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反アベ芸人・古賀茂明の「嫌み」かな。ー【週刊朝日】米国激賞の安倍外交の意味
古賀茂明と言えば、元は結構な地位にあった高級官僚。高級官僚という身分を捨てるだか追放されるだかして、「反アベ芸人」になったと、私(ZERO)は認識している。一発芸は、「I am not Abe.」で、この英文で「私は、安倍首相(当時)に反対する。」って意味、らしい。
そりゃこの英文を左様に解釈することも出来ようが、「この世のアベ(安倍、阿倍、安部、阿邊 etc)姓以外の人は、全員(古賀茂明氏含む)”I am not Abe”だろう。」とも突っ込めれば、「喩え安倍晋三首相(当時)に心酔していても、”I am Abe.”と言うのは非常に強力な肯定で、相当に無理がある。であるならば、その非定型たる”I am not Abe.”と言うのは、”強い否定”ではあり得ない、のではないか(*1)。」とも言えそうであり・・・要は「一発芸としても、つまらない。」。まあ、受ける人には、受けるのだろうし、受けたのだろう。
だが、「反アベを売り物にしている高級官僚」ってのは朝日好みであるらしく、週刊朝日に長いことコラムを連載している。(その割には、似た様な境遇の前川喜平は、朝日好みではないらしいが・・・前川喜平が朝日の嫌いな麻布出身だから、かなぁ。)
で、今回は、安倍元首相暗殺を受けて、「米国が激賞する安倍外交」について、何やら言いたい、らしい。
- <注記>
- (*1) この辺は、文法と習慣に依るだろう。「強い肯定、の否定」には「弱い肯定も、含まれる」と考えたから、斯様に表記した。
【週刊朝日】米国激賞の安倍外交の意味
米国激賞の安倍外交の意味 古賀茂明
https://dot.asahi.com/wa/2022071300071.html?page=1
政官財の罪と罰
古賀茂明
2022/07/19 06:00
古賀茂明
筆者:古賀茂明
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古賀茂明氏
古賀茂明氏
参議院選挙終盤に安倍晋三元首相が殺害され、日本全土に大きな動揺が広がった。
安倍氏は毀誉褒貶の多い政治家だが、銃による殺害という悲劇的な最期を遂げたことで、世の中は安倍氏に同情的な雰囲気に支配された。
そのため、臆病な大手メディアの記者たちにとって、安倍氏に批判的なコメントをするのはかなり難しくなり、安倍氏に好意的な報道が圧倒的に多くなったようだ。
例えば、最近かなり広がっていたアベノミクスの失敗、北方領土と拉致問題解決の失敗などへの批判は、今回は触れられても形だけ。全体としてはより前向きなトーンで伝えたいという偏ったメディアの姿勢は明らかだ。
中でも特に気になったのは、「安倍外交」に関する報道だ。北方領土や拉致問題以外については、ほぼ無条件の「礼賛」状態である。日米同盟の強化、集団的自衛権の行使容認、防衛費の増額などの防衛政策の大転換について、批判的な論調は見られない。また、「自由で開かれたインド太平洋構想」を最初に提唱したのは安倍氏だとして、今日のクアッド(米豪印日4カ国の協力の枠組み)や最近発足した新たな経済協力とルール策定を目的とするインド太平洋経済枠組み(IPEF)なども安倍氏の考えが反映されたと喧伝された。
こうした評価の信憑性を高めるために使われたのが、米国政府高官や米国有識者たちのコメントだ。彼らは安倍氏を卓越した国際社会のリーダーだと持ち上げた。これらの報道を見て、安倍氏が世界の中での日本の立場を高め、列強の仲間入りをさせてくれたと誇らしく思った国民も多いだろう。しかし、そこには大きなリスクが潜む。
世界では、普段のニュースに日本が登場することはほとんどなく、日本に関心を持つ記者は極めて少数だ。したがって、安倍氏の評価を書くには、米国政府やいわゆるジャパンハンドラー(知日派と言われるが、その実態は米国が日本を飼いならすことに貢献している人々)が流す最大級の安倍氏への賛辞に頼ってしまう。もちろん、米政府などの安倍氏の評価基準は米国の国益であって日本の国益ではない。
さらに、日本の大手メディアの記者の多くは独立の気概に乏しく、安倍氏殺害事件の直後に安倍氏を批判する勇気はない。また、彼らは米国コンプレックスが強く、米国発のニュースの反対の論を書く勇気もない。逆に、今回のように米国に褒められると、劣等感の裏返しで舞い上がり、安倍礼賛の記事にそれらを引用する。安倍氏の外交・防衛政策は米国から見たら素晴らしい。それを米国の主要メディアが礼賛するのは当然だろう。
