• 入管の仕事は、「入国管理」だろうが。ー【毎日社説】裁判封じた送還「違憲」 人権無視した入管を糾弾 他

  「地裁がバカな判決を出し、高裁が幾らか正気を取り戻して、最高裁で漸く(辛うじて)常識の線に落ち着く」って事例が数多あるように思われるが、そこは神ならぬ身の人がなす事だから、高裁や最高裁が「バカな判決を出す」事だって、当然あり得る。

 で、今回は「高裁がバカな判決を出し、その尻馬にアカ新聞どもが乗っかっている」って図式。らしい。以下の各アカ新聞社説は何れも「高裁判決を賞賛し、入管を糾弾している」訳だが・・・読者諸兄は税、以下の二点を念頭に、各紙社説を御照覧願いたい。

 【Q1】入管の仕事とは、存在意義・存在理由とは何か?

 【Q2】日本国憲法の適用範囲は、どこまでか?

 

  • ①【毎日社説】裁判封じた送還「違憲」 人権無視した入管を糾弾

【毎日社説】裁判封じた送還「違憲」 人権無視した入管を糾弾

 

毎日新聞 2021/9/25 東京朝刊 English version 860文字

 難民認定を求めた外国人に裁判を起こす機会を与えないまま強制送還した入管の対応について、東京高裁が違憲判決を出した。

 

 7年前、難民と認めない決定を告知した翌日に、スリランカ人2人を送還していた。判決は、憲法32条が保障する「裁判を受ける権利」を侵害したと判断した。

 

 

 行政の強制措置に対し、市民が司法の判断を求めることは、自由や権利を守るために欠かせない。実際に裁判で入管の処分が取り消され、難民認定された例もある。

 

 これを封じた入管の措置は人権を無視するもので、判決が厳しく糾弾したのは当然だ。

 

 入管法は国外退去処分を受けた外国人について、入管による難民認定の審査中は送還を停止すると定めている。裁判中の人も送還しない運用がなされている。

 

 

 今回の強制送還は、この間隙(かんげき)を突いて行われた。2人に告知する40日以上も前に難民不認定を決定していたにもかかわらず、それを伏せて送還の準備を進めていた。

 

 判決は「送還を確実に実施するため、意図的に告知を遅らせた」と認定した。入管の主張を認めて違法な対応ではないと判断した1審判決を覆した。

 

 

 送還を急ぐのは、退去処分を受けた人が入管施設に長期間収容されている実態があるためだ。入管は、送還を免れる目的で難民認定申請を繰り返す人がいると強調している。

 

 しかし、身に危険が及ぶ恐れがあったり、日本に家族がいたりして、帰国できない人が多い。そもそも日本の難民認定は、世界的に見ても厳しい。

 

 

 同様のケースは他にもある。名古屋高裁は今年1月、違憲とは踏み込まなかったものの、国に賠償を命じる判決を出している。

 

 上川陽子法相はきのう、難民不認定の告知から送還まで原則2カ月以上空けるように、6月以降、運用を変更していると明かした。

 

 だが根本的な問題は、在留資格のない人を日本社会から排除する入管のかたくなな姿勢だ。施設収容中のスリランカ人女性が死亡した問題で、遺族に誠実に向き合わないことにも表れている。

 

 国は違憲判決を重く受け止めて猛省し、人権を尊重する体制に改めなければならない。

 

  • ②【東京社説】入管に違憲判決 非人道性が断罪された

入管に違憲判決 非人道性が断罪された

 

2021年9月27日 07時30分

 

 難民認定申請の棄却を告げた翌日、外国人男性二人を強制送還した入管の対応を東京高裁が違憲と断じた。今年三月の女性収容者死亡事件でも、入管はその人権侵害体質を厳しく批判された。抜本的な組織改革は待ったなしだ。

 再び入管行政の暗部が断罪された。この訴訟の原告であるスリランカ人男性二人は、二〇〇〇年前後に日本に入国。難民不認定処分を受けた後、処分への異議を申し立て、仮放免許可を得ていた。一四年に許可更新のため、東京入国管理局に出頭した際、申し立ての棄却を告げられ、翌日、チャーター便で強制送還された。

 二人はその後、処分取り消しの訴訟を起こす時間的余裕を与えられなかったとして、国に賠償を求めて提訴。一審判決では請求を棄却されたが、二十二日の東京高裁判決は、入管が「憲法で保障された裁判を受ける権利を侵害した」と判断し、国に賠償を命じた。

