森友文書問題は、文書問題ではあるが、森友問題では無い。-朝日、毎日、東京社説に見る「人民裁判」「魔女狩り」ぶり


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 我ながら、些か牽強付会な「タイトル」であり、「鬼面人を驚かす」感も否めない。人によっては「義憤に駆られる」なんて人もあるかも知れないが、ま、チョイと頭ぁ冷やして、後程の「解説」というか「ネタばらし」を、とくと御覧頂きたい。
 
 で、その前に。
 
 何でも、森友問題で公文書改竄を強要されて自殺に至った方の遺族が、同強要をしたとされる佐川氏を起訴したのだそうな。その起訴の契機となったのが、当該自殺者の手記だかメモだかで、この「ミステリ小説のダイイングメッセージ」張りの「展開」が当該起訴共々一部マスコミ(と野党)の耳目を集め、ために下掲の通り朝日、毎日、東京各紙が「森友問題再追求」社説を掲げる、って事態に至った。
 
 後述する様に、それ故に「人民裁判」とか「魔女狩り」とか、かなり不穏な批判を私(ZERO)は行う/行っているのだが、先ずは各紙の社説をとくと御覧あれ。
 
①【朝日社説】森友問題 真実知りたいに応えよ

②【毎日社説】「森友」で遺族が提訴 佐川氏は真実を語る時だ

③【東京社説】森友問題で提訴改ざんの闇に迫らねば
 
 

①【朝日社説】森友問題 真実知りたいに応えよ

 意に反する不正行為を強いられ、公務員としての矜持(きょうじ)も砕かれた。その無念はいかばかりであったか。いまだ解明されていない森友問題の真相に迫る新たな動きにつなげねばならない。

 森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざんに加担させられ、自ら命を絶った近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54)の妻が、国と当時の理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏に損害賠償を求める訴えを起こした。

 弁護団が公表した赤木さんの手記には、本省主導で公文書が改ざんされていく過程が、関係者の実名入りで詳細に記されていた。すべてが佐川氏の「指示」であるのに、近畿財務局に責めを負わせようとする財務官僚の無責任体質への怒りもつづられていた。

 麻生財務相はきのうの記者会見で、18年に財務省が公表した調査報告書と手記の内容に「大きな乖離(かいり)」はないとして、再調査を行う考えはないと述べた。報告書では、佐川氏が改ざんの「方向性を決定づけた」と認定しているが、具体的な指示があったのか、佐川氏の一存だったのかなど、肝心な点ははっきりしていない。

 そもそも、第三者が入らぬ財務省の内部調査である。首相官邸や森友学園の名誉校長だった安倍首相の妻の昭恵氏らからは話も聞いていない。そして、この問題の核心である国有地の大幅値引きについては端(はな)から何も調べていない。全容解明に程遠い報告書を盾に、再調査を拒むのは不誠実極まりない。

 佐川氏には法廷で真実を話すとともに、国会でも説明責任を果たしてもらわなければならない。国民共有の財産である公文書が改ざんされ、国民を代表する国会の審議がうその資料と答弁の上に重ねられた。大阪地検の捜査は関係者の不起訴で終わっているが、立法府の行政監視機能がないがしろにされたのである。国会が真相解明に後ろ向きであってはならない。

 「(国有地売却に)私や妻が関係していれば、首相も国会議員も辞める」。改ざんは首相がこう言い切った国会答弁の後に始まった。首相は手記をどう受け止めるのか。国会できのう「胸が痛む」としながらも、事実関係は麻生氏の下で徹底的に解明されているとの認識を示した。この問題をもう終わったことにしたいのだろう。
 
 

②【毎日社説】「森友」で遺族が提訴 佐川氏は真実を語る時だ
森友」で遺族が提訴 佐川氏は真実を語る時だ

毎日新聞2020年3月20日 東京朝刊

 「どうか本当のことを話してください」という遺族の声が重く響く。

 「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、一昨年自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さんの妻が国と佐川宣寿(のぶひさ)・元国税庁長官に損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。

 森友問題は未解明な点を置き去りにしたまま、安倍晋三首相らは幕引きを図ってきた。遺族の思いに応えるためにも、今回の裁判を改めて真相究明していく契機としたい。

 赤木さんが残していた手記や遺書も公開された。そこでは改ざんに関し「元はすべて佐川氏の指示」と明記している。改ざんに抵抗する赤木さんに当初理解を示していた近畿財務局の上司も本省の圧力に屈していく経緯も詳しく記されている。

