武漢肺炎のPCR検査に対する「特異度99.99%説」に関する一考察
世上未だ「猖獗を極めている」様に報じられている武漢肺炎禍であり、分けてもその検査法であるPCR検査については未だに「日本は検査数が足りない!増やせ!!」って説がかますびしい、所か「検査数が増えたから、感染者数が増えたというのは、デマだ!フェイクニュースだ!!」などの、私(ZERO)に言わせれば「一体何を言っているのか判らない」様な主張も数多見られる。「検査数が増えれば、陽性と判定された者は増えるのが道理。その陽性判定を全て擬陽性とでもしない限り、”感染と判明した者”が増えるのは、道理である」、と常識的ないし私(ZERO)的には思えるのだが、どうも、左様には考えない/考えられない人も、世の中にはあるらしい。
ま、かくも世間の注目を集める話題が武漢肺炎なのであるから、嘘だろうがデッチあげだろうが、センセーショナルなことを書けば、記事や雑誌や新聞や番組が売れる、と言うことはありそうであり、それが「商売」ともなれば「致し方ない」という言い方も出来そうだが、中には医者だとか医学者だとか疫病の権威だとか、結構な肩書きをお持ちの、評論家だかコメンテーターだかも、左様な「煽りとしか思えないようなコメントをする」モノだから、こりゃ「騙される」のが居るのも、ある意味「無理はない」。
が、名探偵エルキュール・ポワロ氏の決め科白にあるような「小さな灰色の脳細胞を使う」事は、民主主義国家に於ける国民の義務であり、左様な義務を国民が果たさないならば、民主主義体制は忽ち衆愚体制と堕する他なくなる。我が国は、そりゃ神ならぬ身の人が為すこと故に完全完璧には程遠いが民主主義体制であり、国民が衆愚であっては困るのである。
かつて、日本国民が「悪夢の民主党政権」を誕生させてしまった様な悪夢は、こちとら二度とゴメンなんでね。
で、まあ、今回取り上げるのは、タイトルにもした通り、「PCR検査の特異度」である。
ま、かくも世間の注目を集める話題が武漢肺炎なのであるから、嘘だろうがデッチあげだろうが、センセーショナルなことを書けば、記事や雑誌や新聞や番組が売れる、と言うことはありそうであり、それが「商売」ともなれば「致し方ない」という言い方も出来そうだが、中には医者だとか医学者だとか疫病の権威だとか、結構な肩書きをお持ちの、評論家だかコメンテーターだかも、左様な「煽りとしか思えないようなコメントをする」モノだから、こりゃ「騙される」のが居るのも、ある意味「無理はない」。
が、名探偵エルキュール・ポワロ氏の決め科白にあるような「小さな灰色の脳細胞を使う」事は、民主主義国家に於ける国民の義務であり、左様な義務を国民が果たさないならば、民主主義体制は忽ち衆愚体制と堕する他なくなる。我が国は、そりゃ神ならぬ身の人が為すこと故に完全完璧には程遠いが民主主義体制であり、国民が衆愚であっては困るのである。
かつて、日本国民が「悪夢の民主党政権」を誕生させてしまった様な悪夢は、こちとら二度とゴメンなんでね。
で、まあ、今回取り上げるのは、タイトルにもした通り、「PCR検査の特異度」である。
武漢肺炎で未だ「増やせ!」「不足だ!!」とかますびしいPCR検査について、その「陰性(非感染状態)を、正しく陰性と判定する確率=特異度」を「99.99%」と言う、私(ZERO)に言わせれば「驚異的」と言うより「非現実的」と思われたような高い確率であるとする説が巷間にはあり、「これに対して日本政府は特異度99%としており、非科学的だ!」とか、「PCR検査の特異度は99.99%であり、運用の仕方で事実上100%なのだから、特異度に関する議論は止めよう。」とかの主張を読んでしまった事が、本稿の契機である。
先行記事「高校生でも判る、全員ウイルス検査は愚挙である。https://ameblo.jp/zero21tiger/entry-12585440036.html」に於いて私(ZERO)は、「PCR検査」と名指しにはしなかったが、「陰性(非感染状態)を、正しく陰性と判定する確率=特異度」も「陽性(感染状態)を、正しく陽性と判定する確率=感度」も「どちらも100%と言う理想検査なぞあり得ない」と考え、特異度も感度もパラメータとして幾つか試算をし「特異度、感度、共に98%」と言うのを「準理想的検査」と銘打ちつつ、斯様な「準理想的検査」でも「全員検査」などの大規模検査を実施すれば、「感染者ではなく、非感染者が陽性判定となってしまう擬陽性で、医療崩壊は惹起されるだろう。」と警告した。その特異度が「99.99%であり、運用の仕方で事実上100%」ならば、左様な先行記事での懸念は「相当程度に杞憂」となるのだが・・・果たして、本当だろうか???
