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ゲスをつけ上がらせるな。-【毎日社説】世界遺産と佐渡金山 文化の政治利用を危ぶむ + 【朝日社説】佐渡金山遺産 謙虚に伝える調和こそ
タイトルに取った「ゲスをつけ上がらせるな。」というのは、クリント・イーストウッド主演の(一応)戦争映画「ハートブレイクリッジ(*1)に於ける、イーストウッド演じるトム・ハイウエイ軍曹の名科白「ゲスを喜ばせるな。」を捩ったモノ。この映画で歴戦の古参軍曹(*2)で訓練教官(って事は、鬼よりコワーイ教練軍曹Drill Sergent)であるハイウエイ軍曹は、問題児だらけの落ちこぼれ分隊を鍛え上げて、その実力を実戦(グレナダ侵攻)で発揮させるのだが、その「落ちこぼれ分隊鍛え上げ」の一環がこの名科白「ゲスを喜ばせるな。」
この名科白に闘志を取り戻した部下の兵は一念奮起。今にも倒れそうだったのが「Recon!(俺たちゃ、偵察隊だ!!)」と叫んで再び走り出す。
この映画で「ゲス」と呼ばれているのは、威張るばかりで無能な上官だったが、今回のタイトルで言う「ゲス」が誰かは、まあ、言わぬが花、だろう。
- <注記>
- (*1) でも、戦闘シーンは終わりの方に一寸だけ。大半は訓練シーン
- (*2)「011=零勝一敗(ベトナム戦争)一分け(朝鮮戦争)」と呼ばれているから、1950年代初頭から現役だ。
- 元海兵隊員(確か、ランディさん)’が(ペラペラの日本語で)このトム・ハイウエイ軍曹の軍歴を胸の略綬から解読・解説するって動画が、Youtubeにあったな。
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【毎日社説】世界遺産と佐渡金山 文化の政治利用を危ぶむ
【毎日社説】世界遺産と佐渡金山 文化の政治利用を危ぶむ
世界遺産と佐渡金山 文化の政治利用を危ぶむ
https://mainichi.jp/articles/20220201/ddm/005/070/104000c
朝刊政治面
毎日新聞 2022/2/1 東京朝刊 English version 834文字
新潟県にある「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録を目指し、政府が推薦を決めた。
17世紀に世界最大級の金の産出量を誇った二つの鉱山遺跡で構成される。金の採取から精錬まで手作業で行われていた時代の遺跡は世界的にも珍しい。
政府は当初、今年の推薦を見送る方針だった。「多くの朝鮮人労働者が働かされた事実をないがしろにしている」という韓国の反発を踏まえた判断だ。
しかし安倍晋三元首相ら自民党保守派から「弱腰」との批判を受けると、岸田文雄首相が方針を転換した。7月の参院選を念頭に保守票を意識したのだろう。
韓国の反発の背景には、2015年に登録された「明治日本の産業革命遺産」を巡る経緯がある。
日本は登録に際し、戦時中に朝鮮人労働者が意に反して働かされたことを説明すると世界遺産委員会で約束していた。だが委員会は昨年、日本が約束を守っていないと「強い遺憾」を表明する決議を採択した。
こうした経緯を考えれば、今回の推薦に先立ち、韓国の理解を得るよう努力するのは当然だった。
しかも日本は近年、登録に当たっては関係国の理解が不可欠だと主張してきた。今回の推薦は、これに矛盾している。
「世界の記憶」(世界記憶遺産)を巡っては昨年、関係国から異議が申し立てられれば登録に向けた手続きを中断する制度が導入された。中国の「南京大虐殺の記録」登録に反発した日本が働きかけたものだ。
文化遺産についても、推薦書の提出前に当事者間で対話すべきだという作業指針が採択されている。そうした手順を踏まずに手続きを進め、結果として登録が危ぶまれる状況になれば、地元の思いを裏切ることにもなる。
世界遺産は人類が共有すべき普遍的価値のある文化財を保護する仕組みだ。安倍氏は「(韓国から)歴史戦を挑まれている」とフェイスブックに書き込んだが、歴史認識に関する摩擦を持ち込むべきではない。
近隣国との対決姿勢を演出する思惑で文化を政治利用するような振る舞いは、むしろ国益を損ねるものである。
