• 不都合な真相(推定含む)-赤木裁判終結に騒ぐアカ新聞各紙社説

 森友文書問題を巡って自殺に追い込まれた赤木さんご遺族が起こした裁判が終結した。ご遺族は「赤木さん自殺に対する国家賠償を求めた訴訟」を起こしており、その賠償に国が応じる事を決めたから、だ。

 「国家賠償を求めた訴訟に対し、国が賠償に応じた。」のだから、裁判が結審するのは欠伸も出ないぐらいに理の当然だ。が、それでは不都合なのがアカ新聞どもであるから、下掲の社説を掲げている。
 
 報じられている所では、赤木さんご遺族も、この結審を不服としているそうであるが・・・「同じ穴の狢」との疑義は否めないな。

①【朝日社説】赤木さん裁判 真相への道を閉ざすな

②【毎日社説】森友の国賠訴訟 解明封じの卑劣な幕引き

③【東京社説】森友訴訟幕引き 裁判でも「隠蔽」なのか





①【朝日社説】赤木さん裁判 真相への道を閉ざすな

  • ①【朝日社説】赤木さん裁判 真相への道を閉ざすな

赤木さん裁判 真相への道を閉ざすな

2021年12月17日 5時00分

 

 追及を逃れるためなら何でもするということか。人間の尊厳を踏みにじるような政府の対応に、強い憤りを感じる。

 

 森友学園問題で公文書の書き換えを命じられ、自死した財務省近畿財務局の元職員赤木俊夫さんの妻雅子さんが起こした裁判が、実質的な審理に入らないまま終結した。被告の国が雅子さん側の言い分を認め、請求された約1億700万円全額を支払うと表明したためだ。

 

 雅子さんは賠償金が目的ではなく、夫が死に至った真相を知りたいとの思いから提訴した。だが、国の「認諾」により、関係者の証人尋問などは行われないことになった。佐川宣寿(のぶひさ)・元同省理財局長を相手取った裁判などは残るものの、司法の場を通じた解明の道は大きく狭まった。雅子さんが反発し、悔しがったのは当然だ。

 

 鈴木俊一財務相は「いたずらに訴訟を長引かせるのは適切ではないと判断した」などと、雅子さんの心身の負担に配慮したかのような発言をした。白々しいにもほどがある。

 

 真に反省しているのなら、政府内でいかなる検討をし、どんな事実を認定したうえで、俊夫さんの死について「国の責任は明らか」と結論づけたのか。これまで法廷で争ってきた前提の、どこがどう変わったのか。詳細を明らかにするべきだ。

 

 賠償金は税金から払われる。特定の個人の言動に故意や重大な過失があったのなら、その者に求償する必要もある。納税者が納得できる説明を求める。行政を監視する国会は、その責務を果たさねばならない。

 

 問題発覚以来、安倍・菅政権の対応は国民の不信を呼んだ。

 

 裁判でも、改ざんの経緯を俊夫さんがまとめていたファイルの提出を拒み続け、俊夫さんの公務災害認定に関する文書は大半を黒塗りにした。第三者でつくる総務省の審査会が違法と断じ、先月ようやく開示した。これが財務相にかかると、「必要な資料を裁判所に提出するなど真摯(しんし)に対応してきた」ことになるのだから、あきれる。

 

 岸田首相の責任は重い。

 

 きのう国会で森友問題に対する姿勢を改めて問われ、「説明責任を果たしていく」と答えたが、財務省が3年前に報告書を出していることなどを理由に、再調査に否定的だ。しかし今回の「認諾」は、当時の調査の欠陥を示すものではないのか。

 

 国有地を大幅値引きして学園に売却したのはなぜか。安倍元首相が関与を否定した直後に、改ざんが始まった理由は何か。多くの疑問がなお残り、岸田首相がいう「民主主義の危機」もまた、自身のあいまいな態度によって一層深まっている。


 

  • ②【毎日社説】森友の国賠訴訟 解明封じの卑劣な幕引

森友の国賠訴訟 解明封じの卑劣な幕引き

  

https://mainichi.jp/articles/20211217/ddm/005/070/066000c

 

毎日新聞 2021/12/17 東京朝刊 English version 830文字

 真相解明を封じる身勝手な幕引きは許されない。

 

 学校法人「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざんに関連し、自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さんの妻が国などに損害賠償を求めた訴訟だ。これまで争う姿勢を示してきた国が、一転して全面的に請求を受け入れ裁判を終結させた。

 

 妻が提訴したのは赤木さんが死に追い込まれた原因と経緯を知るためだった。賠償請求額を1億円以上と高く設定したのも、国が一方的に終結させることを防ぐ狙いがあった。

 

 

 突然の幕引きに「一番ひきょうなやり方で裁判を終えられてしまい、悔しくて仕方がない」と憤るのは当然だろう。

 

 国は主張を転換した理由として「自死されたことへの責任は明らか」などを挙げるが、十分な説明になっていない。

 

 

 赤木さんが改ざんの経緯を記した「赤木ファイル」については、裁判所から提出を促されるまで1年以上にわたり、存在の有無すら明らかにしなかった。不誠実な対応を続けてきただけに、なおさら唐突に映る。

