遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
 
 「遅ればせ」となった言い訳をするならば、何しろ新年一発目から脱原発原理主義のアホとか、平和ボケのキチガイとか、朝鮮人の屑だとか、支邦人の厚顔無恥とか、自称「沖縄県民」の非人道的なほどの利己主義などを取り上げる気にならないから。新年一発目の記事ぐらい、ちったぁ「縁起の良い」記事としたいのは「人の情」というモノだろう。

 そんな「人の情」は、日本人だけにしか通用しないであろうが。

 正月にちなんだ縁起物もあまたあるが、今年=西暦2017年・平成29年・皇紀2677年にちなんだ縁起物と言えば、まず干支である「酉」が挙げれよう。「とり」と読んで、本来は「鶏(ニワトリ)」のようではあるが、そこは「鳥類一般」に拡大解釈して、表題にしたとおり「鳥類の名前が付いた兵器」を記事として「年の始めに相応しい(敢えて断言)”めでたい”記事」にしよう。

 とは言え、当たり前ながら「鳥類の名前」というのは「星の名前」と並んで空飛ぶ飛行機とは相性抜群なのである。「兵器」と言うことで「軍用機」に限ったとしても、我らが航空自衛隊の主力戦闘機F-15はズバリ「イーグル=鷲」であるし、支援戦闘機F-2 の原型F-16「ファイティングファルコン=戦う隼(※1)」である。「隼」と言えば帝国陸軍一式戦闘機の「ポピュラーネーム」であるし、同じ帝国陸軍三式戦闘機「飛燕=空飛ぶ燕」だ。

 MV-22オスプレイは「ミサゴ」という魚を捕る鷹科の猛禽類だし、AV-8ハリアーも「チョウヒ」という「足の長い鷹」の名前。鷹というならばイギリスはBAe社の練習機はズバリHawk=鷹だし、陸自のMH-60は「ブラックホーク」で、海自のSH-60は「シーホーク」と、鷹だらけだ。

 同じ猛禽類でも、夜になると第2次大戦のドイツ軍夜間戦闘機にHe219ウーフ(梟)がある。

 鷲・鷹などの猛禽類が軍用機の名前としてつけられるのは「如何にもありそうなこと」で、実際そうなのだが、グロスター社(※2)ゲームコックは、複葉羽布張りの大戦間戦闘機だが「闘鶏用のニワトリ」と名付けている。闘鶏なので、まだ「軍用機(それも戦闘機)らしい」と言えるが、「飛べない鳥の名」を飛行機につけてしまうのは、イギリス人らしいへそ曲がりと思うのは、私(ZERO)だけだろうか(※3)。
 ああ、米空軍のEF-111レイブンは、大ガラスだったか。でも、飛べるし、「凶兆を告げる鳥」と言うまがまがしさも備えている。軍用機や兵器にとっての「まがまがしさ」は、ある種の長所であろう(※4)。
 この他、ドイツ空軍の第2時大戦戦闘機フォッケウルフFw190にはヴュルガー(モズ)と言う愛称があり、同じく史上初のジェット戦闘機メッサーシュミットMe262にはシュワルベ(燕)と言う別名があって、いずれも「戦闘機のくせに猛禽類ではない名前」なので「名前だけは迫力に欠ける」部分があるが、まあモズやツバメの「飛行性能の高さ」を買ったのだろう。(※5)

 軍用機以外の兵器となると、さすがに数が減るが、スタームルガー社のリボルバースーパーブラックホーク(※6)があるし、姉妹品にはレッドホークもある。良く似たリボルバーだが、こちらはダブルアクションで先進的な設計が売り物だそうな。

 鷹がいれば鷲が居るのも道理で(我田引水)、「デザートイーグル」拳銃は50口径弾や44マグナム弾を発射する強烈な自動拳銃である。

 海に行けば、H.M.S.Eagle(鷲)は第2時大戦後の英国海軍空母名で、英国軍艦Eagleとしては早15代目と言う、「伝統在る艦名」だ。最新の(つまり今のところ最後の)Eagleが空母ってのも、「鳥の名軍艦」と無縁ではあるまい(※7)。

 鷲がいれば、鷹もいるのが道理で(再び我田引水)、H.M.S Hawkは英国海軍Royal Navyの、懐かしき艦種・防護巡洋艦エドガー級であり、この防護巡洋艦で6代目Hawk(※8)と言うから、如何に英国海軍Royal Navyの歴史が長いかというか、命名がマンネリというか・・・
 
 米海軍のフォレスタル級に続く「最後の通常動力空母」はキティホーク級だが、Kity HawkとHawk(鷹)が入っているが、これは「キティホーク・子猫鷹」という鷹が居る訳じゃなくて、地名。それも、ライト兄弟が最初の航空機を離陸させた由緒ある(※9)地名をつけたものだから、「鳥と呼ばれた」と言うのは、相当に無理がある。
 
 それよりは、もう大半は退役してしまったがアメリカが開発した中距離地対空ミサイルMIM-23は、そのものズバリでHawkミサイルであり、我が陸上自衛隊にもかつて配備されていた。3連装ランチャーとして剥き出しのSAMが「如何にもミサイル(※10)」と言うか「絵に描いたようなミサイル」と言うか、「ミサイル行軍のコマの絵のようなミサイル(※11)」だった。

