習近平の一言で変わるぐらいなら、とうの昔に変わって居ようさ。-【DIAMOND】中国人が「食べ残し文化」を見直し、日本の食事に衝撃を受ける理由
「上に方策あれば、下に対策あり。」と、大陸は支邦では言うそうな。国の上層部がトップダウンで決めて実施実現しようとしても、下っ端の庶民はそうそう従わないって事、らしい。以前よりかますびしい「汚職追放」なんてのはその良い例で、かけ声こそ勇ましいモノの、上から下まで不正蓄財・贈収賄・汚職に「国の総力を上げている」様な「伝統的文化」だから、変わりようが無い/変えようが無い。
で、今度は「食べ残し文化」を、中国のトップ習近平のお声掛かりで、ナントカしよう、というのだが・・・・ま、普通に考えれば「ナントカなる、訳が無い。」な。
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【DIAMOND】中国人が「食べ残し文化」を見直し、日本の食事に衝撃を受ける理由
- ☆ https://diamond.jp/articles/-/246753
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中国人が「食べ残し文化」を見直し、日本の食事に衝撃を受ける理由
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王 青:日中福祉プランニング代表
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国際・中国 DOL特別レポート
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2020.8.25 4:55
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中国の飲食店でお客さんを招いて食事をすると毎回大量の食べ残しが発生する。日本の感覚では「食事の途中」であるかの量だが、これらはすべて食べ残しで廃棄される。写真は筆者撮影
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習近平国家主席が「今の中国の食べ残しの現状を目にして、衝撃を受け、心を痛めている」と語り、食べ残しに警鐘を鳴らした。もともと中国では、外食で客人をもてなす際には、ホスト役は食べきれないほどの大量の料理を注文し、客人もわざと食べ残すのを礼儀とする文化が根強くある。このため、中国のマスメディアやSNSでは「食べ残し」についての話題や議論で盛り上がっている。(日中福祉プランニング代表 王 青)
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中国のマスコミやSNSでは「食べ残し」が話題に
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最近、中国のマスコミやSNSでは、中国のレストランで毎日発生する「食べ残し」についての話題で賑わっている。
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これらによると、中国の主要都市の外食産業で廃棄される食べ残しの量は1日1700万~1800万トン。とりわけ、上海は6000トン、成都は2200トン、杭州はなんと1.2万トンと驚くべき数字である。金額で計算すると、廃棄される食べ残しは年間2000億人民元に上り、2億人分の1年間の食料費に相当するという(※筆者注:実はこれらデータはさまざまなものが発表されており、どれが正確なのかは判断が難しい。とにかく欧米諸国や日本などに比べ、大量の食べ残しが発生していることは確かである)。
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中国のレストランでは、大量の食べ残しが捨てられていく光景が日常的に見られる。炒め物や蒸し物、各種の点心、主食の麺類やご飯類など、そして、一箸も付けてない料理も無情にゴミ箱に廃棄されていく。
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学校の食堂も同じだ。北京の主要大学の食堂を調査した結果、毎日ゴミ箱に捨てられる食べ残しの量は、提供する食料の3分の1を占めている。
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なぜ、これほどの食べ残しが発生するのか。
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そもそも中国の習慣では、お客さんを食事でもてなす際は、食べられる量より多めに注文するのが礼儀である。そして、最後に料理を残すことは、「満足してお腹いっぱい食べたという証拠」と考えられている。特に、魚料理は食べ残す習慣がある。なぜなら、中国語の「魚」と「余」が同じ発音で、つまり「余る」は余裕があり、「縁起がいい」とされるからだ。
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これは、「食事を残してはいけない」「出されたものは、すべて食べないと失礼だ」と考える日本とは、まったく逆の食文化であろう。
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こうした日中の食文化の違いから、これまで中国で食事をご馳走になったことがある日本人は、誰もが次のような体験をしたことがあるだろう。
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中国人にレストランに招待され、テーブルに次から次へ料理が運ばれてくる。日本人はホストに地元のおいしいお酒を勧められながら、お皿をきれいになるまで一生懸命食べる。ホストの中国人は、日本人の食文化を知らず、日本人のお客さんが料理を気に入ってくれていると思い込んで、どんどん追加注文する。それがエンドレスに続く……。
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無理しても食べようとする日本人
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実際、筆者も仕事で度々このような場面に遭遇してきた。
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以前、筆者と一緒に中国を訪問した日本の医療関係者(男性、40代)が次のような体験をしたという。