【朝日社説】佐渡金山遺産 謙虚に伝える調和こそ
佐渡金山遺跡 謙虚に伝える調和こそ
https://www.asahi.com/articles/DA3S15191689.html?ref=pc_rensai_long_16_article
2022年2月2日 5時00分
世界遺産は、その普遍的な価値を国際社会と共有し、後世に伝えることに意義がある。国際機関との約束を果たさぬままでは、日本の姿勢が問われる。
来年の世界文化遺産登録をめざし、政府は佐渡金山遺跡(新潟県佐渡市)を国内候補として推薦することを決めた。
世界の鉱山で機械化が進んだ16~19世紀に手工業で金を生産した点などを、文化審議会が評価した。国連のユネスコで登録すべきかどうか審査される。
岸田政権は当初、見送りを検討した。韓国政府が、戦時中の朝鮮半島出身者の「強制労働」を主張しており、登録の難航を予想したためだ。だがその後、安倍元首相ら自民党内の反発などに押され、推薦に転じた。
この曲折の背景には、7年前にユネスコで登録された「明治日本の産業革命遺産」の問題がある。このときも韓国が強制労働問題を提起し、紛糾した。
日本政府は「意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者らがいた」と認め、犠牲者らを記憶にとどめる措置をとることを約束した。
だが、ユネスコの委員会は昨年、いまだ日本の措置は不十分だとして「強い遺憾」を全会一致で決議した。12月までの報告を日本政府に求めている。
佐渡金山をめぐり政府内で慎重論が出たのは、審査で「強制労働」に焦点があたり、当時の約束の問題が蒸し返される可能性があるためだ。
それだけではない。「世界の記憶」(旧記憶遺産)では「南京大虐殺の記録」が登録されたのを機に、加盟国が反対すれば登録されない制度に変わった。推進したのは日本である。佐渡金山の登録を強引に進めれば、主張の整合性がとれなくなるという事情もあった。
どんな世界遺産も複雑な歴史が絡み、評価は光と影がある。負の側面をめぐる指摘には謙虚に向き合い、加盟各国と遺産の価値を多面的に認め合う調和の姿勢を日本は心がけるべきだ。
岸田首相は、冷静かつ丁寧な議論が求められるとし、民間の専門家の知見も積極的に活用する、と語っている。
ならばまず、民間専門家たちが「偏向」を指摘する「明治日本」の展示施設を改善する必要がある。ユネスコの決議による指摘を軽視してはならない。
同時に、韓国との対話を急ぐべきだ。世界遺産のみならず、徴用工問題など課題は山積しているが、岸田政権と韓国政府との本格協議は滞ったままだ。
両国の摩擦の余波は文化、経済などに広がる。国連機関での論争に奔走するより、近隣外交を再生するのが先ではないか。
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「南京大虐殺」も「佐渡金山の朝鮮人強制労働」も、事実ではない。
「世界遺産は、事実史実に基づい登録すべきである」という点に於いて、日本政府の主張は何らブレていない。
上掲毎日社説も、朝日社説も、「佐渡金山の世界遺産登録で韓国と揉めるよりも、日韓関係を改善しろ。」という主張である。
日韓関係が「戦後最悪」と言われる状態に至った経緯も責任も全く無視した暴論であり、例によっての「何でも良いから、日韓関係を改善しろ」って論理。平たく言えば、「日韓関係改善ために佐渡金山の世界遺産登録はするな。」であり、更には「日韓関係改善のために日本政府は譲歩しろ。」って主張の「婉曲表現(でもないな・・・)」である。
ふざけるなよ。
先ず、再三繰り返す通り、日韓関係は「悪化している」のではない。「戦後最悪」というのは多分事実だろうが、この先未だ悪くなるし、悪くしかならない。「戦後最悪」と言うのは、「現時点で戦後最悪」でしかない。
日韓関係は、「悪化している」のではない。
日韓関係は、「終わっている」のである。