先ず、未だ一部で大人気のPCR検査は、ウイルスの遺伝子を検出する検査であり、それも「武漢肺炎ウイルスの遺伝子に完全一致を確認」するモノでは無く「遺伝子の部分一致」を確認するモノ、らしい(*1)。だから、「ウイルスの死骸の遺伝子で陽性判定が出る」こともあれば、「近似種(例えば、”旧型”コロナウイルス)のウイルスで陽性判定が出てしまう」事もある、そうである。この報道が正しいならば、どう逆立ちしたって「特異度99.99%」と言うのは、在りそうに無い。「近似種の感染と、武漢肺炎の感染を、区別できない。」のだから・・・・1回の検査では。
左様、先行記事「高校生でも判る、全員ウイルス検査は愚挙である。」に欠けていた視点であり、どうやら「PCR検査の特異度99.99%」と計算出来てしまう根拠は「複数回の検査」、より正確には「1回の検査で採取する複数のサンプル」であるらしく、別の記事によると「1回の検査で3サンプル採取する」のが、マニュアルであるらしい。
左様であるならば、「1サンプルあたりの特異度は低くても、3サンプルによる特異度を向上する事」は可能だ。単純に言って「3サンプル共陽性であると判定された場合のみ、陽性とする」ことにすれば「陽性と判定される」基準が厳しくなるのだから、「誤って陽性と判定される確率」は下がり、「正しく陰性と判定される確率」である特異度は、向上する。
例えば、以下の表の一例である「1サンプルの特異度70%」とすると「非感染者の1サンプルを誤って陽性と判定してしまう確率」は30%もある訳だが、これを「3サンプルとって、3サンプルとも陽性の場合のみ陽性と判定」とすれば、「非感染者の3サンプルを全て誤って陽性と判定してしまう確率」は30%の三乗で2.7%となり、特異度は、1サンプルの70%から3サンプルで97.3%(=100%ー2.7%)に跳ね上がる。
同様に下表には、1サンプルの特異度90%の検査を3サンプルに実施して「3サンプルとも陽性のみ陽性判定」とすることで「非感染者が誤って陽性となる確率」を0.1%とし、「3サンプルの特異度99.9%」になる事が示されている。

同様にして、1回の検査のサンプル数を3サンプルよりも更に増やし、「全サンプルが陽性のみ陽性判定」とすることで特異度を「事実上特異度100%」とすることは、可能ではあろう。但し、PCR検査が「ウイルス遺伝子の部分合致を見る検査」である以上、武漢肺炎ウイルスへの感染と、その近似種への感染を識別する事は、PCR検査では不可能な筈であり、計算上の「事実上特異度100%」は、「擬陽性の者が居ない」事は意味しない。
一方で、「全サンプルが陽性のみ陽性判定」とするという事は、「採取されてサンプルの全数ではない複数(ないし単数)のサンプルが陽性を示しても、これは陽性とは判定しない。」と言う事である。
言い換えれば、感染者から採取した複数のサンプルのうち、一つでも陰性と判定されたら、その感染者は「陰性と判定される」訳であり、「陽性(感染者)の者を、正しく陽性と判定する確率」である「特異度」は、「全サンプルが陽性のみ陽性判定」とすると、低下する。その事は、下表の下半分の方に示されている。「1サンプルに対する感度(陽性者が、正しく陽性と判定される確率)を98%」とした場合でも、「3サンプルを採取し、全サンプルが陽性のみ陽性と判定する」となると、「感染者が3サンプルとも陽性となり、陽性判定される確率」いわば「3サンプル感度」は94.1%にまで、低下する。
同様に、表の右の方では「1サンプルに対する感度を90%」とした場合「3サンプルとも陽性となり、陽性判定される確率」は72.9%となる。この場合、「感染者の約三割は、陽性判定されない」事になる。
諄いようだが、以上の検討をまとめると、「1回の検査で複数のサンプルを採取し、その全サンプル陽性のみを陽性判定とする事で、総合的な特異度を向上する事が出来る。但し、総合的な感度は、落ちる。」となる。
従って、「1回の検査で複数のサンプルを採取し、その全サンプル陽性のみを陽性判定とする事は、擬陽性による医療逼迫及び医療崩壊を抑止する手段として有効」と思われる(*2)。
これは、政府発表の際に「一例」として触れられた「PCR検査の感度70%、特異度99%」と言う、「普通に考えたら逆では無いか?(PCR検査の目的は、感染者を見つけ出す事なのだから、高い感度の方が高い特異度よりも重視される、と思われた。)」と言う数値を、説明するモノ、かも知れない。「1回の検査で複数のサンプルを採取し、その全サンプル陽性のみを陽性判定とする」が故に「陽性判定」が厳しい基準となり、「特異度を上げる」と共に、「感度を下げる」結果が「PCR検査の感度70%、特異度99%」になった、と考えれば、相応に「辻褄が合う」ことになりそうだ。
それは無論、「擬陽性者による医療逼迫/医療崩壊を防ぐ」一方で「偽陰性者による感染拡大の恐れを増やしている」のであるが。
以上は、あくまでも「1回の検査で複数のサンプルを採取し、その全サンプル陽性のみを陽性判定とする」場合の、考察である。
諄いようだが表を見れば明らかな通り、「1回の検査で複数のサンプルを採取し、その全サンプル陽性以外も陽性判定とする」場合、忽ち擬陽性率は跳ね上がり、「非感染者ながら陽性判定」を喰らう者により、医療逼迫は必至。医療崩壊とて危ういモノとなろう。
- <注記>
- (*1) 「完全一致を確認」するとなると、後述の近似種ばかりか、武漢肺炎ウイルスの変異種も「検出できなくなる」筈、ではあるが。
- (*2) 先述の通り、PCR検査が「ウイルス遺伝子の部分一致を確認する」検査である限り、武漢肺炎感染と、近似種ウイルス感染とを「識別できない」と言う点に、変わりは無さそうであるが。