• 全く同情できないんだが。-【日刊SPA】難関大卒も無職になった女性。「生活保護でもいい」と燃え尽き症候群に


 俗に他人(ひと)の不幸は蜜の味などと言う。私(ZERO)は全く見ないのだがTVのワイドショートか、同じく私は読まない週刊誌なんてのは、「蜜の味にした他人の不幸」で満ち溢れている、らしい。下掲の日刊SPA記事と言うのも、恐らくは母体であるSPAが週刊誌であることもあってか、「蜜の味にした他人の不幸」を記事にした、心算らしい。

 冷静に考えれば、極当然のことながら、いくら他人が不幸である事を知っても、自分が幸福になる訳ではない。のである。精々が、「自分よりも不幸な他人がいることを知って、安心・安堵出来る。」程度であり、私自身「他人の不幸に、“蜜の味”なぞ、感じまい。」と、心掛けている。

 なればこそ、下掲記事にある「他人の不幸」に「私(ZERO)自身は、”蜜の味”を感じない」という点には、「ある種の満足」を覚えるのだが・・・それ以上に/それ以前に、タイトルにした通り、下掲記事にある「他人の不幸」には、私(ZERO)自身は「全く同情できない」のである。



 

  • 【日刊SPA】難関大卒も無職になった女性。「生活保護でもいい」と燃え尽き症候群に

2021年02月28日 08時54分 SPA!

 

千葉大卒 柳沢久美子さん(仮名・46歳・無職) 鈴木杏樹似の面影を残す柳沢さん。医局秘書時代は医者たちにちやほやされ「この世の栄華を誇った」そう

 

輝かしい未来を見据えて猛勉強。努力が実って難関大学に入学、卒業し“高学歴”という肩書を得たにもかかわらず低収入に陥っている人がいる。なぜエリート街道から外れてしまったのか。千葉大卒も、現在の年収0万円に転落した女性を取材。言うに言えぬ低収入の理由とその背景に迫る!

 

◆学歴のプライドが邪魔をして人間関係が悪化。無職へ……

 

 千葉大学教育学部卒業後、通信系の企業にトップの成績で入社した柳沢久美子さん(仮名・46歳)は、その年の8月に結婚し、10月には退職してしまったという。

 

「夫とは大学4年から交際を始めたんですが避妊に失敗。結局入社直後に妊娠が判明して自らの意思で中絶。以来、体調が悪いままで、退社せざるを得なかったんです」

 

 学生時代は、トレンディドラマで名を馳せた鈴木杏樹似でモテモテだったと語る彼女だが、「私は自分のことが好きじゃない。だから私のコピーを生むのはイヤ」と主張し、中絶同意書に署名させた。

 

「夫の返事は、『君の考えの通りでいいよ』だけ。もともと交際中から、私の発言力が強かったんです」

 

 結婚2年目、ようやく体調が戻った彼女。難関国立大出は医者受けが良く、総合病院の秘書の職を難なく得て働きだすと、夫婦間にはさらに深い溝が生まれた。

 

「避妊を失敗したあの日の記憶もあって、夜を拒んだんです。

 

それ以来、お互い空気のように」

 

◆結婚8年目に離婚

 

 結婚8年目、夫が突然動く。幕張のタワマン最上階の部屋を夫婦の共同名義で購入しようと頭金400万円を入れ、明日は本契約という日に、離婚を切り出された。

 

「小さい頃からトラブルが苦手だし、何を言っても無駄だと本能的に感じて、離婚を受け入れ実家に帰りました。今から考えれば、もっと抵抗して慰謝料も取るべきでした。そうすればあのタワマンに今も住んでいたはずなのに……」

 

◆パワハラを受け病院を退職

 

 離婚をきっかけに夫と共通の交友関係を断絶。彼女は今、市営住宅でひとり暮らしをしている。

 

 勤め先の中堅医大卒のひとつ年下のドクターに対しては、学歴のプライドから、理論的に反論したのを契機にパワハラを受け病院を退職。その後は職を転々とし、ついには無職の身となっている。

 

