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疑惑の銃弾ー【沖縄タイムス社説】[金武町民家に「銃弾」]危険な実弾射撃やめよ & 【琉球新報社説】金武町伊芸に「銃弾」 実弾演習を中止せよ
タイトルに取った「「疑惑の銃弾」ってのは、「ロス疑惑」とも呼ばれて、一時期週刊誌やワイドショーを賑わした一連の「疑惑」事件を指す。ナンでも、ある夫婦がアメリカ旅行中にロサンゼルスで銃撃を受け、女房の方が死んでしまい、「失意の帰国」をした筈の夫が、「実は女房を殺していた」って「疑惑」だ。週刊誌やワイドショーの「疑惑」が「疑惑以上のモノにならない」事があるのは、モリカケ桜ばかりではないが、この「ロス疑惑/疑惑の銃弾]も殆ど「疑惑のまま」に終わった(*1)のだが、さて今回の沖縄二紙が社説でも取り上げる「疑惑の銃弾」は、どうだろうねぇ。
- <注記>
- (*1) それでも裁判にはなったから、「公判を維持出来る」ぐらいの「疑惑」では、あった訳だ。
【沖縄タイムス社説】[金武町民家に「銃弾」]危険な実弾射撃やめよ
[金武町民家に「銃弾」]危険な実弾訓練やめよ
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/990476
2022年7月13日 05:00
金武町伊芸区の民家で7日、勝手口のガラスが割れ、銃弾のような物が見つかった。現場は伊芸区公民館近くの住宅地で、米軍キャンプ・ハンセンから直線距離で約330メートルしか離れていない。
沖縄防衛局は、4日から10日まで米軍の実弾射撃訓練実施を金武町と県に通知していた。基地からの流弾である可能性が高い。
誠実さが感じられないのは、米軍の対応である。
金武町の仲間一町長は、発生直後「原因究明まで演習を中止してほしい」と求めた。
だが、在沖海兵隊は「ハンセンで6、7日実施した実弾射撃訓練で使用されたどの火器からも発射されたはずがない物」と発表。「最初の報告から数時間以内に、全ての実弾射撃場が安全対策を備えていることが確認された」などと、早々に基地からの流弾の可能性を否定したのだ。
ならば、どこから飛んできたのか。納得のいく十分なデータは示されていない。
人命に関わることだ。勝手口付近に、人がいたらと思うとぞっとする。
県警は見つかった「銃弾」を、科学捜査研究所で詳しく調べる方針だ。
過去の事件では、県警が米軍の銃弾と特定し基地内への立ち入り調査や同型で未使用の銃弾提供を求めても、応じないケースがあった。
米軍は使用した銃火器の種類や訓練場所などの具体的な情報を全面開示し、県警の捜査に協力するべきだ。
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米軍の流弾事件は、金武町に隣接するキャンプ・ハンセンからの物が最も多い。
深刻なのが伊芸区だ。フェンスの向こうからはパン、パンという乾いた銃声が早朝から夜中まで響く。住民は常に不安を感じ暮らしている。
区のまとめで1956年以降、被弾は少なくとも35件。今回「銃弾」が見つかった民家から半径約50メートル以内に7件も集中する。2008年には、民家の駐車場で流弾とみられる金属片が乗用車のナンバープレートにめり込んでいるのが見つかった。
伊芸区周辺には、キャンプ・ハンセン内で実弾射撃訓練をする「レンジ」が多く存在する。重機関銃であれば、射程は長いものでは6キロ以上とされ、流弾の可能性は近傍のレンジからとは限らない。
米会計検査院は02年の報告で、沖縄のレンジについて銃身や砲身の角度を固定する必要があり、実戦的な訓練が行えないと指摘している。
人的なミスをゼロにすることができないのは、繰り返される事件事故が示している。
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日本政府は、事件や事故が起こるたびに原因究明を米軍に要請するが、協力頼みが実情だ。警察や自治体が基地内へ立ち入り、捜査や調査を尽くせるよう日米地位協定を抜本的に見直すことが必要だ。
米軍の訓練による流弾や跳弾は1972年の日本復帰以降で29件確認されている。狭あいで演習場と民間地域が隣り合わせの沖縄で、実弾訓練すること自体に無理がある。
被弾の危険性がある以上、実弾射撃訓練は全面的に中止すべきだ。
(2)【琉球新報社説】金武町伊芸に「銃弾」 実弾演習を中止せよ
金武町伊芸に「銃弾」 実弾演習を中止せよ
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1549119.html
2022年7月14日 05:00
社説
米軍キャンプ・ハンセンに隣接する金武町伊芸区で7日、銃弾のような物が民家で発見された。
