【琉球新報】オスプレイ訓練、実際は60メートル 政府説明「150メートル」
2017年2月14日 06:30 米軍  
マンション上空を飛行する垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ=2012年10月、浦添市仲間

【1】 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの運用で、日本政府が沖縄配備に先立ち安全策として最低安全高度を地上500フィート(約150メートル)以上と説明していたのに対し、実際の海兵隊による運用は200フィート(約60メートル)に設定していることが13日までに分かった。地元への説明は実際の運用より高い高度でオスプレイの安全性を過大に装っていたことになる。高さ約70メートルの沖縄県庁より低い高度だ。実際、昨年12月の名護市安部で墜落したオスプレイも、夜間訓練で飛行高度を60メートルに設定していたとみられ、説明と実際の運用が食い違ったまま配備から4年以上にわたって訓練が続けられていることになる。

【2】 沖縄にオスプレイを配備する目前の2012年9月19日、防衛省と外務省がオスプレイの「運用に係る安全性」を発表した。その中で「日米合同委員会合意」として、日本での運用は「低空飛行訓練について、最低安全高度(地上500フィート)以上の高度で飛行」と説明していた。

【3】  さらに添付した合同委の覚書ではただし書きで「MV22の運用の安全性を確保するために、その高度を下回る飛行をせざるを得ないこともある」としている。

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【4】 一方、09年8月31日付の米海兵隊司令部が出した「MV22(オスプレイ)戦術即応マニュアル」の「防御戦闘作戦(DCM)行動の規則」の中で「DCMは昼間・有視界状況で行わなければならない」とした上で「ティルトローター機(オスプレイ)の飛行最低高度は地上200フィート」と定めている。

【5】  さらに、オスプレイ配備に伴い米軍が公表した環境レビューの本文では、低空飛行訓練の高度は「500フィート」以上と繰り返し述べながら、別表で昼間と夜の明るい時間帯での低空飛行のモデル高度は「200フィート」と明記している。

【6】  昨年12月に名護市安部で墜落したオスプレイの操縦士の物とみられるチェックリスト(確認書)で、NVG(夜間暗視眼鏡)を使った訓練の項目で「レーダー高度設定」の欄に手書きで「200フィート」と記入されていた。飛行前の打ち合わせ時の記入とみられ、低高度の飛行が安全のための突発的対応ではなく、訓練の前提として200フィートに設定されていたことになる。

【7】  13年の県外でのオスプレイの低空飛行訓練でも、200フィート(60メートル)の高度で飛行していたことが明らかになっており、沖縄でも60メートルで低空飛行している可能性が高い。
(滝本匠)



> 沖縄でも60メートルで低空飛行している可能性が高い。



・・・ってことは、「沖縄でオスプレイが高度60mで飛行しているところを目撃なり計測なりした訳ではなく、「米軍の文書では、日本政府の説明している最低安全高度(地上500フィート=150m)ではなく、200フィート=60mになっている」と「判明した」ってだけ

 念のため、上掲記事の中から「オスプレイの最低飛行高度」に相当しそうな数値を抽出すると、以下の通り。

① 日本政府の説明している最低安全高度 地上500フィート=150m

② 「MV22(オスプレイ)戦術即応マニュアル」の「防御戦闘作戦(DCM)行動の規則」  ティルトローター機(オスプレイ)の飛行最低高度は地上200フィート(昼間・有視界)」

③ 米軍が公表した環境レビュー 訓練の高度は「500フィート(=150m)」以上
④ 米軍が公表した環境レビュー 昼間と夜の明るい時間帯での低空飛行のモデル高度は「200フィート(=60m)」

⑤ チェックリスト NVG(夜間暗視眼鏡)を使った訓練の「レーダー高度設定」「200フィート(=60m) 手書き」

⑥ 2013年の県外でのオスプレイの低空飛行訓練 200フィート(60メートル)

、①と③は共に「500フィート=150m」だが、それ以外の②、④、⑤、⑥が共に「200フィート=60mであるから、「日本政府の言う500フィート=150mの最低飛行高度は守られていないに違いない!」って訳だ。

 何しろ冒頭で、沖縄県庁舎の高さ70mを引き合いに出して、「安全性を過大に装っていたことになる。」とまで断言している。上記②~⑤<<< ⑤は、オスプレイの「墜落」現場から回収した、らしい。
 が、チェックリストは、普通「チェックリスト」と訳して「確認文書」なんて、言わないぞ。 >>>の文書を手に入れ、⑥の「県外の事例」を引っ張り出しての「推定有罪」である。

