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「片手落ち」かと思いきや、「無責任」らしい。ー【ハフポスト】銃による犠牲者は10年前から約4割増。なぜアメリカの銃規制は進まないのか
銃乱射事件がまた起きたアメリカに対し、「銃規制しろ!」としか言わないアカ新聞各紙社説の「アメリカの歴史と伝統(*1)、及び治安状況を無視した、無責任さ」は、既に何度か弊ブログの記事にしたところ。諄い様だが、私(ZERO)の主張を掻い摘まんで繰り返すと、以下の様になる。
① アメリカは既に、日本とは大違いの銃社会である。
② アメリカに限らず銃規制は、「合法的に所持されている銃」「合法的に取得される銃」を規制するモノであり、「非合法に所持されている銃」や「非合法に取得される(*2)銃」は、「規制出来ない」乃至「規制出来るとしても限定的」である。
③ アメリカ合衆国憲法は、国民の武装権・革命権を明記しており、アメリカ国民には「銃を所持し、武装する権利がある」と、相当広範に考えられている。
④ アメリカの治安状況は、「一般市民の武装化」を不要と出来る程、良好では無い。
⑤ アメリカを、「(日本の様な)銃無き社会」に近づける様な銃規制には、「合衆国憲法に明記された武装権・革命権との何らかの妥協(*3)」と、「一般市民の武装化を不要とする治安の良さ」が、必要条件である。
で、上掲⑤の2つの必要条件を丸っきり無視して、「銃乱射事件は悲惨だぁぁぁぁ!米国は銃規制すべきだぁぁぁぁ!!!」と喚くだけの「アメリカ知らずの日本新聞社説」は、「日本の新聞だから、(ある程度)仕方が無い(*4)。」とも言い得よう。
だが、ハフポストって「アメリカのリベラル系オンラインメディア」(byウイキペディア)であっても、「この程度の記事」だったりする、らしい。
- <注記>
- (*1) ったって、独立して200年かそこらの「歴史と伝統」なんだが、左様な「薄っぺらい歴史と伝統」なればこそ、重視されることもあるのだろう。
- (*2) 窃盗、強奪、密輸入含む
- (*3) 「改憲による武装権・革命権の弱体化乃至剥奪」を含む。合衆国憲法は、日本国憲法とは異なり、改憲された実績がある。
- (*4) 少なくとも全国紙なら、アメリカに常駐記者が居そうなモノなのだが。
(1)【ハフポスト】銃による犠牲者は10年前から約4割増。なぜアメリカの銃規制は進まないのか
【ハフポスト】銃による犠牲者は10年前から約4割増。なぜアメリカの銃規制は進まないのか
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_62b26c25e4b06169ca9f41a4
銃による犠牲者は10年前から約4割増。なぜアメリカの銃規制は進まないのか
銃による悲劇が毎日のように起きているにもかかわらず、銃規制が一向に進まないアメリカ。その理由を知るには、アメリカという国の成り立ちと文化を知る必要がある。
ライアン・ゴールドスティン
ライアン・ゴールドスティン
2022年06月23日 6時0分 JST
カルフォルニア州ロサンゼルスで行われた行進の様子(2022年6月11日撮影)
カルフォルニア州ロサンゼルスで行われた行進の様子(2022年6月11日撮影)Citizens of the Planet Citizens of the Planet/UCG/Unive
6月11日。また、アメリカで銃撃事件が起きた。
それは私の故郷であるシカゴでのことである。NBCによると、シカゴでは週末だけで銃撃事件によって少なくとも6人が死亡、26人が負傷したという。
アメリカにおける銃の犠牲者は、2020年の時点で10年前と比べて43%増加している(米国疾病予防管理センター調べ)。2020年の銃による死亡者は4万5222人で、前年比14%増、5年前と比較すると25%増えている。とくに銃による殺人事件は近年、急激に増加して10年前から75%増、そして、自殺者も増加の傾向にあるという。
アメリカ全土でこうした悲劇が毎日のように発生し、増加傾向にあるにもかかわらず、銃規制は一向に進まない。その理由を知るには、アメリカという国の成り立ちと文化を知る必要があるだろう。
自衛、独立、内戦、奴隷制度
1776年に独立を宣言し、アメリカはイギリスから独立した。詳細は大きく省くが、独立以前、ヨーロッパから新天地を目指してアメリカへ移住した者たちが自衛や狩猟のために銃を使っていた。
また、奴隷貿易によって連れてこられた多くの黒人奴隷が存在した。この奴隷制度を維持するために銃が使われていたという。
イギリスの植民地下にあったアメリカではイギリス政府による税徴収の重圧に苦しめられ、反対運動が起きた。これに端を発し、各地で地域の自衛をしていた民兵が結集し、イギリス軍に対抗、アメリカの独立に至るのである。