 原告側弁護団によると、外国人の強制送還をめぐって違憲判決が出たのは今回が初めてという。

 異議申し立ての棄却は告知の四十七日前に決まっていたが、判決は「訴訟を起こす前に送還するため、あえて告知を遅らせた」と入管の脱法的な行為を指弾した。

 男性二人は祖国で迫害を受ける恐れを訴えていた。こうした人びとの送還は国際法上の原則に反する。だが、チャーター便での集団送還を計画的に遂行するため、入管は恒常的にこうした「だまし討ち」的な手口を駆使してきた。

 今年一月にも同様のケースで、名古屋高裁が入管の対応を違法とする判決を示した。だが、違憲とまでは踏み込まなかった。今回の違憲判決は当然とはいえ、画期的であり、入管の非人道的な行為を抑制する効果が期待される。

 国際的な人権水準に則した入管行政への改革が不可欠だが、入管に自浄能力があるとは思えない。

 名古屋市の入管施設での収容者死亡事件では、亡くなった女性を写した監視映像の一部が遺族の妹二人に開示されたが、入管は遺族が求める代理人弁護士の同席を拒み、全面公開も避けている。保安上の理由などを挙げるが、合理性はなく、全容解明を恐れての一時しのぎと考えざるを得ない。

 国は入管改革のための独立した第三者委員会を設けるべきだ。大胆にメスを入れねば、日本の人権への評価は地に落ちかねない。

  • ③【朝日社説】送還違憲判決 断罪された入管の「闇」

③【朝日社説】送還違憲判決 断罪された入管の「闇」

2021年9月28日 5時00分

 

東京高裁の判決をうけ、会見した代理人の指宿昭一弁護士。入管職員が原告(画面中央)に送還すると伝えた時の動画を示した=2021年9月22日午後2時26分、東京・霞が関、村上友里撮影

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 難民認定の申請を退けられた外国人を、裁判で争う機会を奪う形で強制送還したのは、憲法が保障する「裁判を受ける権利」の侵害にあたるとして、東京高裁が国に賠償を命じた。

 

 入管当局のこれまでの実務とその背景にある人権意識の低さが、司法によって断罪されたといえる。行政に臨む姿勢を根底から見直す必要がある。

 

 原告のスリランカ人の男性2人は、難民と認定されず、異議申し立ても棄却された。14年12月に入管施設内でその通知を受け、提訴する意向を示したが、弁護士に相談できないまま、翌日、日本政府が集団送還用に用意したチャーター機で母国に送り返されてしまった。

 

 行政事件訴訟法は、処分や裁決をした場合、本人に伝え、6カ月以内に裁判を起こせると教示しなければならないと定めている。ところが入管は、異議を退けた事実自体を、2人に40日以上通知していなかった。

 

 東京高裁は22日に言い渡した判決で、裁判に訴えられる前に送還してしまおうと、直前まで通知を遅らせ、弁護士に連絡することも事実上認めなかったと判断。憲法32条の裁判を受ける権利のみならず、31条の適正手続きの保障や13条の個人の尊重にも反すると結論づけた。

 

 裁判で国側は、2人が難民申請したのは日本に残りたいための方便だとも主張したが、高裁は「仮にそうだとしても、司法審査の機会を奪うことは許されない」と一蹴した。

 

 申請を送還妨害目的だと決めつけ、外国人にも認められている憲法上の権利を踏みにじる。そんな入管の行いが許されるはずがない。国は判決を受け入れて、謝罪するのが筋だ。

 

 問題なのは、こうした手法は今回の2人だけにとられた特異なものではないということだ。

 

 同じく異議棄却の決定を40日後に知らされ、翌日に強制送還されたケースについて、名古屋高裁は今年1月、公権力の違法な行使にあたると述べた。

 

 国は上告せず、6月以降、棄却通知から送還まで2カ月以上空ける運用に変えたというが、それで落着とはならない。他にも同様の違法な処遇を受けた人がいたことが想定される。調査して結果を公表すべきだ。

 

 19年までの5年間で約4万人が強制送還された。多くは自費出国だが、5%は入管が帰国便を手配し、文字通り強制的に送り返した。特にチャーター便による集団送還に対しては、家族との関係など個々の事情を見ようとしない、効率優先で強引なやり方として批判が出ていた。判決が改めて浮き彫りにした入管の非人道的な体質と、速やかに決別しなければならない。


