• 韓国紙、社説ですらもアレだから。コラムとなると、これはもう・・・韓国紙のコラム二題 中央日報&朝鮮日報

 朝鮮半島の北半分=北朝鮮の報道機関なんてのは、国営のプロパガンダ機関であるからハナっから論外であるが、南半分の報道機関も大概である・・・ってのは、弊ブログでも幾つかの記事にしている処。

 その「大概さ」は「新聞社としての公式公的な主張」である(筈の)「社説」ですら、あの体たらくである。

 まあ、日本の新聞社でも「大概な社説」ってのは相応に在り、弊ブログの格好のネタになってくれているんだが、これが「韓国紙のコラム」ともなると、それはもう、「大変なこと」になっている。
 

  • 【中央日報コラム】国家生存を脅かす3つの幻想=韓国

  https://japanese.joins.com/JArticle/276639

? 中央日報/中央日報日本語版2021.03.17 11:1419 ?? ??

 

【コラム】国家生存を脅かす3つの幻想=韓国

 歴史学者E.H.カーは名著『危機の二十年』で民族主義の勃興と理想主義の蔓延が世界を危機に追い込んだと分析した。われわれも理想主義に埋没していると国家的危機に直面しかねない。バラ色の幻想から抜け出さなければならない。

 

 文在寅(ムン・ジェイン)政府は何よりも北朝鮮が望むことをすれば平和がやってくると認識している。現政権が推進する韓半島(朝鮮半島)平和体制構築の大義そのものを否定する者は少ない。だが、これを実現しようとする方法論は北朝鮮の望みを聞き入れてこそ平和がやってくるという根拠のない理想主義に傾いている。

 

◆制裁緩和は北朝鮮だけに得をもたらす

 

 第一に、北朝鮮が望む制裁緩和や南北協力事業を行えば、南北平和はやってくるのだろうか。北朝鮮は制裁と表裏一体となっている非核化およびミサイル開発中止に関心がないようにみえる。非核化のない制裁緩和は縁木求魚だ。制裁を緩和すれば非核化を阻止する手段が減る。制裁迂回を通した南北協力事業の展開は、金正恩(キム・ジョンウン)が望む核・経済並進路線の達成をわれわれが支援する格好になる。「強い北朝鮮」を作ることが韓国に利益になると主張する人はそんなに多くないだろう。

 

 第二に、韓米合同訓練の縮小や延期は北朝鮮が望む結果をいとも簡単にもたらすことになる。有事の際の準備態勢が整っていない軍隊は韓国を防御する盾にはなれず、これは北朝鮮だけに得になる。北朝鮮が繰り返し核・ミサイルなど非対称戦力を強化するなら、シンガポール合意にこだわらずに韓米合同訓練を再開するべきだ。

 

 第三に、終戦宣言や平和協定締結も北朝鮮に有利な措置だ。停戦体制の変更は国連司令部を、平和協定締結は連合司令部と在韓米軍の地位を無力化することにつながる。北朝鮮との平和を拒否する理由はないが、韓国防衛のための同盟だけを弱めるのは問題だ。北朝鮮の対称的軍事信頼の構築措置や中朝同盟の根本的な変化がない限り、われわれが急いで乗り出すことではない。

 

◆中国に無視される韓国の低姿勢

 

 文政府はまた、中国に融和的態度を取れば韓半島が安定すると考えているようだ。そのため中国に融和的か、低姿勢で臨む場合が多い。だが、韓国が得た実益はほとんどない。

 

 第一に、沈黙と低姿勢はかえって「韓国無視」となって返ってくる。首脳会談に訪中した大統領が一人で食事をしても、韓国の記者団が中国警護員から暴行を受けても、席配置など儀典に変化があっても問題を提起しなかった。さらに習近平主席が韓国戦争(朝鮮戦争)への参加を「米帝に対抗した正しい戦争」と言ったにもかかわらず、「同意することはできない」という立場表明さえなかった。言うべき事は言って異見を提示しなければ、格に見合う扱いを受けることはできない。

 

 第二に、中国がTHAAD(高高度ミサイル防衛)体系配備をめぐり韓国に報復措置を出すと「三不政策」という宥和措置に退いたが、中国は報復措置を引っ込めなかった。かえって韓国はTHAAD配備、ミサイル防衛、韓日米安保協力など安保主権事項であり同盟懸案に関して実益のない譲歩だけをする羽目になった。

 

 第三に、中国の目によく映ったとしても、中国は自国の戦略的利益を優先するだけで韓国側に立つことはない。中国は韓米同盟を弱めようとする北朝鮮の動きに同調しており、韓国に対しても韓米同盟にヒビを入れようと圧迫している。中朝関係は強くなるのに韓米同盟が不安定になれば韓国だけに損害だ。

 

 第四に、反中戦線に加担せず曖昧に立っていれば韓国が選択を強要されないと信じるのは甘い。韓国は民主主義、市場経済、人権尊重など自由主義的価値を尊重するという意志を明確にしなければならない。対中封鎖政策に積極的に便乗する必要はないが、韓国が中国に傾倒した国という印象を植え付けることになれば、結局韓米関係で葛藤の溝だけを深めてしまう。