日韓関係を「終わらせた」のは、徹頭徹尾、一点の疑義の余地無く一片の情状酌量の余地も無く、韓国である。日韓両政府が合意した慰安婦合意に基づく慰安婦財団に韓国側負担金10億円を出さないまま財団解散して日本側の供出した負担金10億円をネコババした上、長いこと日韓関係の基盤を成してきた日韓基本条約に反する「自称・徴用工に対する日本企業への賠償命令判決」を「三権分立」と称して放置した時点で、「条約も合意も守らない韓国政府」というのは決定的となり、「日韓関係を終わらせた」のであり、「終わったまま」なのである。
コレに加えて、韓国海軍軍艦が我が海自哨戒機に対して射撃管制レーダーを照射するという愚挙を為した上、その事後処理で「しらばっくれてなかったことにした」(*1)事件や、貿易管理の不備からフッ化水素等の日本からの輸出に関して韓国のホワイト国指定を解除した(つまり、特別扱いを辞めて、普通の国扱いとした。)ことを「貿易侵略」「貿易戦犯」だの騒いで「日本不買運動」を始めた(今でもやっている、筈だ。)事件。当時現職の国会議長だった「大統領ではない」文ナントカの「昭和天皇には、慰安婦謝罪の意思があった」と称する文字通りの妄言(と、コレに対する韓国政府及び韓国民の擁護)も、忘れてはいけないな。
これら、韓国政府及び韓国人の「言動」が、「日韓関係を終わらせた」のである。
かかる日韓関係悪化の経緯と責任問題無視して、タダ「日韓関係を改善しろ=日本政府は韓国に譲歩しろ。」ってのが、上掲毎日&朝日社説の主張は、言語道断と言うべきだろう。
さらには、此処が多分一番肝腎なところだと思うのだが、日本としては、「日韓関係は、終わったままで、構わない。」のである。
対北朝鮮だとか対中国だとかで「日韓連携が重要」って説も散見されるが、既に半分(以上?)北朝鮮にも中国にも取り込まれている韓国が、今更対北朝鮮や対中国で「日本の役に立つ」などとは全く思えないし期待できない。「役に立たない」だけなら未だマシな方で、「タイミング良く向こう側に寝返る」事だって、十分あり得よう。
言い替えれば、対北朝鮮や対中国で「全然信用できない」韓国は、「味方にするよりも敵側に廻っている方が有り難い」ぐらいの存在である。
ま、そんなことも上掲毎日&朝日社説は無視ないし軽視している。タダ「日韓関係を改善しろ=日本政府は韓国に譲歩しろ。」と主張するのだから、こりゃチョウセンジンには好都合だ。
- <注記>
- (*1) 有り体に言って、レーダー照射事件直後にその意図を国際無線で問い合わせた当該海自哨戒機に対し、「誤操作」とか「誤作動」とか言い訳していたら、本件は「事件」にすらならなかった、と思われる。
- 当該海自哨戒機の問い合わせを無視し、その後、「悪天候のためにッ全てのレーダーを使って遭難者を捜索していた」と言ったと思ったら「射撃管制レーダーは作動させていない」と言い出した上にさらに、「海自哨戒機が低空威嚇飛行した」と主張し、この主張で韓国政府も韓国海軍も通している。
- って事は、仮に「射撃管制レーダー照射」が誤動作誤作動だったとしても、その事後防止策は全く採られていない、と言うことであり。更には、事後承認である可能性は未だ残るモノの、「韓国海軍軍艦の海自哨戒機に対する射撃管制レーダー照射」を、韓国海軍上層部も韓国政府も許容した、と言うことである。
- 直後の韓国の「言い訳」が二転三転した事が、辛うじて「韓国政府及び韓国海軍上層部の意図を受けての射撃管制レーダー照射」という可能性を否定しているが・・・・それだって、「怪しいモノ」である。
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付け上がるゲス
時系列的に、上掲毎日&朝日社説を「受けて」のことではなかろうが、韓国の左翼系新聞ハンギョレが、下掲の社説を掲げている。
あ、逆か。下掲ハンギョレ社説に呼応して、毎日&朝日が上掲社説を掲げたと言うのが、「時系列的には正しい」かな。
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【ハンギョレ社説】日本は佐渡金山の世界遺産推進強行に伴う寛一関係悪化に責任を負うべき
日本は佐渡金山の世界遺産推進強行に伴う韓日関係悪化に責任を負うべき
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/42428.html
