タンテ(おばさん)、逝くーユンカースJu52三発機、墜落す

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　「墜落事故が後を絶たないオスプレイ」などと言う戯けた表記に出くわす度に、「ならば、”墜落事故が後を絶った”機種を挙げて見せよ！！」と突っ込んでいた私（ZERO)（＆弊ブログ）だが、「落ちない飛行機は、飛ばない飛行機だけだ。」という原則を変えるつもりはないものの、「未だ飛んでいながら、”墜落事故が後を絶った”機種があるとすれば、”少ない機体を慎重に飛行させている”機種だろう」と考え、その筆頭に上がると考えていたのが本機＝ユンカースJu52三発機なのだった。
　
　何しろ、低翼単葉全金属機とは言い条、固定脚の牽引式3発機。且つ外板はトタン板の様な波板という見た目のクラッシックさの通り、第2次大戦以前の大戦間機。元は輸送機だが、第2次大戦では空挺部隊(落下傘降下部隊)の輸送＆降下にも使われ、ドイツ降下猟兵が降下するところ(＊1)、ユータンテ(ユーおばさん、Ju52の愛称)あり、と言えるぐらい活躍し、数も多かった。

　そこは敗戦国の悲しさで、戦後はめっきり数を減らしたが、戦後もスイスやポルトガルなどで軍用現役であり続け、21世紀の今日まで「元気に飛び続けて」いたJu52は、アメリカ製戦争映画「荒鷲の要塞(＊2)」オープニング(と、最後の脱出飛行）でその勇姿を見せつけてくれていた。

　の・だ・が･･･

＜注記＞

(＊1)　実は、クレタ島降下作戦での大損害以降、殆ど降下はしていない。　

(＊2)　クリント・イーストウッド共演　

【AFP】1939年製ビンテージ機、スイスで遊覧飛行中に墜落　20人死亡

【AFP】1939年製ビンテージ機、スイスで遊覧飛行中に墜落　20人死亡1939年製ビンテージ機、スイスで遊覧飛行中に墜落 20人死亡　　http://www.afpbb.com/articles/-/3185022?cx_part=top_latest

2018年8月6日 8:29　発信地：フリムス/スイス [ スイスヨーロッパ ]

【8月6日 AFP】スイス東部で4日、遊覧飛行していた第2次世界大戦（World War II）時の旧軍用機が墜落し、乗客乗員20人が死亡した。警察が翌5日、発表した。同機が高速で急下降した原因を究明するため、捜査を開始したとしている。

【】　墜落したのは、1939年ドイツのユンカース（Junker）製の「Ju52 HB-HOT」。「アイアン・アニー（Iron Annie）」という愛称で収集家に人気の機種だった。

【】　警察によると、現場は標高3000メートルのピッツセニアス（Piz Segnas）の西側の山腹、標高2540メートルの地点だという。

【】　地元ドイツ語紙ブリック（Blick）は、同機はスイス南部のティチーノ（Ticino）を出発し、4日午後にチューリヒ近くのドゥーベンドルフ（Duebendorf）空軍基地に着陸予定だったと伝えている。

【】　地元報道によると、乗客らは3日朝に到着した同国南部の観光地マジョーレ湖（Lake Maggiore）のロカルノ（Locarno）から戻る途中だったとされる。

【】　別の地元紙バン・ミニュット（20 Minutes）は、墜落当時に同山にいた目撃者が「飛行機は南に180度方向転換し、まるで石のように地面に落下した」と語ったと報じた。

【】　この種のビンテージ機には飛行データや音声を記録する「ブラックボックス」が搭載されていないため、捜査は目撃証言や機体の残骸の分析に頼らざるを得ない。(c)AFP/Fabrice COFFRINI and Gilles CAMPION

「落ちない飛行機は、飛ばない飛行機だけだ。」

　誠に残念ながら、章題にした「私（ZERO）の持論」が裏書きされてしまった形だ。

　嘘か誠か、早速立ち上がった(らしい)ウイキペディア記述によると、今回の事故機は映画「荒鷲の要塞」オープニングで冬季迷彩夜間飛行の勇姿を見せつけてくれた機体なのだそうだ。

　事故で亡くなった20人の乗員乗客に、心からご冥福をお祈りする。

　と同時に、最後の瞬間まで現役で飛行し続けたユンカースJu52機の魂(＊1)にも、平安在らんことを。合掌。

＜注記＞

(＊1)　1939年製だから、現役80年か。付喪神になるには、一寸年数が足らなかったが。

こちらは、空戦映画の金字塔「空軍大戦略Battle of Britain」

Ju52の後にメッサーシュミットMe109戦闘機やハインケルHe111爆撃機が山盛りで、Ju52がかすんでしまう。