さらに、1861年から65年の南北戦争も経験した。自衛、独立、内戦、奴隷制度といった背景が今のアメリカ人の意識を形成しているのではないかと私は思う。事実、アメリカ人の自衛意識は高く、政府に対する不信感は未だ拭えない。
2019年の調査では、銃を所持する理由として63%が身の安全や保護を理由として挙げている。これは前回調査(2017年)と同様の結果で、狩猟と回答した40%よりも多かった。
また、成人の68%が連邦政府に対する国民の不信感を修復することが非常に重要であると回答し、58%がアメリカ人同士の相互の信頼を向上させることも非常に重要だと回答している。
憲法による保障
成人の約半数にあたる48%が銃による暴力を今日のアメリカにおいて非常に大きな問題とみなしているにも関わらず、なぜ銃規制が進まないのか。
それは銃を所持する権利が憲法によって保障されているからである。修正第2条武器保有権は1791 年に成立。「規律ある民兵団は、自由な国家の安全にとって必要であるから、国民が武器を保有し携行する権利は侵してはならない」とある。
憲法を修正するのは簡単なことではない。上下両院の議会において3分の2の賛成を獲得し、さらに50州の3分の2が同意する必要があるからだ。これがいかに難しいことであるかは銃に関する各党の支持者の意識調査にも如実に表れている。
2021年の銃規制に関する意識調査において、共和党支持者の72%は銃をより多くの場所に持参できるようにし、66%が教師や学校関係者が幼稚園から高校までの学校に銃を持参することを支持している。同じ項目に関して、民主党はそれぞれ20%程度である。
現在、上院議会の議席数は民主党50、共和党50。下院議会は民主党222、共和党210である。両党、ほぼ半数の議席ではあるものの、上記の乖離を鑑みればそう簡単にはいかないと思ったが、アメリカが動いた。
最高裁がこの10年で最も重要な判決を
先に発生したテキサス州ユバルデとニューヨーク州バッファローの銃乱射事件が銃規制改革への新たな関心を呼び起こし、6月12日、米国上院の超党派グループが銃規制法に関する原則合意を発表した。
この合意には、危機を経験した人々が銃を入手することを防ぐための条項、DV被害者の追加保護、子どものための精神保健サービスの充実が含まれている。あくまで、連邦法、州法の話であるし、個人的には始まりに過ぎないとは思いつつも、超党派の合意は喜ばしい。
そして、今、最高裁判所は憲法修正第2条において、この10年で最も重要な判決を下すと報じられている。
ライフル協会がニューヨーク州を相手に訴訟を起こし、最高裁においてニューヨーク州が銃を携帯することに厳しい制限を課しているのは憲法違反であると主張、憲法修正第2条について争われている。憲法修正第2条では、銃を所持をする権利については触れられているものの、どのような銃をどれくらい所持してよいかといった具体的なことには触れられていないため、解釈は様々でグレーである。このグレーな部分の解釈に最高裁が触れることとなるのだ。
9人の最高裁判事の構成は保守派6人で、うち3人はトランプ前大統領(共和党)の指名であることから、ニューヨーク州の規制が憲法違反だという判決が下される可能性は高いだろう。
おそらく、この判決の影響は大きく、各地の銃に関する厳しい取り締まりが問い直されることになるかもしれない。とはいえ、共和党(70%)と民主党(92%)と両党が銃の販売には身元調査などを実施するなど慎重な姿勢を見せていることから、憲法改正の可能性は低いが、何らかの新たな抜け道は模索されるだろう。はなはだ皮肉ではあるが、前回取り上げた中絶問題を思い出してほしい。
「連邦法が発効されないのであれば、各州が独自の法律を制定し、認める、限定的に認めるという判断にゆだねることである。ただし、銃刀法のごとく、住む地域によってさまざまな法律が存在することになる」と指摘した通り、各州が独自の法律を制定して限定的ではあるが銃規制は可能だからだ。
銃を所持することに重大な危機感を覚え、その目的が自衛であるならば、銃を所持する以外の方法を検討することはできないのだろうか。社会、文化が変化するには長い時間を要するかもしれないが、私たちはその変化をもたらす力も権利もあるのだと思いたい。
(文:ライアン・ゴールドスティン 編集:毛谷村真木/ハフポスト日本版)
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「銃を持たねばならない治安状況」について全く触れていないのは、何故だろう。
「既に米国の治安は十分良好で、市民の武装化(銃携帯)は不要である。」(即ち、私(ZERO)の「米国治安状況認識」は、誤っている。)か・・・「米国の治安を、米国市民の武装化を不要とするレベルにする目処が立たないため、頬被りして知らんふりしている。」か、何れかであろう。
