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差別発言の機動隊員は私を殴り蹴った 「土人」と言われた芥川賞作家の寄稿
2016年11月3日 05:00
目取真俊 北部訓練場 高江ヘリパッド 米軍 沖縄 土人発言問題

目取真 俊目取真 俊(めどるま しゅん)


作家1960年沖縄県今帰仁村生まれ。琉球大学法文学部卒。97年「水滴」で芥川賞受賞。沖縄の基地強化に反対し運動している。著書に「沖縄『戦後』ゼロ年」「眼の奥の森」など。

<寄稿>高江「土人」発言を考える 目取真 俊目取真俊さん(左端)を4人がかりで押さえ込む警察官=18日、東村高江・米軍北部訓練場N1地区表側出入り口

【1】 10月18日の午前9時45分頃、ヘリパッド建設が進められている東村のN1地区ゲート付近で抗議行動を行っている際に、大阪府警の機動隊員から「どこつかんどるんじゃ、こら、土人が」という言葉を投げつけられた。

【2】 現場では10人ほどの市民が、砂利を搬入するダンプカーに対し、金網のフェンス越しに抗議の声を上げていた。この機動隊員はその市民に「ボケ」「クソ」という言葉を連発し、言葉遣いがひどいのでカメラを向けているところだった。本人も撮影されているのは承知の上で「土人が」と言い放った。

【3】 それだけではない。その後、別の場所で砂利を積んだダンプカーに抗議していて、3人の機動隊員に抑え込まれた。「土人が」と発言した機動隊員は、離れた場所からわざわざやってきて、私の頭を叩(たた)いて帽子を落とすと、脇腹を殴ってきた。

【4】 近くに新聞記者がいたので、写真を撮るように訴えた。機動隊員は記者から見えにくい位置に回り、抑え込んでいる仲間の後ろから、私の足を3回蹴った。ビデオ撮影されたときは、フェンスがあって手を出せなかったので、暴力をふるうチャンスと思ったのだろう。

【5】 その前には大阪府警の別の機動隊員が、ゲート前で抗議している市民に「黙れ、こら、シナ人」という暴言を吐いていた。

【6】 この機動隊員もゲート前に並んだ時から態度が横柄で、自分の親や祖父母の世代の市民を見下し、排除の時も暴力的な言動が目立っていた。そのため、注意してカメラを向けている際に出た差別発言だった。

【7】 高江には現在、東京警視庁、千葉県警、神奈川県警、愛知県警、大阪府警、福岡県警から500人と言われる機動隊が派遣されている。沖縄県警の機動隊を含めて、沖縄島北部の限られた地域にこれだけの機動隊が集中し、長期にわたって市民弾圧に乗り出している。こういう事例が過去にあっただろうか。

【8】 7月22日にN1ゲートの車両が強制撤去され(*1)、ヘリパッド建設工事が本格的に始まって以来、高江の現場は戒厳令が敷かれたかのような異常事態が続いている。そのような中で「土人」「シナ人」という差別発言が発せられた。それはヘリパッド建設を強行するため、抗議する市民を暴力で抑え込むことを正当化しようとするものだ(*2)。

【9】 南の島に住む、遅れた「土人」たちは、理性的に物事を判断することができない。だから政府がやる正しいことに反対しているのであり、こういう輩は力で抑え込んで当たり前だ。あるいは、反対する連中は中国(シナ)から金をもらってやっている工作員であり(*3)、暴力をふるって叩きのめしてもかまわない。そうやって自らの暴力を正当化している。

【10】 インターネット上には、この種の沖縄に対する差別意識丸出しの書き込みが氾濫している。まだ20代の若い機動隊員の口から「土人」「シナ人」という言葉が出てくるのは唐突なようだが、ネット右翼が拡散するデマから知識を得ているのだろう(*4)。きちんと琉球・沖縄の歴史を学ぶこともせず、理解しようともしていない。歴史的にある沖縄への差別と在沖米軍・自衛隊の強化、中国脅威論が結びつき、新たな差別意識が生み出されている。

【11】 これは機動隊員個人の資質の問題ではない。安倍晋三首相がヘリパッドの年内完成を公言し、それが現場に圧力をかけて、市民への弾圧の強化を促していることが前提にある(*5)。さらに、基地建設を推進しようとする者たちによって、中国脅威論とからめて沖縄県民への差別意識をあおるデマが、意図的に拡散されていることが背景にある。

【12】 警察官は市民が持たない権力を持っている。本来はヘイトスピーチを取り締まる立場にある彼ら(*6)が、ネット右翼レベルの知識、認識しか持たず(*7)、沖縄県民に差別発言を行っているのは恐ろしいことだ。このことが徹底して批判され、是正されなければ、沖縄差別はさらに広がっていく。ヤマトゥに住むウチナンチューに実害が及びかねない。そういう危機感を持つ。

【13】 かつて就職・進学で沖縄からヤマトゥにわたった若者たちが、沖縄に対する差別と偏見に悩み、苦しんだという話が数多くあった。1980年代後半から沖縄の音楽、芸能がもてはやされ、観光業が伸びていくのと合わせて「沖縄ブーム」が生まれた。沖縄への理解が進み、差別・偏見も改善されたように見えた。

【14】 しかし、「明るく、楽しく、優しい沖縄」イメージがもてはやされる一方で「基地の島・沖縄」という実態は負のイメージとして隠蔽(いんぺい)され(*8)、米軍基地の負担は変わらないばかりか、自衛隊の強化が進められた。しょせん「沖縄ブーム」はヤマトゥに都合のいいものでしかなかった。

