• 憲法学的曲解-「同性婚を認めないのは違憲」判決を賞賛するアカ新聞社説


 憲法学者ってのは、基本キチガイなのではないかと思う。まあ日本国憲法なんてオッペケペーなモノを信奉していれば、キチガイになるのも無理はなかろうが、精神科医が発狂するとは限らないのだから、憲法学者が私(ZERO)から見て「キチガイなのではないか?」と思えてしまう理由は、今以てわからない。日本国憲法を研究するのに、日本国憲法を信奉し崇め奉らねばならないって合理的理由は、無いはずだ。無論、今の憲法学会ってのは「憲法信者の巣窟」になっているようだから、憲法信者にならないと、憲法学者って肩書きでは居られない」って事は、大いにありそうではあるが・・・そりゃ学究の徒=学者の取るべき態度ではあるまい。

 私(ZERO)が「憲法学者ってのは、基本キチガイなのではないか?」と考える理由の一つは、一寸前までの集団的自衛権に対する考え方である。一寸前までは日本政府も、今以て(多分)相応の数の憲法学者も、日本国は、集団的自衛権を有するが、日本国憲法がこの執行を禁じているため、日本国は集団的自衛権を執行出来ない。と解釈し、説明し、実に恐るべき事に相応に「納得して」さえいた/居るのである。

 「ある主体はある権利を有しているが、日本国憲法がその権利の執行を禁じている」という状態は、その主体に対してその権利を有する事を日本国憲法が禁じているのと何ら変わりはないのだから、普通に考えれば「日本国憲法が当該主体の当該権利を蹂躙している」と言うことである。

 「日本国は、集団的自衛権を有するが、日本国憲法がこの執行を禁じているため、日本国は集団的自衛権を執行出来ない。」のであるならば、平たく言えば日本国憲法は日本の集団的自衛権を蹂躙しているのであり、「速やかに改憲ないし廃憲すべき、とんでもない悪憲法」と考えるのが普通である、と私(ZERO)には思えるのだが、一寸前までの政治家も未だに数多の憲法学者も、左様には考えず「日本国は、集団的自衛権を有するが、執行出来ない。」状態を容認どころか是認していた/しているのである。キチガイでなければ「日本国憲法信者」とか、「二重思考」とか、評すべきであろう。

 ま、政治家はまだ良かろう。政治とは少なくとも一面「現実との妥協」であり、憲法九条だろうが集団的自衛権だろうが、実利実益の前には「如何なる曲解をも辞さない」というのは、政治家としてはある種の見識とさえ言えよう。

 不思議不可解なのは学者即ち憲法学者の方で、学問を突き詰めるならば「日本国憲法は日本の集団的自衛権を蹂躙している」状況に何らかの「解決」なり「解釈」なりをもたらしそうなモノを、左様なモノは寡聞にして知らず/知られず、ただ、「日本国憲法は日本の集団的自衛権を蹂躙している」状況を肯定是認するのみだった(としか思えない)のだから、キチガイ/憲法信者/二重思考と評する以前に「そもそも学者として終わっている」奴バラばかり、と思えてしまう。「名の知れた憲法学者」ってのは、そんなのばかりだからな。

 でまあ、「基本キチガイではないか?」と疑える憲法学者やその手先が、またぞろその「基本キチガイぶり」を発揮して見せたのが「同性婚を認めないのは違憲」という判決であり、この判決をアカ新聞どもがこぞって歓迎する社説を掲げている。

 我が国の集団的自衛権が、現状の「以前よりは大分マシ」な状況になろうとした際、アカ新聞どもがこれにこぞって反対したのと「軌を一にしている」と考えるのは、私(ZERO)だけであろうか。

①【朝日社説】同性婚判決 「違憲」の解消を急げ
②【毎日社説】同性婚否定は「違憲」 人権尊重した画期的判断
③【東京社説】同性婚判決 社会意識の変化捉えた
④【琉球新報社説】同性婚否定「違憲」 法整備を検討すべきだ
⑤【沖縄タイムス社説】[同性婚禁止は違憲]時代の変化に沿う判決


