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 「光あるところに影がある。
誠、歴史の栄光の影に、数知れぬ忍者の姿があった。」

 とは、白戸三平原作マンガをアニメ化した「サスケ」のオープニングナレーション。「光と影」に二分法で言えば、我らが自衛隊三軍なん手のは、発足以来長いこと「影」「日陰者」扱いで、「光」を浴び始めたのは東日本大震災ぐらいからじゃぁなかろうか。

それでも、現在に至るもマスコミ(の左半分?)は「自衛隊に光を当てまい」と尽力奔走しているように見受けられる。

 今回の草津・白根山噴火で亡くなられた自衛官にも、「報じられていない事実」=「光を当てられず、影になっているが、特筆大書すべき”事実”」が、あるのでは、な・か・ろ・う・か。

①「草津白根山が噴火 草津国際スキー場の雪崩に巻き込まれ自衛隊が死亡」
①「草津白根山が噴火 草津国際スキー場の雪崩に巻き込まれ自衛隊が死亡」 
■2018/1/23 15:51 最終更新■

【】 群馬県の草津白根山が噴火し1月23日、雪崩に巻き込まれ訓練中の自衛隊が巻き込まれる事故が起きました。

【】 発表によりますと1月23日午前10時25分ころ、草津国際スキー場にある振子沢コースで、訓練中の陸上自衛隊30人が雪の被害を想定したスキーの訓練をしていたところ雪崩が発生したということです。

【】 自衛隊6人と付近にいたスキー客1人が雪崩に巻き込まれました。

【】 この雪崩事故で自衛隊やスキー客の計7人が病院に救急搬送され、搬送先の病院で治療を受けましたが、自衛隊1人の死亡が確認されました。ほかの6人もケガをしているということですが、ケガの容態などについては不明。

【】 雪崩に巻き込まれたのは、群馬県にある相馬原駐屯地の第12旅団の第12ヘリコプター隊に所属する陸上自衛隊です。

【】 この事故にインターネット上では「草津白根山が噴火して自衛隊が死亡したのか」「スキー場でケガ人が多数ってヤバッ」「みんな助かることを祈ってます」などと様々な声が多数見られました。

②「産経」「草津白根山噴火」死亡の自衛隊員、背部に噴石強打 死因は出欠性ショック
②「産経」【草津白根山噴火】死亡の自衛隊員、背部に噴石強打 死因は出欠性ショック

【草津白根山噴火】

【】 草津白根山の本白根山の噴火で、群馬県は24日午前、3回目の災害対策本部会議を開き、死亡した陸上自衛隊の男性陸曹長(49)の死因は出血性ショックだったと発表した。噴石で背中を強打したという。

【】 草津白根山の火山性地震は減少し、小康状態となっているものの、県は引き続き「予断を許さない状況」として警戒を呼びかけている。

【】 この日は、県警や地元消防が朝から約60人態勢で現場の状況を確認。噴火当時の状況や、逃げ遅れた人はいないかなどを調べている。


出血性ショック死と言うことは、相当出血したって事だ。


ネット上には、自衛隊員が円陣を組んで、民間人の盾になったために噴石を受け、受賞・死亡した。」とする説が流れている。ネタ元は「匿名のTwitter」らしいが、Twitterなんてのは誰でも如何様にも書けるので、プロパガンダやデマ、「フェイクニュース」である可能性を、忘れるべきではない。

 さは、さりながら・・・

 (1) 訓練中の自衛官30名の内、一人死亡、二人重傷、他に5人負傷と言う「死傷率の高さ」

 (2) 上掲①の通り当初は「雪崩に巻き込まれた」と報じられ、同時に「民間人一人負傷」とされていることから、「民間人が訓練中の自衛隊の近くに居た」のは確からしい。

 (3)上掲②の通り、殉職した自衛官の死因が「背中に受けた噴石による出血性ショック」であるのが事実ならば、「短時間に相当量の出血があった(*1)」筈である。
 
以上のような「どうやら確からしい」事実及び一部推測は、「訓練中の自衛官が、白根山噴火に対し、民間人を守る”人間の盾”となった」事を示唆しているのではないか。特に上記(1)「自衛官の死傷率の高さ」は、「自衛官が盾となった」か「とんでもなく不運だった」かぐらいでしか、説明できそうにない。

 さて、さらに些か想像力を巡らしてみよう。

 (4) 雪山、民間人が近くに居る状況で自衛隊が訓練している。突如、火山が噴火し、噴石が降り始めた。さあ、自衛官らは、どんな行動をとるだろうか??

