応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/ranking.html 

 弊ブログで毎年のように記事にしているのが、我らが陸上自衛隊は北部方面隊(*1)の戦車射撃競技会である。その情報源としては、主として北部方面隊に所属する各師団&旅団(*2)の公式HPに依っていた。

 しかしながら、2018年10月末から11月初等にかけて実施された「平成最後の北部方面隊/第7戦車師団 戦車射撃競技会」は、どういう訳か(地震の性、だろうか?)年が明けて2019年になっても殆ど各師団&旅団HPで取り上げられず、それを口実に弊ブログも記事とするのを見送っていた。

 だが、その2019年も早2月になってしまった。これ以上待っても各師団&旅団HPによる「公式情報」は、増えそうに無い。
 
 そこで、些か情報不足での感は免れないが、弊ブログでも「平成最後の北部方面隊/第7戦車師団 戦車射撃競技会」を記事にすることにした。

 「韓国のバカップリに、付き合いきれなくなった」って側面も、否めないがね。

<注記>

(*1) 後継記事にもある通り、第7師団と主催は毎年交替、だそうな。

(*2) 昔は全部師団で、北海道内に四個師団(内一つは機甲師団=戦車師団)と二個特科群(砲兵師団相当)があったんだがな。
 マア、対ソ連バリバリの北方重視から、対中国&対北朝鮮に備える南西重視へ、と言うのは「時代の流れ」なのだけれど。
 それに、我が陸上自衛隊の「戦車不足」は、殆ど自衛隊発足以来70年近い「課題」である。 

第7師団HPより
☆第7師団HPより
 平成30年 戦車射撃競技会
 師団は、平成30年10月29日(月)から11月3日(土)の間、平成30年度師団戦車射撃競技会を開催しました。競技会は、北海道大演習場(島松地区)において、戦車部隊の戦車射撃能力の向上を図ることを目的に、43個小隊、戦車約170両、隊員約500人が参加しました。

 【】  開会式整列した競技参加隊員統裁官(師団長)による訓示 競技前に士気を高める隊員 
  競技会の状況 乗員(選手)の点検 声援を受けて出発する戦車
    準備状況を確認する小隊長 (2両目の戦車)
    競技開始の準備完了を報告する隊員
    丘(稜線)を活用した90式戦車の射撃
    丘(稜線)を活用した10式戦車の射撃
    横に移動しながらの射撃前に進みながらの射撃
    気象情報を競技戦車に伝える隊員
    標的の交換をする隊員
    競技を終えた小隊を出迎える隊員
    競技を終えた隊員競技会を研修する見学者
     戦車部隊を整備支援する90式戦車回収車 
   閉会式 

【】 統裁官(右)からベストプラトーン(小隊対抗の部)賞をもらい握手する第73戦車連隊第1中隊第1小隊長

【】 小隊対抗の部で優勝を飾った第73戦車連隊第1中隊第1小隊


【産経】戦車172両、迫力の実弾射撃 北海道・陸自が競技会
☆【産経】戦車172両、迫力の実弾射撃 北海道・陸自が競技会
戦車172両、迫力の実弾射撃 北海道・陸自が競技会
2018.10.29 17:45

北海道大演習場で開幕した第7師団戦車射撃競技会 =29日(杉浦美香撮影)

 【】 北海道の陸上自衛隊戦車部隊が、日頃の訓練の成果を競う「平成30年度第7師団戦車射撃競技会」が29日、北海道大演習場(恵庭市など)で開幕した。予備日を含んで11月4日まで行われる。

【】 競技会には90式戦車160両、最新の10式戦車12両、総勢516人が参加。4両が1小隊になり、計43個小隊が射撃の命中の精度を競う。 

【】 この日は雨や突風に見舞われる不安定な天候で、競技を一時見合わせる事態も。ぬかるんだ悪条件の中、実弾を使った戦車射撃の競技会で部隊の団結と士気の高揚を図った。
【】 同競技会は毎年実施している。

【乗りものニュース】90式戦車160両の咆哮!

 北の大地を揺るがす砲煙弾雨、恒例「戦車射撃競技会」とは?
【乗りものニュース】90式戦車160両の咆哮!
 北の大地を揺るがす砲煙弾雨、恒例「戦車射撃競技会」とは?


【】 北海道には多くの陸自戦車部隊が配置されていますが、その道内の演習場では毎年、戦車射撃の競技会が開催されています。160両以上の90式戦車が参加、撃ちまくります。北海道の戦車乗りたちの頂点を決める競技会!