【15】 そういう二重構造は差別意識にも反映している。ウチナンチューがヤマトゥの望むように行動すれば評価されるが、意に反して自己主張すればはねつけられ、言うことを聞かなければ力ずくで抑え込まれる(*9)。高江や辺野古はそれが露骨に現れる場所だ。だから隠れていた差別意識も噴き出す。そもそもヘリパッド建設強行自体が差別そのものなのだ(*10)。(作家)

<注記>


(*1) そりゃつまり、「車両がバリケードを築いてN1ゲートを封鎖していた」と言う犯行の自供だな。少なくとも道交法違反であろう。 

(*2) 犯罪者を逮捕するのに、正当化の必要はない。大体、「差別発言が暴力を正当化する」ってのは、実に妙な理屈ではないか。
 「差別意識があって、暴力を正当化している」なら主張として判る。「差別意識があるから、差別発言が行われる」も主張として判る。
 差別発言が暴力を正当化する」ってのは、「主張にすらなって居ない」。 

(*3) 少なくとも、これは部分的に真実だ。「反対する連中」は、金をもらっているか否か、意識しているか無意識かに関わらず「中国共産党に利している」のだから。 

(*4) ここではまだ「だろう」だが、後段では断言に変わる。
 が、「土人/支那人発言をした若い機動隊員」が「ネット右翼が拡散するデマから知識を得ていた」とするのは、当該”芥川賞作家”の推測の域を一歩も出ていない。 

(*5) これまた、随分と推定有罪だね。 

(*6) 警察がヘイトスピーチを取り締まる」って事が、どれほど恐ろしい事かは、判って居ない。そりゃ「米軍基地批判米軍人批判はヘイトスピーチじゃない」と思い込んでいても、凄まじい事ではある。 

(*7) 何を以ってこんなことが断言出来るかと言うと…「沖縄県民に差別発言を行う者は、ネット右翼レベルの知識・認識しか持っていない」って前提があるんだな。多分。
 で、「ネット右翼レベルの知識・認識」ってのは「低い」ってのも前提だ。
 何らかの証拠を示さない限り、これって「ネット右翼差別」じゃぁないのかね? 

(*8) 「米軍基地があるが故に、明るく楽しい沖縄」ってのは、皆無なのかね?
 少なくとも沖縄料理の一部は、米軍基地があるが故の米国製食材を材料にしていて、「明るく楽しい沖縄」の一部を為している、と私(ZERO)は思うんだがね。そう言うのは「米帝残滓」とでも呼ぶのかな。 

(*9) 少なくとも、前半は「当たり前」じゃないのかね?差別でもなんでもない。 

(*10) 断言のみ。根拠なし。それでは私(ZERO)の様な「異教徒」には「通用しない」ぞ。 


断言ばかりで説得力皆無。これで「芥川賞作家」とはね。


 そりゃまぁ、ノーベル文学賞を受賞しても日本語が弩下手な大江健三郎のような例もあるから、文学賞なんてモノはノーベル平和賞級(*1)に信用ならないモノではあるが、少なくとも作家なのだから「文章を書いて飯を食って」居る筈なんだが…まあ、それを言うなら沖縄二紙記者をはじめとする新聞記者たちも「文章を書いて飯を食っている」んだが。

 それにしても、ヒドイ文章だな。「寄稿」と言うから「金をもらっていない/払っていない」であろう事がせめてもの救いだが、それにしたって「芥川賞作家が書いた文書」が、これだ。
 
 冒頭のパラグラフ【1】から【8】(って事は、全部で15しかないパラグラフの過半数)は「支那人」「土人」発言を「記録」した高江ヘリパッド工事妨害テロの「レポート」だ。まあ、微に入り細に渡りと言って良さそうな「迫真のレポート」だが、それだけ、だ。

 続くパラグラフ【9】から【12】は「支那人」「土人」という「差別発言」が「高江ヘリパッド工事妨害(テロ)に対する暴力を正当化している」と言う、些か無理のある論理の「解説」。

 「支那人/土人発言の背景には”沖縄差別”があり、その”沖縄差別”が高江ヘリパッド工事妨害(テロ)に対する暴力を正当化している」と主張するならすっきりするものを、何故か差別発言が暴力を正当化する」と「短絡」している。ワザとなのか、「芥川賞受賞作家の高尚な文書表現」なのか、私(ZERO)の様な理系の人間には理解し難い処だが、「背景にある”沖縄差別”を糾弾している」事は、辛うじてわかる。

 その”沖縄差別”が”低い”事が前提の「ネット右翼レベルの知識、認識しか持たず」と断言できてしまう理由は、サッパリ判らないが。何しろ現場の警察官、機動隊員は「高江ヘリパッド工事反対抗議活動」が如何なるモノか、現場で身を以て体験しているのだから、少なくとも「ネット右翼レベルの知識、認識しか持たず」って事は、想像を絶する。

 パラグラフ【13】からは一転して、上掲「差別発言」が、「日本中の沖縄県民差別につながる」と言う警鐘…と言うより「被害妄想」と言う可きかな。

 で、〆のパラグラフ【15】と…良い処「愚痴」だろ、これは。「沖縄は差別されているぅぅぅぅぅぅう!」と喚くだけ。
 
 で、これが、芥川賞受賞作家様の、「寄稿」なんだそうだ。

 「芥川賞受賞作家が寄稿した」って事に、価値があるのかねぇ。

【注釈】

(*1) ノーベル平和賞なんてのは、金大中が受賞して「韓国唯一にして空前絶後(
確か)のノーベル賞受賞」になったほどだ。
 その後の朝鮮半島の顛末や現状を考えると、ブラックジョークにもならないよう
な「ノーベル平和賞」ではないか
 ああ、オバマ大統領も、もらっていたな。そりゃ幾らかマシではあるが。