• 軍に弾薬はつきものですが、何か?ー【沖縄タイムス社説】[宮古島陸自 弾薬搬入]地元軽視が不信を招く & 【琉球新報社説】宮古島に弾薬輸送 追加搬入やめ説明尽くせ


 大凡、銃火器が軍隊の主要兵装となって以来(って事は、我が国では戦国時代に鉄砲隊が編制されて以来、だな。)、「弾薬」は極めて重要な補給物資の一つであり、部隊あるところへの弾薬補給(運搬)は継続絵的・持続的に必要なモノである。食料・馬糧や燃料ならば、未だ「現地調達(往々にして略奪)」って手が使えるが、弾薬は「敵から分捕っても使えない(普通は、弾薬の規格が異なる)」のが基本だから、しっかりキッチリ補給(運搬)してやらねばならない。

 補給切れなどで弾薬切れを起こした部隊は、最早脅威でも抑止力でも無い。

 [補給ルールの厳しいゲーム]ならば、補給切れを起こすと部隊がドンドンすり減る(戦力低下する)し、いきなり全滅(除去)したりもする。無論、[補給]というのは弾薬に限らず、食料、馬糧、燃料、予備部品、予備兵器、予備装備から[故郷のおっかさんからの手紙]まで含むのであるが。

 ではあるが、軍・部隊には弾薬が必要であり、軍・部隊への「弾薬搬入」は、欠伸も出ないような日常茶飯事である。

 チョイと常識と自ら考えようとする頭があれば、自ずと判りそうなモノだが、判らない人には、判らないらしい…と言うか、下掲社説を掲げた沖縄二紙なんてのは、「常識も無ければ、自ら考えることもしない」のだろうな。ある種の、気違いだ。

 

  • 【沖縄タイムス社説】[宮古島陸自 弾薬搬入]地元軽視が不信を招く 

  • [宮古島陸自 弾薬搬入]地元軽視が不信を招く

2021年6月8日 05:00

 

 宮古島市内の陸上自衛隊「保良訓練場」への弾薬の搬入が始まった。

 

 大型輸送ヘリで航空自衛隊宮古島分屯基地へ運び込まれ、陸路で保良訓練場へ移送された。

 

 近く搬入があることは伝えられていたものの、座喜味一幸市長へ連絡が入ったのは当日の搬入直前。市長は日時やルートの公表を求めていたが「安全確保の観点」から示されることはなかった。

 

 搬入に抗議し、トラックの進入を防ごうと入り口前に待ち構えた市民たちは強制排除された。夜、怒号や叫び声が上がる中で弾薬が運び込まれたのである。

 

 市が把握して当然の情報が直前まで秘密にされ、住民の理解を得るための丁寧な説明もなかった。そのようなやり方は不信感を高めるだけである。

 

 保良訓練場は今年4月、利用が始まった。場内には弾薬庫が整備され、中距離多目的誘導弾や迫撃砲弾などが保管される計画だ。

 

 隣接する保良と七又の集落は建設に反対する決議を総会で可決し堅持している。「集落まであまりに近く極めて危険」などとする住民の不安を軽視してはならない。

 

 しかし、沖縄防衛局が開いた住民見学会では、弾薬庫の安全性に関する質問に「シミュレーションしていない」との理由で明確な説明はなかった。火薬の貯蔵量なども「明らかにできない」と回答を避けたという。

 

 これでは安全だと感じることはできない。もし爆発があれば住民の生命や財産に被害が及ぶ恐れがあるというのに住民の不安に向き合おうとしないのは不誠実だ。

 

■    ■

 

 宮古島市への弾薬搬入を巡っては、陸自が宮古島駐屯地を開設した2019年にも住民の不信を招く事態が起きた。

 

 駐屯地内の「警備に必要な小銃弾・発煙筒などの保管庫」と説明していた施設が、実際は弾薬庫で、中距離多目的誘導弾などが保管されていたことが発覚したのだ。

 

 当時の岩屋毅防衛相が謝罪し、誘導弾などが島外へ搬出された経緯がある。

 

 防衛省は今後、保良訓練場に地対空・地対艦誘導弾などのミサイルを運び込む見通しだ。海上輸送を検討しているという。安全面への対応を含め地元への説明責任を十分果たしてもらいたい。

 

 座喜味市長は自衛隊配備を容認する立場だが、毅(き)然(ぜん)とした態度で説明を求めてほしい。

 

■    ■

 

 防衛省は南西地域の防衛体制強化のため、部隊配備を着々と進めている。中国の動きをにらんで基地機能は強化の一途をたどる。

 

 ただ、宮古島市では駐屯地の用地取得を巡る贈収賄事件で前市長が逮捕されるなど、防衛政策のひずみも露呈した。

 

 台湾を巡って米中が衝突する事態になれば沖縄の米軍基地がターゲットにされ、自衛隊がほぼ自動的に巻き込まれる恐れが高い。沖縄の「軍事要(よう)塞(さい)化」ではなく緊張緩和に向けた関係改善にさらに力を注ぐべきだ。


 