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「上海や北京で食事に招待されると、その圧倒的な量と質に驚かされる。着座をして乾杯の準備をしている間に、どんどんと料理の皿が出てくる。乾杯して食べ始めてからしばらくすると、さらに炒めもの、揚げ物、蒸し物など次から次へと、回転テーブルに運ばれてきた。なんと、さっきのは単なる冷菜で、これからが本格的な料理タイムだという。会食の参加者と対話と乾杯を繰り返しながら、何とか一通り手をつけて『もう満腹だ』と思うと、尾頭付きの大きな魚、大皿のスープ、そして、小籠包、エビむし餃子、麺、果物の盛り合わせ…。テーブルに載せきれない料理は、他の料理の上に重ねて載せる。『食べ物を残してはいけない』と子どものころに教えられてきたので最初のうちはかなり頑張ったが、これはさすがに食べ切れない」
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このような話は、枚挙にいとまがない。
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中国の食習慣を知らずに、もし、「大食いチャンピオン」のような人がすべての料理を食べ尽くしてしまったら、むしろ、それは中国人のホストにとっては「お客さんを満足させられなかった」「足りなかった」と屈辱を感じ、悲しむべき事態なのである。
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中国の「食べ残し文化」に対して習近平国家主席が警鐘
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実は、こうした中国の食習慣にも変化が起きている。
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日本のマスメディアでもすでに報じられているが、先述したように習近平国家主席が8月11日、「節約を励行し、浪費を反対せよ」と発言したのだ。「今の中国の食べ残しの現状を目にして衝撃を受け、心を痛めている」とも語り、警鐘を鳴らした。
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これに呼応するように、中国新華社をはじめ、中国の主要マスコミが一斉に国民に向かって、食べものを大切にする重要性を訴え始めた。食べ物の浪費を根絶するキャンペーンが早々に始まったのだ。
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SNSを見る限りでは、国の呼びかけに賛同する声が多い。もともと現在の60代の人たちは、餓えた経験をした世代であるからだ。
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結婚式の披露宴でも大量の食べ残しが発生する(中国のSNSで拡散されている写真)
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中国の歴史の中で、食料不足で多くの人が亡くなった時代は、それほど遠い昔のことではない。特に1959年~1962年の「3年自然災害」と呼ばれる間には、農村を中心に4000万人が亡くなった。このような大飢饉があり、その後も食料配給制が続いた。
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食料が豊富なのは大都市だけ
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経済が発展し、昔より豊かになった今日。外食でのおびただしい食料の浪費は「飽食の時代」の証かと思いきや、裕福な都市部だけにとどまる。現在でも、内陸の貧困地域においては、約1億人が満足する食事ができていないのが実情だ(※筆者注:上海などの大都市では食料は豊富だが、これら大都市の意識の高い人々は地方都市の人々に比べると、むしろ少なめに注文し、食べ残す量は少ない傾向にある)。
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そして、そのような地区の小中学校の給食は、ご飯のほかは、ジャガイモや野菜炒めなどの献立ばかりが続く。バランスが取れてない食事を摂取しているため、栄養失調の子どもが多く、都会の子どもと比べると、身長と体重の数値がともに低いという統計データがある。
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このような「食の格差」の現実に、SNSでは、たくさんのコメントが寄せられている。
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「食料の浪費は恥である!食べ物のない時代を思い出すべき」
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「唐の時代の詩、『誰知盤中餐、粒粒皆辛苦』をもう一度かみしめなければならない」
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「大胃王(大食い)番組は、食べ物をお粗末にして視聴者を楽しませるなんか、どういう神経しているのか分からない、禁止すべきだ!」
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「食料浪費を根絶することは、まず一人ひとり自らの行動から、子どもの教育からだ」
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「暴飲暴食をやめたら、健康にも良い、一石二鳥だ!」
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テレビや動画アプリからは「大食い番組」が消えた
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こうした世間の動きに反応して、早速、北京をはじめ、武漢、西安など多くの都会の飲食関連団体が、「N-1」の食事スタイルを提案した。
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「N-1」の食事スタイルとは何か。
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それは、人数より1人分少なく注文すること。そしてレストランに対しては、通常より半分の量で提供するよう求めたのだ。そして、早くもテレビからは「大食い番組」が消えてしまった。人気の動画共有アプリTiktok(中国語:抖音)や「快手(Kuaishou)」なども、暴飲暴食の動画を禁止し、投稿すれば、アカウントを閉鎖すると発表した(※筆者注:そもそも中国でも「大食い番組」などで、食べ物を粗末にする行為には批判的な人が多かった)。
