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 「AI兵器禁止条約(仮称)」ってのは、以前弊ブログでも、確かAFPの記事に関連して取り上げた話題だ。あのときは「ヒューマンライツなんとか」とか言う団体が「AI兵器禁止条約(仮称)の策定、批准、成立」を訴えるAFPの記事に対し、左様な条約の有効性を大いに疑問視し、「自己満足以上のモノにはなるまい」と断じた。「ロボット三原則」は実現するか?-「殺人ロボット禁止国際条約」を求める人権団]
https://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/37802116.html )
 
 AI兵器を巡る状況は、その後「AI兵器の更なる発達」と言う変化があったモノの、「AI兵器禁止条約(仮称)の有効性・有用性」って点では「何ら有意な変化が認められない」のだが・・・さて、毎日&朝日はどう考えているのかな?(余り、イヤ、全く、期待できないが)

【毎日社説】「現実味帯びるAI兵器 手遅れになる前に規制を」
【毎日社説】現実味帯びるAI兵器 手遅れになる前に規制を

毎日新聞2019年3月27日 東京朝刊

【】 21世紀の人間社会を根本的に変える可能性のある人工知能(AI)が兵器と一体化したときに世界はどうなってしまうのか。それを真剣に考えねばならない段階に入った。

 【】 AI兵器の開発・使用に関する国際ルールづくりを話し合う国連の専門家会合がスイスのジュネーブで始まった。議題となっているのは、人間が関与せずAIの判断で人を殺傷する「自律型致死兵器システム」(LAWS)をいかに規制するかだ。 

【】 「ディープラーニング」(深層学習)などの技術革新はAIの状況認識や判断能力を飛躍的に高め、車の自動運転や介護ロボットなどの恩恵をもたらすことが期待されている。

 【】 しかし、それが軍事に転用されれば、最も効率よく敵を見つけて攻撃する兵器の開発につながる。人の殺傷をためらう人間的な感情を持たない「殺人ロボット」の登場が戦争の様相を大きく変容させかねない。 

【】 AI兵器が火薬、核兵器に続く、戦争における「第3の革命」といわれるゆえんだ。強力な火器の登場によって第一次世界大戦は国家を挙げての総力戦と化した。第二次大戦では核兵器が国を丸ごと破壊する力を持っていることを示した。

 【】 AI兵器は狙った軍事目標を正確に攻撃するから被害は局限化されるとの見方もある。だが、軍人と民間人を区別できるのか。AIが暴走して人類と敵対する「ターミネーター」などの映画は、機械が人を殺す未来への警告と受け止めるべきだ。

 【】 為政者にとってはAI兵器を前線に投入することで自国兵士の死傷を避けられる。その分、戦争を始めるハードルが下がる懸念がある(*1)

 【】 先進国と途上国の技術格差が国際社会の分断を招く恐れもある。途上国の紛争地域に先進国が軍事介入した結果、AI兵器で殺傷されるのは途上国の兵士や民間人ばかりという悲劇が起こらないとも限らない(*2)。

 【】 そのため国連の議論は、中南米やアフリカの途上国が国際法上の拘束力がある規制を主張し、AI兵器の開発で先行する米国やロシアなどが反対する構図が続く。日本は法的拘束力のない文書の形で各国の意見集約を図るよう提案している。

 【】 いったん実用化されてしまえば後戻りは難しい。手遅れになる前に規制の網をかける必要がある。


<注記>

(*1) そりゃ、懸念する人は懸念するだろうが、「戦争を始めるハードルを上げる」為に「AI兵器を放棄する」なんて事が、期待できようか? 

(*2) そりゃ、「先進国にとっての利点」で在り、「後進国の悲惨さを避けるために、先進国がその利点を放棄する」なぁんて期待は、薄いぞ。 

【朝日社説】「殺人ロボット 拘束力ある規制めざせ」
殺人ロボット 拘束力ある規制めざせ

2019年3月29日05時00分

 【】 人の命を奪う判断まで、人工知能(AI)にゆだねてはならない。法的拘束力のある規制に向けて、国際的な合意形成を急ぐべきだ。

【】 殺人ロボットをめぐる国際会議が、スイス・ジュネーブで開かれている。AIを備え、人間の関与なしに敵を攻撃する自律型致死兵器システム(LAWS)のことだ。米国、中国、ロシア、韓国、イスラエルなどが開発中とされる。

【】 現在は、無人機の場合でも、人間が遠隔操作して標的を定め、攻撃するかどうかを判断している。殺人ロボットが投入されたら、一体どうなるのか。

【】 人を殺すことに、ためらいはない。殺されるという恐怖心もない。死傷者を減らせるという指摘もあるが、そのことが逆に、戦争への敷居を下げかねない。AIによる判断の誤りや、誤作動、暴走していく危険もあるだろう。その時、だれが責任をとるのかもわからない。