 

 文政府は、日本を遠ざけたとしても損することはないという立場を見せた。現政権は日本に対して顔を真っ赤にして声を荒げておきながら、最近柔軟ジェスチャーを送ってへどもどしている。だが、日本の役割に対して低評価している点には変わりない。

 

◆ブーメランとして戻ってきた日本に対する過度な自信

 

 第一に、日本が加害者だが、自己反省も不足しているから最後まで強く出て勝負をつけようとする。「負けるはずがない」から妥協する理由もないという勢いだ。だが、日本国内に謝罪疲労症と和解に対するあきらめによって嫌韓と反韓が広がっているという現実を見なかった。日本国内の親韓派が無力化した現実にも目を閉じた。信頼が底まで落ち、信頼を取り戻す術もないのに、協力という機会の入り口を閉じて自分たちが必要な時に開いてほしいという有様だ。日本を過度に遠ざけて自ら呼び込んだ損害だった。

 

 第二に、日本はこれくらい耐えてくれるだろうという過剰な自信も問題だ。韓日企業はグローバル供給ネットワークに共同で参加して相互依存する関係で、軍事安保の面でも日本と在日米軍の支援は韓国安保に不可欠な要素だ。両国が協力すれば互いに利益だが、一方が損害を被れば非対称的に韓国側の損のほうが大きくなるという事実を努めて無視した。それによる損害は結局企業と国民がかぶるよりほかはなくなる。

 

 第三に、韓日関係と韓米関係は別個だというのも幻想に近い。韓日両国は米国同盟ネットワークの一員として不可分の関係として組み込まれている。韓日安保協力は米国の重要な戦略的利害だ。日本は米国が主導するインド太平洋戦略や日米豪印戦略対話(QUAD=クアッド)などに積極的に参加しているが、韓国は参加をためらっている。同盟の非対称性が大きくなっている。韓日関係が悪化すれば結局は韓米関係にも否定的な影響を及ぼすしかないのが現実だ。

 

朴チョル熙(パク・チョルヒ)/ソウル大国際大学院教授兼国際学研究所長

 

  • >第一に、日本が加害者だが    この時点で、話にならないな。

 上掲中央日報コラムは、タイトルに取った「国家生存を脅かす3つの幻想」として、対北朝鮮、対中国、対日本の3種の「幻想」を挙げている。それぞれの「幻想」を箇条書き的に列挙しており、「韓国紙としては珍しいぐらいに判りやすい構成」となっている。

 無論、「判りやすいのは構成だけ」と言う気が、多分にするのだが。

 なぁにしろこれら「3つの幻想」は、上掲中央日報コラム冒頭で宣している通り、「韓国人の理想主義に基づく」らしい。「理想主義に基づく幻想」とは、実に「美しい言葉」ではあるが、平たく言えば妄想やら願望やらだ。その妄想や願望を「理想主義に基づく幻想」なる美辞麗句に変換することは、「判りやすさを減じる」モノであり、率直に言って現実逃避であろう。

 「3つの幻想」の3番目に取り上げられているのが、我が国対する「韓国人の”理想主義に基づく幻想”」であるが、その初っ端が章題に引用したフレーズなのであるが・・・これだから、チョウセンジンは度し難いよな。「日本=悪」が「絶対不可侵の前提条件」になってやぁガル。この時点で「親交も外交も、結べる相手ではない。」と断定断言してしまいたくなるが、我慢してその先を読むと、我が国に対する「韓国人の”理想主義に基づく幻想”」は、以下の3つである、らしい。

 幻想①「日本の反韓・嫌韓は大したことなく、親韓は優勢・有力だ。」

 幻想②「日本はこれくらい(の韓国の反日には)耐えてくれるだろう。」
 
 幻想③「韓日関係と韓米関係は別個だ(全く独立した事象で相関は無い)」


・・・有り体に言って、「何がどう”理想主義”なんだか」という処だが、逆に「日本は絶対悪で、韓国は絶対善だから、日本も米国も韓国を絶対支援・絶対支持すべきだ」という「韓国人の理想」ならば、「貫かれている」と言い得よう。

 つまりは、妄想で在り願望で在り御都合主義で在り思い込みである。実に、チョウセンジンらしいな。

 さはさりながら、「日本は絶対悪で、韓国は絶対善だから、日本も米国も韓国を絶対支援・絶対支持すべきだ」という「韓国人の理想=実態は願望にして妄想」を、「実に判りやすく提示した」という点で、上掲中央日報コラムは「優れたコラム」と言うことが出来そうだ。

 これが、朝鮮日報コラムともなると、更にチョウセンジンに磨きがかかって・・・ 

 

