下らないオチー【京都新聞】地下鉄駅の強風、何とかならない? 髪ぼさぼさ「分け目逆に」と不満、その原因は

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 地下鉄は、英語(イギリス英語)でtube、米語(アメリカ英語)でsubway。
 
 submarineと言えば「潜水艦/潜水艇(*1)」でmarineが「海(転じて、海兵隊)」だから、way「道」の下に潜るのがsubwayが米語で「地下鉄」と言うのは類推も用意だろう。
 
 「円管」特に「中空円管」を意味するtubeが英語(イギリス英語)で「地下鉄」なのは、ロンドンの地下鉄を見ると一目瞭然なのだが、円筒形のトンネルの中を「かまぼこ形」の地下鉄列車が走っているから、正に中空円管「tube」=「地下鉄」。トンネルが円筒形なのは、多分「トンネル壁の強度を稼ぐため」で、地下鉄列車がかまぼこ形なのは「円筒トンネル内のスペースを余すところ少なく利用するため」。となると当然、「地下鉄列車とトンネル内壁との隙間は小さくなる」。

 ってことは、イギリスの地下鉄tubeでは「シリンダーと化した地下鉄トンネルの中を、ピストンとしての地下鉄列車が走り回っている」様なモノ。そのシリンダーの開口部である地下鉄駅が「地下鉄列車=”ピストン”に押し込まれ、引かれる空気の通り道となる」のは必然にして当然。
 
 イギリスのtubeよりはマシだと思うが(多分、地下鉄列車とトンネル内壁の間の隙間が大きい)、原理原則物理法則は日本の地下鉄でも変わりようが無い。なればこそ、下掲記事にある様に「列車風(れっしゃふう)(*2)」なんて言葉もある。
 
 「事実関係を伝える」という意味では、一応の及第点をやれそうな記事だが、オチが、なぁ・・・
 
  • <注記>

  • (*1) 艦と艇の違いは大きさで、大凡千トンを境に、大きい方が潜水艦。小さい方が潜水艇ないし潜航艇だ。
  •  潜航艦とは、余り言わないねぇ。 
  •  
  • (*2)列車砲(れっしゃほう)ではない。日本では、列車砲は殆ど馴染みは無いが。
 
 

【京都新聞】地下鉄駅の強風、何とかならない? 髪ぼさぼさ「分け目逆に」と不満、その原因は

まいどなニュース 2020/03/15 16:30
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地下駅に吹き荒れる強風は困りもの(Paylessimages/stock.adobe.com)

 地下鉄の駅で急な強風にあおられ、せっかく整えてきた髪がぼっさぼさに。めくれるスカートを押さえるのも大変。そんな経験をした方も多いのではないか。身だしなみの乱れならまだしも、足が不自由なお年寄りやベビーカーを押す親にとっては転倒などの危険が心配だろう。地下駅に吹き荒れる風を抑えることはできないものだろうか。 
 
 「地下鉄強風すぎて分け目逆になりやした」「地下鉄の出入り口が強風すぎて私の娘のつけまつ毛ちゃん達がバタフライしてる」。ツイッター上には地下駅の強風に対する不満があふれている。中には、向かい風の中で歌ったミュージシャン西川貴教さんのアーティスト名にちなみ、「大宮駅はいつになったらこのTMR(レボリューション)ごっこに最適な強風をなんとかしてくれるんや」と揶揄する声もあった。
 
 この大宮駅とは、京都市内で特に強風が吹くと言われる阪急電鉄の大宮駅だ。利用者に話を聞くと、70代女性は「足が悪くてつえを使っており、よろめきそうになる」と話した。隣の西院駅も強風が吹くという。
 
c まいどなニュース 提供 京都市内で特に強い風が吹くとされる阪急電鉄大宮駅の出入り口。特急の通過駅であることも影響しているようだ(京都市中京区)

 地下駅の強風はどのように生まれるのか。
 
 「列車がピストンとなって気流が発生する」。地下鉄の風の仕組みに詳しい山口大の福代和宏教授(技術経営)は解説する。
 福代教授によると、地下鉄のトンネルを走る列車によって生じる風は「列車風」と呼ばれる。「列車風が地下鉄駅構内の強風の大きな原因となっている」
 
