何度か繰り返している事だが…
①「プロパガンダは、プロパガンダと承知の上で扱えば、貴重な情報源たり得る。」
①「プロパガンダは、プロパガンダと承知の上で扱えば、貴重な情報源たり得る。」
②「全ての報道、ニュース、情報は、意図する/せざるに関わらず、プロパガンダである、可能性がある。」
上記①を補足するならば、「プロパガンダと承知の上で扱い、貴重な情報源とする」為には、③「どの様な意図・立場からのプロパガンダかを、推定する/判断する/知る」事が重要になる。「褒め殺し」とか「逆突き」と欺瞞・韜晦もあり得るから、単純にはいかないこともままあるし、所詮神ならぬ身の人が為すこと故、完全完璧ではあり得ない。だがしかし、あらゆる報道、ニュース、情報に、「これはプロパガンダである、可能性がある」と考えながら接するのと、考えないで接するのとでは、長い間には天と地ほどの差が生じる…かも知れない。
例えば、安倍首相の憲法9条改憲発言に極めて批判的な社説を掲げる朝日新聞と同系列である雑誌AERAに、「安倍首相「2020年改憲」表明は、逆効果でしかない」なんて記事が掲載されて居たら、これはもう眉に思いきり唾付けて「プロパガンダである可能性」を念頭に置きながら読まないことには、危なかしくてしょうがない。
「優れたスパイとは、スパイであると悟られないスパイ。」とは、チャールズ・ブロンソン主演の映画「テレフォン」の名科白(*1)。
この名科白になぞらえるならば、「優れたプロパガンダとは、プロパガンダと悟られないプロパガンダ。」と言える。従って 「一見、プロパガンでは無さそう」な報道、ニュース、情報こそ厳重注意が必要だ。
って事は、「朝日新聞系列のAERA記事」ってだけで、(少なくとも私(ZERO)に対しては)プロパガンダ効果は半減する、訳だが。
<注記>
(*1) 「もっと優れたスパイとは、当人がスパイであると知ら無いスパイ。」って「オチ」に続くから、「前座の名科白」ではあるが。
(1)【AERA】安倍首相「2020年改憲」表明は、逆効果でしかない
【AERA】安倍首相「2020年改憲」表明は、逆効果でしかないグーグルプラス . by 作田裕史 (更新 2017/5/16 07:00)
【1】 憲法議論を後退させているのは、安倍晋三首相自身なのではないか。そう思いたくなるほど、改憲に関する首相の発言が国会を混乱させている。
【2】 5月3日の憲法記念日。安倍首相は、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と明言。改憲項目として9条1項、2項を残したまま自衛隊の存在を明記した条文を追加すること、高等教育の無償化を定めた条文の新設を挙げた。また、読売新聞の単独インタビューにも応じ、同様の持論を大々的に展開した。
●与野党協調が台無し
【3】 しかし、8日の衆院予算委員会で発言の真意を問われると、首相は「私は内閣総理大臣として(予算委に)立っており、自民党総裁としての考え方は読売新聞に書いてある」と説明を避けた。翌9日の参院予算委員会では野党からの強まる追及に対して、「自衛隊について憲法学者の7割、8割が違憲と言う状況を変えていくことは私たちの世代の責任」など一定の見解を示したが、“読売発言”の撤回は拒否。野党は「国会の軽視だ」と反発し(*1)、11日に予定されていた衆院憲法審査会は見送られた(*2)。
【4】 憲法改正案を作る憲法審査会は、与野党協調を重視して議論を重ねてきた。与党側も野党と合意形成ができない改正案では、たとえ国会で発議しても、国民投票で過半数は得られないとの意識があったからだ。衆院憲法審査会の野党筆頭幹事で民進党の武正公一衆院議員は「首相発言が議論の妨げになっている」と批判する(*3)。
【5】 「予算委でも『民進党も案を出せ』と言っていたが、憲法審査会が他の委員会とは異なることを全く理解していません。審査会では各党が草案をそのまま出す方法は取らないのが共通ルールです(*4)」
【6】 審査会は、少数政党も平等の発言権を持ち、幅広く国民のための憲法とは何かを議論し、改正案を発議する必要があるならば、各党が一致できる項目がどこにあるのか探っていく。