 

 そもそも国賠訴訟で国が訴えをそのまま認めるのは異例だ。

 

 妻側は裁判で赤木さんの上司などを証人として呼ぶ意向だった。国が終結を急いだのは「不都合な事実」が裁判で明るみに出ることを恐れたからではないか。

 

 

 一連の改ざんでは明らかになっていない問題も多い。

 

 財務省の調査報告書によれば、当時理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏が改ざんを主導したというが、動機は解明されていない。改ざんの指示の流れもはっきりしていない。

 

 森友学園を巡っては安倍晋三元首相の妻昭恵氏との関わりが表面化した。国会で追及された安倍氏は「自分や妻が関与していたら首相も国会議員も辞める」と断言し、改ざんはその後、始まった。

 

 

 損害賠償を税金で支払う以上、国は改ざんの具体的な経緯や背景を明らかにする責任がある。原因究明を中途半端に終わらせてはならない。

 

 岸田文雄首相は「真摯(しんし)に説明を尽くす」と繰り返している。だが徹底した再調査なしに、国民の理解は得られない。


 

  • ③【東京社説】森友訴訟幕引き 裁判でも「隠蔽」なのか

  https://www.tokyo-np.co.jp/article/149382?rct=editorial

 

2021年12月17日 07時04分

 

 国は不意打ちの訴訟終結という手段を選んだ。裁判での学校法人森友学園をめぐる文書改ざんの真相解明は遠のき、自殺した元財務省職員の妻の思いはかなえられない。国会での徹底追及を望む。

 相手の請求をのみ、損害賠償を支払う「認諾」という方法がある。確定判決と同じ効力がある。

 元職員赤木俊夫さんの妻・雅子さんが、国と財務省理財局長だった佐川宣寿氏に損害賠償を求めた訴訟協議で、国は一転、認諾を伝えた。

 つまり雅子さんが求めた約一億円の請求を受け入れる書面を国側が裁判所に提出し、訴訟は即日、終結してしまった。

 これは賠償金を払って、真相を「隠蔽(いんぺい)」する幕引きに他ならない。雅子さんは「負けたような気持ちだ。真実を知りたいと訴えてきたが、こんな形で終わり、悔しくて仕方がない」と述べた。すべてを物語っていよう。

 つまりは国側が訴訟の手続きを逆手にとったのだ。公文書改ざんの詳しい経緯の説明から逃れるためと疑われて当然だ。訴訟終結で証人尋問などは行われず、真相究明は遠のく。政治家や幹部職員の関与が闇に葬られるのは到底許されない。

 そもそも国は全容解明に後ろ向きだった。麻生太郎前財務相は二〇一八年に行った調査のやり直しもずっと拒んでいた。改ざんの過程を示す「赤木ファイル」の存否も「調査中」だったが、裁判所から提出を求められ、やっと今年六月に内容が明らかになった。

 財務省本省が近畿財務局宛てにメールで再三、修正を指示していたものだったが、指示した者の名前などは黒塗りで伏せられていた。詳しい内容は判然としないままだったのだ。要するに国は隠しておきたい事実があるのだろう。

 国側は「いたずらに訴訟を長引かせるのは適切でない」というが、公文書改ざんは民主主義の根幹を破壊しうる重大な不祥事である。はびこる隠蔽主義は、国民への背信行為でもある。

 佐川氏への訴訟などは続くが、国会は今こそ真相解明の努力を尽くすべきである。岸田文雄首相も再調査を否定しているが、説明回避に終始すれば国民の信も失う。


 

  • 「赤木さん自殺の真相」に対する一考察。

 素朴な疑問から始めようか。「自殺の真相」って、どうやったら判るだろう?

 有り体に言って「ある人が自殺した、その真相(例:自殺の理由)は、究極の処、当人以外には判らない。」のでは無いか?残された遺族としては「何故死なねばならなかったか」を知りたいとは思うだろう。それは人の常であり、切なる願いかも知れないが、「共に生きてきた家族ですら、理解出来ない”自殺の真相”」を審らかにする方法とは、何だろうか?あるのだろうか?

 裁判や国会証人喚問で、判明するだろうか?可能性が無いとは言わないが、確実と言うには程遠かろう。赤木さん自殺に関して言うならば「公文書改竄を赤木さんが強制された経緯」が審らかにされる可能性はあろう。誰が何時どんな指示を出したか、その時の言動や態度まで、微に入り細部にわたって判明する、可能性はあろう。関係者全員が完璧な記憶を持っていて、完全に正直に嘘偽り無く証言したとして、だが。

 それでも、「何故、赤木さんが自殺せねばならなかったか。」は、詰まる所「当人以外には、判らない」のはあり得ることだ。

 遺書が残されていれば、手がかりになる可能性はある。だが、所詮遺書でも「自殺した当人の自己申告」であるから、嘘偽り隠蔽はあり得る。「自殺した当人の内面を知る手がかりにはなり得る」が、「手がかりになり得る」に留まる。それでご遺族が納得出来るような「真相」に辿り着く、とは限らない。また、本件については、「辿り着いていない」からこその、賠償訴訟だろう。

