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「抱えたまま墜落しろ」と言う気かよ。-【朝日社説】米軍タンク投棄 住民軽視を繰り返すな
沖縄の基地反対派(の一部?)は、米軍人も自衛隊員も人間扱いしない、「軍人差別主義者」であることは既に明らかな所だが、(やっぱり)朝日新聞もお仲間らしいな。
【朝日社説】米軍タンク投棄 住民軽視を繰り返すな
https://www.asahi.com/articles/DA3S15131174.html
2021年12月3日 5時00分
住民や民家に被害はなかったが、一つ間違えば大惨事になりかねなかった。米軍は地元の不安や懸念を深刻に受け止め、原因究明と再発防止策の徹底に努めねばならない。日本政府にも、その実行を厳しく迫る重い責任がある。
青森県三沢市にある米軍三沢基地所属のF16戦闘機が飛行中、トラブルに見舞われ、青森空港への緊急着陸に備えて機体を軽くしようと、燃料タンク2個を投棄した。うち1個が、周辺に民家もある同県深浦町役場近くでみつかった。部品が散乱し、漏れ出た燃料で道路は油まみれになった。2個目は同町内の山中で確認された。
米軍は当初、人が住んでいない地域に投棄したと発表した。地上の安全をどのように確認したのか、詳しい経緯の説明が求められる。
青森県の三村申吾知事は、謝罪に訪れた三沢基地の副司令官らに「可燃物で、相当な重量物。県民に大きな不安を与え、誠に遺憾」と伝えた。米軍はきのう、F16の飛行訓練を再開したが、安全の確認について、納得のいく丁寧な説明抜きでは、懸念は拭えまい。
地元への通報遅れが繰り返されたことも見過ごせない。今回、深浦町や青森県に防衛省経由で正式な連絡が入ったのは、投棄から4時間近くたった後だった。沖縄県の米軍普天間飛行場所属のオスプレイが先月、住宅地に水筒を落とした時も、米軍は直後に把握していたのに、防衛省が問い合わせるまで日本側に報告していなかった。
在日米軍で事件・事故が起きた際、東京と現地、それぞれで迅速な通報を取り決めた日米合意の形骸化は許されない。
三沢基地では3年前にも、離陸直後にエンジン付近から出火したF16が、燃料タンク2個を小川原湖に投棄した。シジミ漁の漁船が巻き込まれていれば、大惨事になりかねなかった。
米軍機をめぐるトラブルは青森県だけの話ではない。とりわけ、米軍基地が集中する沖縄県では、部品の落下や墜落・不時着などが毎年のように繰り返されている。そのたびに米軍は「原因究明と再発防止の徹底」を表明するが、事態は一向に改善されていない。
住民に不安を与える、危険な低空飛行訓練も各地で目撃されている。全国知事会は、訓練の時期やルートなどの情報を事前に提供するよう求めているが、こちらも実現されていない。
一連の対応の背景には、米軍にさまざまな特権を認めた日米地位協定の存在がある。国民の生命と財産を守る政府の使命を自覚するなら、岸田政権は米側に抜本見直しを提起すべきだ。
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非常時・緊急時に投棄出来るからこそ、落下増槽タンクであろうが。
日本語で「落下増槽タンク」と言い、略して「増槽」とも言う。英語ではDrop Tank(投下タンク)とか、単純にFuel Tank(燃料タンク これを略して「燃タン」って日本語略称もあるな。)とも呼ばれる。胴体下面や翼下面に吊り下げて携行される(*1)追加の燃料タンクで(*2)、機体内の燃料だけでは到達出来ないような遠距離にも、増槽を使えば到達出来る。普通、増槽を搭載するとその分重くなり抵抗も増える(*3)が、燃料も増えるので「より遠くまで飛べる」訳だ。
血の赤い日本人としては、我等の誇りたる零式艦上戦闘機(通称 零戦・ゼロ戦 )で(我が国では)初めて実用化された記憶もあり、些かなりともノスタルジーを感じる航空機用パーツだ。零戦の先代に当たる96式艦上戦闘機では「胴体下面に固定される追加タンク(*4)」はあったが、着脱式で、飛行中に投下は出来なかった。
それが、後代の零戦では「飛行中に投下出来る」落下増槽タンクとなり、全世界的に広く普及し、21世紀の今日でも戦闘機や攻撃機にはほぼ「必須アイテム」となっている。
それ即ち、「飛行中に投下出来る」落下増槽タンクが有効・有用であるから、だ。燃料タンクとしては勿論「航続距離の延伸」であり、尚且つ章題にした通り「非常時・緊急時には投下・投棄出来るから」。先述の通り落下増槽タンクは抵抗も質量も増やすモノだから、これを投下・投棄すれば(燃料も減るが)抵抗も質量も減る。速度は上がるし運動性も上がる。戦闘機ならば、空戦に入る前に「落下蔵々タンクを落とす」のは、ほぼ定石・常識(*5)だ。
であるあるならば、飛行中に機体にトラブルが生じた場合、「落下タ増槽タンクを落として、機体を軽くし、墜落に至るまでの時間を稼ぎ、あわよくば墜落を回避する。」と言うのも、定石・常識。機体によっては「兎に角投下出来るモノは全て(落下増槽タンクも爆弾も魚雷もミサイルも)投下する」一斉投下ボタンなんてものがあるのは、「機体を軽くし、墜落に至るまでの時間を稼ぎ、あわよくば墜落を回避する。」ためだ。
「兎に角投下出来るモノは全て投下」しないと「墜落してしまう」可能性があるのだから、「一斉投下」は当然の「緊急避難措置」である。
で、だ。上掲朝日社説は「緊急避難措置としての落下増槽タンク投下」を「住民軽視」と抜かして非難している、のである。それ即ち、「住民を重視して、緊急事態となっても落下増槽タンクを投下・投棄すること無く、抱えたまま墜落しろ。」と言っているのと同義である。他に解釈のしよう、言い訳の余地ががあるかね?
今回の件で言えば、実際母機であるF-16は緊急着陸を余儀なくされているし、投下した落下増槽タンクは何の人的物的被害も及ぼしては居ない、と言うのに「落下増槽タンク投下による、住民被害の可能性」を論って、だ。
落下増槽タンクの投下よりも、航空機の墜落の方が、搭乗員の生死を別としても(*6)被害が大きいだろう(*7)事は自明であるのに、だ。
呆れた「軍人差別」ではないか。
- <注記>
- (*1) 偶に、翼上面に携行する奴も居る。BAC ライトニング超音速戦闘機など。
- あと、翼端に携行する奴も居て、こちらの方はそれほど珍しくない。F-104とか、T-33とか。
- (*2) 極希に、「機体内には燃料を積まず、機外搭載の落下増槽タンクのみに燃料を依存する」って機体も、あるには、ある。
- (*3) たまぁに、「落下増槽タンクを積んだ方が、空力特性が良い」って機体もあるが、抵抗は些かなりとも増える。
- (*4) 流線型の形状と言い、二つ横並びに翼付け根付近に配置された位置と言い、「オッパイタンク」と呼びたくなるモノ。
- (*5) 格闘戦に入る以前の、有視界外からのミサイル戦ならば、「落下増槽タンクを落とす」必要は、必ずしも無いが。
- (*6) 戦闘機や攻撃機ならば、搭乗員は射出座席で脱出・生還出来るチャンスがある。
- (*7) 当たり前だが、落下増槽タンクのみよりも、航空機と落下増槽タンクの方が質量は大きいし、搭載燃料量も多い。機体内に銃弾砲弾を搭載している可能性も高い。