【7】「今はそれを積み上げている段階で、改正項目の絞り込みまでは至っていない。それなのに、具体的な改正項目にまで言及した首相の表明は、今までの審査会の議論を台無しにするものです。議論の活性化どころか、首相発言は逆効果でしかありません」(武正氏)
●深く考えていない
【8】 過去、首相は改憲へ踏み込みすぎたことで苦い経験をした。1次政権の07年の参院選では「10年に憲法改正案の発議を目指す」と公約に掲げて惨敗。首相辞任の引き金となった。首相への返り咲きを果たした後の13年には、憲法改正手続きを定めた96条を「衆参両院議員の3分の2以上の賛成」から「過半数」へと改正する方針を表明。これには改憲論者からも「裏口入学のようなもの」などと激しい批判を浴び、尻すぼみとなった。
【9】「今回は、過去2回よりも大きな波紋を呼ぶと思います。自民党が協調路線から数の力で押し切る強硬姿勢となれば、立憲主義の破壊です。そうならぬよう、審査会の幹事懇談会などを通して、今後も与党には誠実な議論を求めていきます」(武正氏)
【10】 そもそも9条の1項、2項を残しながら、3項などに自衛隊を明示する憲法改正に無理はないのか。2項の「戦力の不保持」との整合性は、野党からも懸念の声が上がる。首都大学東京の木村草太教授(憲法学)は「(1、2項を残して自衛隊を明記することは)技術的には可能」としながらも、こう指摘する。
【11】「自衛隊の存在を憲法で定めるなら、必然的にその活動範囲も明記しなければならない。個別的自衛権の範囲内なのか、もしくは集団的自衛権まで認めるのか。前者の場合、先の安保法制を否定することになり、発議できないでしょう。後者なら、安保法制の是非を国民投票で問うことになる。国民投票でこれが否決されたら、集団的自衛権を国民は認めていないという結論になる。どちらにせよ政府にとってリスクが高い」【
12】 安倍首相はこうしたリスクを抱えながら、なぜ「自衛隊の明記」を持ち出したのか。【
13】「支持者へのアピールでしょう。ただ細かい議論は丸投げしていることから、あまり深く考えていない、という推察が妥当だと思います」(木村教授)
【14】 まさに、核心を突いた指摘である。(編集部・作田裕史)
<注記>
(*1) 憲法審査会で真面に憲法を審査しない奴バラが、予算委員会で首相の「改憲発言」を追求して「国会軽視だ!」って、怒ってるって?ギャグだな。(*2) で、「衆院憲法審査会は見送られた」のは、安倍首相の責任だってぇの?笑止だな。(*3) 民進党に言わせると、現行の自民党憲法草案さえ「撤回しなければ、憲法議論はしない」ンじゃぁなかったっけ?今さら首相発言ごときが、邪魔になるのかよ。(*4) 何故、憲法審査会だけルールが違うんだね?それは、「そういうルールでないと民進党は応じない」って言ったんじゃぁないのかね?
民主党なんかと「与野党協調」していたら、真面に改憲論議なんかできるかよ
ま、それはそれとして、上掲AERA記事から「安倍首相の憲法9条改憲発言が、逆効果でしかない理由・根拠」を抽出してみると…
① 憲法改正案を作る憲法審査会は、与野党協調を重視して議論を重ねて居り、未だ改憲対象すら合意していない現状である。安倍首相の憲法9条改憲発言はこれまでの憲法審査会での議論を台無しにする。(民進党・武正氏)【パラグラフ4】~【パラグラフ7】
② 憲法審査会は各党の草案は出さないルールなのに、首相は『民進党も案を出せ』と言う。ルールを理解していない。(民進党・武正氏) 【パラグラフ5】
③ 自民党が協調路線から数の力で押し切る強硬姿勢となれば、立憲主義の破壊である。(民進党・武正氏)【パラグラフ9】
④ 9条1,2項をそのままに、3項の追加で自衛隊明記とする安倍首相の憲法9条改憲案は、整合するか疑問がある。【パラグラフ10】
⑤ 自衛隊の存在を憲法で定めるなら、必然的にその活動範囲も明記しなければならないが、個別的自衛権に限定すると先に成立した安保法と矛盾するし、集団的自衛権まで明記して国民投票で否決されると集団的自衛権が否定された事になる。何れもリスクだ。(首都大学東京の木村草太教授(憲法学))【パラグラフ11】
