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【BI】「5発全て外れた? 中東に配備のPAC-3、弾道ミサイルの迎撃に失敗か」
【Business Insider】5発全て外れた? 中東に配備のPAC-3、弾道ミサイルの迎撃に失敗か
Alex LockieDec. 06, 2017, 10:30 AM【】 サウジアラビア当局は、首都リヤドの国際空港に向けて発射された弾道ミサイルをPAC-3で迎撃したと述べた。しかしニューヨークタイムズの最新記事は、迎撃に失敗したとの見方を示した。
【】 PAC-3の信頼性が疑問視されるなか、サウジアラビアに敵対する武装勢力はさらなるミサイル攻撃をほのめかしている。
【】 イランの支援を受けたイエメンの武装勢力フーシ派(Houthi)は11月、サウジアラビアの首都リヤドの国際空港に向けて弾道ミサイルを発射した。
【】 サウジアラビア当局はこの弾道ミサイルを感知し、アメリカから購入したPAC-3からパトリオットミサイル5発を発射、これを迎撃したとしている。PAC-3は日本や韓国でも、北朝鮮によるミサイル攻撃に備えて配備されているミサイル迎撃システムだ。
【】 「我々のシステムがミサイルを撃墜した」とトランプ大統領。
【】 「我々の実力が示された。我々が作っているものは、他の誰にも作れない。世界中に売っていく」
【】 しかし、ニューヨークタイムズは最新記事で、ミサイルが空港に当たらなかったのは幸運なだけで、5発の迎撃ミサイルはすべて外れたとしている。すなわち記事は、空港近くに落ちた弾道ミサイルの破片から判断すると、PAC-3から発射された迎撃ミサイルは弾頭には当たらず、弾頭をすでに切り離した後の、ミサイルの胴体部分に当たったとしている。
【】 弾頭はほぼコースを維持したまま、妨害を受けずに飛行し、空港の外側で爆発したようだ。目撃者らは爆発音を聞いており、ニューヨークタイムズが公表した衛星画像によると、爆発を受けて緊急車両が出動したようだ。
【】 今回、フーシ派が使用したのは旧型のスカッドミサイルの派生型。目標に対して、約1キロの誤差が生じる可能性がある。スカッドミサイルは古く、エラーも多い。フーシ派は古く、安価なミサイルを使用している。
【】 一方、アメリカが開発したPAC-3の費用は数億ドル、アメリカ国防総省は世界で最も先進的なシステムとアピールしている。
【】 「5発発射して、全て外れた? 衝撃的だ」と、憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists)の専門家ローラ・グレゴ(Laura Grego)氏はニューヨークタイムズに語った。
【】 「このシステムは正常に機能するはずだった」
【】 イエメンの武装勢力フーシ派は、以前にもサウジアラビアに向けてミサイルを発射している。先週末には、アラブ首長国連邦のアブダビの原子力発電所に向けて巡航ミサイルを発射したと声明を出した。アラブ首長国連邦はこれを否定している。
【】 動画を見ると、発射されたミサイルはイラン製のミサイルに似ており、イランが提供したと考えられる。リヤドの国際空港に向けて発射されたミサイルもイランが提供したものと見られている。
【】 緊張の高まる中東情勢の抑止力として配備されたPAC-3だが、フーシ派が使用したような短距離弾道ミサイルの迎撃に失敗したとなれば、その信頼性が問われることとなる。
[原文:US missile defenses fired 5 shots at an incoming target ? and it looks as if they all missed] (翻訳:忍足 亜輝/編集:増田隆幸)
スカッドならば弾頭は分離しないし、射程の短いPAC-3を5発ってのは「ほぼ同時発射」だ。
「下手な鉄砲も、数撃ちゃ当たる」と言うが、それは「鉄砲は撃ちっ放し」だからで、撃った後もあれこれ面倒見てやらないとすると「数撃ちゃ当たる」とは限らない。その面倒の手が回らなくなり、「数撃ったために、当たらなくなる」事が、考えられる。
