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美事なオチ-【毎日社説】危機高まるウクライナ 外交的解決へ露は撤兵を
「近未来戦記」とも言うべきある種のSFが、出版業界を賑わした頃があった。「架空戦記」の一変形で、過去に会った史実の戦争では無く、近未来に起こり得ると想定された戦争を舞台とした、主として小説で、相応に数が売れたので「出版業界を賑わした」のである。
「相応に数が売れた」せいもあろうが、端的に言って玉石混淆で、中には「箸にも棒にもかからない様な小説」もままあったが、そこは「日本の出版業界」であるから(と言うより、「外国の出版業界」がどうなっているかなんて、私(ZERO)は知らない/知らなかった。)、「日本を舞台にした近未来戦記」が大半を占め、我が国が戦争ないし戦争の危機に見舞われる設定の小説も多かった。
そんな「近未来戦記の中で、戦争(ないし戦争の危機)に見舞われた我が国・日本」に於いて、「日本国内の反戦平和運動は、この戦争(ないし戦争の危機)に対して、全く何の影響も与えなかった。」という描写が散見されたモノである。理の当然ではあるが、「殆ど生まれながらの右翼」たる私(ZERO)には、「実際の戦争(ないし戦争の危機)に対し、全く影響力を持たない日本の反戦平和運動」と言うのは、相当に説得力があり、納得のいく描写・設定であった。
逆に「反戦平和運動のお陰で、平和になった」なぁんて描写は・・・ああ、「日本の反戦平和運動」ではないが、「Future War 198X」とか言うアニメにそんな描写があったな。
ソ連内のクーデター騒ぎで権力を握ったソ連赤軍強硬派が第3次大戦を始め、米ソ両大国による戦略核兵器ぶつけ合いまで発展するが、両国の被害の大きさに前線の両軍兵士が(驚くべき事に両軍同時に)任務放棄(*1)を始めて戦闘は停止し、「戦争が終わる」ってシーンがあった。当然ながら斯様な描写・設定は、私(ZERO)に対しては説得力皆無で、余りに「好都合なストーリー」に呆れ返った覚えがある。
前線の将兵に厭戦気分が蔓延したぐらいで「戦闘が停止する」なんて事は、一時的局地的なら未だしも、普通は「無い」。場所は戦場である。勝手な「戦闘停止」は(前述の通り)処罰=銃殺刑の対象であるし、一方的な「戦闘停止」は「戦闘停止した側に対する大虐殺」を惹起しかねない。
更にその戦闘停止が「拡散」して、「戦争が終わる」なんてのは、妄想夢想は兎も角、「人類史上未だ嘗て無い事態」である。
全面核戦争もまた「人類史上未だ嘗て無い事態」であるから、「未曾有の事態は未曾有の事態を惹起しうるのだから、”全面核戦争”が "両軍同時戦闘放棄による平和”を惹起しうる。」というロジックは「一応成立」しそうではあるが・・・少なくとも私(ZERO)に対する説得力・訴求力はかなり低く(当時も低かった(*2)、「納得いく」には程遠いモノがある/あった。
だが・・・下掲毎日社説記者の「現状認識」とか「戦争観」とかは、アニメ「Future War 198X」に近いモノがある、らしい。
- <注記>
- (*1) 言うまでも無いがコレは敵前反攻であるし、敵前逃亡の可能性さえある。どちらも軍法に従えば、「その場で銃殺」に値する大罪だ。
- (*2) まぁだガキンチョの頃だったと思うんだがね。事、国防安保に関しては、チョイとひねたガキだったんでね。
【毎日社説】危機高まるウクライナ 外交的解決へ露は撤兵を
https://mainichi.jp/articles/20220222/ddm/005/070/097000c
朝刊政治面
毎日新聞 2022/2/22 東京朝刊 English version 816文字
ウクライナ危機が深刻さを増している。国境周辺に展開するロシア軍部隊がかつてない規模に膨らんでいるからだ。
ベラルーシでの合同演習に参加した3万人の部隊は終了後も撤収せず居残り続けている。
危険水域まで高まった緊張を緩和するため、ロシアは直ちにウクライナ国境付近から軍を撤収させなければならない。
ウクライナ東部では、政府軍と親ロシア派武装勢力の双方が砲撃を激化させている。24時間で1500回を超える停戦違反があったとの報告もある。