⑥ 自衛隊の憲法明記は、安倍首相支持者へのアピールで、深く考えていない可能性が高い。(首都大学東京の木村草太教授(憲法学))【パラグラフ11】
…明らかに「安倍首相の憲法9条改憲発言が、逆効果でしかない理由・根拠」でないモノ、例えば上記②も含めているが、「安倍首相批判」と言う事で、どこかでどうにか「安倍首相の憲法9条改憲発言が、逆効果でしかない理由・根拠」につながりはしないかと、含めてみた。
含めてみた、が…上掲AERA記事タイトル「安倍首相「2020年改憲」表明は、逆効果でしかない」に結びつくのは、上記①と、「既に自民党改憲草案で9条自体に改憲案が示されているのに」と言う意味で上記④、しかない。
まず上記①と上記④とでは「逆効果」の意味が異なる。
上記①の「逆効果」は、民進党・武正氏が再三詰る通り「未だ改憲項目すら選定していない憲法審査会の”実績(*1)”が無駄になる」と言う意味。
上記①の「逆効果」は、民進党・武正氏が再三詰る通り「未だ改憲項目すら選定していない憲法審査会の”実績(*1)”が無駄になる」と言う意味。
これに対し上記④の「逆効果」は「折角公開した自民党憲法草案が、無駄になる」と言う意味。上記①と上記④とでは「安倍首相の憲法9条改憲発言=逆効果 が、無かった場合の期待」が、まるで違う。上記④ならば「自民党憲法草案ベースの改憲議論」であり、それは民進党がハナッから拒絶している処。上記①ならば、何しろ民進党との与野党協調路線がベースだ。「憲法9条改憲」なんて「後回し」どころか、未来永劫始まるまい。少なくとも現時点で「改憲項目についての与野党同意すらない」のだから、「一体いつになったら憲法9条について議論できるのか、誰にも判らない」状態だ。
或いは、上記④を「逆効果でしかない理由・根拠」に選定したのは誤りだったかも知れない。上掲AERA記事の言わんとするは、あくまで上記①「従来憲法審査会の、与野党協調方針による改憲に対する逆効果」のみであった、のかも知れない。朝日と民進党の親和性からすると、十分ありそうなことだろう。
だが、そうなると・・・再三繰り返す通り「従来憲法審査会の、与野党協調方針による改憲」では、少なくとも「憲法9条について議論できるのはいつか、誰にも判らない」のであるから、今回の安倍首相憲法9条改憲発言は「憲法9条を改憲する上では、一定の効果があった」事になる。
だが、そうなると・・・再三繰り返す通り「従来憲法審査会の、与野党協調方針による改憲」では、少なくとも「憲法9条について議論できるのはいつか、誰にも判らない」のであるから、今回の安倍首相憲法9条改憲発言は「憲法9条を改憲する上では、一定の効果があった」事になる。
上掲AERAタイトル「逆効果でしかない」は、朝日・AERA・民進党としては「その通り」かも知れないがね。
ついでだから、「安倍首相の憲法9条改憲発言が、逆効果でしかない理由・根拠」では無さそうなモノも見て行こう。
上記②は「憲法審査会特別ルールに対する無理解」で安倍首相を批難する、だけ。
上記③は「協調路線を放棄した自民党に対する非難」ではあろうが、「数の力で押し切る強硬姿勢」が何故「立憲主義の破壊」なのか全くわからない。「国会の2/3以上で改憲発議」としか日本国憲法には書いていないのだから、「強硬路線か協調路線か」なんて、憲法は問うては居まい。且つ辛うじて「逆効果とする根拠」である上記①とのつながりは、「安倍首相の憲法9条改憲発言が、強硬路線への転換を意味する(と考えられる)から」だけ。だとすると、「強硬路線への転換」は「安倍首相の憲法9条改憲発言」の一つの結果ではあるかも知れないが、「逆効果でしかない」理由ではない。
上記③は「協調路線を放棄した自民党に対する非難」ではあろうが、「数の力で押し切る強硬姿勢」が何故「立憲主義の破壊」なのか全くわからない。「国会の2/3以上で改憲発議」としか日本国憲法には書いていないのだから、「強硬路線か協調路線か」なんて、憲法は問うては居まい。且つ辛うじて「逆効果とする根拠」である上記①とのつながりは、「安倍首相の憲法9条改憲発言が、強硬路線への転換を意味する(と考えられる)から」だけ。だとすると、「強硬路線への転換」は「安倍首相の憲法9条改憲発言」の一つの結果ではあるかも知れないが、「逆効果でしかない」理由ではない。