 

  • ①【朝日社説】同性婚判決 「違憲」の解消を急げ

2021年3月18日 5時00分

 

【1】 同性間の結婚を認めず、国が法的保護を一切与えないのは不合理な差別で、法の下の平等を定めた憲法に違反する――。同性パートナーとの法律婚を望む人たちが起こした裁判で、札幌地裁がそんな判断を示した。

 

 

【2】 少数者の基本的人権を尊重し、時代の大きな流れにも沿った判決であり、評価できる。

 

 

【3】 結婚制度は、ともに生きる2人の関係を公的に証明するもので、そこからさまざまな権利・義務など法律上の効果が生まれる。同性カップルをその枠外に置き続けるのを見過ごすわけにはいかない。国会と政府は不平等の解消に、ただちに乗りださなければならない。

 

 

【4】 判決は、性的指向は「自分の意思で選択・変更できないもので、性別や人種と同様だ」と指摘。どんな結婚制度にするか国会には広範な裁量権があるとしつつ、同性愛者を排除するのは合理的な根拠を欠くと結論づけた。ただし、この問題が認識されるようになってまだ日が浅いことを挙げ、国会が民法や戸籍法の改正を怠ったことに対する賠償請求は退けた。

 

 

【5】 同様の訴訟は東京など4地裁でも進行中だ。判決も指摘するように、同性婚に関する国民の意識は変化してきている。見直しをためらう理由はない。

 

 

【6】 同性カップルの権利に配慮した施策は自治体が先を行く。関係を公的に証明するパートナーシップ制度は、15年の東京都渋谷区を皮切りに、これまでに大阪府、茨城・群馬両県など80近い自治体が導入している。同性パートナーを生命保険金の受取人に指定するのを認めるなど、民間企業の対応も広がる。

 

 

【7】 とはいえ法的拘束力はないため、パートナーとして登録されても、配偶者控除、医療費控除の合算、相続税の優遇、養子の共同親権などは認められない。犯罪被害者の遺族を支援するための国の給付金も同性パートナーには支給されず、その是非が別途裁判で争われている。

 

 

【8】 国外に視線を転じると、既に約30の国・地域が同性婚を認めている。主要7カ国で法整備が手つかずなのは日本だけだ。日本人と同性婚した外国人は来日しても配偶者ビザを得られず、身分が不安定になっているとして、米国などの商工会議所が改善を求めている。

 

 

【9】 当事者にとってはそれぞれの人生や幸福に直結する問題である。野党3党は2年前、同性婚を法律上認めるようにする民法改正案を国会に提出したが、たなざらしになったままだ。

 

 

【10】 司法の警告を受け止め、この国会で審議を始め、あるべき姿を探る必要がある。これ以上手をこまぬくのは、差別に加担し偏見を助長するのと同じだ。

 

  • ②【毎日社説】同性婚否定は「違憲」 人権尊重した画期的判断

毎日新聞 2021/3/18 東京朝刊 English version 855文字

 

【1】 同性同士の結婚を認めない現在の制度は、憲法に違反するとの初めての判断を札幌地裁が示した。法の下の平等を定めた14条に違反していると認定した。

 

 

【2】 性的指向は多様であるのに、同性カップルは不当な扱いを受けている。そうした人たちの人権を尊重した画期的な判断だ。

 

 

【3】 民法や戸籍法は男女が結婚することを前提としており、同性カップルは婚姻届が受理されない。

 

 

【4】 判決は、性的指向は人種などと同様に自分の意思によって選択、変更することができないものであり、同性婚を認めないのは合理的な根拠を欠いていると指摘した。

 

 

【5】 異性カップルならば結婚によって法的な地位や権利を得られるにもかかわらず、同性カップルにその手段がないのは、差別的な取り扱いに当たると判断した。

 

 