<1> 算を乱して我先に安全な場所をめざして逃げ去る。まず自分たちの安全を確保する。

<2> 指揮官の号令一下、整然と退避する。

 或いは・・・

<3> 指揮官の号令一下、近くに居る民間人の安全を先ず確保する。要すれば「人間の盾」となる。

 上記<1>は、謂わば「敗走」であり、「潰走」と言っても良いぐらい。上記<2>も良いところ「退却」であり、下手すると「敵前逃亡」だ。

 この場合、「敵」は「噴火した白根山による危険」であり、守るべきは国民=近くに居た民間人である。理想は無論、上記<3>であり、「匿名のTwitter」が述べた我らが自衛隊の対応(*2)も、正に上記<3>である。

それだけに「プロパガンダである可能性」を否めないのであるが、逆にそれだけに「我らが自衛隊ならば、当然上記<3>の対応であろう」と思える。即ち、「自衛官が文字通りの人間の盾となり、民間人を保護した、と言うことは、大いにあり得る」と考える。

 逆の場合を考えてみよう。「草津・白根山が噴火し、噴石で民間人の負傷者が出た。が、近くで訓練していた自衛隊は全員無事で無傷だった。」としたら?・・・自衛隊が真っ先に逃げ隠れたのではないか!(*3)とかナントか謂われ無き非難(*4)が起きはしなかったろうか?私(ZERO)には、左様な非難こそ「大いにあり得たこと」と思われる。

 亡くなられた自衛官及び負傷した自衛官らは、「そんな謂われ無き非難から、自衛隊及び自衛官の名誉を守った」と、少なくともいえるのではないか。例え「民間人を守る人間の盾になっては、居なかった」としても。

 「醜の御盾(しこのみたて)」という言葉がある。

> 天皇の盾となって外的を防ぐ盾。武人が自分を卑下して言う語。
> 「今日よりは、顧みなくて大君の、醜の御盾と、出で立つわれは」(万葉集四三七三)

と、goo辞書にもあり、万葉集まで遡る「文字で記載された最古の日本語の一つ」だ。

 今回白根山噴火で亡くなられ、負傷された自衛官の方々は、正に・文字通りに「21世紀の醜の御盾を具現化・具体化して見せた」のではないかと、私(ZERO)は考えている。

 ニュースとしては、報じられていないけどね。

 その醜の御盾の、なんと美しいことか。

<注記>


(*1) 本記事のタイトル「雪を血に染めて」は、斯様な推測に基づく。
 
「講釈し、見てきたような何とやら」で、想像力を働かせれば・・・

 一面銀世界のスキー場。訓練する自衛隊と、その傍らを滑走するスキー客。
 突如とどろく大音声、黒煙、降り来る噴石。
 鋭い号令。駆け足で陣形を組む自衛官。中央に、守られた民間人。
 降り続く噴石が命中し、血を流し倒れる自衛官。素早く交替し、陣形を維持。陣外となった負傷者を手当するが、出血は止まらず、見る見る白い雪が鮮血に染まっていく・・・ 

(*2) 「指揮官の号令一下」とは、「文字として書かれていない」が。 

(*3) アニメGATE第8話の国会招致喚問のように 

(*4) 徒歩やスキーで雪中訓練中の30人の自衛官に出来る事なんざぁ、多寡が知れている。火山噴火&噴石による負傷者を皆無にするなんて、全員がゴルゴ13でも無理だろう。 

それにつけても、北朝鮮は滅ぼされるべきである。

<続報>③ 【草津白根山噴火】部下かばい…背中に噴石 亡くなった陸自隊員の伊沢隆行さん
【産経】【草津白根山噴火】部下かばい…背中に噴石 亡くなった陸自隊員の伊沢隆行さん

【草津白根山噴火】部下かばい…背中に噴石 亡くなった陸自隊員の伊沢隆行さん 知人ら「情熱に溢れた人」「自衛官として立派」01月25日 23:34草津白根山の噴火で死亡した陸上自衛隊第12旅団第12ヘリコプター隊の伊沢隆行さん(本人のインスタグラムより)(産経新聞)

【】 噴火で亡くなった陸上自衛隊第12旅団第12ヘリコプター隊の伊沢隆行さんは、部下の隊員をかばって上に覆いかぶさった際に噴石の直撃を受けていたことが25日、関係者への取材で分かった。防衛省が伊沢さんの氏名を公表した25日、関係者からは改めてその死を悼む声が上がった。

【】 陸自によると、伊沢さんは23日午前、スキーの上級者グループの一員として、重軽傷を負った他の隊員7人とともに草津国際スキー場で行われた訓練に参加。山頂付近から滑り始めて数分後に噴火が発生し、コース脇の雑木林に避難したが、そこにも噴石が降り続いたという。伊沢さんは噴石から部下の隊員をかばおうと上に覆いかぶさったところ、背中に噴石が直撃した。その後、軽傷の2人が全員の意識があることを確認し、麓にいた隊員に報告。伊沢さんは搬送中に心肺停止状態になり、病院で死亡が確認された。

