• 「改憲ありき」で沢山だ。「安倍流」改憲で、何が悪い?ー【毎日社説】憲法改正の議論 「安倍流」の見直しが先だ


 安倍政権時代に、野党(の一部?)は「安倍政権での改憲議論はしないなどと属人主義丸出しの主張を公言し、私(ZERO)を呆れさせたモノ(*1)だが、安倍首相が退陣した今は安倍流改憲では、改憲議論しないって奇怪なロジックが、罷り通るらしい。

 「奇怪なロジック」と言うのは、平たく言えば「イチャモン」だがな。

  • <注記>
  • (*1) まあ、私が野党(の一部)に呆れる点は数多あり、こんな「属人主義丸出しの公言」はその一端一環でしか無いが。 


 

【毎日社説】憲法改正の議論 「安倍流」の見直しが先だ

憲法改正の議論 「安倍流」の見直しが先だ

 

  

https://mainichi.jp/articles/20201104/ddm/005/070/061000c

 

毎日新聞2020年11月4日 東京朝刊

 

 日本国憲法が公布されてから、きのうで74年となった。

 

 菅義偉首相の憲法観は見えない。ただ、憲法改正を目指した安倍晋三前政権の継承を掲げている。国会では「憲法審査会で憲法改正の議論を重ね、国民の理解を深めていくことが国会議員の責任ではないか」と語り、議論が活発化することへの期待感を示した。

 

 しかし、前政権のやり方を踏襲するばかりでは、憲法の議論を深めることは難しいのではないか。

 

 国の最高法規である憲法の改正は、一般の法改正とは異なる。最終的な判断は国民投票に委ねられている。これを意識し、安倍政権より前の憲法論議は与野党合意を重視して進められてきた。

 

 ところが、前首相は「改憲ありき」で、野党との対話や合意形成を軽視した。2016年の参院選の結果、「改憲勢力」が発議に必要な3分の2を超える議席を参院でも占めるようになってから、その姿勢は露骨になった。

 

 翌年の憲法記念日には、自民党内の議論も経ていない憲法9条改正案を唐突に打ち出した。戦力不保持を定めた2項を維持しつつ、自衛隊を明記する案だった。

 

 これを基に、自民党に改憲4項目をまとめさせた。昨年の参院選では、「憲法を議論する政党を選ぶのか、しない政党を選ぶのか」と野党を挑発した。野党が態度を硬化させたのは当然だ。

 

 前政権は、歴代政権が認めてこなかった集団的自衛権の行使を、閣議決定により憲法解釈を変更するという強引な手法で容認した。

 

 憲法を粗雑に扱い、敵と味方を峻別(しゅんべつ)する「安倍流」が、超党派で行うべき憲法論議の停滞を招いたといえる。

 

 菅首相は、日本学術会議の会員候補6人を任命しなかったことを正当化するため、公務員の選定は国民固有の権利と定めた憲法15条を持ち出した。

 

 だが、会員の選考や任命の方法は日本学術会議法に規定されている。一般的な理念を記した憲法の条文を個別ケースの論拠にするのは不自然だ。

 

 乱暴な進め方で憲法論議の土台を壊した前政権の轍(てつ)を踏んではならない。まずは、冷静な議論を重ねて幅広い合意を目指すという憲法論議の原点に立ち返るべきだ。

 

 

 

 

自衛隊に隻言半句も触れていない日本国憲法なんぞ、「改憲ありき」で沢山だ。QED

 我が国には厳然として自衛隊がある。自衛隊は必要であり、且つ、軍隊だ。

 軍隊を事実として擁しながら、その軍隊に憲法が触れてさえいない、なんてのは、異常で異様な事だ。そんな異常で異様な憲法が、日本国憲法以外に存在するかしないか、私(ZERO)は知らない。


 だが、仮に存在したとしても、その憲法も日本国憲法も「異常で異様な憲法」であることに、変わりは無い。偶々我が国の憲法であり、制定この方70年程の間タダの一文字も変更されなかった憲法ではあるが、その「日本国憲法の異常で異様な様」は、「常軌を逸している」とも「狂気の沙汰」とも、評しうる程である。
 
 「軍隊を擁しながら、憲法には全く触れられていない(どころか、殆ど“真っ向から否定されている”)」ばかりではないな。「平和憲法」等と美称されることもあるが、平和を愛する諸国民」などと言う想像上の産物を前提に我が国の安全保障を委ねると抜かす点でも、「異常で異様な憲法」であり、「常軌を逸した」「狂気の沙汰」の憲法だ。

 左様な見解、左様な見方が成立する以上、「改憲ありき」と考える者が居て当然であり、私(ZERO)何ざぁ、その口だ。

 首相にせよ、政府にせよ、国民にせよ、平和教徒の日本国憲法信者ばかりでは無い。「改憲ありき」の「安倍流」改憲で、結構だ。構うモノか、と考えて改憲を議論して、何が悪いというのか。

 日本国憲法を今のままで良しとする毎日新聞はじめとする「護憲派」は、真っ先に先ず「憲法は今のままで良い」と論証する護憲論で改憲論に対抗する議論とすべきであって「”改憲ありき”の「安倍流」改憲では、改憲を議論しない。」などと抜かす主張は、イチャモンによる敵前逃亡であり、事実上「改憲議論に不戦敗を喫している」のである。

 ま、「改憲議論に不戦敗を喫している」と言う点では、「安倍政権下では改憲議論しない。」って「護憲論」でも、同じ事なんだがね。

 繰り返そう。「護憲派」は、「憲法は今のままで良い」と論証する護憲論を、先ず出すべきだ。

 そんなモノがあれば、出せれば、だが、な。

 「憲法9条は最大の抑止力」等のしょうもないお呪い以外で、「憲法は今のままで良い」とする根拠というヤツを、私(ZERO)は読んだこと見たことが無い。上掲毎日社説なんてのも、「しょうもないお呪い」以上のモノでは無い。