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毎日の遠吠え―【毎日社説】安倍氏「国葬」を決定 なぜ国会説明しないのか
先行記事「安倍首相、国葬至当。反論惨。ー「安倍元首相国葬」決定に対するアカ新聞ども反論社説の悲惨さ。
https://ameblo.jp/zero21tiger/entry-12755035944.html」では、朝日、毎日、東京、沖縄タイムス、琉球新報の「アカ新聞五紙の安倍元首相国葬反対社説」を取り上げ、その「安倍元首相の国葬に反対する理由」を抽出し、「尽く粉砕した」と思っている。結論だけ再掲するならば、以下の通り。
<理由1> 国民を分断するから :既に「分断」されている。後は、先鋭化させないだけ。その為に、国葬の実施ないし中止は、ほぼ無関係。そもそも、「大した分断にはならない」と、私(ZERO)は考えて居る。
<理由2> 内心の自由に反するから/弔意を強制する恐れがあるから:「弔意を強制しない国葬」は可能。「内心の自由に反する国葬」は、一寸想像を絶し、何を言っているのか判らない。
<理由3> 異例の扱いだから :安倍元首相自身が、異例なので、問題ない。
<理由4> 法的根拠が無いから :吉田茂の先例通り、閣議決定で可能。
<理由5> 政治指導者に対する冷静な評価を妨げるから/政権批判を封じる恐れがあるから :意味不明。これも吉田茂の先例から、問題ない。
<理由6> モリカケ桜などの安倍政治批判があるから :「批判の無い政治」なぞ、無い。「賛否が分かれる」のは極普通のこと。
<理由7> 費用を全額国が負担するから :同義反復であり、反対理由失格
で、先行記事で取り上げた毎日社説は、「安倍元首相の国葬に直接的には反対していない」点を特筆大書もしておいた。が、左様な「特筆大書」は、毎日新聞にとって不都合だった、らしい。「安倍元首相国葬反対社説」の「第2弾」が、7/23づけ毎日社説となった、様である。
「様である」と、婉曲表現なのは・・・まあ、実物をご覧いただくが、早かろう。
(1)【毎日社説】安倍氏「国葬」を決定 なぜ国会説明しないのか
https://mainichi.jp/articles/20220723/ddm/005/070/137000c
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オピニオン
朝刊政治面
毎日新聞 2022/7/23 東京朝刊 English version 828文字
【1】 銃撃事件で死亡した安倍晋三元首相の「国葬」を9月27日に行うと、政府が閣議決定した。
【2】 岸田文雄首相が先週、方針を発表して以来、賛否両論が噴出している。だが、なぜ国葬なのか、説明が尽くされていない。
【3】 共産党は「安倍氏の政治姿勢を国家として全面的に公認することになる」と反対し、立憲民主党や日本維新の会は国会で経緯と予算などを説明するよう求めている。
【4】 NHKの世論調査では、国葬実施について「評価する」が49%だった一方、「評価しない」も38%に上った。
【5】 自民党の茂木敏充幹事長は「国民から『国葬はいかがなものか』との指摘があるとは、私は認識していない」と述べた。異論に耳を傾けようとする姿勢が見えない。
【6】 今回の決定を巡ってはさまざまな疑問がある。
【7】 まず、首相経験者の国葬に法的根拠がないにもかかわらず、国会に諮ることなく政府の独断で決めたことだ。
【8】 1967年に行われた吉田茂元首相の国葬では、手続きが問題視された。当時の政権の判断に委ねる閣議決定だったことから、国会で法整備するのが筋だとの声が上がった。
【9】 75年の佐藤栄作元首相の葬儀では、法的根拠がないことを理由に国葬が見送られた。今回は内閣府設置法に記された「国の儀式」として行うというが、政治家の葬儀に適用されたことはない。
【10】 弔意の示し方は個人の内心の問題だ。押し付けにつながらないかとの懸念もくすぶっている。
【11】 吉田氏の国葬では、政府が官公庁などに黙とうを指示し、民間にもイベントなどの自粛を求めた。
【12】 今回、松野博一官房長官は「国民一般に喪に服することを求めるものではない」と語った。学校や自治体、企業などに対する同調圧力が生まれないよう、配慮しなければならない。
【13】 首相は国葬とすることによって「暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示す」と強調している。
【14】 日本の民主主義の基盤は、国民の代表で構成する国会である。国民の疑問に答えるには、政府が国会で説明し、議論することが欠かせない。
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(2)日本政府に代わって答えようか。「説明するだけ、無駄だから。」
さて、如何だろうか。