「大学に入った時点で燃え尽き、ここまで転げ落ちました。最悪、生活保護でも受ければいいかな」

 

 もう、プライドよりも楽な生活を選択したいとつぶやいていた。

 

<取材・文/武馬怜子(清談社)>

 

―[高学歴貧困の末路]―

 

  • 抽出、この女性の履歴


 上掲記事を読み始めて、最初の疑問は、千葉大学が、難関大学なのか?だった。「千葉大学」と言うぐらいだから、千葉にはあるのだろうが(*1)、明らかに帝大ではないし、国立大かどうかも不明だった。県立ならば「県立」とつけるのが普通だろうが、私大という可能性は、ありそうに思えた・・・つまりは私(ZERO)が「千葉大なんて、知らなかった。」と言うことであるが。

 ま、ネットのお陰でチョイと調べれば、千葉大は国立大であり、偏差値で言うと「50.0~67.0」と判明した。偏差値は50が平均点であるから、「中から中の上の大学」という処。偏差値67.5と言うのは医学部で、他は偏差値60切る学部がゴロゴロある様だから、「これで難関大とは、言い難い」気がするが・・・この人は46歳だそうだし、大学受験したのは30年近く前で、状況は今とは異なっていた、のかも知れない。

 そんなこの人の履歴を、上掲記事から抽出すると、以下のようになろう。

① 千葉大学教育学部入学

② 大学4年で、後に夫なる男性と交際開始

③ 大学卒業後、通信系の企業にトップの成績で入社

④ 入社直後に妊娠が判明。自らの意思で中絶。以降体調悪化

⑤ 入社年8月に学生時代から交際していた男性と結婚(*2)。10月に退社。

⑥ 結婚2年目、体調復調し、総合病院の秘書として働き始める。

⑦ 性交拒絶(*3)

⑧ 結婚8年目に、夫から離婚を切り出され、承諾。

⑨ 勤め先の中堅医大卒の一つ下のドクターに大しては、学歴のプライドから理論的に反論したのを契機にパワハラを受け、病院を退職

⑩ 職を転々とした後、無職に至る。


・・・率直な感想。自業自得以外の、なんだろう。

 先ず上記⑩「ほぼ確実に自己責任」であり、元夫の性にも、離婚の性にも出来まい。「学歴に対するプライドの性」には出来そうだが、それは正に自己責任であろうが。上掲記事には離婚の時に粘れば、タワマンに住んでいられたとの記述もあるが、それは「住居が違う」と言うだけ、その後の⑨から⑩は、タワマンに住んでいようが公共住宅に住んでいようが、関係なかろう。

 上記⑨「パワハラで退職」から上記⑩「転職を繰り返して、無職に至る」因果関係・相関関係も、曖昧で不明確だ。上掲記事の記述が正しいならば、最初の退職④は体調不良により、次の退職⑨は「パワハラに耐えかねて」で、退職の理由が随分と違い「以降の退職に繋がった」とは、考え難い。二回の退職で、退職に対する抵抗感がなくなった」とは一応考えられるが、「無職に至る」ほど「退職への抵抗感が無い」と言うのは、自己責任以外のどこの誰の責任なのだろうか。「全知全能の神」にぐらいしか、その責任は押しつけられそうに無いぞ。

 ああ、「転職を繰り返して、キャリアダウンを続けて、遂に就職できる職が無くなった。」のであれば、「全知全能の神」はお出ましにはならないかも知れないが・・・「転職を繰り返して、キャリアダウンを続けた」責任は、当人以外に誰にあろうか?