【6】 裁判では、「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」とした憲法24条の解釈も争点だった。

 

 

【7】 判決は、異性婚について定めた規定だと指摘しつつも、同性カップルに対する法的な保護を否定するものではないと明言した。

 

 

【8】 同性婚を巡っては社会の意識も変化している。

 

 

【9】 実現を目指す団体が一昨年に実施した調査では、7割以上が同性婚に賛成している。同性カップルに社内の福利厚生を適用する企業も増えている。

 

 

【10】 東京高裁は昨年、同性間でも事実婚が成立し、法的に権利が保護されるとの判決を出している。

 

 

【11】 今回の判断は、時代に即したものだと言える。

 

 

【12】 同性カップルの関係を自治体が公的に証明する「パートナーシップ制度」も広がっている。東京都渋谷区が2015年に始め、今月時点で78自治体が導入した。

 

 

【13】 法的な拘束力はないが、住宅の入居やパートナーの入院、生命保険の契約などで活用されている。

 

 

【14】 しかし、それだけでは限界がある。パートナーの法定相続人になれず、共同で親権は持てない。税制や社会保障でも不利益がある。

 

 

【15】 政府は同性婚について「憲法で想定されておらず、極めて慎重な検討が必要」との姿勢だ。

 

 

【16】 世界では28の国・地域が同性婚を認めている。国は今回の判決を重く受け止め、権利を守る法制度の整備に乗り出すべきだ。

 

  • ③【東京社説】同性婚判決 社会意識の変化捉えた

2021年3月18日 07時56分

 

【1】 同性婚を認めないのは違憲?。北海道在住の同性カップルが損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁が初判断を示した。性的少数者の人権を重んずるのは当然で、立法府は法整備を検討すべきだ。

 

【2】 「同性カップルに婚姻によって生じる法的効果の一部すら与えないのは差別に当たる」?。札幌地裁の裁判長はそう述べた。憲法一四条が定めた「法の下の平等」に照らし「違憲」としたのだ。

 

【3】 三組の同性カップルが婚姻届を出したのに、「不適法」と受理されなかったため、同性婚を認めない民法や戸籍法は憲法違反だと二〇一九年に提訴していた。

 

【4】 原告たちにとっては喜びの瞬間だったろう。

 

【5】 性別や人種などで差別があれば、むろん「法の下の平等」に反する。婚姻についても同性愛者の権利保護を明確にしたわけで、司法の役割は果たしたと評価できる。他の地裁で進む同様の裁判にも影響は必至だろう。

 

【6】 もちろん下地はあった。一五年に東京都渋谷区が全国で初めて、同性カップルに「パートナーシップ証明書」を発行する条例を施行した。

 

【7】 同様の制度は既に全国約八十の自治体で導入され、計約千五百組に交付されている。企業でも福利厚生面で認める動きがある。

 

【8】 司法でも一九年には、宇都宮地裁真岡支部で女性同士のパートナーの事実婚について「内縁関係に準じた法的保護」を認めた。

 

【9】 その一方で昨年三月に大阪地裁は四十年以上続いた男性同士のパートナー間の相続を認めない判決を出している。

 

【10】 司法判断は揺れていたわけで、その意味でも今回「同性婚を認めないのは違憲」と踏み込んだ札幌判決は意義深いといえる。

 

【11】 性的少数者(LGBT)への差別をなくすべきだという世論は近年高まっている。電通が一八年に行った調査では、LGBT差別撤廃の法整備に約72%が賛成している。同性婚の合法化も「賛成」「どちらかというと賛成」の回答が約78%に上っていた。

 

【12】 国側は一貫して「同性婚は想定されていない」と繰り返し、旧民法下の「家制度」ばりの家族観を示す政治家もいる。

 

【13】 だが、もはや性的マイノリティーに対する社会意識が大きく変化しているのは明らかだ。性的指向で婚姻まで差別するのは不当だとの司法メッセージを重く受け止めるべきである。