でまあ、「実際にアメリカに行ったことすら無い」私(ZERO)だが、前者である可能性は到底信じられないから、上掲ハフポスト記事を書いたライアン・ゴールドスティン記者は「米国の治安を、米国市民の武装化を不要とするレベルにする目処が立たないため、頬被りして知らんふりしている。」と思えて、仕方が無いのだが、如何であろうか。
1> 銃を所持することに重大な危機感を覚え、その目的が自衛であるならば、
2> 銃を所持する以外の方法を検討することはできないのだろうか。
3> 社会、文化が変化するには長い時間を要するかもしれないが、
4> 私たちはその変化をもたらす力も権利もあるのだと思いたい。
と、上掲ハフポスト記事は「しめる」のだが、上掲記事で縷々述べられているのは、冒頭の③「合衆国憲法明記の武装権・革命権」とその時代的・歴史的背景、及びそれらが成す「米国の伝統・文化」ばかりであり、上記1>~4>の「しめ」にしても「米国の伝統・文化を変革する可能性」を「信じている」ばかりである。
どうも、上掲ハフポスト記事には「米国の治安状況は、市民の武装化を必要としている。」って認識・意識が、皆無乃至極めて希薄な、様に思われる。(*1)
で、チョイと「ライアン・ゴールドスティン」で検索をかけてみたら・・・
> ライアン・ゴールドスティン(Ryan Goldstein 1971年ー)は米国人弁護士
> クイン・エマニュエル・アークハート・サリバン外国法事務弁護士事務所東京オフィス代表で、
> カリフォルニア州の弁護士資格を保持。
と、ウイキペディアに出て来た。この「ライアン・ゴールドスティン弁護士」が上掲ハフポスト記事を書いた「ライアン・ゴールドスティン氏」と同一人物かには疑義の余地があるが、もし同一人物ならば(*2)、「東京オフィス代表」って肩書きは「日本に定住している」事をかなり強く示唆しており・・・・「銃無き社会で治安も良く、市民の武装化も不要である日本に定住している米国人弁護士が、米国の治安状況を無視して、"米国の社会も文化も変えて、銃規制すべきだ。"と、主張している。」って構図になりそうだ。
かかる構図=情景は、「シュール」と言うよりは、「唾棄すべきレベルの無責任さ」と言うべき、では無かろうか。
上記2>にある「銃を所持する以外の方法での自衛(*3)」ってのも、普通に考えれば「ボディガードを雇う」であり、「自分は銃を持たず、ボディガードに銃を持たせる」であって、これまた「無責任」と言えそうだし、「相当な金持ちしか、できそうに無い、自衛法」である。
斯様に考えてくると、上掲ハフポスト記事は、矢っ張り「相当に無責任な主張」であり、「銃無き社会で治安も良く、市民の武装化も不要である日本に定住している米国人弁護士が、米国の治安状況を(知っていながら)無視して、"米国の社会も文化も変えて、銃規制すべきだ。"と、主張している。」って構図が、現実味を増してくるんだが。
- <注記>
- (*1) ああ、上記3>で言う「社会、文化の変化」に、「治安の(劇的な)向上」が包含されている、可能性が、一応はある。が・・・そうだとすると、上記4>は「治安を(劇的に)向上する力が、米国民にはあると、信じたい。」とも主張していることになる。
- そりゃ「信じる」のは勝手だけどさ。「何を根拠に?」と聞きたくなるし、「米国民に治安を(劇的に)向上する力がある」ならば、「治安は直ちに良くなる」様な気もするんだが。
- (*2) ハフポスト紙(電子版)には、上掲記事寄稿者のプロフィールがあり、どうも、同一人物で間違いないようだ。同年生まれ同姓同名同職業、まではありえても、肩書きも同じって事は、あるまい。
- (*3) あれ?「自衛を目的とした銃の所持」って事象を認めている、じゃぁないか。
- って事は、「アメリカでは、自衛のため、市民が銃を所持する」と言うことを、ひいては、「市民の武装化が必要な治安状況」を、ライアン・ゴールドスティン氏も「知っている」と言うことであり、「既に米国の治安は十分良好で、市民の武装化(銃携帯)は不要である。」って事は、「矢っ張り、無さそう。」ってことだ。
- 寄稿者
- https://www.huffingtonpost.jp/author/ryan-s-goldstein
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- ライアン・ゴールドスティン
- クイン・エマニュエル外国法事務弁護士事務所 東京オフィス代表
- 1971年シカゴ生まれ。 2010年よりクイン・エマニュエル外国法事務弁護士事務所東京オフィス代表。主要取り扱い業務はホワイトカラー犯罪/FCPA、特許や知的財産訴訟、反トラスト、クラスアクション、製造物責任、犯罪捜査、名誉毀損、契約/詐欺紛争などの複雑なビジネス訴訟など多岐に渡る。また、訴訟業務に基づいた最新情報やアドバイスを、日本経済新聞、産経新聞、弁護士誌、日経ビジネス誌、およびビジネス・ロー・ジャーナルの特集記事を含めラジオ番組等、50超の媒体に提供している。 2016年からはCNNサタデーナイトのレギュラーコメンテーターを務めている。