【】  毎年10月に陸上自衛隊の北海道大演習場において、戦車射撃競技会が行われています。2018年については、10月29日から11月4日にかけ「平成30年度第7師団戦車射撃競技会」として実施されました。

【】 陸上自衛隊北海道大演習場にて開かれた「平成30年度第7師団戦車射撃競技会」にて。道内各地から90式戦車と10式戦車があわせて170両以上も参加(菊池雅之撮影)。

【】  1961(昭和36)年に「北部方面隊機甲科射撃競技会」としてスタートした伝統ある競技会です。1964(昭和39)年から1972(昭和47)年までは、「北部方面隊機甲戦技競技会」として行われました。しばらく射撃競技会としての射撃は行われなくなりましたが、1982(昭和57)年から2001(平成13)年までは、「第7師団戦車射撃競技会」となり復活、それ以降、主催は北部方面隊と第7師団の持ち回りとなりました。

【】  北部方面隊は陸上自衛隊の方面隊のひとつで、北海道全域を担当しています。作戦基本部隊として第2師団(旭川駐屯地)、第5旅団(帯広駐屯地)、第7師団(東千歳駐屯地)、第11旅団(真駒内駐屯地)を編成し、北海道を4つに分割して、これら師団、旅団を配置しています。

【】  このなかで第7師団は、日本唯一の機甲師団です。機甲科や機械化、自動車化した普通科を中心とした師団編成となっているのが特徴です。第71戦車連隊、第72戦車連隊、第73戦車連隊と3個戦車連隊を編成し、すべて90式戦車で構成されています。第71戦車連隊には、2017年から10式戦車もラインナップに加わりました。拡大画像拡大画像拡大画像第7師団の中核をなす第71戦車連隊の10式戦車(菊池雅之撮影)。

【】  普通科(歩兵)部隊は、第11普通科連隊の1個連隊のみ。それも90式戦車と共に戦うため、この部隊だけ89式装甲戦闘車が配備されるなど、日本で唯一、完全装甲車化を成し遂げており、日本で一番大きい規模を誇ります。また、第7偵察隊という偵察部隊もありますが、この部隊にも90式戦車が配備されています。そのほかの特科(大砲)や施設科(工兵)といった職種についても完全装甲車化を成し遂げています。「第7師団で装甲車を持っていないのは音楽隊だけ」と言われるほどの重装備部隊なのです。だからこそ、戦車射撃競技会を主催できるのです。

【】  また、第2師団に編成されている第2戦車連隊には、10式戦車、90式戦車、74式戦車と3世代の戦車を配備しています。第5旅団の第5戦車大隊、第11旅団の第11戦車大隊は90式戦車を配備しています。

【】 競技は4両1チーム=小隊編成で

【】  北海道の陸上自衛隊は、まさに戦車が主役となる部隊編成となっています。そのような猛者ぞろいの各部隊から今年の射撃競技会には、164両の90式戦車、12両の10式戦車が集まりました。拡大画像90式および10式戦車は、車長、操縦手、砲手の3名で構成されている。写真は車長。1両の戦車を指揮し、取りまとめるのが仕事だ(菊池雅之撮影)。

【】  競技は4両単位で行います。これは1個小隊編成となります。4両の戦車が、敵の戦車や装甲車を模した「戦車砲用標的」、敵歩兵を模した「機関銃用標的」を攻撃していきます。「命中精度」、「命中に要した時間」、「小隊長の射撃指揮」が評価され、点数となり、順位に影響していきます。

【】  なお、10式戦車については、まだ数が揃っていないこともあり、評価からは外されていました。90式戦車小隊のみで、「部隊対抗の部」「中隊対抗の部」「小隊対抗の部」の3部門を争います。平成29年度大会では、部隊対抗の部で第72戦車連隊、中隊対抗の部で第72戦車連隊第5中隊、小隊対抗の部で第72戦車連隊第2中隊第2小隊が、それぞれ優勝の栄冠に輝きました。拡大画像拡大画像拡大画像平成29年度大会で各部門の優勝を総ナメにした、第7師団第72戦車連隊(菊池雅之撮影)。

【】  大会参加者はまずIDのチェックを受けます。というのは、替え玉参加を防ぐためです。腕のある人、ベテランの人など、競技においては経験者が多少有利となるのは事実です。また、戦車に乗ってしまうと、外からでは誰が乗っているのか分かりません。そこで乗車前に、出場者名簿とID、顔を照らし合わせます。そんなズルをする部隊があるとは筆者(菊池雅之:軍事フォトジャーナリスト)には思えませんが、ここまで厳格にルールを順守するところは、自衛隊ならではと言えるかもしれません。

【】  そしてそれぞれの戦車に乗車し、競技スタートです。

【】 途切れない射撃、その咆哮!

【】  まず2両が稜線上から敵戦車に対し、射撃を行います。撃破すると、一旦後退します。前進を前に、特科部隊の火力支援を要請します(想定のみ)。大砲からの支援を受けた直後、4両の戦車は一斉に動き出します。敵戦車や装甲車を発見すると、小隊長指示のもと、それぞれ撃破していきます。そのまま流れを止めることなく、戦車はどんどんと前進していきます。敵歩兵が出現すれば、機関銃で射撃をしていきます。

【】  一旦競技が始まると、咆哮は常に唸り続けます。毎年8月に行われている「総火演」にはない、本物の迫力がここにはあります。

【】  射撃を終えて、スタート位置へと戻って来ると、部隊名が記された旗を振る仲間たちの熱い出迎えを受けます。この応援に、乗員らは戦車から体を出して、ガッツポーズで応えていきます。部隊の名誉がかかっている戦いであり、応援する隊員たちも真剣そのものです。拡大画像拡大画像拡大画像部隊対抗の部で優勝を収めた第5戦車大隊は、帯広に司令部を置く第5旅団隷下の部隊で、道東の鹿追駐屯地(北海道鹿追町)に駐屯する(菊池雅之撮影)。