2014年と15年の2度にわたり、独仏露ウクライナの4カ国は「ミンスク合意」と呼ばれる停戦合意をまとめた。東部地区に「特別な地位」を与え、自治権を拡大することが盛り込まれたが、ウクライナ政府が無視し、ロシアが反発している。
東部での偶発的な衝突を口実に、ロシアがウクライナ侵攻に踏み切るような事態を招きかねない情勢だ。
バイデン米大統領は「プーチン露大統領がウクライナに侵攻する決断をしたと確信している」と述べた。
米側は情報戦によって、ロシアの侵攻をけん制する狙いがある。だが、東部の親露派は反発を強めており、露大統領府は「東部でのわずかな挑発も深刻な結果を招きかねない」と警告した。
外交交渉により事態収拾を図る取り組みも続いている。
解決へ向け、フランスの仲介で米国とロシアの首脳会談が模索されている。
首脳会談に先立って24日にも予定される米露外相会談が実現するかどうかが、今後を占う試金石となりそうだ。
東部に安全を取り戻すための実務的な取り組みも必要だ。
停戦監視に当たる全欧安保協力機構(OSCE)に加え、独仏露ウクライナが再び話し合いのテーブルに着き、有名無実化した合意を立て直さなければならない。
まずはロシア軍が引き、外交交渉に真摯(しんし)に取り組むべきだ。
自国の主張が聞き入れられないからといって、軍事的圧力をかけ続ける姿勢は、大国としての責任を放棄しているのに等しい。
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お前(毎日新聞社説担当記者)、一体何歳(いくつ)だよ?
1> 自国の主張が聞き入れられないからといって
2> 軍事的圧力をかけ続ける姿勢は、
3> 大国としての責任を放棄しているに等しい。
・・・「小国ならば(例えば、北朝鮮ならば)、軍事的圧力をかけ続けても良いのか?」とか、「大国が軍事的圧力をかけ続けるなんて、良くあること。冷戦時代というのは米ソ両大国が互いに軍事的圧力をかけ続けていた時代ではないか?」とか、「そもそも、”大国としての責任”って何で、その責任を果たしている大国はどこか?あるのか??」とか、ツッコミ所満載の上掲毎日社説最終パラグラフである。
詰まるところは、最後の「ツッコミ」に尽きる様だ。「軍事的圧力をかけ続けない(*1)のが大国の責任」という主張は、「大国は、軍事的圧力をかけ続けるべきではない。」と言う前提が無いと成立しそうに無い。だがその前提は、願望希望としてはありそうではあるが、そんな「架空の大国」を前提にしてしまえるのは、「平和を愛する諸国民」なんて虚構に我が国の安全を付託できてしまえる「憲法変えちゃぁいけない教徒」ぐらいではないかな。
まあ、毎日新聞は隠れも無い「憲法変えちゃぁいけない教徒」であるから、「平和を愛する諸国民に我が国の安全を付託する」のも、「大国は軍事的圧力をかけ続けるべきではない事を前提にする」のも、朝飯前なのだろうさ。
だ・が・・・
「『大国は軍事的圧力をかけ続けるべきではない』と考える大国」なんてモノを、私(ZERO)は知らない。米国は大国の中では「理想を追い求める方」だと思うんだが、一時は「禁酒法」を執行して「飲酒の無い社会」を追求した実績のある米国でさえ「大国は軍事的圧力をかけ続けるべきではない」と考えている/考えて居たとは全く思えない。
況んや、中国やロシアが「大国は軍事的圧力をかけ続けるべきではない」と考えている、なんて、想像するだけでも難しい。
言い替えるならば、ウクライナ危機の当事国であるロシアが、「大国は軍事的圧力をかけ続けるべきではない」と考えている、訳が無い。
つまり、タダひたすら「ロシアはウクライナから撤兵しろ。」と主張するだけの上掲毎日社説は、その主張を、「大国は軍事的圧力をかけ続けるべきではない」と言う前提のみによっており、私(ZERO)に対しても、恐らくはロシアに対しても、全く説得力が無い。
喚いている、だけ。
コレで、日本屈指の発行部数を誇る全国紙の、社説であり、新聞社としての公式公的な主張である。
ひょっとすると上掲社説は、毎日新聞無いし毎日新聞記者の「悲痛な叫び」なのかも知れない。だが、「悲痛かも知れないが、叫びでしか無い社説」では、自己満足以上のモノにはなるまいよ。
- <注記>
- (*1) 「かける」だけ、「短期間の軍事的圧力」は「容認している」とも取れるんだが・・・