在沖米海兵隊は流弾の関与を事実上否定した。県警による捜査に全面的に協力し、結論が出るまで実弾演習を中止すべきだ。
そもそも、演習場が民間地と隣接するため、これまでも流弾事件が繰り返されてきた。今回、伊芸区で見つかった銃弾が流弾であれば、実効性のある再発防止策として演習場を閉鎖、撤去する必要がある。
発見現場は米軍キャンプ・ハンセンに隣接し、訓練場から約1キロにある伊芸区の住宅。県警によると、6日午後2時~3時ごろ、家主の男性が「ガラスが割れるような音」を聞いた。同日午後10時過ぎに男性が網戸の破損と勝手口ドアのガラスがこぶし大の大きさに割れ落ちているのを確認した。翌日、ドアの下の縁に銃弾のような物が落ちているのに気づいた。
沖縄防衛局が県や金武町などに通知した「演習通報」によると、米軍は4~10日の間、キャンプ・ハンセン内で実弾射撃を実施すると通告していた。
海兵隊は琉球新報の取材に対し、見つかった銃弾のような物は「古く腐食していた」と回答し、直近の6~7日に銃器で発射されたという可能性を否定した。沖縄防衛局は報道発表を出し、塀や網の破損がない点や、銃弾に「さびのようなものが見てとれる」など、疑問点を強調した。県警は銃弾のような物を科学捜査研究所での鑑定に回しているが、結果は出ていない。現段階で日米が「関与外」を強調するのは不可解である。
県によると、1974年以降の流弾事件は確認できただけでも29件に上る。負傷者が出た例もあり、民家や道路に数十発の機関銃弾が撃ち込まれたこともある。事故が起きるたびに米軍は「安全対策がなされた」として訓練を再開してきたが、再発防止は守られていない。
米軍の公務中に発生した事件では、米軍側が第1次裁判権を持つと規定する日米地位協定が県警の捜査を阻んできた。2002年の名護市数久田や08年の金武町伊芸、17年の恩納村安富祖の流弾で、県警は被疑者不詳のまま書類送検する形で捜査を終えている。18年に数久田の農作業小屋で50口径の銃弾が見つかった件の場合、米側は原因を「人為的ミス」と位置付けた上で、流弾と同一の50口径弾を使用した訓練を再開すると沖縄防衛局に通知した。
今年は沖縄の施政権返還(日本復帰)から50年の節目の年だ。岸田文雄首相は5月15日の式典で、沖縄県が求めている日米地位協定の改定については、式辞では触れなかった。なぜ傍観者のような態度を続けるのか。不平等な協定の抜本的見直しに取り組むことこそ主権国家としての責務である。
で、上掲沖縄二紙の社説の元ネタが・・・・
【沖縄タイムス】従業員のわずか2メートル後ろに刺さった流弾 「米軍はお構いなし」と憤る 被弾が集中する沖縄の住宅地
従業員のわずか2メートル後ろに刺さった流弾 「米軍はお構いなし」と憤る 被弾が集中する沖縄の住宅地
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/988933
2022年7月10日 12:26
銃弾や砲弾などの流弾被害が繰り返されてきた沖縄県金武町伊芸区。7日に銃弾らしき物が見つかった場所では過去にも被弾事故が起こっていた。その周囲でこれまで被害が集中していることが分かり、区民らからは怒りや不安の声が漏れた。
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7日に見つかった銃弾らしき物。勝手口の割れたガラスの下に落ちていた=金武町伊芸(読者提供)
今回銃弾らしき物が見つかった住宅のすぐそばに住む男性宅にも数十年前、機関銃の弾が突き刺さった。「これだけ被害が集中していたら怖い。でもあっち(米軍)は全然お構いなし」とため息をつく。
過去に実家の屋根の水タンクが被弾したという男性は「普通の住宅に、まさか銃弾が飛んでくるとは思いもしなかった」と振り返る。「米軍しかいないはずなのに、絶対に認めない。補償も何もない。米軍基地がなくならない限り、ずっと繰り返されるよ」と諦め感を隠さない。
2019年には米軍の照明弾が落下した。現場近くに住む70代女性は「『バンッ』とものすごい音がして、自宅に砲弾が落ちたのかと思って恐怖を感じた。戦後から同じ状態が続いている」と語気を強める。「民家がこれだけ被害に遭っているのだから、田畑に気付かれないまま放置されているものも多いはず」と指摘した。
同区内の「松藤(旧崎山酒造廠)」では1988年、作業していた女性従業員の2メートル後ろに、米軍キャンプ・ハンセン「レンジ6」からの流れ弾が突き刺さった。酒造裏の山林に砲弾が落ち、屋根に破片が落下したこともある。当時役員だった崎山光子さん(91)は「最近は落ち着いたと思ったのに。毎日、危険と隣り合わせ」と声を震わせる。