まず第一に、上掲毎日社説もまた、先行記事で取り上げた毎日社説と同様に「安倍元首相の国葬に、直接には反対していない。」事を、改めて特筆大書すべきだろう。ずいぶんと否定的な表現はあるが「疑問がある」などの婉曲表現ばかりで、「明確に反対」は表明していない。ひょっとして、それこそが、「毎日新聞社の、新聞社としての主張」なのかも知れない。
第二にその「安倍元首相国葬に対する否定的表眼」の「理由/根拠」に「特に真新しいモノがない」事を指摘すべきだろう。
【パラグラフ7】にあるのは、先行記事で言う<理由4>「法的根拠がない」だ。此に続く【パラグラフ8】で「吉田茂元首相告訴の際にも、異論があった。」と書いているのは、幾分かの「進歩」ではあろうが、森羅万象ありとあらゆる事に「異論はつきもの」だから、「異論があった」事は「吉田茂国葬という実績を否定するモノではない」。
更に【パラグラフ9】で「佐藤栄作元首相の国葬が見送られた」事をあげているのも、ある意味「進歩」ではあるが、「国葬を見送った事例がある」と言うだけだ。大半の元首相の死は「国葬可否の議論すら起こらない」のだから、「国葬を見送った佐藤栄作の事例」も「参考にはする」であり、拘束条件ではない。
ああ、「ノーベル平和賞受賞者の佐藤栄作でさえ、国葬にはならなかった。」とか言う議論が、一部にはあるようだが、韓国でも受賞できるような、あるいは「調子の良い演説」だけで受賞できてしまうよな「ノーベル平和賞」なんぞ、「孔子平和賞よりはマシだろう」程度で、少なくとも「国葬になんぞ値しない」。
と言うより、「佐藤栄作如きで、国葬かよ?」ってのが、正直なところだ。安倍元首相に実績で匹敵しそうな戦後首相ったら、吉田茂と60年安保闘争を戦い抜いた岸信介、ぐらいしか私(ZERO)には思い浮かばない。
更に【パラグラフ10】~【パラグラフ12】では、先行記事で言う<理由2>「内心の自由侵害/弔意の強制」に触れてはいる。「安倍元首相国葬に対する、否定的印象を与える表現」ではあるが、ここでもやはり「国葬を直接否定はしていない」し、この<理由2>も先行記事で「撃破済み」だ。
で、【パラグラフ13】は「岸田首相の、テロの屈しない宣言」をただ伝えるだけで、最後の【パラグラフ14】は岸田首相の宣言を「民主主義」つながりで引用しての「国葬と決定したことを、国会で説明しろ。」って結論だ。
言うなれば、上掲毎日社説は、「安倍元首相の国葬に、特に反対はしないが、国会では説明しろ。」という主張。言うなれば、「国葬の手続き論」・・・って形で「国葬反対を、事実上表明している。」と、見たぞ。
ま、安倍元首相の国葬はすでに閣議決定され、日時も場所も決まって諸外国に通知もされている。「安倍元首相国葬反対者」としては「遅滞戦術に切り替えた」ってところ、だろう。何やら「国葬に反対し、国葬予算の執行を差し止める訴訟」なんてのもあるそうだから、「裏で繋がっている」と考えるべきかも、知れない。
まあ、そんな「裏つながり」があろうがなかろうが、日本政府が「安倍元首相国葬の説明を、国会で行う」事は、先ず無いだろう。
理由は、章題にした通りだ。「説明するだけ、無駄だから。」
先ず、先行する吉田茂元首相は、閣議決定で実行された。従って、今次の安倍元首相の国葬をするのに、閣議決定以上のモノは必要ない。「国民に対する説明が必要」ならば、別に国会を介さずとも、声明でも出せば良かろう。大体、どれほどの「国民に対する説明が必要」なんだか。
次に、「国会での説明と議論」に、多大な疑問符がつく。「国会での説明」と言うと、どうしても連想されるのが「モリカケ桜」追求で、再三再四再五再六「説明を求め続けてきた国会」で、どれほどの議論が為されたかというと・・・皆無に近い。毎回のように「疑惑は更に深まったぁ!」と繰り返すだけ。此が、「モリカケ桜」追求限定ならば、「今回の国会で、国葬については真摯に建設的な議論をする」と期待も出来るかも知れない。が、以前弊ブログで記事にした「辺野古地盤軟弱説」に対する共産党の質疑からすると、「モリカケ桜」追求以外でも、類似の「政府説明と野党の対応」が、少なくとも「見られる」のだから・・・とてもじゃないが「今回の国会で、国葬については真摯に建設的な議論をする」とは、想像することすら難しい。
言い換えるならば、「国会で安倍元首相の国葬決定を説明しても、建設的な議論にもならない、と予想される。」であり、恐らくは(9/27に国葬実施、ってのは決まっているのだし)、ある時点で「説明打ち切り」なり「国葬成否の決議」なりを実施する他なくなる。そうすると野党共は「横暴だ!」「独裁だ!!」とか言い出すことも、目に見えている。
だから、「国葬議論国会なんて、開催されないだろう。」と、私(ZERO)は予想する。構想実施まで、もう2ヶ月しかないってこともある。
唯一、「国葬議論国会を開催する、意味/意義がある」としたら、「国葬令の審議」ではなかろうか。いくら国会で議決しても、9月の安倍元首相国葬に「新・国葬令の執行」は間に合わないだろうから、「次の国葬へ向けての準備としての、国葬令」を議論するならば、その材料として今次の安倍元首相国葬決定を説明するならば、意味のある国会となる、かも知れない。
それでも、怪しいけどなぁ。