 

  • ④【琉球新報社説】同性婚否定「違憲」 法整備を検討すべきだ

2021年3月19日 06:01

 

【1】 同性間の結婚を認めないのは憲法に反する―。婚姻届を受理されなかった北海道の同性カップル3組が国と争っている訴訟で、札幌地裁は17日、婚姻による法的権利が同性カップルに認められないのは憲法14条が禁じた不合理な差別に当たると判断した。

 

 

【2】 少数者の基本的人権を救済する司法の役割を果たすと同時に、多様性を認め合う社会の流れに沿った画期的な判決だ。現状は差別だと裁判所が明確に踏み込んだ意味は重い。違憲状態の解消に向け、政府や国会は法整備を早急に検討すべきだ。

 

【3】 同性愛を巡って社会全体の意識が肯定的に変わってきた中で、自治体が先導する形でパートナーシップ制度の導入が進んできた。同性カップルを「結婚に相当する関係」と認めて証明書を発行し、自治体が認めたサービスが利用できるようにしたものだ。

 

【4】 2015年に東京都渋谷区と世田谷区が開始したのを皮切りに、パートナーシップ制度がある自治体は1日時点で78に上る。県内でも16年に那覇市が導入し、浦添市では開会中の市議会3月定例会で条例案が可決の見通しだ。

 

【5】 しかし、パートナーとして自治体に登録されても、法的に保障された関係ではない。互いの死亡時に法定相続人になれず、養子の共同親権を持つことができない。税制上の配偶者控除を受けられないなど、異性カップルであれば認められる権利が保障されない不利益が生じている。

 

【6】 17日の判決で、札幌地裁の武部知子裁判長は「性的指向は自らの意思にかかわらず決定される個人の性質で、性別や人種と同様」と指摘。愛する人が異性か同性かで法的利益に差異がある現状は、合理的根拠を欠いた差別的な取り扱いだとした。

 

【7】 一方で、原告が求めた損害賠償については、日本で同性カップルの権利保護の議論がされてきたのは比較的近年であることから、「国会が違法性を直ちに認識することは容易ではなかった」として退けた。ただこれも、社会の変化に合わせた法整備の対応を国会に促したといえる。

 

【8】 海外では01年にオランダが初めて同性婚を認め、昨年5月時点で同性婚を容認する国や地域が29に上っている。先進7カ国(G7)で同性カップルを法的に認めていないのは日本だけだ。

 

【9】 野党3党は19年に同性婚の制度化を図る民法改正案を衆院に提出したが、具体的な動きになっていない。伝統的家族観を重視する与党の自民党内に、同性婚の法制化に抵抗が強いためだ。この構図は、選択的夫婦別姓の導入を巡る議論にも通じる。結婚の自由や権利が全ての人に保障されることの意義は、性的少数者だけの問題ではない。

 

【10】 制度的な不平等を放置すれば、少数者への偏見を助長することにもなる。多様化する家族の在り方に合わせた、柔軟な法制度が必要だ。

 

  • ⑤【沖縄タイムス社説】[同性婚禁止は違憲]時代の変化に沿う判決

2021年3月18日 06:24

 

【1】 当事者が声を上げた画期的な訴訟で、時代の変化を踏まえた画期的な判断が示された。

 

【2】 国が同性同士の結婚を認めないのは憲法に違反するとして、北海道に住む同性カップル3組が訴えた裁判で、札幌地裁は、法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると認定した。

 

【3】 全国5地裁で争われている同様の訴訟では、初の判決となる。

 

【4】 注目したいのは、武部知子裁判長が判決理由で指摘したこの言葉だ。

 

【5】 「性的指向は自らの意思にかかわらず決定される個人の性質で、性別や人種などと同様」

 

【6】 「同性愛者が婚姻によって生じる法的効果の一部すら受けられないのは立法府の裁量権を超え、差別に当たる」

 