【】  今回は天気に恵まれなかったのですが、戦車は全天候型の戦いを強いられる装備です。さすがに標的が霧で見えなくなり、射撃できない時もありましたが、ほぼ予定通り実施していきました。天候同様に、競技会の結果も大波乱となりました。

【】  部隊対抗の部で優勝を収めたのは、第5旅団の第5戦車大隊でした。中隊対抗の部で優勝を収めたのは第11旅団第11戦車大隊の第2中隊、小隊対抗の部で優勝を収めたのは、第7師団第73戦車連隊第1中隊第1小隊でした。

【】  第7師団としては、残念な結果と言えるかもしれません。ただし、そのような第7師団を破った部隊が出たということは、改めて北部方面隊の戦車部隊の練度の高さを見せつけたと言えるかもしれません。
【了】

平成30年 第7師団戦車射撃競技会 結果

 部隊(連隊/大隊)の部 優勝:第5旅団 第5戦車大隊

 中隊の部 優勝:第11旅団 第11戦車大隊 第2中隊

 小隊の部 優勝:第7師団 第73戦車連隊 第1中隊 第1小隊

・・・と言うことなので、改めて「2018年 北部方面隊/第7戦車師団 戦車射撃競技会」の結果を概観すると・・・


(1)大抵の年がそうであるように、優勝した小隊、中隊、連隊/大隊のl所属がバラバラ(第7師団、第11旅団、第5旅団)

 即ち、小隊の部で優勝したベストプラトゥーンを擁する第73連隊及び第73連隊・第1中隊も部隊(連隊/大隊)の部、中隊の部では優勝できず・・・

 小隊の部で優勝できなかった第11旅団・第11戦車大隊・第2中隊が中隊の部では優勝したが、第11旅団・第11戦車大隊は部隊(連隊/大隊)の部では優勝できず・・・

 小隊の部でも中隊の部でも優勝できなかった第5旅団・第11戦車大隊が、部隊(連隊/大隊)の部では優勝している。

(2)昨年圧倒的な強さを見せた第7師団・第72戦車連隊が、今年は全ての部門で優勝できなかった。

 これまたほぼ例年通りな訳だが、「勝って兜の緒を締めよ」と言うべきか、「盛者必衰の理」と言うべきか。

 と言う訳で、2018年北部方面隊/第7戦車師団戦車射撃競技会のスコア(得点)についての情報は得られなかったモノの、「2018年もやはり大接戦であった」事は、間違いないようだ。

 例年の通り「優勝争いは、小隊全弾命中同士、命中までの時間勝負勝負の”神々の戦い”」であったか否かも、確認できなかった。

 ああ、新情報として、「戦車砲射撃だけで無く、機関銃射撃も評価の対象となった」ってのがある。車載機関銃は接近してくる歩兵などに対しては有効な兵装であり、それだけ「実戦を想定した評価基準」に変わっているようだ。

 一方で、全自動射撃を基本とする機関銃では、「全弾命中」はそれこそ「神業中の神業」だろう。実戦を想定すれば、「戦車が歩兵に向けて機関銃を単発射撃する」なんてのは凡そナンセンス(*1)だから、上掲第7師団HPの記事が「優勝しながらスコアには触れない」のは、ひょっとして「機関銃射撃は全弾命中しなかったから」なのかも知れない、と邪推も働く。
 
 だが、我らが航空自衛隊は、F-86時代(*2)に遡るが、対地攻撃訓練の機関銃掃射(*3)で全弾命中と言う「神業中の神業」を実現したパイロットが、(ゴロゴロと、とは言わないが)複数居る(*4)そうだから、我らが陸自もゆくゆくは「機銃弾も含めて全弾命中!」なぁんて快挙を実現してくれるのでは無いかと、密かに(でも無いか)期待するぞ。

 陸自の戦車砲命中率は世界一ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!

 それはそうと、北朝鮮は滅ぼすべきだな。

<注記>

(*1) 我らが陸自戦車も車載する偉大なるブローニングM2重機関銃には単発射撃出来、遠距離狙撃に利用されるそうだが・・・ 

(*2) 戦後第1世代の亜音速ジェット戦闘機。朝鮮戦争で活躍し、前の東京五輪ではブルーインパルスの乗機として東京上空にスモークで五輪を描いた。 

(*3) F-86 ってことは、機首廻りに6丁並べた偉大なるブローニングM2重機関銃だ。 

(*4) さすがに腕っこきのパイロットが一生に一度出来るか否かの難事だが、「私は、二回成功しました」って自慢話を読んだことがある。確か、服部省吾氏の「戦闘機の戦い方」だ。
 我らが空自パイロットの話で無かったら、「ホラだろう!」と即断してしまいかねない所だ。