 で、だ。以上の考察から「今となっては、恐らくは”真相究明”ならないであろう」赤木さん自殺の”真相”について、二つのケースを提示しよう。

【Case1】 森友文書は、森友問題(=森友学園への国有地不正廉売)を隠蔽するために改竄され、改竄を強制された赤木さんは、良心の呵責から自殺に至った。

【Case2】 森友文書は、野党の国会追及を緩和するために改竄され、改竄を強制された赤木さんは自殺するに至った。


  • つまりは、「魔女裁判をやらせろ」ってだけ、ではないか。

 さて、上掲各紙社説は挙って赤木さん自殺の真相を究明しろと主張している。が・・・「好都合な“真相”」である上掲【Case1】が「出て来る」まで、「疑惑はさらに深まったぁ!」を繰り返す、正にここ数年立憲民主党はじめとする野党共が国会で実施してきた「ワイドショーの実演」を「もっとやれ。今こそやれ。」という主張、ではなかろうか。
 無論、その「好都合な“真相”」の背景を為すのは、森友問題=森友学園に対する国有地不正廉売」の「実在」である。もう4,5年程も野党(の一部)とマスコミ(の一部)が再三「追求」したが、何ら犯罪事象は立証出来ず、訴訟として立件出来ない司法判断は下った、「出来損ないスキャンダル」を、未だ「実在するかの如く」と言うか「実在するに違いない(ないし、”実在しないと困る”)」とばかりに「背景」としている。

 だが・・・「森友問題」に「訴訟として立件出来ない司法判断は下った」という事実は、上掲【Case2】を強く示唆している。所謂「赤木ファイル」は全面的に公開されては居ないが、報じられ漏れ伝わる改竄内容は、「野党の追及を緩和する」だけのモノであり、「森友学園への国有地不正廉売を隠蔽する」モノでは無い。


 大体、赤木ファイル自身は既に司法の手に渡り、渡って尚「訴訟として立件出来ない司法判断」は覆らなかったのである。


 また、今も余り変わらないが当時は特に非道かった「野党のモリカケ追及の狂気」も、赤木さん自殺に至る要因としては「十分にありうること」。私(ZERO)なんぞは「上掲【Case2】こそが、真相」と、ほぼ確信している。

 赤木さんご遺族にとって上掲【Case2】は、「やりきれない真相」かも知れない。有り体に言って、上掲【Case2】に見られる「赤木さん自殺」は「相当に間抜け」である。上掲【Case1】に見られる「悲劇のヒーロー」とも言い得る「赤木さん自殺」と比較すれば尚更だ。だから「【Case1】が真実である」と「裁判を通じて証されることを願った」としても、それを罪とし責めることは難しかろう。

 先述の通り「自殺の真相」なんてのは、裁判でも国会喚問でも、そう簡単には出て来ない。かてて加えてそこでの証言は、「偽証である」可能性も「記憶違いや勘違い」が入る可能性も、当然ある。つまり誰が何回証言しようとも、「上掲【Case2】とも【Case1】とも、断定し兼ねる」事は、あり得るだろう。
 所謂「赤木ファイル」が全文公開されれば「改竄によって、森友学園に対する国有地の不正廉売が隠蔽されたか否か」は明らかになりそうだ。が、それは既に司法が判断しているのだから、「改竄によって、森友学園に対する国有地の不正廉売が隠蔽された」とは公開される訳が無い。であるから「赤木ファイル公開」後には、野党やアカ新聞どもは今度は「赤木ファイルは改竄された!」と言い出すだろう(*1)。

 言い替えれば、上掲社説を掲げるアカ新聞どもや野党(の一部)は、上掲【Case1】以外の「赤木さん自殺の真相」は「認めない」し、上掲【Case1】に反する証言も証人も証拠も「認めない」だろう。言い替えれば上掲アカ新聞社説が要求する赤木さん自殺の真相究明」とは、結果が【Case1】と決めつけている「魔女裁判」に他なるまい。

 而して、それが前述の通り「赤木さん遺族の願い」とも重なっている、のかも知れない。
 だとしても、そんな「赤木さん遺族の願い」を利用しようってアカ新聞どもと野党(の一部)の所業は、おぞましも浅ましく、唾棄すべきモノであろう。

 己が自殺の真相を誰よりも知る赤木さん自身の御霊も、コレでは浮かばれまい、と、思うがねぇ。

 野党(の一部)とマスコミ(の一部)なんてのは、所詮こんなモノよ。
 
 「赤木さん遺族」ってのは、「それで良いのかね?」と、問いたくなるな。  

 蛇足ながら付け加えれば、今回の「賠償に応じることでの赤木裁判結審」は、賛否何れもあり得る決断ではあるが、「一つの方法」として私(ZERO)は認めるし、王道では無く詭道かも知れないが、「妙手」とも言い得る、と思うぞ。

 

  • <注記>
  • (*1) まあ、それが真実であり「赤木ファイルは改竄の上公開される」という可能性は、考えておくべきではあるが。