【7】 性的指向は本人が選んだり、決めたり、変えたりできるものではないと踏み込み、一人一人の性の在り方を尊重する姿勢を強く打ち出した内容といえる。多様性を認め合う社会の要請にも沿うものだ。

 

【8】 判決は「差別」という言葉を使い、性的少数者(LGBT)の権利保護にも触れる。

 

【9】 愛する人と家族になって生きていく権利は誰にとっても重要だ。にもかかわらず同性婚が認められていないため、法定相続人になれなかったり、緊急手術の署名ができないなどの不利益は、人としての尊厳にもかかわる深刻な問題である。

 

【10】 家族の在り方が多様化する中、国は判決を重く受け止め、法制化を含めた議論を急がなければならない。

 

■    ■

 

【11】 違憲判断を後押ししたのは、性的少数者に対する社会の意識の変化や、同性カップルを異性間と同じように受け入れようとする自治体や企業の動きだ。

 

【12】 電通ダイバーシティ・ラボが2019年に発表した6万人アンケートでは、11人に1人がLGBTに該当した。同性婚に賛成する人の割合も8割近くに上った。

 

【13】 LGBTのカップルを結婚に相当する関係と認める「パートナーシップ制度」も約80自治体で導入されるなど広がりを見せている。

 

【14】 消極姿勢の政府に代わって、住民により近い自治体が、差別を解消し、生きづらさを取り除こうと工夫を凝らしているのだ。

 

【15】 ただ法的効力を持たないパートナーシップ制度に限界があるのも事実だ。制度の有無による地域差も生じている。

 

■    ■

 

【16】 日本政府は同性婚について「慎重な検討を要する」との立場で、導入への議論は進んでいない。

 

【17】 政府が同性カップルに結婚という法的地位を与えないことと、自民党内で繰り返されるLGBTへの差別的言動は無関係には思えない。

 

【18】 先進7カ国では米国、英国、ドイツ、フランス、カナダで同性婚が認められている。

 

【19】 判決が指摘するように同性カップルへの理解は広がっている。

 

【20】 人権という観点から、もはや無視できない問題である。ボールは立法府に投げられた。

 

  • 日本国憲法第二十四条

1> 第二十四条
2> 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
3> 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。


 斯様に第二十四条に明記している日本国憲法が「同性婚を認めている」などと断定断言するのは、相当な曲解が必要である。何しろ上記2>の通り、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」と明言明記断定しているのである。

 当たり前であろう。70年以上も前に制定されて以来、タダの一文字も変更されていない日本国憲法に、「同性婚」なんて「新しい考え」が入っていたら、ピラミッドの中でジェット戦闘機が見つかったぐらいのオーパーツ級の珍品だ。

 で、その「オーパーツ級の珍品」を見つけ見いだし、日本国憲法を曲解して見せたのが今般の「同性婚を認めないのは違憲」とする地裁判決である。何でも人の性的指向は変えられないのだから、同性同士でカップルを”結婚として扱わない”のは、法の前の平等に反するから、日本国憲法違反」なんだそうな。「家族になる」のも「結婚する」のも、性的指向とは無関係でもあり得るだろうに。

 改めて言うのもばかばかしいが、上掲上記の通り憲法二十四条に「婚姻」について定められているにも関わらず、だ。

 ウイキペディアに依れば同様の曲解は以前から存在しており、今回の地裁判決はその曲解を採用した形、のようだ。
 
 左様な曲解の一つが、「憲法二十四条は(従来既存の)”異性婚”について定めたモノであり、同性婚を禁じてはいない。」という説、なんだそうだが・・・そもそも「同性婚」なんて概念も気配も日本国憲法には無い”異性婚”も何も、結婚とは、異性同士がするモノだ。それが常識であるから「結婚」を”異性婚”などとは呼ばない。上記の通り日本国憲法は婚姻を「両性によるモノ」としており、「同性婚を禁じていない」のは、そもそも「同性婚」なんてモノを認識すらしていないから、だ。

