行場の返還合意の原点である「危険性の除去」に逆行する配備に、沖縄戦体験者から小さな子どもまで、赤いプラカードを掲げて「レッドカード」を突き付けた。保革の枠を超えた、まさに県民が一体となった訴えだった。
あれから10年。この間、普天間所属のオスプレイは、その呼び名の通り重大事故を繰り返している。緊急着陸、部品落下、そして名護市安部の沖合への墜落事故…。配備後、飛行中に少なくともクラスAとされる10件の重大事故が発生している。
「ドドドドドド」という不快な重低音に、慣れることはない。県民は日々の暮らしの中で、墜落の不安を抱えている。
「これ以上の基地負担を断固として拒否する」と訴えた大会決議に、日米両政府は今も目を向けないままで不条理が続く。
■ ■
日米両政府は普天間飛行場への配備に際し、飛行場への進入や出発経路は「できる限り学校や病院を含む人口密集地域上空を避ける」と規定した。騒音防止協定では深夜早朝(午後10時~翌午前6時)の飛行を「最小限に制限される」と定める。しかし、いずれも形骸化している。
9月26日の日米合同委員会では、MV22が低空で飛行訓練することを合意した。10月18日までの期間中、沖縄を除く日本国内の住宅地の上空を避けた空域で実施するという。日米合意では、日本の航空法に準じ地上約150メートル以上で飛行すると明記しているが、今回はより低い約90メートル以上の空域での訓練になる。
米軍は「運用上」の理由でさまざまな訓練を強行し、日本政府も追認してきた。なし崩し的に沖縄でも低空飛行が常態化する可能性がある。
この10年であらわになったのは、日米合意の破綻だ。
■ ■
MV22だけではない。米空軍の特殊作戦部隊は嘉手納基地に常駐しており、米空軍のCV22が訓練で度々飛来している。さらに、陸上自衛隊のオスプレイV22が沖縄で訓練する可能性もある。尖閣諸島を巡る問題や「台湾有事」を背景に、共同訓練などで日米の軍事一体化も加速する。
復帰50年に合わせ本紙などが実施した県民意識調査では、基地問題で国が「沖縄の声を聞いていない」との回答が7割を超えた。
オスプレイの強行配備を通して見えるのは、軍の論理や政府の都合で犠牲を背負わされる沖縄の姿だ。
(2)【琉球新報社説】オスプレイ配備10年 普天間配備機の撤去を
オスプレイ配備10年 普天間配備機の撤去を
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1592830.html
2022年10月1日 05:00
社説
mail_share
米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場への配備から1日で10年となった。県内ではこの間、普天間配備のオスプレイは墜落や緊急着陸など17件の事故を起こしている。沖縄からの全機撤去を求める。
さらには陸上自衛隊が運用するV22のオスプレイの訓練が県内で行われる可能性がある。これ以上の負担増は断じて認められない。
開発段階から構造的な欠陥が指摘されてきた。県議会は反対を訴える抗議決議を3度にわたって可決するなど、総意として反対姿勢を示したが強行配備された。
普天間のオスプレイは2016年12月に名護市安部で墜落、17年にも豪州で墜落し、18年には機体の一部を落下させるなど事故が相次いでいる。海兵隊のMVと構造や性能が同一である米空軍のCV22について米空軍はことし8月、不具合があるとして約1カ月にわたって飛行を停止した。欠陥機と言わざるを得ない。
オスプレイが事故を起こすと、地元自治体や議会は当然のこととして民間地上空の飛行停止などを求めている。オスプレイ以外の米軍機にも共通しているが、県民の不安が拭い去られないまま米軍の裁量で飛行は再開される。