PAC-3を含むPatriotミサイルのウリは、TVM;Tracked Via Missileって奴で、「発射されて飛行しているミサイルの目=シーカーか、地上固定のレーダーか、どちらかから目標が見えてさえいれば、追尾・誘導し続ける事ができる」機能。それは利点だが、少なくとも「撃ちっ放し」=Fire & Forgetではない。「ミサイルを発射した・撃った後も、ミサイルの面倒を地上の固定レーダーや管制装置が面倒を見る」システム。
ってことは、だ。そもそも「一つの目標に対し、5発のPAC-3を発射して、マトモに機能するか?」からして疑問だ。PDCAサイクル宜しく、「Shoot-Look-Shoot(発射ー効果判定ー要すれば次発発射)」サイクルで迎撃するのが普通だろうし、章題の通りPAC-3の射程は短いから、この迎撃サイクルを5回繰り返せるとは考えにくい(*1)。
或いは、複数のPAC-3システム(地上固定レーダー含む)が同時に迎撃した、と言うことかも知れないが・・・そんな配置を含めて、ちょっと想像を絶する。電波干渉とかの恐れもあるし(*2)。
平たく言えば、「5発もPAC-3を発射したが、弾道ミサイルに命中しなかった。」のではなく、「5発もPAC-3を発射したから、弾道ミサイルに命中しなかった。」のではないかという懸念・疑惑が、相当にある。無論、「PAC-3を同じ迎撃目標=弾道ミサイルに対し5発発射した」かつ「発射されたPAC-3は一発も迎撃目標=弾道ミサイルに命中しなかった」と言うのが事実として、だ。
1> 空港近くに落ちた弾道ミサイルの破片から判断すると、
2> PAC-3から発射された迎撃ミサイルは弾頭に当たらず、
3> 弾頭は既に切り離した後の、ミサイルの胴体部分に当たったとしている。
4> 弾頭はほぼコースを維持したまま、妨害を受けずに飛行し、空港の外側で爆発したようだ。
2> PAC-3から発射された迎撃ミサイルは弾頭に当たらず、
3> 弾頭は既に切り離した後の、ミサイルの胴体部分に当たったとしている。
4> 弾頭はほぼコースを維持したまま、妨害を受けずに飛行し、空港の外側で爆発したようだ。
と、上記1>~3>の通り断言し、上記4>の方は「ようだ。」と曖昧表現しているニューヨークタイムズの表現もよくわからない。章題にした「スカッドは弾頭を分離しない」ってのは「スカッド改修型なので、弾頭を分離する」と納得したとしても、上記4>の通り「(弾頭は)空港の外側で爆発した」のならば、何をもって上記2>「迎撃ミサイル(PACー3)は弾頭に当たらず」と、断言できたのだろうか。
「正常に弾頭が起爆した(と見られる)から」という理屈だとしても、「PAC-3の弾頭への命中によりコースが変わり、空港への直撃は免れた」と言う可能性を上記4>「弾頭はほぼコースを維持したまま、妨害を受けずに飛行し」と明確に否定できる根拠は、何だろうか。少なくとも上掲記事からは判らない。
況や上記1>「空港近くに落ちた弾道ミサイルの破片」から左様断言できるってのは、実に不可解だ。上記1>「空港近くに落ちた弾道ミサイルの破片」から判りそうなことは、「弾頭を既に切り離した後の、ミサイルの胴体部分が壊れていた」ことしか有りそうにない。仮にそうだとしても、それは、「PAC-3の内少なくとも1発が、改良型スカッドの胴体部分に命中した」事しか証していない。
前述の通り、「5発発射した」のならば、残りの最大4発については、何も証していない、筈である。
こりゃぁ、ニューヨークタイムスの元記事を、当たるべきかな。あまりにも、胡散臭い。
それはそれとして、北朝鮮は滅ぼされるべきである。
<注記>
(*1) ところが・・・原典であるらしいNYTの記事には”FIVE TIMES”5回と、ハッキリ「文字として書かれている」・・・早漏気味に、イヤ、迎撃範囲内に目標が入る前に、正しく早漏で、発射してしまった、ってことだろうか。(*2) これも、原典らしいNYT記事では、PAC-3基地は一カ所である、らしい。ならばこその「5発」ではなく「(迎撃)5回 FIVE TIMES」なのである。