 財務省幹部の国会答弁を「嘘(うそ)に嘘を重ねる」とも記す。同時に改ざんに手を染めざるを得なかった苦悩や、「とかげのしっぽ切り」のように下部職員だけが摘発されるのではないかとの不安がつづられている。

 ところが驚くことに、麻生太郎副総理兼財務相は「新事実はない」と再調査を拒む考えを早々に示した。首相も「財務省で事実を徹底的に明らかにした」「改ざんは二度とあってはならない」と人ごとのようだ。

 確かに一昨年、同省がまとめた報告書でも、改ざん当時、同省理財局長だった佐川氏が「改ざんの方向性を決定づけた」と認めている。だがなぜそんな違法行為に至ったのか、動機や経緯は今も明らかではない。

 改ざんは、国有地の大幅値下げ売却について、安倍首相が「自分や妻昭恵氏が関係していたら首相も国会議員も辞める」と国会で答弁した後に始まった。そこで昭恵氏らの名が出てくる記述などが消された。

 佐川氏は、首相らの関与が疑われるのを避けようと忖度(そんたく)したのか。あるいは官邸などからの指示があったのか。これこそが問題の核心だ。

 大阪地検特捜部も結局、佐川氏らを不起訴とし、捜査を終結した。このため裁判では佐川氏ら関係者の尋問を求めていくという。

 以前の国会での証人喚問で、佐川氏は「刑事訴追の恐れがある」と証言を拒み続けた。今回の裁判以外にも再度の喚問や記者会見の方法もある。今度こそ真実を語る時だ。
 

 

③【東京社説】森友問題で提訴改ざんの闇に迫らねば
森友文書で提訴 改ざんの闇に迫らねば

2020年3月20日
 
 「森友学園」問題の闇はあまりに深い。文書改ざんを強要され自殺した財務省職員の生々しい手記が明るみに出た。妻が起こした訴訟で改ざんの実態や国有地売却の真相に迫らねばならない。

 「元はすべて佐川(宣寿(のぶひさ))理財局長の指示です。パワハラで有名な佐川氏の指示には誰も背けないのです」-そんな言葉がつづられた手記や遺書を近畿財務局職員だった赤木俊夫さん=当時(54)=の妻が公表した。

 二〇一七年二月に国会で国有地売却の疑惑を追及された安倍晋三首相が「私や妻が関係していれば首相も議員も辞める」と答弁した。赤木さんが公文書の改ざんを始めるのは、ちょうどその後だ。

 手記には「学園に厚遇したと取られる疑いの箇所はすべて修正するように指示があった」とある。国会で佐川氏が「(議員らからの)不当な働き掛けは一切なかった」と答弁した二日後だった。

 「こんな事をする必要はない」と上司に涙ながらに訴え「相当抵抗した」ものの、上席国有財産管理官だった赤木さんは決裁文書から安倍昭恵首相夫人や政治家らの関与を示す部分を削除する作業を強制されたのだ。

 国会が会計検査院に検査を要請した際には「検査院に資料を示さないよう本省から指示があった」とも。上司からは「元の調書が書き過ぎているんだよ」とも言われたと記されている。

 「森友事案はうそにうそを塗り重ねるという、あり得ない対応を本省が引き起こしたのです」とも。「最後はしっぽ切り」との言葉は何とも痛々しい。

 うつ病を発症し、一八年三月に赤木さんは自殺。同省は決裁文書の改ざんを認め、二十人を処分したものの、検察は佐川氏ら三十八人全員を不起訴とし、闇が残ってしまった。それゆえ妻は「本当のことを知りたい」と佐川氏と国に約一億一千万円の損害賠償を求め大阪地裁に提訴したのだ。

 究明不足だったのは明らかだ。それでも財務省は「新事実はなく、再調査しない」と国会答弁した。「決着済み」などという不誠実な態度を許してはなるまい。検証チームをつくった野党は徹底的に真相に迫ってほしい。

 もともと八億円の値引きという、ありえない国有地の取引が発端だった。新設の小学校の名誉校長は安倍首相夫人。もう一度、会計検査院などが不自然な経緯を洗い直すのも当然である。調査再スタートの契機とすべきだ。
 

「森友文書問題は、文書問題ではあるが、森友問題では無い。」と私(ZERO)が断定する理由

 以前弊ブログ記事にもしたと思うが、タイトルもした「森友文書問題は、文書問題ではあるが、森友問題では無い。」と私(ZERO)が断定する理由を解説するとしよう。 
 
 ナニ、大して難しい話では無い。森友問題を「国有地を不正・不当に廉売したのではないかという疑惑」と定義し、当該森友文書の改竄箇所と改竄前後を比較すれば、自ずと明らかなことだ。

