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 「あり得ない」と言う、否定では無く非難の表現が、一頃「流行した」事がある。ひょっとすると私の周囲限定かも知れないが、現在進行形ないし過去形もしくは過去完了形の事象に対しても、「あり得んでしょ!」などと言う「非難」が浴びせられた。
 
 私(ZERO)は、この表現に大いに違和感と疑問を覚えており、私自身は「否定では無く、非難としての”あり得ない”」は、使わないようにしている。

 何故「違和感と疑問」を覚えたかというと、「ある事象が現在進行形ないし過去形・過去完了形である」と言うことは、正真正銘掛け値無しに「そのような事象が”あり得た”事を実証実践している」から。極々当たり前のことだが「”あり得た”からこそ、実際に”ある”し、”あった”」のである。それを「あり得ない」と「非難する」事は、「そんな事象はあって欲しくない」という願望ないし「あるとは信じたくない」という感情の発露かも知れないが・・・「私は、そんな事象を”あり得る”と想像すら出来なかった大間抜けです」と言う自白に聞こえて仕方が無かった。

 だが、そんな「希望・願望の虚しい発露」は、何も私の周囲に限らないようだ。

【琉球新報社説】「軟弱地盤深さ90メートル 不可能な工事は即中止を」
☆【琉球新報社説】「軟弱地盤深さ90メートル 不可能な工事は即中止を」
【琉球新報】 軟弱地盤深さ90メートル 不可能な工事は即中止を (

2019年2月11日 琉球新報(沖縄県) 

 【】 米軍普天間飛行場の移設に伴う辺野古新基地は、完成など到底できない。それを裏付ける事実が次々に明らかになっている。

【】 一つは軟弱地盤の深さ、もう一つはその地盤改良工事に使う砂杭(ぐい)の多さである。いずれも政府が隠し続けてきた「不都合な真実」だ。

【】 国内に前例がなく、極めて不可能に近い埋め立て工事は民意に背くばかりか、血税の無駄遣いでしかない。新基地建設は即刻中止すべきだ。

【】 名護市の大浦湾の軟弱地盤は、これまで海面から約70メートルの深さの層まで達していることが防衛省の2014~16年の海底掘削調査で判明していた。しかし、その後の追加調査で、さらに20メートルも深い、海面から約90メートル(水深30メートル、地盤60メートル)の層にまで及んでいることが新たに分かった。

【】 地盤工学が専門の鎌尾彰司日本大学准教授によると、国内の地盤改良工事で実績があるのは深さ50メートル程度までだという。国内の作業船も深度70メートルまでしか対応できない。90メートルという深さの工事は難度が非常に高く、「地盤改良が可能かどうかも想像すらできない」との見解を示す。

【】 日本の土木工事史上、未知の領域となる前代未聞の地盤改良である。安倍晋三首相は国会で「一般的で施工実績が豊富な工法により安定性を確保して行える」と述べたが、根拠は乏しい。いずれ工事が行き詰まることは明白だ。

【】 もう一つ判明したのが砂杭の多さだ。防衛省は昨年末まで、砂杭の本数を護岸・岸壁部で2万本、護岸内の埋め立て部で2万本の計4万本と説明していた。

【】 しかし、最近の報告書で護岸部4万本、埋め立て部2万本であることが分かった。さらに、作業船が入れない浅瀬部分でも1万3千本以上の砂杭を打ち込む予定であることが明らかになった。総計は7万6千本超にも上る。環境破壊は避けられない。

【】 埋め立てに適さない海域に、大型構造物の建設を強行するのは、どだい無理なのである。果たして総工費がどこまで膨れ上がるのか、完了までに何年かかるのか。政府は一切公表しようとしない。

【】 県は独自に工費が約2兆5500億円、工期が13年以上延びると試算したが、これは新事実が判明する前の数字で、さらに増大するのは必至だ。

【】 この間の政府のだまし討ちは許せない。以前から指摘されていた軟弱地盤の存在も隠し続け、今年1月にやっと認めた。情報を隠蔽(いんぺい)して県民をだまし、土砂投入という既成事実を積み上げて、県民の諦め感を狙う魂胆であろう。