つまりは県民の求めが一顧だにされない。その不安を増幅させるのは、日米の隠蔽(いんぺい)体質である。オスプレイの沖縄配備については1990年代から両政府が協議を続けてきたが、日本政府は国会で追及されてもひた隠しにしてきた。沖縄配備を認めたのは2010年になってからだ。
CVの飛行停止について海兵隊はMVで同様の不具合を10年の段階で把握していた。12年の沖縄配備前のことだ。県民の命に関わる重大な問題が隠されたまま同機の運用が続けられてきた。空軍が運用を止めた間も海兵隊は飛行を続けた。
普天間のオスプレイは危険なつり下げ訓練や那覇軍港への飛来など沖縄の空をわが物顔で飛び回っている。普天間所属以外にも米空軍、海軍のオスプレイが恒常的に飛来する。さらには陸上自衛隊が運用するV22について吉田圭秀陸上幕僚長は沖縄を含む南西諸島周辺で訓練を行う可能性があることを認めた。理解は得られまい。
県民生活を脅かし、構造的、差別的とも言われる基地問題の根源の一つには主権国家であることが疑われるような日本政府の対米追従の姿勢があり、また一つには航空法など国内法の適用を免じる日米地位協定の欠陥がある。
沖縄だけの問題ではない。普天間のMV22の低空飛行訓練が県外で実施される。沖縄の負担軽減の名目で、住宅地を避けると言うが、そのような飛行は不可能ではないか。欠陥機の飛行に理解は得られないはずだ。国民を危険にさらすオスプレイの普天間飛行場からの撤去と地位協定の抜本改定を強く訴える。
-
(3)予想通りの「非人道的なレベルの利己主義」ぶり
1> 配備後、飛行中に少なくともクラスAとされる10件の重大事故が発生している。
を以て、
2> あれから10年。この間に普天間所属のオスプレイは、その呼び名の通り重大事故を繰り返している。
って断言しちまうんだから、スゴいよなぁ。クラスA事故ってのは、「損失百万ドル以上、ないし死者が出た事故」であり、事故の中では一番重大な事故なんだが、沖縄配備のオスプレイには事故死者が出た事故は無いから、この10件は全部「百万ドル以上の損失」ってだけである。その上、その「オスプレイ沖縄配備の10年間」に、「沖縄県民は、事故死者どころか、負傷者すら皆無」であることには、全く触れていない。
大体、10年間に「クラスAの事故10件」って事は「毎年1件のクラスA重大事故」でしか無い。何度か繰り返しているが、「落ちない飛行機は、飛ばない飛行機だけ。」であり、実際に運用し飛行している飛行機には「墜落事故が後を絶たない」のは当たり前。逆に「墜落事故が後を絶った機体」なんてのは、無い。「飛行機が飛ぶ以上、墜落の危険は、常にある。」のであり、それは何もオスプレイにも米軍機にも軍用機にも限らない。民間機だって、旅客機だって、同じ事だ。
だから、こうした「航空機の危険性」を評価する指標としてよく使われるのは「飛行時間あたりの事故件数」であり、更には「飛行時間あたりのクラスA(重大)事故件数」である。少なくとも後者について、米軍はその所属機の「飛行時間当たりクラスA事故件数」を公表しており、オスプレイのそれは決して高い価ではない。米軍機としては並であり、下手な民間航空会社よりも低いぐらい。「空飛ぶ欠陥機」などと、未だに沖縄二紙は平気で書いてくれるが、左様な根拠は最早過去のモノである。
ま、そんなこと、言うだけ無駄なのだろうけどな。弊ブログでも取り上げた、平安名純代記者の署名記事「崩れた安全神話」だの、沖縄二紙が散々持ち上げた「オスプレイの専門家リボロ氏が指摘する、オスプレイの構造的欠陥」も、チョイと知識のある者(下手すると、中学生レベルだな・・・)から見れば与太記事も良い処。そんな「好都合な専門家」や「恣意的な与太記事」と同レベルで未だに「空飛ぶ欠陥機オスプレイ」とか明記断定しているんだから。
「バカは死ななきゃ治らない」とは、この事だな。」