 即ち、「当該森友文書は、改竄することによって、国有地の不正廉売を隠匿・隠蔽していないから、文書問題ではあるが、森友問題では無い。」だ。
 
 確か、誰やら(籠池理事長、だった気がする)が「安倍首相夫人との親交をひけらかして、値引き圧力をかけた。」とする記述が「削除される」という改竄は、あった。だが、この記述は、安倍首相夫人の言動を記録したモノでも無ければ、「国有地の不正廉売を証する」モノでも無い。「疑惑を更に深める」には十分かも知れないが、「国有地の不正廉売の証拠」にも「安倍首相夫人の関与の証拠」にもならズ、状況証拠にすらならず、「心証を悪くする」にも不足である。ああ「印象操作の材料」ぐらいにはなるがな。
 
 従って、諄い様だが、「当該森友文書は、改竄することによって、国有地の不正廉売を隠匿・隠蔽していない」から、「公文書改竄問題ではあるが、森友問題では無い。」また、当該公文書改竄は「国有地の不正廉売を隠匿・隠蔽していない」のであるから、公文書改竄の動機となったのは「森友問題」そのものと言うよりも寧ろ「森友問題追及」の方である。
 
 であるならば、当該公文書改竄を強要されて自殺者が出たことの責任は、当該改竄を指示したのが佐川氏であれば「直接的には佐川氏の責任」と言うことが出来るが(これは、当然実証、立証が必要だ。)、「間接的には、”森友問題追及”に勤しむ野党(の一部、と言いたいが大半)並びに朝日、毎日、東京新聞はじめとする一部マスコミも、責任は免れない。」と言うことである。
 

朝日、毎日、東京三紙の言う「真実」とは、何か?


 上掲各社説のタイトルにある①【朝日社説】の「真実」、②【毎日社説】の「佐川氏が語るべき真実」、及び③【東京新聞社説】にある「改ざんの闇」の反対「改ざんの真実」とは、私(ZERO)には同工異曲と思われる。即ち・・・
 
 佐川氏が、佐川氏自身の指示により、“森友学園に対する国有地不正廉売を隠蔽する様に”公文書を改ざんさせた、と自白すること。で、あろう。
 
 無論斯様な自白は、従来既存の「森友文書問題における公文書改竄報道」を覆し、改竄箇所や改竄前の文書について「全くの新事実を伴う」筈である。さもないと“森友学園に対する国有地不正廉売を隠蔽する様に”なんて、成り立たない。

 と同時に、上掲社説を掲げている朝日、毎日、東京新聞の「森友文書改竄報道」もまた覆されるのであるから、報道機関としては「その存在意義を根底から問われかねない大問題」の筈だ。
 
 それを踏まえて、今般の「自殺者の手記」を契機に「森友問題再追求」を新聞社として公式に主張している朝日、毎日、東京各紙にお尋ねしたいのは、佐川氏が、佐川氏自身の指示により、“森友学園に対する国有地不正廉売を隠蔽する様に”公文書を改ざんさせた、と自白すること。」以外の真実を、「真実として甘受ないし許容できるか?」である。

 左様なことを改めて問うのは、朝日、毎日、東京各紙並びに野党(の一部、と言いたいが大半)は、佐川氏が、佐川氏自身の指示により、“森友学園に対する国有地不正廉売を隠蔽する様に”公文書を改ざんさせた、と自白すること。」を期待し、それ以外の結果を「“真実では無い”として、受け付けない。」のではないかと、それも再尋問、再々尋問はおろか、拷問から自白剤投与まで実施したとしても矢張り「所定の結果以外は”真実では無い”として受け付けない。」のでは無いかと、疑っている・・・否、確信してるから、だ。
 
 「真実」が事前に定まっており、それに沿った証人喚問だの証拠収集だのを実施し、最終的に「既定の真実」に適合する/しそうな「事実」のみを受け入れると言うのは、「人民裁判」や「魔女狩り」と、どれほどの差違があろうか。
 
 国会招致や証人喚問は、正規の裁判では無い。だから「真実が事前に定まっている」とて非難批判はされない。だからこそ野党(の大半)もマスコミの一部(朝日、毎日、東京新聞含む)も、未だに「モリカケ追求」を、「人民裁判や魔女狩りと大差の無いこと」を実施実践している。
 
 左様なことで政権批判をしている野党共も情けないが、そんな野党の人民裁判ごっこに「真実の究明」を期待する報道機関たるマスコミってのは、輪をかけて情けないぞ。