以下の点は別の機会に論じることにしたいが、安倍氏のインド太平洋戦略は、米国の対中封じ込め政策と同じ意味を持つ。米中対立の狭間でバランスに腐心するASEAN(東南アジア諸国連合)との連携をより重視する、米国一辺倒ではない戦略もあり得るのだが、安倍氏の政策は無批判のまま高く評価された。
米国から異常なまでの賞賛を受ける安倍外交の継続が、本当に日本の国益にかなうのかどうか。安倍氏が亡くなった後だからこそ、今一度立ち止まって冷静に考えるべきだ。大きな間違いを犯したと後悔することにならないように。
※週刊朝日 2022年7月29日号から
古賀茂明
古賀茂明
古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『官邸の暴走』(角川新書)など
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(2)「安倍首相(当時)が、トランプ大統領の誘いに乗って、対北朝鮮先制攻撃する。」と、この週刊朝日コラムで断定断言していたことを、私(ZERO)は忘れないぞ。
上掲週刊朝日コラムは、要は「安倍外交を米国が激賞するのは、米国の利益だからで、日本の国益にかなっているかを検証しろ。」なのだが・・・どうも、安倍外交を激賞しているのは、米国ばかりでは無さそうだ。インド、台湾、英国、豪州などが、強い弔意と共に安倍外交を(少なくとも)肯定している。これら各国の「強い弔意」が「各国の利益だから(そうである可能性は、当然、ある。)」とするならば、少なくとも安倍外交は「相当の範囲の西側諸国の利益となっている」とは言えそうだ。
無論、外交の目的は国益の追求であり、安倍外交に限らず、外交は、「我が国益にかなうか」と、常に検証吟味するべきである。短期的評価ばかりでは無く、長期的評価を含めて、だ。
で、だ。「反アベ芸人」古賀茂明氏は、安倍外交について安倍首相現役時代にから随分と批判的であり、章題にした様な「安倍首相(当時)は対米追従で対北朝鮮先制攻撃する!」なんて断定断言さえしていた。
- 【週刊朝日】古賀茂明「北朝鮮、シリア 日本の危機が安倍総理のチャンスになる不可思議」
- https://dot.asahi.com/dot/2017040900029.html?page=1
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更には、その対北朝鮮先制攻撃で我が国は「勝利はするが、損害を被り」、その結果「漸く日本国民は安倍政権の危険に気付くだろう」なんて架空戦記じみた「予言」までなしていた。
言うまでも無かろうが、その「予言」は、「尽く」と言って良いぐらいに外れた。安倍首相(当時)は対北朝鮮先制攻撃なぞしなかったし、「トランプ大統領による米軍の対北朝鮮先制攻撃」すら実現しなかった。
別に古賀茂明氏の「架空戦記じみた予言」が「大外れに外れた」とて、大して気にする話では無い。だが、そんな「大外れに外れた予言」までして「安倍外交を非難批判」していた古賀茂明氏が、「米国が安倍元首相を追悼し、安倍外交を激賞するのは、安倍外交が米国の利益だからだ。」と主張するのは未だしも(*1)、「安倍外交が日本の国益に沿ったか、検証すべきだ。」と主張するのは、かなり奇妙だ。前述上記の通り「対米追従の危険な安倍外交」とほぼ断定断言していた、古賀茂明氏が、だぞ。
そんな「気違いじみた」とも言えそうな「安倍外交批判」が、今回の古賀茂明氏記事では随分となりを潜めて、精々が「米中対立の狭間でバランスに腐心するASEAN」と表記することで「ASEANに代弁させている」だけなのは、何故かね?
大外れに外れた「架空戦記じみた予言」を、「無かったこと」にしたい、からかね?
そんなことでは、立派な「反アベ芸人」には、なれないぞ。
ッてぇか、今週に安倍元首相の国葬が済んでしまった後までも、「反アベ芸人」で売れるつもりかね?
ああ、まあ、その時は、「反岸田芸人」だか「反自民芸人」だかに、宗旨替えするのか。売れると、良いねぇ。
- <注記>
- (*1) その主張は、少なくとも部分的に正しいだろう。米国益に反する外交を、米国が褒める謂われは無い。
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閑話休題(それはさておき。)
「安倍外交は、日本の国益から検証すべきだ。」と主張される古賀茂明氏は、あるところまで高級官僚だったのだから、高級官僚時代には、さぞや我が国益を追求されて、いたんだろうなぁ【修辞的疑問文】。