 「憲法二十四条が禁じていない」と言うのならば、上記上掲条文からすれば「異性相手の重婚、多重婚」も禁じられてはいるまい。

 無論、日本国憲法は「不磨の大典」ではない(筈だ)し、日本国憲法で全てが定まらないからこそ自衛隊は発足し、存続し、現存し、我が国の安定安泰、ひいては「日本国が存続し続け、日本国憲法を遵守出来る体制にあること」をしっかりと支えて来た。自衛隊と憲法九条の関係を考えれば、「憲法二十四条を変えないまま、同性婚を認める法律を作る」と言うことも、物理的には可能だろう。
 
 で、だ。改めて上掲した各紙「同性婚賛成社説」共が今般の「同性婚を認めないのは違憲」判決を絶賛し同意する理由を抽出していくと・・・(例によって、丸数字は各社社説を、【】はパラグラフ番号を示す)

  • 抽出 アカ新聞各紙が「同性婚は違憲だ」判決を賞賛する理由

<1>同性婚を認めるのは時代の流れだ ①【2】②【11】


<2>同性婚を認めないのは不平等/差別 ①【3】【10】②【1】【2】【5】③【2】【5】【11】④【1】【10】⑤【6】


<3>国民の意識は同性婚を認めるよう変化した/している ①【5】②【8】【9】③【13】④【3】⑤【11】【12】


<4>世界約三十カ国、主要7カ国の内5カ国で同性婚が認められている ①【8】②【13】④【8】⑤【18】


<5>憲法二十四条は同性婚を否定していない ②【7】

 まず上記<2>「不平等/差別」ってのは、今回の地裁判決にも在るそうだから、アカ新聞がこぞって取り上げるのも無理はなかろう。なればこそ、これは後ほど、上記<5>と併せて論じることとしよう。

 上記<4>は、「外国では・・・」という「デワノカミ」って奴だ。主要7カ国中5カ国で同性婚が認められていようが、我が国が同性婚を認める理由にはならない。「補助的援護射撃による権威付け」にはなるかも知れないが、その相当数が「死刑を廃止している」という事実は、「我が国が左様な”世界的流行”に易々と乗るべきではない」事を示していよう。
 況んや、「世界約30カ国」ってのは、世界には約200の国があることを考えれば、2割にも満たないのである。何の説得力があろうか。

 上記<1>は「時代」、上記<2>は「民意」と要約出来ようが、「民意」と言えば聞こえは良いが、世論調査結果と言うだけ。これに従うというのは「民意に従う」と言えなくはなかろうが、大衆迎合でしかない。「民意を問う」ならば、同性婚の是非を賭けて選挙をするのが筋だろう・・・と言うか、旧民主党は、( その大半は今の立憲民主党やら国民民主党やら諸々なのだが、 )悪夢の民主党政権時代に「同性婚を認める」動きをしていたではないか。今の旧民主党の凋落は「同性婚を認めていたから」、ではないかも知れないが(*1)、「同性婚を認める動きをしている旧民主党が、選挙の結果今の体たらくである」のは事実である。世論調査とやらとは随分とギャップがあるな。

 上記<1>「時代」ってのも、随分と胡散臭い。大体、法律が定める家族制度などというモノは、最も保守的で固定的で安定的であるべきモノだ。当たり前だが家族制度は社会の根幹基盤であるのだから、ころころ変わってはたまったモノでは無い。事実、我が国での法的家族制度がこの前大きく変わったのは、明治初めの頃の「妾制度の廃止」であり、以降百年近く基本的に変わっていない。

 同性婚なんてモノを法的に認めるのは、極言するなら「日本で同棲しているカップルの過半数が同性カップルである」状態になってからで良いのであり、それまでは同性カップルは、同棲して同居して生計を一にして「愛し合って」居ようが、「結婚している」とは言わない/呼ばない。従って、「日本で同棲しているカップルの過半数が同性カップルである状態になり、同性婚が日本の法律で認められる」その日まで、「同姓婚とは、言語矛盾である。」と、少なくとも私(ZERO)は主張し続けるだろう。予てより私(ZERO)が主張する通り、だ。