【】 戦争の様相を一変させる殺人ロボットが、火薬、核兵器に続く、軍事上の「第3の革命」と呼ばれるゆえんだ。

【】 非人道的な特定の通常兵器の使用を禁止・制限する条約の枠組みの下で、2017年から専門家による検討が断続的に続いているが、議論は収斂(しゅうれん)していない。中南米やアフリカの国々などが、法的拘束力のある禁止条約を求めているのに対し、米ロなどの開発国が慎重なためだ。

【】 まだ完成された兵器ではないため実態が見えにくく、定義や危険性についての議論もかみ合わない。しかし、完成してから規制をかけるのは至難の業だ。国際社会全体として合意づくりを急がねばならない。

【】 日本政府は今回の専門家会合に先立ち、「人間による関与が必須」だとの考えを示し、日本として「完全自律型の致死性を有する兵器を開発しない」とする文書を公表した。ただ、現状では法的拘束力のある文書をまとめるのは「困難」とした。

【】 当面の意見集約を優先する狙いだろうが、腰が引けた印象は否めない。あくまで禁止条約をめざす日本の姿勢を明確にすべきだ。

【】 軍事用にも民生用にも活用しうるAI自体の研究開発は止められない。それだけに、将来的には、AIを使った兵器全般について、適切な規制・管理が必要ではないか。殺人ロボットの禁止が実現すれば、その第一歩となろう。

【】 政府間だけでなく、企業、研究者、NGOなど様々なレベルで問題意識を共有し、国際的な規制につなげねばならない



詰まる所、「自己申告の自主規制」にしかならないのじゃぁないか??


 で、「自己申告の自主規制」にしかならない兵器制限条約」なんてのは、結局「正直にその兵器制限を遵守する国が不利になる」=「正直者が馬鹿を見る」体制だ。

 「馬鹿を見ても正直で在り続ける」ってのは一つの選択で、我が国が(我が国周辺では批准する国が全くない)クラスター爆弾禁止条約を批准し履行しているのは正に左様な選択をしている訳だが、「我が国のようなバカ正直な国は、そうは無い」。

 即ち、上掲毎日&朝日社説の主張する通り「AI兵器禁止条約(仮称)」が条約化され、(クラスター爆弾禁止条約とは異なり)相当数の国の批准を受けたとしても・・・其れによって「AI兵器が根絶される」なんて考えるのは、余程おめでたいバカだろう。そんなのは、妄想空想、良く言っても「美しい建前」でしか無い。精々が現実逃避だ。

 そんなことは、対人地雷禁止条約とか、クラスター爆弾禁止条約だとかが「どれほど現実世界に影響し、それら対象兵器を制限できているか」を考えれば判りそうなモノだ。或いは、「核兵器保有国がタダの一国も批准しない核兵器禁止条約」や「核兵器保有国を含めて多くの国が批准するが、核兵器保有希望国は後を絶たない核拡散防止条約」の現状・現実を見て、考えても良い。

 設計製造に大して技術の要らない対人地雷よりは、高度な技術が必要なAI兵器の方が「まだ規制しやすい」とは言い得るが、「外部との双方向データリンクを搭載してMan in the Loap制御とすれば回避できる」AI兵器禁止条約では、「AI兵器禁止条約を回避するためには、AI兵器に更に高度な技術(双方向データリンクなど)が必要になる」だけだ。

 責任あるオピニオンリーダーならば、「AI兵器を禁じる理想(*1)」を説くばかりでは無く、「如何に其れを実現するか」という方法論を、コンセプトだけでも示すべきだろうに。

 まあ、無理だね。朝日や毎日じゃぁ。「再生可能な自然エネルギーの拡大普及で脱原発」なんて「絵にも描けない餅」を素面で主張した上に「政府はその餅を描け!」と主張できてしまう奴原だから。

 新聞記者とは、気楽な稼業と、来たモンだ。

 それはそうと、、北朝鮮は滅ぼすべきだな。朝敵朝鮮、滅すべし。

<注記>

(*1) 私(ZERO)には、この「理想」からして、「大したモノとは思えない」のだが・・・
 殺人ロボットってのは、そりゃ「人間に近い」分だけ不気味かも知れないさ。だが、その殺傷能力は、搭載し運用する武器に依存する。銃を撃ち、手榴弾を投げてくる殺人ロボットの殺傷能力は「死なない歩兵」程度でしか無い。

 当たり前だが、有人機や軍用車両の殺傷力の方が、遙かに上なのである。

 で、万事が理想通りに行ってAI兵器(殺人ロボット)が根絶されたら、「殺人ロボットによって人が殺される事は無くなる」かも知れないが、それだけ。有人機や軍用車両による「人が人を殺す」のには何の制約も制限もないし、現存する多くの精密誘導兵器(ミサイル、誘導爆弾、誘導砲弾、誘導魚雷など)はMan in the Loap機能があるモノすら少なく、殆ど自律兵器であるから、「人が殺されるのに最終的な人の決断は、現状でも刀槍の時代に比べれば遙かに少ない」と言うのに。

 お為ごかし、キレイゴトだけの自己満足。「AI兵器禁止条約(仮称)」が理想的に働いても、実現できるのは、それだけ、では無いのかね。