 改札口とホームをつなぐ階段部分で福代教授が風の強さを測定したところ、列車が駅に入ってきて到着する直前と、出発後に速度がピークに達する頃が最も値が高くなったという。

 風向きは、到着時と出発後では逆になる。到着時はホームから地上出入り口に向かい、出発後は空気がトンネルに引っ張られていくため、地下に向かう。
 
 「逃げ場を求める風が、改札口とホームをつなぐ階段や地上出入り口のような狭い場所に集中し、強風になりやすいので危険」と福代教授は指摘する。
 
 では、駅によって風の強さが違うように感じるのはなぜなのだろう。
 
 「トンネルの直径の大きさが鍵を握る」と福代教授は言う。「一般的に工事年代が古い路線は開削工法で地上から穴を掘ってつくっているため、空気を地上に逃がす通気口が設けられていることが多い。新しい路線は筒状の機械で掘削するシールド工法のためトンネルの直径も狭く、空気の逃げ場が少なく、より強い風が発生する傾向がある」
 
 駅の構造も作用するようだ。「大阪の梅田駅のような広い地下空間の場合は風が拡散するが、狭い駅で階段や地上への通路の数が限られている場合は、より強風が吹きやすい」という。阪急電鉄の大宮駅と西院駅は、特急の通過駅であることも強風の要因になっているようだ。

 対策は取られているのだろうか。
 
 大阪メトロは、秒速8メートル以上の「列車風」を観測した2駅で2014年度、列車が走るトンネルと改札口階をつなぐ通気口を設けた。「今後も強い風が吹く駅で対応していく」という。東京メトロも、同じ基準で対策が必要な30駅を対象に対策を検討しており、このうち3駅で地上への通気口を工事中という。
 
阪急電鉄の西院駅(京都市右京区)
 一方、阪急電鉄は大宮駅と同様に風が強いとされる西院駅でバリアフリー工事にあわせ、強風への注意を呼び掛ける音声案内を行っているが、両駅での構造的な処置は行っていないという。京都市は「これまでに乗客からの要望も特になく、利用に支障はない」(交通局)と構造上の対策は特に取っていないという。神戸市も同様だ。
 
 福代教授は「ハード面の対策は費用も掛かり、壁が高い」とした上で「現実的な対策としては列車の速度を抑えることが有効」と指摘する。ただ、事業者からは大幅な運行ダイヤの変更を伴うため難しいとの声が聞かれた。
 
 明日が読めない現代では地下駅でも風向きを読む必要があるということか。
 
(まいどなニュース/京都新聞・樺山 聡)
 

「現代」は兎も角、「明日が読めない」のは、列車風とは無関係だ。


> 明日だ読めない現代では地下鉄でも風向きを読む必要があるということか。
 
・・・章題にした通り、「明日が読めない現代」の内、列車風に関係するのは「地下鉄という文明の利器がある」という一点で「現代」だけであって(*1)、「明日が読めない」ことは列車風に何の関係も無い。何だろうね、この思わせぶりな、「如何にも物事判った風」のオチは。
 
 仮に「全ての明日が明白に読める理想的世界」が実現したとしても、地下鉄の構造や運行が今現在と同じなら、矢張り列車風は起こる。物理法則やら流体力学は「全ての明日が明白に読める理想的世界」でも変わらないのだから、当たり前だ。
 
 つまり、タイトルにもした通り、一見/一読「上手い事言っている風」の上掲記事〆の一文は、「全く下らないオチ」でしかない。
 
 列車風という事象をそれなりに「一般人に判りやすく」解説し、その「解決の難しさ」も伝えている点で「報道記事としては一応の合格点」と言えそうな上掲記事だが、最後の一文で「画龍点睛を欠いた」と評すしか無い。
 まあ、元々、大した「画龍」では、ないのだけれど。
 
  • <注記>
  •  
  • (*1) 蒸気機関の地下鉄って、何処かで見たか読んだかしたぞ。だとすると、近代でも「地下鉄は、あるところには、ある」か。
  •  ウイキペディアによると、世界初の地下鉄は正にロンドンの地下鉄で、1863年開通だそうだから、日本で言えば幕末だな。