 はーて、「豚が空を飛ぶ時代(*2)」や「豹がその斑を全て洗い流し、ジャージー種の牛と同じ仕事をもらう日(*3)」と比べて、どっちが先に来るかねぇ。

 で、だ。ここが一番の注目点だと思うのだが、上掲アカ新聞5紙の内、日本国憲法が婚姻について定めた憲法二十四条=上記<5>に触れているのは、実に上掲②毎日新聞だけであり、当たり前だが上掲②毎日社説も「同性カップルに対する法的な保護を否定するものではない」と、当該判決文を引用してみせるだけ、である。

 そりゃ、「見るからに苦しい」からな。同性婚支持のアカ新聞どもとしては憲法二十四条には触れたくないだろうさ。だが、上掲②毎日新聞が明記している通り、今般裁判の争点でもあったはずの「憲法二十四条の解釈」に、上掲②毎日新聞だけしか触れてすら居ないと言う事実と、逆に上掲アカ新聞全てが(同じく判決文にあるとは言え)上記<2>「不平等/差別」には触れていると言う事実は、かなり強烈にあることを示唆している、のではなかろうか。

 即ち、「我が国が同性婚を法的に認めるためには、本来、憲法二十四条の改正が必要である」と言うことと、「憲法二十四条に改正が必要である、とは、アカ新聞としては認めがたい。」と言うこと。なぁにしろ「同性婚を認めないことは不平等で差別で日本国憲法違反だ。」って判決が出ちまったんだ。普通に考えれば「婚姻に従来本来の結婚である両性による結婚しか規定していない憲法二十四条」は「日本国憲法違反となるほど差別的で不平等」と、なろう。

 尤も、二十四条に限らず日本国憲法内の如何なる条文文言も「日本国憲法違反」であるならば、それは「自己矛盾というモノ」である・・・まともな憲法学者ならば、その程度の「日本国憲法の欠陥」は受け入れられ、議論し検討出来る、と思うのだが、なぁにしろ憲法信者が揃っているらしい我が国の憲法学者共やアカ新聞には「受け入れがたい現実」であろうさ。

 で、一つの争点であった「日本国憲法24条の解釈」について、大半のアカ新聞は頬かぶりして知らんふり。上掲②毎日だけが当該判決文を引用して「誤魔化している」訳だ。

 

  • <注記>
  • (*1) 同性婚の是非なんぞ裸足で逃げ出す諸々の欠点が、旧民主党にはあった。 
  •  
  • (*2) ジャック・ヒギンズ作「鷲は舞い降りた」から、アイルランド人闘志リーアム・デブリンの台詞から。「豚が空を飛ぶ時代が来るかも知れないが、ドイツが勝つとは思わない。」と、使う。 
  •  
  • (*3) ロバートAハインライン作「宇宙の戦士」から、主人公ジョニー・リコの台詞(独白)から。主人公の属する機動歩兵や軍隊が無用不要となり、「戦争の事なんて考えなくて良い時代」の例え。 


 

  • 諄いようだが、結論。法律の定める家族制度は、最も保守的であって然るべきだ。

 従って、我が国が法的に同性婚を認めるのは「世の同姓同居しているカップルの相当数が同性カップル」という、私(ZERO)に言わせれば「凄まじい惨状(*1)」が実現してからで良い。
 
 而して、憲法24条は明らかに婚姻を規定しているのであるから、「法的に同性婚を認める」上では、憲法24条を改憲するのが、筋であろう。


<注記>
(*1) 旧
約聖書のソドムとゴモラの実現である。「凄まじい惨状」という表現は、至当というモノだろう。私は逆立ちしてもキリスト教徒ではないが、ソドムとゴモラを滅ぼしたという神には、些かながらシンパシーを覚えるぞ。