「PCR検査が必要な人」は、希望者では無い。ー【毎日社説】PCR検査の拡充 必要な人に迅速な診断を


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 正直、下掲毎日新聞社説のタイトルを見た時は、「また、暴挙のススメかよ!」と思ったモノだ。
 
 後述する通り、下掲社説を読むと、「当初想像した程に馬鹿げた主張では無かった.」とは、言わざるを得ないな。
 
 

【毎日社説】PCR検査の拡充 必要な人に迅速な診断を

PCR検査の拡充 必要な人に迅速な診断を
毎日新聞2020年4月21日 東京朝刊
 
 医師が必要と判断しても新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査がなかなか受けられない。以前から指摘されてきた課題だ。

 PCR検査は感染拡大阻止と重症化防止の鍵を握る。検査拡充は欠かせず、そのためには総合的な対策が必要だ。

 試薬や機器はもちろん、検査要員を確保し、検体輸送体制も確立する。検査所での感染を防ぎ、他の患者や医療関係者も感染から守る。軽症者で病床が埋まらないようにする措置も当然欠かせない。

 政府は感染者の増加を念頭に、省庁連携で早期に体制を整えるべきだった。最前線で検査に対応する保健所や専門外来がパンク状態に陥ったのは、その動きがあまりに遅かったためだ。

 なぜ検査数が増えないのか。政府が納得のいく説明をしてこなかったことも混乱を招いた。

 ここへきて、地域の医師会などが問題解決に乗り出したことを評価したい。たとえば東京都医師会は、保健所を介さずに検査できるPCRセンターを最大47カ所に設置するという。感染を疑う人は電話でかかりつけ医に相談し、必要があると診断されればセンターで検査を受ける。

 病院の屋外に検査所を設けたり、ドライブスルー方式による検査を導入したりする地域もある。

 いずれも感染を防ぎつつ検査を拡大する手段として期待できる。併せて、重症化リスクに応じた医療機関や宿泊施設へのスムーズな振り分けにもつなげてほしい。

 地域の医師会と自治体、病院などが協力しあい、それぞれの実情にあった方法を構築してもらいたい。政府は感染防護具の供給など、地域への支援を徹底すべきだ。

 厚生労働省が示してきた「相談・受診の目安」も見直す必要がある。高齢者や持病がある人など重症化リスクの高い人は、発熱や強いだるさ、息苦しさといった症状があれば、2日を待たず、すぐかかりつけ医などに相談することが大事だろう。

 集団感染を防ぐため、医療関係者や介護職員にも迅速な検査が必要だ。周囲に感染者が出た場合には無症状でも検査が求められる。

 医師が必要と判断すれば、誰でも検査が受けられる。その体制を早く整えてほしい。
 

「PCR検査が必要な人」を、「PCRの検査が必要と、医師が判定した人」としたのは、上出来だ。」


 「PCR検査が必要と、医師が判定した人」が一応の基準であることには、私(ZERO)も同意する.尤も、現今はやたらに「検査を増やせ!」と喚く医師も多いから、左様な医師が正しく「PCR検査が必要」と判断判定できるかは、大いに疑問視せざるを得ないのだが。
 
 「医師がPCR検査を必要と認めても、PCR検査を受けられない。」と言う現状認識は、私(ZERO)とは随分乖離しているようだ。そりゃPCR検査態勢は有限であるし、斯様な自体では需要も多かろうから「迅速な検査」は無理だろうが、「時間がかかる」だけで「受けられない」訳では無かろう。
 
 それがあらぬか、上掲毎日社説は、
 
1> 厚生労働省が示してきた「相談・受診の目安」も見直す必要がある。
 
として、「相談・受診の目安」緩和を訴えている.これは、相談・受信者数を確実に増やす=それだけ医療崩壊リスクが高める、ばかりではなく、「PCR検査を受ける基準」の緩和も、強烈に示唆している。
 
 先行記事「高校生でも判る、「全員ウイルス検査は愚挙である」https://ameblo.jp/zero21tiger/entry-12590511247.html」にも示した通り(ッてぇか、僅かばかりの冷静さと定量的思考法があれば、ほぼ自明なのだが)、検査には必ず誤差があるのだから、検査数を増やせば、「誤って感染と判定されてしまう」擬陽性者が増える。

 検査数をやたらに増やせば、擬陽性者によって医療崩壊を起こすのなんて、簡単だ。
 
 従って、「PCR検査を受ける基準の緩和」もまた、少なくとも一面、医療崩壊リスクを高めるものだ。
 
 更に言えば、医療リソース=医師や看護師や医療技術者の数と質も有限なのだから、それを画期的に拡大拡充するなんてことが無い限り「PCR検査の拡充」も、少なくとも一面、「重篤患者治癒への医療リソースを減らす」方向でもあれば、医療崩壊リスクを高める方向でもある。それは、「PCR検査拡充」の、負の側面であり、それに触れないというのは「片手落ち」と言うよりは、詐欺に近いな。
 
 検査は、検査でしか無い。
 
 検査で、病気が治る訳では無い。
 
 検査で、瀕死の病人が助かる訳でも無い。
 
 検査で出来るのは、せいぜいが治療方針の参考となり、隔離や行動制限の程度を決めるぐらい。尚且つ、常に誤差があり、誤判定があることを、忘れるべきでは無い。