上記⑤は…「9条3項に集団的自衛権を明記し、国民がこれを承認すれば、何の問題にもならない。」のである。私(ZERO)としては安倍首相にも自民党にも日本国民にも、そうであって欲しいと期待する処だ。が、上記⑤を唱える木村木村草太は違う。
この木村木村草太なる人は沖縄タイムスに「木村草太の憲法の新手」なる連載記事を持っており、その(55)「安倍首相の改憲表明 20年施行は幻想的目標」 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/96372 にて、
> もしも適切に限定しないままに集団的自衛権を認める文言にすれば、
> 集団的自衛権行使に憲法上の歯止めがなくなる。これには、
> 世論の反対があまりにも根強く、可決は困難だろう。
この木村木村草太なる人は沖縄タイムスに「木村草太の憲法の新手」なる連載記事を持っており、その(55)「安倍首相の改憲表明 20年施行は幻想的目標」 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/96372 にて、
> もしも適切に限定しないままに集団的自衛権を認める文言にすれば、
> 集団的自衛権行使に憲法上の歯止めがなくなる。これには、
> 世論の反対があまりにも根強く、可決は困難だろう。
と、「文字として書いてある」。それ故に上掲AERA記事でも「改憲するが個別的自衛権に限定する」か「改憲して集団的自衛権を明記するが、国民投票で否決される」の「安倍政権にとってリスクとなる二拓(しかない)」とし、それが上記⑥の「安倍首相批難(*2)」にもつながっている。
ああ、漸くわかった、気がするぞ。「個別的自衛権に逆戻りした改憲」と「集団的自衛権を国民投票で否決される改憲失敗」の「安倍政権にとってもリスクとなる二拓」しかないとすれば、「憲法9条改憲何て言わなければ良かった」と言え、「逆効果でしかない」と言う評価も成り立つ。よって、上記⑤は「安倍首相の憲法9条改憲発言が、逆効果でしかない理由・根拠」たり得る、訳だ。
逆に言えば、「集団的自衛権明記の9条改憲で、国民に信を問う。」と覚悟する/開き直る/自信がある ならば、安倍首相の9条改憲発言は逆効果どころか「全く正しい」ことになる。私(ZERO)としては、安倍首相にも、日本国民にも、左様期待したいな。
上記⑥は、上記⑤に付随する「一つの結果」でしかない。
以上を要約すると・・・上掲AERA記事が記事タイトルの通り「安倍首相の憲法9条改憲発言が逆効果でしかない」のは、上記①に基づく「現行・憲法審査会の延長としての改憲」に対してと言う制限か、上記⑤に基づく「集団的自衛権明記しての憲法9条改憲は、国民投票で否決される可能性が高い」と言う前提が必要である。
従って、AERAや憲法学者・木村草太氏らにとっては、「逆効果でしかない」と言えそうだが、私(ZERO)に言わせれば「効果あり」である。
逆に言えば、「集団的自衛権明記の9条改憲で、国民に信を問う。」と覚悟する/開き直る/自信がある ならば、安倍首相の9条改憲発言は逆効果どころか「全く正しい」ことになる。私(ZERO)としては、安倍首相にも、日本国民にも、左様期待したいな。
上記⑥は、上記⑤に付随する「一つの結果」でしかない。
以上を要約すると・・・上掲AERA記事が記事タイトルの通り「安倍首相の憲法9条改憲発言が逆効果でしかない」のは、上記①に基づく「現行・憲法審査会の延長としての改憲」に対してと言う制限か、上記⑤に基づく「集団的自衛権明記しての憲法9条改憲は、国民投票で否決される可能性が高い」と言う前提が必要である。
従って、AERAや憲法学者・木村草太氏らにとっては、「逆効果でしかない」と言えそうだが、私(ZERO)に言わせれば「効果あり」である。
<注記>
(*1) そんな状態を「実績」と考えるならば、だが。(*2) と、AERA記者の賛同