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再エネは電力供給の不安定要因ですが、何か?ー【毎日社説】慢性的な電力需給逼迫 再生エネ軸に安定化策を
太陽光や風力のような「再エネ発電」というと、何か「良いこと、優れたこと」と言うイメージというか「先入観」があるのだろうな。特に「原発との対比」に於いて、その優劣と言うよりは「善悪正邪」って観点で判断・判定され、「再エネ発電」を「善にして正」と考える者が、相応にあるのだろうさ。
そう言うのは、趣味や宗教ではあっても、エネルギー政策では無い、のだがな。
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【毎日社説】慢性的な電力需給逼迫 再生エネ軸に安定化策を
【毎日社説】慢性的な電力需給逼迫 再生エネ軸に安定化策を
毎日新聞 2021/7/19 東京朝刊
夏場や冬場の電力不足が慢性化している。1月に東京や関西を中心に需給が逼迫(ひっぱく)したばかりだが、今冬も再燃しそうな気配だ。
その場しのぎの対応では限界がある。政府は脱炭素時代を見据え、再生可能エネルギーを軸にした安定供給体制を構築すべきだ。
安定供給には需要を3%上回る余力が最低限必要とされる。経済産業省の予測では、今夏は辛うじて全国でこの水準を上回る。だが、10年に1度の厳冬になれば、東京電力管内で来年1~2月に需給が逼迫する恐れがある。
停電さえ懸念されるため、政府は休止中の火力発電所を稼働させ、急場をしのぐ方針という。沖縄を除く西日本も同時期の余力は3%ギリギリとなる見込みだ。
背景には、古い火力発電所の休廃止が相次いでいることがある。電力自由化に伴う競争の激化で、電力各社は採算が悪化した老朽火力を維持できなくなっている。
燃料費が最も高い石油火力はこの5年間に原発10基分相当の約1000万キロワット分減った。脱炭素化の流れで二酸化炭素(CO2)を多く排出する石炭火力の廃止も加速している。
経産省は火力発電所の行き過ぎた休廃止に歯止めをかけようと、事前届け出制にすることを検討している。ただ、老朽発電所を維持するための費用をどう賄うかが問題だ。温暖化対策に逆行するジレンマもある。
政府・与党内には、発電時にCO2を排出しない原発を「もっと活用すべきだ」との声もある。だが、国民の原発不信は根強い。
経産省の試算によると、2030年時点では太陽光の発電コストが最も安くなるという。安全対策費がかさむ原発は経済面からも使い続ける理由に乏しい。
安定供給と脱炭素化の両立は、政府が進めるエネルギー基本計画の改定作業でも最大の焦点だ。安易な原発回帰に走るのではなく、再生エネをフル活用した安定供給の仕組みづくりが求められる。
太陽光をはじめ再生エネは発電量が天候に左右される弱点があるが、蓄電池の技術革新を進めれば、安定電源化は可能だろう。それをCO2排出量を抑えた最新型火力で補う。そうしたエネルギー戦略への転換が必要だ。
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既にある原発を軒並み止めているんだ。電力不足するのは、当然であろうが。
所謂「再エネ」の内、真面に発電源として当てに出来るのは水力ぐらい。風力は風任せだし、太陽光はお天気任せ且つ夜間は1Wも発電しないのだから、本質的に太陽光・風力は「電力供給の不安定要因」である。
大容量バッテリーや揚水ダムの水量などによって電力を蓄積すれば、太陽光・風力の「本質的な電力供給不安定性」はある程度解消できよう。だが、その「電力供給不安定性をある程度解消」しているのは、蓄電している大容量バッテリー等であって、太陽光・風力発電では無い。
早い話、火力発電でも原発でも「余計に運転して需要以上の発電剰余分を大容量バッテリー等に蓄電」すれば、電力供給は更に安定化される。
であるならば、「慢性的な電力需給逼迫」に対する対策として「再エネが軸」なんぞになる筈が無い/すべきでは無い。
再三繰り返しているが、エネルギー政策の目的は「電力の安定供給」で在り、電力を安定供給できない政策は「エネルギー政策」とは呼べない。
「再エネ軸の電力供給安定化策」なんてのは、基本的に妄想で在り、フィクションである。原発再稼働と活用こそが、電力需給逼迫の解決策であり、二酸化炭素排出量削減の軸である。
「原発に対する国民の不信」だぁ?何処にだってバカやオッチョコチョイやキチガイはいるさ。その「国民の不安」だか「安心」だかは、タダの1Wも発電しないのであるから、エネルギー政策決定の上で「国民の不信」なんてのは、二義的三義的四義的な評価基準でしか無い。必要とあれば「不当な“国民の不信”なぞ歯牙にもかけず、電力の安定供給に邁進する」ことこそ、責任在る政府のエネルギー政策という者である。
世論に阿る大衆迎合するばかりが政府では無い。
世論に阿り、大衆迎合してエネルギー政策を決める等というのは、衆愚政治ないし「民意の暴走」と言うべきであろう。
諄いようだが繰り返そう。エネルギー政策の目的は電力の安定供給である。而して、太陽光や風力のような再エネ発電は、本質的に電力供給の不安定要因である。