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実は数年前から、大量浪費問題が指摘され、「光盤運動」(お皿を平らげて光らせる運動)が提起されていたが、それほど大きな改善がみられていなかったのが実情だ。
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今回の国を挙げてのキャンペーンは、先述したように習主席の指示である。
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その背景には、コロナで多くの地域が封鎖され、さらに深刻な洪水被害による「農作物の不作」があるともささやかれている。
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日本の食事スタイルに感心する中国人
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もっとも、食料が貴重で大事だからこそ「大切なお客さんにはお腹いっぱい食べてもらおう」という発想もあったのだろう。
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そもそも中国人は世界でも「食に対する欲求」が強いことで知られる。実際、中国には「民以食為天」(民は食を以て天と為す)という言葉があり、生活の中でとにかく食事を重視する傾向がある。
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例えば、どんな大事な打ち合わせの最中でも、食事の時間となったら、躊躇なく中断して「ここで、食事にしましょう」という話となる。
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親が入居する介護施設を選ぶときなども「食事の質」を最重視する傾向にある。
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周知の通り、盛り付けを含めた「食事の提供スタイル」も日本とは真逆である。中国の大皿で大量に注文する豪快な作法に対して、日本では少ない量の料理が小さいお皿の上に載せて運ばれてくる。
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一口か二口で食べ終わってしまい、お皿がきれいになる。食べ残すことは決してない。
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ただし、このようなスタイルに対して批判的かといえば、そうでもない。多くの中国人は海外の料理や食事のスタイルにも関心が高く、総じて「量が少なく、上品である」というのが、初めて来日した中国人が日本料理に持つ印象である。
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ある中国の民間企業の社長が「最初は、『日本はケチだね』と思ったが、数日間日本の食事を観察したら、日本の食文化は非常に合理的だと思うようになった。食べられる量で注文し、無駄がない。これこそ先進国の姿だ。われわれも、たくさんの料理を残す習慣を改めないといけないね」と話していたのが印象的だった。
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この発言には、中国人の意外な本音がこもっている。
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実は、多くの中国人は客人をもてなすために盛大に注文して食べ残すことを「礼儀」と考えるが、それが決して良いことだとは思っていないのだ。
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「食べ残し文化」は変わるか
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中国のレストランには、持ち帰りできるシステムがある。店に頼んだら、専用の容器を持ってきて、店員が入れてくれる。
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ただし、せっかく持ち帰っても、翌日、冷蔵庫から出して食べる気にはならず、結局、捨ててしまうことがほとんどだ。
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要するに、これは、そのときの「罪悪感」を軽減する手段にすぎない。
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中国人の「わざと食べ残す」という食文化…。
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本音ではあまりよくないと思い、それなりの罪悪感を感じてはいるのだが、客人や周囲からは「『礼儀知らず』とは思われたくない」と考え、当面、その判断に悩む人が増えそうだ。
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中国の「食べ残し文化」は変わるだろうか。
大体、習近平は何年中国人をやっているんだ?今頃、今更「中国の食べ残しの現状に気付いた」なんて、大間抜けな事が、あると思うか??
習近平は確実に、「食べ残しの現状に今更今頃気付いた」訳ではあるまい。「食べ残しの現状」が不都合であるか、「食べ残し批判」が好都合であるか、何れかで、いずれにせよ「権力者の都合」であろう、と考えた方が、随分と合理的だ。
心当たりもあろう。三峡ダム自身は未だ決壊に至っては居ないようだが、決壊を心配させる程の大雨は既に「流域の洪水」として実現/具現化している。南の方では蝗害発生の情報もあるし、米中対立も中国の食料輸入にはマイナス材料だ(*1)。斯様な状況は、多かれ少なかれ「食糧危機の恐れ」なのだから、「中国の食べ残し文化」は、そりゃ中国のトップたる習近平にとっては、不都合なモノであろうさ。
さ、あれば尚更であろうが・・・習近平の「食べ残し文化批判」は、詰まるところ成功はしないだろうな。上掲記事にはあれこれと「食べ残し文化」を抑制する方策が列挙されているが、そりゃ最高権力者の「食べ残し文化批判」に対する「反応」であり、ある種の「追従」であり、言ってみれば「下の対策」の一つ、と考える方が、自然だろう。
中国の「食べ残し文化」が、もし廃れる事があるとしたら、それは「中国トップである習近平の一言」故では無く、「食べ残す事が出来なくなった」時、であろう、と、私(ZERO)は予想/予測するぞ。
案外そんな日が、近いんじゃ無いかな、とも、な。
- <注記>
- (*1) 米国の穀類の相当部分は、中国へ輸出されている。