【】 「どうか嘘であってくれと願ったが…。自衛官として職務を全うした彼は立派だと思う。素晴らしい方だった」。こう語るのは、平成25年7月から約5カ月間、仙台市で伊沢さんに整体を教えた今昭宏さん(61)。「青森から車で通学していて、非常に勉強熱心で真面目な生徒だった」と振り返る。

【】 友人らによると、伊沢さんは専門学校卒業後、陸自に入隊、20年以上勤めたが、約5年前にいったん退官して整体を学び、3年前には青森県三沢市で整体院を開いていたという。自衛隊に再入隊したのは昨年のことだった。

【】 整体の勉強を通じて伊沢さんと知り合ったという群馬県安中市の整体師、河村哲也さん(36)は「いつもニコニコしていて、笑顔の絶えない人。場の雰囲気を和ませてくれる存在だった」と評する。

【】 人生の目標を問われると、「世界中の人を笑顔にすること」と語り、目を輝かせていた伊沢さん。河村さんは「何事にも熱心で、情熱にあふれていた。尊敬していたのに、こんなことになって今はただ驚いている」と肩を落とした。

【】 友人らによると、伊沢さんは近く自衛隊を離れる予定だったとみられる。本人のインスタグラムには、訓練の直前、「自衛官生活も残り少ないので日々が愛おしいです。からだをリセットして来週からの訓練に臨みたいと思います」と書き込まれていた。

【】 伊沢さんが所属する陸自12ヘリ隊の隊長、桑畑英紀1等陸佐は「訓練中の事故により、かけがえのない隊員を失ったことは痛恨の極み」とコメントした。(飯嶋彩希、上田直輝)


軍神広瀬とその名残れど


 「広瀬中佐」というと、戦前戦中は教科書にも載っており、「軍神広瀬」と歌にも歌われた国民的英雄だ。日露戦争は旅順港閉塞作戦にて。港口に自沈させる閉塞船の一隻を指揮していたのが広瀬中佐だ。

 「閉塞」ったって、ロシア軍もおとなしく閉塞させちゃぁくれないし、旅順は当時世界屈指の大要塞。夜陰に乗じて閉塞船が忍び寄ろうとしても、旅順要塞から探照灯照射や砲火を散々浴びた。
 それでも何とか所定の位置と思しき辺り(*1)に到着し、いざ自沈って段になったが、部下・杉野兵曹の姿が見えない。

 闇を貫く中佐の叫び。「杉野は何処!」「杉野は居ずや!」
 船内くまなく訪ぬる三度

と、軍歌「広瀬中佐」にもある。ついに杉野兵曹は見つからず・・・

 今は、と、(脱出用)ボートに移れる中佐。飛び来る弾に忽ち失せて。

と、広瀬中佐は敵弾を受けて戦死されてしまった。「広瀬の残せしモノは、一片の肉塊と、血に染まり氏海図のみなり。」と明治天皇に奏上するシーンが映画「明治天皇と日露大戦争」にはある。

 旅順港外恨みぞ深し。軍神広瀬とその名残れど。

と軍歌がしめる通り、広瀬中佐は日本で初めて「軍神」の称号を与えられ、称えられた人だ。

 長々と広瀬中佐の話を書いたのは、無論上掲③「【草津白根山噴火】部下かばい…背中に噴石 亡くなった陸自隊員の伊沢隆行さ」で明らかになった草津白根山噴火に於いて殉職された伊沢陸曹長が「部下を守る盾となって殉職された」事に、広瀬中佐が重なったから、だ。

 否、それどころか、「広瀬中佐は杉野兵曹を発見できなかった」のに対し伊沢陸曹長は「部下を救えた」のであり、「広瀬中佐以上」と評することさえ出来る。

 言い換えれば、伊沢陸曹長は、軍神とされるに値するのである。

 軍神って制度は、自衛隊にはなさそうだが、「伊沢三尉(*2)」と言う歌が出来ても良さそうだ。

 「軍神」ってぇと、「軍国主義の復活だぁ!」とか騒ぐ輩がありそうだが、戦闘中行方不明の部下を探して脱出が遅れ戦死された広瀬中佐も、部下を守る盾となって噴石を受け殉職された伊沢三尉も、その尊さ、気高さ、美しさに、「軍国主義」は無関係であろうが。

 左様に考えるので、上記の本記事前半は「殉職された陸曹長が民間人を守る盾となった」という「事実誤認」に基づくモノだが、あえて訂正修正はせず、ただ続報等を追加するのみとした。

 それにつけても、北朝鮮は滅ぼされるべきである。

<注記>


(*1) なにしろ、GPSも慣性航法装置もまぁだなかった頃だから。「旅順港口」の所定位置を判断するのも大変だ。 
(*2) 上掲③にある通り、死後昇進されている