  • 【琉球新報社説】宮古島に弾薬輸送 追加搬入やめ説明尽くせ

  • 宮古島に弾薬輸送 追加搬入やめ説明尽くせ

  https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1334665.html

2021年6月8日 05:00

 

 陸上自衛隊は、宮古島市城辺保良の陸自保良訓練場にミサイルなどの弾薬を搬入する作業を始めた。陸自は搬入物などの詳細を明かさないまま、今後さらに地対艦、地対空ミサイルの海上運搬を検討している。

 

 弾薬搬入によって宮古島が攻撃対象になり、住民の生命財産が危険にさらされる可能性が飛躍的に高まる。

 それにもかかわらず陸自が秘密裏に搬入を強行したことに抗議する。住民の不安を取り除くため追加の搬入を直ちに中止し、県と宮古島市に納得のいく説明をすべきだ。

 陸自は2日、輸送ヘリコプター2機で弾薬を宮古島に運び込んだ。宮古島市の座喜味一幸市長は「市民の安全確保」を理由に詳細の公開を求めたが、防衛省は「機密」を盾に拒んだ。陸自が市に電話連絡したのは到着の約1時間前。弾薬を保良訓練場に運搬するとだけ伝え、時間やルートは伏せたままだった。

 沖縄県にも十分な情報が事前に共有されていない。作戦遂行を何よりも優先する軍の論理が如実に表れている。

 海洋進出を強める中国をにらみ、自衛隊は南西諸島に部隊を配備する「南西シフト」を進めている。保良訓練場は2019年に建設が始まり、20年4月までに建設予定の弾薬庫3棟のうち2棟が完成した。与那国にも部隊配置し、石垣で駐屯地建設が進む。

 陸自はミサイル改良も進める。12式地対艦誘導ミサイルの射程を現在の百数十キロから約900キロに伸ばす。相手の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」として配備する計画だ。

 改良ミサイルは中国大陸まで届く能力を持ち、「敵基地攻撃」に転用可能とされる。「敵基地攻撃」は憲法に沿って掲げてきた専守防衛を逸脱する。宮古島に搬入を進めている弾薬は、いずれ「敵基地攻撃」が可能な改良型12式地対艦ミサイルに置き換わるだろう。その結果、有事の際に島が攻撃目標にされる。

 米軍も中国抑止のため、アジア太平洋地域に地上発射型の中距離ミサイルの配備を描く。在沖米軍基地に配備される可能性が高い。米中が衝突すれば、米軍基地が標的にされ、県民が戦争に巻き込まれる危険性が高まる。

 特に台湾海峡を巡り米中が対立を深めている現在、軍事衝突が起きれば南西諸島が最前線となる。15年に成立した安全保障関連法に基づき、日本が直接攻撃を受けていなくても米中衝突によって「存立危機事態」と判断すれば、自衛隊が武力行使できる。その場合、自衛隊が配備されている宮古、与那国などが巻き込まれるのは必至だ。

 日本の安全保障の「防波堤」として県民の命が脅かされる事態は到底受け入れられない。攻撃対象になる事態を招く弾薬搬入が秘密裏に進められることは看過できない。日本政府は米中の間に立って平和的解決こそ目指すべきだ。

 

  • 説明したって、お前ら理解する気も能力も無いだろう。

 大体、「軍隊には弾薬の補給が継続的に必要」なんて、常識の範囲だ。説明必要なんぞ、無い。

 左様な「常識」は、戦後平和教育=軍事忌避洗脳教育のために、相当部分の日本国民(就中、沖縄二紙記者ら)から欠落しているのは、事実かも知れない。だがそれは、国際的・世界的見地からすれば、[非常識な日本国民]が問題なのであり、報道為す新聞記者・ジャーナリスト・マスコミとしては、勉強不足の職務怠慢だ。

 弊ブログのごく初期の頃に掲げた記事「民主主義国家の国民には、一定の軍事知識が不可欠である。」でも訴えた通り、民主主義国家に於いては国民が国防上の判断をする場合が当然あるのだから、一定の軍事知識は、政治家や官僚や軍人などの「専門家」のみならず、広く国民一般にとって不可欠なのである。

 「一定の軍事知識」すら無い「国民」が、国防上の判断をするなぞ、危険極まりない。孫子の昔から「兵は凶事」であり、その国防上の判断は国家の存亡をも左右しかねないのだから。

 であるならば、本来「社会の木鐸」たるべきマスコミ・ジャーナリスト・新聞記者らの果たすべき役割は、例えば「陸自宮古島基地への弾薬搬入」と言う事実・事象に対しては、先ずその意味・意義を「説明し、解説すること」でもある、筈だ。その上でこの事象を非難批判するならば、未だ筋が通る。まあ、その際は「如何なるロジックで非難するか」はかなり見物であり…なればこそ、左様な「不都合な説明」を上掲の通り沖縄二紙は全く無視している。

 ハナっから「軍隊には弾薬の補給が継続的に必要」という常識を無視ないし知りさえもせずに、タダ「基地反対」を唱えるだけ、と言うのは報道者では無く、扇動者だ。

 ま、沖縄二紙が、少なくとも在沖軍事基地に対して扇動者以外の立場に立ったことは、トンと覚えが無いのだが、な。