 上記⑨の記述自体も、あれこれ疑問点がある。千葉大卒の学歴のプライドが邪魔になるような、中堅医大ってのが先ず引っかかる。先述の通り「偏差値50から入学できる千葉大」の「プライドが邪魔する大学」は「偏差値50を切る」即ち「平均以下の大学」でありそうだし、そんな偏差値の大学が「中堅医大」たり得るのか、大いに疑問だ。

 「理論的に反論したのを契機にパワハラ」ってのも、「あり得ること」ではあろうが、「あってはならないこと」でもあり、「妙なこと」でもある。パワハラ自体が「あってはならないこと」でもあるが、その契機が「理論的な反論」ならば、理は益々上掲記事の「ヒロイン」たる女性にある、筈だ。にも関わらず、上記⑨の通り女性は「退職に追い込まれている」訳だが・・・「果たして、理論的な反論だったのか?」にも「果たして、パワハラだったのか?」にも疑問符が付き、法廷ならば反対尋問の争点となる処だろう。

 上記④「自らの意思による妊娠中絶」も、私は自分のことが好きじゃない。だから私のコピーを産むのはイヤ」と言う、傲岸不遜とも言うべき理由だ。子供が、親のコピーな訳、無かろうが。」とも、「お前は、親の、コピーかよ。」とも、突っ込みたくなるが、かかる理由で妊娠中絶したならば、上記④「性交拒絶」が在ろうが無かろうが、「子どもは産まない」と決意していた、筈だ。これは普通なら、充分な離婚理由となる・・・と言うか「ハナっから、何故結婚したのかね?」と、この夫婦双方にお尋ねしたいぐらいだ。前述の通り「中絶してから結婚」にせよ、「結婚してから中絶」にせよ、この点、実に不可解だ。


 「その子供が、実は当時交際しており後に結婚した男性の子供では無い。」と仮定すると、この「不可解さ」はかなりスッキリ説明できるのだが。実際どうであったかを調べ、実証するのは難しそうだがな。

 上掲記事には、この女性が上記①大学入学時点で「燃え尽きた」とのセリフも見えるが、上記③「トップの成績で入社」が事実ならば、「未だ燃え尽きては居なかった」と推定できる。

 否、それどころか、大学4年で付き合い始めた男性との子供を妊娠している事が(教育学部だから、4年制大学を)卒業・入社直後に発覚というのが事実なら、相当に精力的・積極的であったはずだ・・・あくまでも「事実ならば」だが。

 以上の如く、チョイと考えると、上掲記事を書いた清談社の武馬怜子なる記者は、「上掲記事に対して、どこまで裏取りをし、事実関係を確認したのか?」が極めて疑問に思えて来る。まあ、日刊SPAは「新聞ですら無い(*4)」し、「当該女性の話だけで記事を書いた」可能性は相当にあり、それは「日刊SPAならば、許容される」可能性は高かろう。

 ああ、当該女性の存在自体が虚偽で、全くの空想記事である可能性は低そうだな。空想記事にしては、「空想の出来が、悪すぎる」と、思われる。

 諄いようだが、以上を要約し、繰り返すならば・・・

 上掲記事にある当該女性の「証言」が全て真実だとしても、この人の「不幸」は相当程度「自業自得」と、私(ZERO)には思われる。

 そもそも、上掲記事にある当該女性の「証言」には、大いに疑義の余地がある。それは、「上掲日刊SPA記事の価値をも疑わせる」レベルである。

  • <注記>
  • (*1) イヤ待てよ。東京国際空港は成田だし、東京ディズニーランドは浦安で、どちらも「東京にはない」ぞ。 
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  • (*2) 結婚から退職までに約2カ月のギャップがあり、上記④の「中絶」は「結婚後であった」可能性がある。上掲記事では「中絶後の体調不良で退職せざるをえなかった」としている。
  •  だが、「結婚してから、中絶する」と言うのは、かなり不自然と考え、このような順番とした。
  •  まあ、「中絶してから、結婚する」ってのも不自然だが、「結婚してから、中絶する」よりはマシであり、筋が通る、と考えた。 
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  • (*3) 上掲記事にある「避妊失敗の記憶から、性交拒絶」と言う因果関係からすると、「性交拒絶」はもっと早期からだった可能性があるのだが、上掲記事の表現では、「総合病院秘書としての勤務開始以降」と読める。 
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  • (*4) 無論、「新聞記事ならば、しっかり裏取りされている」などと、主張する心算は、全く無い。
  •  が、「新聞記事ならば、日刊SPA記事以上に、裏取りされていることが、求められる。」とは言い得よう。求められても、やるとは思えないが。