  • 率直な感想。「話にならんな。この高裁の”違憲判決”とやらは」。

 そりゃ私(ZERO)は「殆ど生まれながらの右翼」であり、アカ新聞(や、アカ新聞が絶賛する高裁”違憲”判決)とは「宗教が違う」のは当たり前だが、まあ、今回の彼我の「思想・発想の断絶」は、正に山よりも高く海よりも深く、目も眩むばかりなのであるなぁ・・・

 気を取り直して、冒頭の設問に私(ZERO)なりの「回答」を示すことから始めようか。

【A1】入管の仕事は「入国管理」である。不法入国者や不法滞在者の取り締まりは「入国管理」の一環である。

 コイツは殆ど「衆目の一致するところ」であり、「普遍的な事実」である、と考えていたのだが、上掲①毎日社説パラグラフ【12】に

①1> だが根本的な問題は、在留資格のない人を日本社会から排除する入管のかたくなな姿勢だ。

と在るのを読んだときには、「驚愕した」と言って良かろう。「在留資格のない人」ってのは紛れもなく不法滞在者だ。幾ら数が多かろうが、滞在期間が長かろうが、不法滞在は犯罪であり、不法滞在者は犯罪者だ。「日本社会から排除する」のは正に入管の「入国管理」という仕事の一環であり、コレを「根源的な問題」視するのは「入管そのものの存在意義・存在理由の否定」に他ならない。

 即ち、冒頭の設問【Q1】に対する、少なくとも毎日新聞の「回答」は、私(ZERO)の回答上記【A1】とは「全く異なるモノである」筈である。

 と言うことは、上記【A1】は、「衆目の一致するところでも無ければ、普遍的な事実でもない」と、上掲①毎日社説は証してくれている、訳だが・・・一体(少なくとも)毎日新聞は「入管は、何をするところだと、思っているのだろうか?」って疑問が沸く。上掲②【東京新聞社説】では「入管改革」を訴えており「入管廃止論」なのかも知れない。それは次の設問【Q2】に対する「回答」と関わっていそうだ。

【A2】日本国憲法の適用範囲は、先ず日本人。次いで、日本に合法的に滞在する外国人である。
 日本に不法滞在する外国人に対する日本国憲法適用可否は、その母国との相互主義に基づくべきであろう。即ち、「A国に不法滞在する日本人にA国憲法の庇護が及ぶ場合にのみ、日本に不法滞在するA国人に日本国憲法の庇護が及ぶ」と言う条件が付く。少なくとも、無条件とすべきではなかろう。全人類の全人口に「日本国憲法の庇護」が及ぶ訳がないし、及ぼすべきでもなかろう。


 今回の高裁“違憲”判決は「強制送還されたために訴訟を起こせなかったのは、訴訟を起こす権利を侵害するから違憲だぁ!」ってロジックな訳だが・・・本当に、真面目に、真剣にこんな「違憲判決」を高裁が出したというのが未だに「信じがたい」。頭でっかちとか専門バカってのは、こう言う事を言うのかと、感心してしまうぐらいだ。
 
 頭冷やして考えても見ろ。一度我が国内に入った外国人が訴訟さえ起こしてしまえば、裁判が続く限り何年でも何十年でも不法滞在出来る権利」なんてモノが、日本国憲法によって不法滞在外国人に保証されている、なぁんて事が「常識的に」在ると思うかぁ?

 大体、不法滞在は犯罪であり、不法滞在者は犯罪者だ。その犯罪を取り締まるのは入管の仕事である。上掲アカ新聞どもの社説は「人権擁護」を盾にとって「不法入国・不法滞在という犯罪を野放しにしろ」と言う、愚論にして暴論である。

 而して、そんな愚論にして暴論に論拠根拠を与える今般高裁”違憲”判決は、ひょっとすると「法的・法理的には正しい(なればこそ「頭でっかち」と言うのだが)」判決なのかも知れないが、常識的・実際的には「実にバカバカしいばかりの判決」である。


 で、国が最高裁へ持ち込まないと言うことは、こんな「実にバカバカしいばかりの判決」が判決として確定し、「判例になってしまう」と言うことだ。とてもじゃぁ無いが「正しい道理」とは思われず、非常識と言うべきであろう。
 
 国は、かかる判決を承服してはいけない。上掲③朝日社説によると、国は上告を断念したと言うことであるが、コレは、誤った措置である。

 トム・ハイウエイ軍曹流に言えば、「ゲスを喜ばせるな」と言うことだ。