区民らはこれまで、被害が繰り返されるたびに反対運動を展開してきた。2003年に「レンジ4」への都市型戦闘訓練施設の建設計画が明らかになった時には、さらなる流弾被害を警戒した区民らが猛反発した。反対運動で先頭に立った60代男性は「声を上げても米軍や日本政府は見向きもしなかった。そして今もこんな状況。でも声を上げ続けることしかできない」と苦しい胸の内を明かす。
今回、米軍は訓練との因果関係を否定しており、県警は見つかった銃弾状の物体を詳しく調べている。
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随分と古い銃弾だぞ。
写真を見る限り、銃弾は変形も見られず綺麗な形状のままだが、表面は相当に錆びて、ライフルマークも確認出来そうに無い。少なくとも「弾丸が撃ち込まれたとしても、相当に昔」であり、「弾丸を意図的に置いた、自作自演ないし他作自演=被害演出である可能性]すら示唆している。
「自作自演」は、説明の要もなかろう。何処かから拾ってきたか買ってきたかした「銃弾」を、然るべき場所に置いて、「米軍の銃弾が撃ち込まれたぁぁぁl!」と騒ぐ事。ある種の被害者面であり、これで賠償を求めるなら詐欺罪が成立しそうだが、「騒ぐだけ」なら「罪に問われない」公算大だ。
「他作自演」とは、「銃弾を置いた」主体と「”米軍の銃弾が撃ち込まれたぁぁぁ!”と騒ぐ」主体が、別の場合。両者に連携があれば、「自作自演」の一種だが、「騒ぐ」主体は「完全に善良なる市民」であり、「銃弾を置いた主体に、騙されている」可能性が、ある・・・・一応。
で、改めて記事を良く読むと、問題の銃弾が「見つかった」のは「今月7日」で「勝手口の割れたガラスの下に落ちていた」とご丁寧に写真説明があるが、「銃弾が撃ち込まれてガラスが割れた」とは書いていない。大体、この銃弾は明らかに小銃弾ないし機関銃弾であり、「ガラスに当たれば、穴が開く」のが普通だ。実際、写真に見るとおり錆びた状態であり、「一二週間以内に撃ち込まれたモノ」ではなさそうだ。
それがあらぬか、上掲記事は「この付近で銃弾の被害が集中している」として、その事例を幾つもあげている、のだが・・・
① 住宅に機関銃弾が突き刺さった(数十年前)
② 照明弾が落下した(2019年)
③ 「松藤(旧前山酒造廠)」で女性銃教員の2m後ろに銃弾が刺さった(1988年(*1))
④ 酒造廠の山林に砲弾が落ち、屋根に破片が落下(時期不明)
上記④こそ「時期不明」だが、上記②で三年前に落下した「照明弾」と言うのは基本「花火」であり、「パラシュートでゆっくり落下してくるモノ(そうで無いと、照明効果が低い)」。音がしようが驚こうが、殺傷力は殆ど無く、「火災を惹起する可能性がある」程度。で、「音に驚いた」としか書いてないと言う事は、「この時、照明弾による火災は、発生していない」と言う事だ。
上記③は30年以上前の話(だが、見出しになっている・・・)。銃弾は照明弾より遙かに殺傷力があるが、「2m離れた着弾」では、やはり「驚く」だけだ。「耳元をかすめた」訳でも無さそうだ。
上記①に至っては「数十年前」で、いつだかすら不明で・・・なあオイ、沖縄タイムス記者。この件、チャンと「裏は取った」のだろうな。まさか、「こう言う証言もある」ってだけで、裏も取らずに記事にはしていない、よなぁ。(修辞的疑問文)
多分、沖縄タイムス記者としては、「懸命に同種の被害をかき集めた」のだろう。なればこそ、別に被害を受けた訳でも無さそうな基地反対派にもインタビューして、その主張をそのまま記事にしている。
そもそも、今回「発見された銃弾」は「いつ撃ち込まれたか、すら不明」であり、「撃ち込まれたのでは無く、置かれた可能性」すらあろう。にも関わらず、「撃ち込まれた銃弾である」事を前提にしての、上掲沖縄二紙社説である。チョイと穿った見方をするならば、上記③以降(上記②はパラシュート落下の照明弾なので、数えない)「30年間以上、流れ弾が発生していない」事に業を煮やした「基地反対派」が「銃弾を持ち込んだ/投げ込んだ(*2)」可能性すら、考え得るのに、だ。
こんな「事実」と、こんな「記事」を元にしての、上掲沖縄二紙社説「実弾訓練を中止しろ」社説、である。
「沖縄は、強請の名人だ。」って説があるそうだが、少なくとも沖縄二紙については、「全くその通り」であろう。
- <注記>
- (*1) で、この30年以上前の事例が、見出しになっている。凄まじいな。
- (*2) 上掲社説の中では「銃弾の腐蝕/錆」って指摘は「米軍の言い逃れ」扱いなんだが・・・一体、あの写真を見た沖縄二紙の記者の目には、どんな「銃弾」に映っているのだろうか。
- 一番ありそうなのは、「基地反対派が、銃弾を投げ入れて、ガラスを割り、それを沖縄二紙が大きく取りあえげて、騒いでいる」という、ある種の「自作自演」だろう。