 Attack! with the HAWK missile! Fighter ! Seven!!
  Ultraaaaaaaaaa Seven! 
  ー歌 Ultra Seven(※12)ー

 くどいようだが、鷹がいれば鷲もいるのが道理で(三度、我田引水)、イーグルというと大型で長射程の空対空ミサイルとして計画され、ダグラスF6Dミサイリヤー・亜音速(鈍足・鈍重)戦闘機に「でもミサイルの射程があれば大丈夫(※13)」と搭載される計画だったが、鈍足鈍重亜音速で大型・高価なF6D戦闘機共々開発中止となった、「幻のミサイル」だ。
 尤も、イーグルAAMのコンセプトと技術はAIM-54フェニックス(※14)空対空ミサイルとして結実し、グラマンF-14トムキャットに搭載されたのだから、フェニックス(不死鳥)の名は伊達ではない、と言うべきか。

 鷲、鷹とくれば、隼と続けて「三役」と言うもので(※15)米空軍の空対空ミサイルAIM-4およびその発展型AIM-26は「ファルコン」だった。盛大な後退角を持つ一組(4枚)の主翼が特徴で、各翼の先端付近に近接信管用の窓があり、各翼の後縁に動翼がある。

 斯様に、空に限らず、陸にも、海にも、「鳥と呼ばれた兵器」は相応にある。
 
 とは言え、やはり鳥とは「空を飛ぶもの」。何のかんので「空と縁が深い兵器」が「鳥の名で呼ばれやすい」とは言えそうだ。
 
 ああ、デザートイーグル自動拳銃は、ちょっと謎だね。 

 リボルバーのブラックホーク&レッドホークは、スタームルガー社の紋章を背負っているから、じゃぁなかろうか。

 空だ! 男の行くところ。 ー実は大東亜戦争中のパイロット募集の標語ー


<注釈>

(※1) 戦象って日本語はあるが、戦隼とか闘隼って日本語は、私は知らない。 

(※2) 「やっぱり」のイギリス人 

(※3) 「Venom蛇毒」よりはマシ、かなぁ。

 ニュージーランド軍は、国籍識別マークなので仕方ないんだが、航空機にキウイ(飛べない鳥)を描いているし。多分、オーストリア軍のカンガルーに対抗しているんだろう。 

(※4) イギリスのヴァンパイヤ(吸血鬼)戦闘機とか、アメリカのF-101ブードゥーとか。 

(※5) モズの場合は、飛行性能よりも「モズの早犠」に見られるある種の「まがまがしさ」かも知れない。 

(※6) 44マグナム弾を発射する。マンガ「ドーベルマン刑事」で、主人公・加納刑事はこの銃を愛用し、「キャタピラのピンを撃って破壊」し、反乱を起こした米軍自走砲(だったとおもう)を止めていた。

 ああ、こち亀に出てきた(多分、一度だけ)可能刑事も、使っていたな。2発はずしたんじゃなかったっけ(うろ覚え) 

(※7) イギリス空母の艦載機だから、私(Zero)ならばちょっと乗るのは遠慮したい機体が多いんだが。 

(※8) なんだか、歌舞伎か落語のようだな。

(※9) とは言え、アメリカ合衆国に於ける「由緒」」だから、多寡が知れているが。建国二百年かそこらしかないのだから。 

(※10) Patriotも新中SAMも、最近のSAMはみんな発射筒の中に「引きこもって」しまうので、外観からは「ミサイルらしくない」。 

(※11) うーん、かなり古い人しか判らない表現だ。」 

(※12) ネットで検索すると、歌詞は「Attack the HAWK missile」担っているが、これでは「Hawk missileを攻撃せよ!」と言う命令になってしまう。

 特に二番の歌詞は「Srike the Eyeslugger」であり、「(ウルトラセブンの主要兵装)アイスラッガーを攻撃せよ」になってしまう。

 ほとんど聞き取れないが、「with」か「by」が、間に入っている、筈だ。 

(※13) 「ミサイル神話」って奴でね。 

(※14) これも「鳥の名」ミサイルだな 

(※15) Reeeeeeally?

追記

  二つ大きな事と、無数の小さな事を書き落としていた。
 
  無数の小さな事は「鳥の名軍用機は、こんなものじゃぁない」事。少なくとも米海軍艦載ジェット攻撃機A-4スカイホークと、大東亜戦争初期の米陸軍航空隊主力戦闘機カーチスP-40ウォーホークは、「書き落とした無数の小さな事」のなかでも最大級だ。
 
  大きな事の片方は帝国海軍空母。「架空を含めて空を飛ぶモノ」の名が付いた我が帝国海軍空母は、「世界で初めて空母として進水した」祥鳳にはじまり、瑞鳳、大鳳、祥鶴、瑞鶴、隼鷹・・・と、半数以上が鳥の名だ。
  
   もう一つ大きな事は、我が海上自衛隊のミサイル艇「はやぶさ」級。排水量200tと小型ながら高速誇るミサイル艇「はやぶさ」級は、「わかたか」「しらたか」など猛禽類の名前が並んだ、現役艇だ。