 これは、裏を返せば、「沖縄県内では、150m以下の高度でオスプレイが飛行している事例が、未だ確認されていない。」と言う事である。

 何故ならば、「沖縄県内では、150m以下の高度でオスプレイが飛行している事例が確認された」ならば、上記②、④、⑤なんて米側の文書も、⑥の「沖縄県外でのオスプレイ飛行実績」も全く不要であり、沖縄二紙ならば号外を出しかねないような「一大事」だから、だ。

 左様な号外が出る事無く、上掲記事の様な「入手した米軍の文書 上記②、④、⑤」「沖縄県外のオスプレイ飛行実績⑥」を根拠として、「沖縄でも60メートルで低空飛行している可能性が高い。」と記事にしてしまえるんだから、なーるほど、こりゃぁ「強請りの名人」と言う評価が至当と言うモノだろう。

 と・こ・ろ・で・さ。
 
 上記⑥、
 
1> 県外でのオスプレイの低空飛行訓練でも、
2>200フィート(60メートル)の高度で飛行していたことが明らかになっており

に対し、沖縄県内では

3>  日本政府が沖縄配備に先立ち安全策として
4> 最低安全高度を地上500フィート(約150メートル)以上と説明

していたのは、「命の二重基準」にして、「沖縄県外差別」ではないのかね。

 逆に、上記1>~2>が「明らか」である以上、仮に「オスプレイが沖縄県内で高度200フィート(60m)で飛行していた」ことが「明らかになる」ことこそ、「命の二重基準の解消」であり、「沖縄県内外平等」であり、「基地負担格差を些かなりとも縮小する」と言う事ではないのかね。それは「日本政府は嘘を吐いた」と言う批難はなるかも知れないが、正しく沖縄二紙が「求めてやまない」事態であろうが。

 もっと言えば、上記1>~2>と言う「事実を知り」つつ「沖縄でも60メートルで低空飛行している可能性が高い。」と断じて「安全性を過大に装っていたことになる。」と、相変わらずいつもの事ながら「沖縄県民の事しか”心配”しない」のは、如何に地元紙の地元重視・地元優先とは言え、人として恥ずかしくないのかね。





で、そんな「命の二重基準」記事を根拠に、こんな主張を為すとはな-


【琉球新報社説】「オスプレイ危険高度 直ちに飛行停止せよ 「欠陥と低空」二重の不安」


【1】 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイに関する日本政府の二重基準が明らかになった。

【2】 オスプレイは米軍普天間飛行場代替施設の辺野古新基地への配備が既定路線でありながら、日本政府の意向で公文書から配備に関する表記が削除された経緯がある。

【3】  日本政府が国民世論の反発を避けるための方策であり、当初からその配備には疑問符が付いた。

【4】  今回明らかになった事実も深刻だ。日本政府は安全策として最低安全高度を500フィート(約150メートル)以上と県民に説明したが、米軍の運用上は200フィート(約60メートル)での飛行もあり得るとの内容だ。

【5】米軍の運用優先

【6】  航空法施行規則によると、最低安全高度とはエンジンが停止した際に地上や水上の人、物に危険を及ぼすことなく着陸できる高度のことだ。人家密集地域で最も高い障害物から300メートル、水上などでは150メートルなどと定めている。

【7】 2013年には操縦士が共同通信の取材に「低空飛行訓練は200フィートまで下げて飛ぶ」と答えている。オスプレイの飛行訓練ルートは東北から九州まで六つある。県外各地では実際に低空飛行訓練がこれまで実施されてきた。沖縄だけ低空飛行がないと言われても信じ難い。危険は沖縄だけにとどまらないのだ。

【8】  オスプレイの配備に当たって、日米両政府の合意に「安全性を確保するため、その高度(500フィート)を下回る飛行をせざるを得ない場合もある」とのただし書きがあった。例外を設けることで国民の安全より、米軍の運用を優先したと言われても仕方がない