1/30(日) 7:09配信
日本政府が日帝強占期(日本による植民地時代)に朝鮮人強制労働の被害現場である「佐渡島の金山(佐渡金山)」のユネスコ世界文化遺産登録申請を強行することにした。岸田文雄首相は28日夕方、佐渡金山の世界遺産登録推薦について「本年申請を行い、早期に議論を開始することが登録実現への近道であるとの結論に至った」と発表した。
日本政府が2015年に軍艦島(端島)をユネスコ世界遺産に登録する際に強制動員の歴史について知らせるという約束も守っていない状況で、佐渡金山の登録申請まで強行することにしたのは、韓日関係を再び「歴史戦」に追い込む無責任な行動だ。佐渡金山は太平洋戦争中に約2千人の朝鮮人が強制労働に動員された悲劇の現場であるが、今回の推薦書は対象期間から日帝強占期を除外した。強制動員の歴史を覆い隠そうとする姑息なやり方だ。
今回の登録申請を、安倍晋三元首相をはじめとする自民党の極右勢力が強く主張した点も、韓日関係に暗い影を落としている。岸田政権はこれまで、韓国の反発を意識し、登録申請を来年に先送りする案を考慮するなど、比較的慎重な態度を示してきた。昨年4月、日本の強い要求で、「世界の記憶」(世界記憶遺産)の登録の際、加盟国が反対した場合ひとまず審査を中止し、期限を定めず当事国間の話し合いを続ける新制度が導入された点も、日本側の態度に影響を及ぼした。日本軍「慰安婦」関連記録物が「世界の記憶」に登録されるのを防ぐために導入した同制度により、佐渡金山が世界文化遺産に登録される可能性が低くなったと判断したのだ。ところが、安倍元首相が26日、フェイスブックに「(韓国側に)歴史戦を挑まれている以上、避けることはできない」という書き込みを残し岸田政府に圧力をかけたことで、岸田首相も立場を変えざるを得なかったと日本のメディアは報じている。岸田政権は登録申請を見送った場合、5月の新潟県知事選挙や7月の参議院選挙に影響を及ぼしかねないという国内の政治的状況も考慮したものとみられる。
日本の政界で「反韓」や「嫌韓」を主要動力とする極右勢力の影響力が大きくなったのが、ここ数年で韓日関係が最悪の状態に陥った主な原因の一つだ。日本の佐渡金山の登録申請の強行は、強制動員と「慰安婦」被害者に対する謝罪と賠償問題、日本の輸出規制などに続き、韓日関係をさらに深い泥沼に陥れることになるだろう。日本政府は、佐渡金山を世界文化遺産に登録しようとする試みを直ちに中止し、軍艦島の強制動員の歴史を正しく伝えるという国際社会との約束をまず履行しなければならない。
(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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端的に言って、「ダメだコリア」
上掲ハンギョレ社説の言わんとする所は、「日韓関係悪化は日本の責任だ。先ず長崎軍艦島で“朝鮮人強制労働”を明確に展示しろ。」である。
有り体に言って、話にならない。日韓慰安婦合意も、日韓基本条約も、「韓国が反故にしたのは正しい。」と思っているらしいのだから、話にならない。
- 1> 日本の政界で「反韓」や「嫌韓」を主要動力とする極右勢力の影響力が大きくなったのが、
- 2> ここ数年で韓日関係が最悪の状態に陥った主な原因の一つだ。
- 3> 日本の佐渡金山の登録申請強行は、強制動員と「慰安婦」被害者に対する謝罪と賠償問題、日本の輸出規制などに続き、韓日関係をさらに深い泥沼に陥れることになるだろう。
等と、上位系ハンギョレ社説は最終パラグラフで「抜かしている」。どうやらチョウセンジンは、相当部分の日本人の堪忍袋の緒を切り、敵に回している事に、未だ気が付いていないらしい。「極右勢力の影響力が大きくなった」程度の認識なのだから、な。
まあ、チョウセンジンが左様な認識であるならば、目出度く日韓関係は断行へと向かうだろう。これぞ正に、真の意味での「日韓国交正常化」である。
約束も合意も守れない様な相手とは、最早国交自体が成立しないのだから、日韓断行=日韓国交断絶こそが、日韓関係正常化なのである。