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三国志のヒーロー、神算鬼謀の軍師・諸葛孔明・・・と、そのヨメ・月英さんの「孔明、軍師としてデビュー」以前を描く連作四コマ漫画(と、言うのかどうかは一寸自信が無いが)杜康潤作「孔明のヨメ」は、既に何回か弊ブログで取り上げ、紹介してきた。
孔明のヨメ シリーズ
その紹介は、あるところまでしか実施していなかったが、実はその後の続刊もしっかり買って読んでいた。買って読んでいながらその後の続刊を弊ブログで取り上げなかったのは・・・まあ、私(ZERO)の「サボり」が最大の原因かも知れないが、幾らかは「作品紹介の難しさ」による(と、弁明しておこう)。
以前にも書いたが、作品紹介ってのは「案外難しい」。弊ブログで作品を紹介する以上、私(ZERO)としては「一人でも多くの人にその作品を知ってもらいたいし、読んでもらいたい/見てもらいたい」と思っている。作者がまだご存命ならば「作品を買うことで、幾ばくなりとも作者の糧となり、続刊や新作の力となる」事も願っている。
だが、だからといって下手にストーリーを紹介してしまうと、「その作品を読まなくても良い」と思われてしまうかも知れない。私(ZERO)が、(何度か引用している)「遙かなるアルファケンタウリ」を「実は紹介文を読んだだけで、原作を読んだことが無い」様に。これは私としては不本意であるし、私の紹介したい作品に対して失礼でもあるし、私の紹介したい作品の作者に対しては「糧道を断つ」恐れさえある。そんなことで、私が紹介したくなるような作品の「続刊が出なくなる」なんて事態は避けたいし、作品にも作者にも礼を失したくない。
って訳で(一応)しばらく「続刊の紹介」を見送っていた「孔明のヨメ」だが・・・この9巻は、紹介しないわけには行くまい。
タイトルからも判ろうが、「紹介しないわけには行かない」のは、9巻で何時にも増して著しい「除母さんの魅力(美しさ、含む)」故、だ。
尤も、その魅力の詳細を語ると「盛大にネタばらしになってしまう」ので、気をつけなければならないんだが・・・・
前巻で劉備元徳の軍師に収まった「孔明の学問所の先輩(と言うか、兄貴分、かな)」・除兄は、劉備軍にそれまで全く欠けていた「知略」を以て、攻めて来た2倍以上の曹操軍を美事打ち破る。
その美事さに「軍師の存在」を感じた曹操軍は、劉備周辺を探り、遂に「軍師・除兄(今は単福と名乗っている)」の存在と、劉備にさえ秘していたその母・除母の存在を突き止める。
「劉備の軍師を引き離し、あわよくば召し抱えよう」とする曹操軍の魔の手は、除母に迫り・・・ってのが、9巻の前半部分だ(ここまでは、大凡9巻の裏表紙にもあるから、書いても良かろう)
で、ここから先が書くのが憚られるが、除母さんの魅力炸裂する部分である。ネタばらしにならないようにかいつまんで伏せ字にして列挙するならば
① 除兄が曹操軍に大勝したニュースに、「例え負けても、全力を尽くした結果なら咎めない」と母親らしい優しさを見せ、その直後に「勝利に浮かれているようなら、ぶん殴る。」と断言断定する。
② 一方で、敗れた(敵である)曹操軍の死者に対しても見せる慈愛の情は・・・やはり、「母だから」だろうか。
③ で、色々あって大部経ってから久々に除兄が尋ねてくると、「ただいまの挨拶が無い」と思い切りぶん殴る。
④ その後、曹操軍の魔の手が伸びて、○○を××されようが、▽▽を■■されようが、除母さん顔色一つ変えず、曹操軍の言いなりにならない。
⑤ あまつさえ、曹操との直接対決でも堂々と「母としての正論」を述べ、更には△△を□□して、**を試みる。
⑥ **が未遂に終わっても、「これで除兄は##する」と、清々しいまでの会心の笑みを・・・・(泣)
⑦ アレコレあって再会した除兄を、またも思い切りぶん殴る(*1)。
⑧ 母親を気遣う除兄を知ってか知らずか(*2)、寝言で**未遂を「反省」している。勿論、「こうすれば**は成功した」って「建設的な反省」だ。除母さんだから、な。
まさか、本編では無い「オマケ四コマ(*3)」に(だけ)登場する除母さんの「食い逃げ防止の投擲術」が、あんな、映画「300」のレオニダス王もかくやと言うべき「乾坤一擲」として本編に登場するとは・・・後書きによると、「除母さん登場当時から決めていたこと」だそうだが。
漫画家・杜康潤の深謀遠慮、恐るべし。
かくも魅力的な(ってのが、伝わっていない可能性は大いにあるが)除母さんの魅力炸裂する9巻であるが・・・この調子でいくと程なく孔明は劉備陣営に加わることになる。これは、孔明としては一大イベント一大転機であり、漫画「孔明のヨメ」としてもそうだろう。何しろ、孔明が「三顧の礼」で劉備に迎えられてから先は、古典は本家・三国志&三国志演義から、漫画だって横山光輝始めとして数多の作品が既にある。
それら先達先輩の後を、「孔明のヨメ」で追うのは、作者・杜康潤としては「荷が重い」と考える、可能性がある。
何を言いたいのかというと、9巻を数えた杜康潤作「孔明のヨメ」は、ひょっとして「完結が近いかも知れない」と言うことだ。
正直言って、イヤだな。
以前にも書いた通り、映画「黄色いリボン」の主演・ジョンウエインの「亡妻の墓参り」に匹敵するような名シーンを、私は「孔明のヨメ」で見てみたい、と、一ファン(*4)として願っているのである。
そりゃま、作者の都合も、出版社の都合もあろうから、一ファンの「勝手な願望」なんて、聞き届けられない可能性は相応にあるが、祈り、願う分には構うまい。
漫画「孔明のヨメ」が、ハリウッド映画「黄色いリボン」を凌駕することを!!
<注記>
(*1) ウーン、除母さん、Sかなぁ。そうすると、除兄は、Mかぁ。(*2) 知っていて、「“寝言”のフリして聞かせた」って線も、実に除母さんらしく、捨てがたい。(*3) 「連作四コマ漫画」なんて造語で紹介したのは、「孔明のヨメ」が「4コマ漫画の集合体」であるため。従って「オマケでは無く、本編も基本的に4コマ」だ。(*4) それも、西部劇&戦争映画の大ファンと兼任という、余り居そうに無い「孔明のヨメ」ファン