。【9】  オスプレイの低空飛行が危険なのは、機体の構造に不備があり、緊急時に対応が困難だからだ。

【10】  専門家によると、エンジン停止時に気流をプロペラに受けて回転させ、軟着陸する自動回転(オートローテーション)機能がオスプレイには欠けている。防衛省は自動回転機能を有するとしているが、それでも従来のヘリに比べて機体が重く、プロペラが小さいことから1分間に機体が落下する降下率は約5千フィート(1525メートル)とされる。既存のヘリの降下率は1分間に1600フィート(約487メートル)であり、オスプレイの落下速度は3倍にもなる。

【11】  一方、オスプレイがヘリモードから固定翼モードに転換するには約12秒かかる。固定翼で滑空するにしろ、自動回転機能を使うにしても60メートルでは危険回避の手順を踏む前に機体は地面に激突する。

【12】拭えぬ疑念

【13】  問題なのは日本政府がこれまで二重基準を容認してきたことだ。配備の事実隠し、最低安全高度の設定など国民への説明を避け、密室で米国と合意を重ねてきた。

【14】  欠陥機との指摘があるオスプレイを配備する必然性が見当たらない。その上に危険な低空飛行を容認するならば、いつ頭上に落ちてくるか不安でならない。国民・県民を安心させるには運用改善といった小手先の対処では不十分だ。オスプレイの即時飛行停止しか解決策はない。

【15】  ハワイでは15年に、低高度で空中制止したオスプレイが自らのエンジンで巻き上げた砂やちりによってエンジンが停止し、墜落した。

【16】  米軍の報告書によれば、10~12米会計年度にアフガニスタンで起きたオスプレイの事故は約90時間に1件で、全航空機の約3746時間に1件と比べ突出している。

【17】  そもそもオスプレイは軍用機として適当なのか。名護での墜落につながった空中給油をはじめ、荒れ地での離着陸などといった特殊な作戦行動に向かない構造的な欠陥があるとの疑念が拭えない。

【18】  日本政府が米軍の顔色をうかがい、国民に二枚舌を使うような状況では、対策を取ることなど考えられない。沖縄をはじめ、全国各地の住民が危険な低空飛行、さらにはオスプレイ配備に反対の声を上げるしか道はない。




オスプレイの高度60m飛行が危険ならば、その危険に真っ先に曝され免れようがないのは、オスプレイに搭乗している米軍将兵であろうが


  何でそこで真っ先に「沖縄県民の命の危険」と言い、「沖縄県民の命の危険」しか言わないのか<<< ああ、上掲社説では流石に「それではマズイ」と気付いたのか「沖縄県以外の日本人周辺住民の危険」を挙げているな。マシになった、とは言えそうだが。米軍人差別は相変わらずだな。
 ま、星の旅さんが、あんなモノだからな。オスプレイ反対派ってのは、少なくとも一部は、斯様な米軍人差別主義なんだろうさ。 >>>。これこそ正に「命の二重基準」であり、「沖縄県民以外差別」の発現であろうが。

 当該社説の根拠になったらしい先行記事にしたって、「沖縄県内でオスプレイが500フィート(150m)以下の低空を飛行した」って訳では全く無く、「沖縄県外で200フィート(60m)の飛行が確認された」ことと、「入手した米軍文書で低空飛行高度200フィート(60m)以上としている」ことを根拠に「沖縄県内でも500フィート(150m)以下の低空を飛行した可能性が高い」と断言するだけ。

 鵜の目鷹の目でオスプレイを監視している(に違いない)沖縄二紙はじめとするオスプレイ沖縄配備(だけ)反対派の監視網にも拘らず、「沖縄県内でオスプレイが500フィート(150m)以下の低空を飛行した」事例が確認されないと言う事は、少なくとも「沖縄二紙はじめとするオスプレイ沖縄配備(だけ)反対派の監視下の沖縄県内では、オスプレイは500フィート(150m)の最低飛行高度を遵守している」と言う事であり、「日本政府の説明に違反する事例は、未だ沖縄では見つかって居ない」と言う事である。

 にも拘らず、上掲社説を「社説」と、「新聞社の主張」と公言し、全世界に発信している訳だ。琉球新報は。
 
 恥を知れ。



当該社説タイトルに沿うならば

 「低空」は「沖縄県外でしか確認されていない」し、「欠陥」は、平安名純代記者の短期集中連載記事「崩れた安全神話」に見る通り、モノの美事に粉砕されている。

   上掲社説冒頭にも登場する「命の二重基準」に至っては、証されたのは「沖縄県内のみオスプレイの最低飛行高度500フィート(150m)が遵守されている」と言う「沖縄県外差別」だ。