【】 不誠実を通り越し、県民を愚弄(ぐろう)しているとしか思えない。差別的で植民地のごとき政府の姿勢は、他県の公共工事でも同様にできるだろうか。

【】 政府は埋め立ての難しさを率直に認めて、工費、工期を具体的に県民、国民に説明すべきだ。普天間飛行場の返還を遅らせてはいけない。


 「不可能な工事」ならば、「不可能」なのだから、いつまで経っても完成しないだろう。そりゃ琉球新報の望み通りでは無いか。


 いつまで経っても「辺野古滑走路が完成しない」ならば、「普天間基地の辺野古移設は不可能」であり、「辺野古“基地”は出来ない」のだから、「普天間基地辺野古移設反対派にとっての朗報」以外の何であろうか。

 更に言えば、「不可能な工事が続行される」ことは、上掲琉球新報社説にもあるとおり「血税の無駄遣い」なのであるから、そうなれば「辺野古”基地”建設反対」には全国民的な支持も期待できよう。益々「普天間基地辺野古移設反対派にとっての朗報」だ。

 だが、そうなると、恐らくは自他共に認める「普天間基地辺野古移設反対派」である琉球新報が、上掲社説を掲げて「辺野古“基地”建設は不可能だから、工事は即中止」を主張するのには、冒頭に触れた「現在形ないし過去・過去完了形の事象に対する“あり得ない”という非難」と同根の違和感と疑問を抱かざるを得ない。

 「違和感」の方は、「不可能な工事ならば、中断しなくても、完成しないだろう。」という、ごく当たり前の推論(と言うか、論理の必然的帰結だな)による。左様であると言うのに、上掲琉球新報社説は「工事の即中止」を求めている。タイトルに「言語矛盾では無いか?」としたのは、この「違和感」による。

 「疑問」の方は「辺野古”基地”建設は、不可能」と断じながら、その不可能性を実践実証する前に「工事の即中止」を求める琉球新報に対し「実は、辺野古”基地”建設は、可能なのでは無いか?」という「疑問」だ。

 チョイと冷静に考えれば判ることだが、辺野古に必要なのは、普天間基地を代替する滑走路でしかないのだから、「埋め立てて陸地を作らなければならない」訳では無い。極端な話、メガフロートのような浮体を使えば、そこの海底が軟弱だろうが底なしだろうが、滑走路は出来る。

 無論、そんな浮体を使うことに依る不都合もあろうし、コストも高そうだ。が、今現在の工法で「滑走路建設が不可能」ならば、工法を変えれば十分可能性はあるし。浮体を使う工法も視野に入れれば、「辺野古”基地”建設」が不可能な、わ・け・が・な・い。(*1)

米海兵隊の格言

 沖縄にも駐留し、正に普天間基地にもお世話になっている米海兵隊は、米軍の中でも精鋭精強で知られるが、その格言の一つに、「困難とは、容易より30分余計に時間がかかることを言い、不可能とは困難より30分余計に時間がかかることである」ってのがあるそうだ。

 言い換えれば、米海兵隊は「容易よりも1時間余計に時間をかければ、”不可能”な事も成し遂げる」と言う意味だ。マア、ナポレオンのもっと有名な格言「余の辞書に“不可能”の文字は無い!」と同工異曲の、ホラ話というか例え話というか「心意気を示した言葉」なのだろうけれど、少なくとも「辺野古海底の軟弱地盤」なんてのは、「余計な時間(とコスト)がかかる」ッテだけの話だぞ。

 ところで、北朝鮮は滅ぼすべきである。
 朝敵朝鮮、滅すべし。

<注記>

(*1) 「工事の影響に対する環境アセスメントのやり直し」とかナントカ、琉球新報などは言いそうだが、それをやり直したって、別に「不可能」ではあるまい。