  • 【朝鮮日報コラム】【萬物相】内部情報

【1】 日本による植民地支配時代の1934年に開通した影島橋は釜山の名物の一つだった。大きな鋼鉄の構造物が徐々に上がっていき、空にそびえる跳開橋(跳ね橋)は壮観で、これを見ようと、開通式には当時の釜山の人口16万人のうち6万人が見物に来たという。日本は軍需企業がある影島と釜山本土を結ぶ橋を、現在の金額で360億ウォン(約34億円)かけて建設した。影島の土地150万坪(約500万平方メートル)を所有していた日本人高利貸し業者が、100万坪(約330平方メートル)を無条件で提供した。橋のおかげで地下は跳ね上がり、無償寄附して残った土地だけでも開発の利益が上がった。影島橋が上がるたびに、釜山の人は「あいつの土地の値段も空の高さほど上がっている」と言ったそうだ。

 

【2】 1960年代、チャじゃんめん(韓国のジャージャーめん)が1杯40ウォン(現在のレートで約4円)だったころ、チャジャンめん10杯分のお金があればソウル・江南地域にある狎鴎亭洞の土地1坪(3.3平方メートル)が買えた。ソウル・江北地域の高級住宅地・新堂洞の1坪当たりの価格は3万ウォン(約2900円)で、狎鴎亭の約75倍高かった。江南の開発が本格化するにつれ、土地投機の嵐が吹き荒れた。1970年代初め、「ソウル市の幹部職員が江南一体の土地を買いあさっている」といううわさが飛び交った。彼が数十万坪の土地を買うと、数百・数千坪の残った土地を、不動産投機をする奥様方たちがまねして買っていた。ソン・ジョンモク元ソウル市立大学教授によると、その土地投機のかなりの部分が政治資金になったという。

 

【3】金も権力のある人が、一般人たちには知り得ない内部情報により、不当な利益を得るという話は、株式市場では一度や二度ではない。「カリスマ主婦」として有名だった米国の実業家マーサ・スチュワートは友人の会社に投資した。その会社が開発した抗がん剤は米食品医薬品局(FDA)の承認を受けられなかった。その事実を発表する前日、マーサは所有株を売った。この件でマーサのイメージは大幅にダウンし、会社の株価も暴落した。

 

【4】 日本では、内部情報を利用した株のわいろスキャンダルで内閣が総辞職したこともあった。1986年、リクルート社は未上場の関連子会社の公開株を安価で日本の政財界有力者たちに譲渡した。この子会社は後に株式会社に上場され、多大な差益が発生した。2年後、こうした事実がマスコミにより暴露され、最終的に竹下登首相までも辞任した。

 

【5】 内部情報を利用して膨大な不労所得を得られないようにすることこそ公正であり、正義だ。特に20-30代が内部情報を利用した不労所得に対して激怒している。彼らが歩んできた、激しい競争を経なければならない人生が、一瞬にしてばかげているように思えてくるからだ。住宅高騰により、彼らを「ヨンクル(魂までもかき集める=すべての金をかき集める)」状況にまで追いやった政権下で、韓国土地受託後者(LH)職員たちの内部情報に基づく土地投機が発生した。若い世代たちが感じる虚脱感と憤りがいかばかりか、察するに余りある。

 

カン・ギョンヒ論説委員

 

 

  • 言わんとしていることは、最後のパラグラフ【5】だけ。大半は【内部情報に依る土地投機で儲けた事例の列挙】で終わっている。

 上掲コラム、日本語訳にして約1400字(って事は、表音文字であるハングルだと、何文字になるんだろうねぇ。)を費やして、言っていることは最後のパラグラフ【5】冒頭の一文、

1> 内部情報を利用して膨大な不労所得を得られないようにすることこそ公正であり、正義だ。(*1)

に尽きている。その「言いたいこと」たる上記1>すら、随分と独断に満ちた「説得力に欠ける主張」で在り、尚且つ全体全文を通じて、その「言いたいこと」=主張・主題を「全くと言って良いぐらいに補強しておらず、説得力を増していない。」

 想像するに、「内部情報を利用した膨大な不労所得」で頭に血が上り、「これを阻止することこそ公正・正義だ!」と憤り、公正とか正義といったモノは「他にもある」とか、「内部情報を利用した膨大な不労所得」で「頭に血が上る」人ばかりでは無いとか言うことは、全く考えられなくなっている、のではなかろうか。それで、上記1>に至るまで「内部情報を利用した膨大な不労所得」の事例(それも、かなり怪しい。特に最初の事例は「内部情報による」とする根拠が噂の域を出ない。)を(それも、)縷々述べるばかり。左様な事例を縷々述べるだけで、「内部情報を利用した膨大な不労所得を阻止することこそ、公正・正義だ!」と主張するのに「充分な根拠」と考えて居る、らしい。

 率直に言って、左様な主張・断言は、上掲コラム記者の主観・独断であり、一言で言えば「妬み」であろう。
 
 そりゃ「他人の不幸は蜜の味」の逆で、「他人の幸福/幸運は癪の種」ってのは、ままあることだろうが、それを公言して憚らないのは、実に醜悪であり、浅ましい限りだな。

 それこそ正に、チョウセンジンらしい、のであるが。

 


  • <注記>
  • (*1) 普通は、「公正」の前に「、」を入れる、のでは無かろうか。どうも、ハングルには句読点が無いらしく、韓国紙の日本語訳は句読点が異様に少ない傾向にある。