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 最近は一頃より随分トーンダウンしたが、安倍政権発足直後=安倍首相(再)就任直後の「中国メディア」の「反安倍キャンペーン」は、それはそれは凄まじいものがあった。某SEALDSあたりが「アベハァヤメロォ」などと唱える呪文より遥かに具体的にして激烈な罵詈雑言が、「中国メディア」に吹き荒れていた。

 くどい様だが繰り返すと「中国メディア」と言うモノ、「中国の報道機関」なるモノは、ことごとく、須らく「党の口舌」=「中国共産党の宣伝プロパガンダ機関」であり、「中国メディア・報道機関の報道言説」は「中国共産党の宣伝・プロパガンダ」に他ならない。

 とは言え、プロパガンダは「プロパガンダとは判らない/知られない/悟られない」場合に最も効果を発揮するのだから、「中国メディア・報道機関の報道言説」は本質的に「プロパガンダとしてハンデを背負っている」のである。
 
 無論、「中国メディア・報道機関=党の口舌=中国共産党の宣伝プロパガンダ機関」と知っている相手に対しては、であるが。

日本が陥っている「4つの悪循環」、悲しいことに誰も止められない=中国メディア


サーチナ

【1】 防衛省は8月31日、2017年度の防衛予算要求金額を過去最高の5兆1685億円とすることを決定した。尖閣諸島や南シナ海の問題で日本と対立する中国の国内では、日本の防衛予算増加に対する懸念や批判が強まっているようだ。中国メディア・和訊網は5日「日本はまさに4つの大きな悪循環に陥っている」とする記事を掲載した。

【2】 記事が示した4つの悪循環とは、「政治構造上の悪循環」、「経済発展上の悪循環」、「対中政策上の悪循環」、「日米関係上の悪循環」だ。「政治構造上の悪循環」では、民主国家と称しておきながら米国のような2大政党による均衡が実現したことはなく、今は改憲勢力が参議院の3分の2を占めていると説明。過半数の国民が改憲に反対しているにもかかわらず、安倍政権の更なる誘導によって「日本が上から下まで右傾化する」という悪循環が起きているとした。

【3】 また、「経済発展上の悪循環」では、アベノミクスは「軍国主義化を成し遂げるための表面的なもの、超短期的なもの」であると解説。経済の悪循環を放置し、再び対外拡張を求める口実にする可能性すらあると論じている。「対中政策上の悪循環」では「中国脅威論」を煽り立てることによる軍備の増強を批判し、「日米関係上の悪循環」では米国が「中国を抑えるうえで日本の改憲、軍拡を指示せざるを得ない、『縛り』を緩めた日本の未来について憂慮を抱いている」と説明した。

【4】 記事は、この4つの悪循環が日本国内で加速、さらには暴走しているとするとともに「悲しいことに、日本国内にはその暴走を止める力がすでに存在しない」と指摘。日本の「暴走」は中国を含む地域全体の悪循環を招き、安全問題もさらに悪化することになるとの危惧を示した。

【5】 今の国家間の関係は、単純に友好と対立のいずれかで語れるほど単純なものではない。日中間においても友好的な部分もあるし、意見の相違や対立で解決の糸口が見えない点もある。最近の中国メディアにおいては後者の情報を積極的に流す傾向が伺えるが、中国政府の現在の姿勢が大きく影響していると言えるだろう。

(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


「中国共産党にとって不都合」ではあろうが、「日本が陥る悪循環」ではない。



 上掲記事にある「日本の陥る4つの悪循環」とは、パラグラフ【2】にある通り

 
 ①「政治構造上の悪循環」
 
 ②「経済発展上の悪循環」
 
 ③「対中政策上の悪循環」
 
 ④「日米関係上の悪循環」

なのだそうだ。念のために「悪循環」と検索をかけると、

> ある事柄が他の悪い状態を引き起こし、
> それがまた前の事柄に悪影響を及ぼす関係が繰り返されて、
> 事態がますます悪くなること。「―を繰り返す」  goo辞書

だそうである。要は「悪い方向に転がっていく、負のスパイラル」と言う訳だが、この定義を踏まえつつ、上掲記事から「日本の陥る4つの悪循環」の説明を拾うと、以下のようになる。

 ①「政治構造上の悪循環」

①1> 民主国家と称しておきながら米国のような2大政党による均衡が実現したことはなく、
①2> 今は改憲勢力が参議院の3分の2を占めていると説明。
①3> 過半数の国民が改憲に反対しているにもかかわらず、
①4> 安倍政権の更なる誘導によって「日本が上から下まで右傾化する」という悪循環が起きている

   
 ②「経済発展上の悪循環」

②1> アベノミクスは「軍国主義化を成し遂げるための表面的なもの、超短期的なもの」であると解説。
②2> 経済の悪循環を放置し、再び対外拡張を求める口実にする可能性すらあると論じている。

 
 ③「対中政策上の悪循環」

③1> 中国脅威論」を煽り立てることによる軍備の増強を批判し
   
 ④「日米関係上の悪循環」

④1> 米国が「中国を抑えるうえで日本の改憲、軍拡を指示せざるを得ない、
④2>『縛り』を緩めた日本の未来について憂慮を抱いている」と説明した。

 以上の「解説」からすると、上掲記事見出しにある「日本が陥って居る悪循環」と言い得るのは、実は②「経済発展上の悪循環」と③「対中政策上の悪循環=軍拡競争」しかない



 ①「政治構造上の悪循環」とは詰まる所上記①4>「日本が上から下まで右傾化するでしかなく、これは「少なくとも日本にとって一義的に悪循環とは言えない」。無論、斯様考えるには私(ZERO)自身が「殆ど生まれながらの右翼」であることを斟酌しなければならないが、一般的に「右傾化」だろうが「左傾化」だろうが、それが「悪循環=負のスパイラル」とは「断言し難い」筈である。言い換えれば、「右傾化」なり「左傾化」なりを「悪い方向」と断じるには、何らかの判定基準が必要である。無論、未だ共産主義を奉じる(筈の)中国共産党=中国政府としては「右傾化=悪」なのであろうが、それは中国共産党の立場であって、日本国の立場では無い。

 上記④「日米関係上の悪循環」は、もっとヒドイ。上記④1>の通り米国は「中国を抑えるうえで日本の改憲、軍拡を支持(*1)」している。一方で上記④2>「『縛り』を緩めた日本の未来について憂慮を抱いている」と言うのは二律背反・ジレンマであり、齟齬や矛盾ではあろうが、善でも悪でも循環でもない。大体、「米国が抱えるジレンマ」であっても、「日本の陥る悪循環」では、全く無い。

 それを言うならば、辛うじて「日本が陥る悪循環」に「合格」した上記②「経済発展上の悪循環」ですら、上記②2>「経済の悪循環を放置し」とあるから、アベノミクスとは無関係な、つまりは安倍政権の施策とは直接関係ない日本経済の悪循環(*2)」であり、尚且つ上記②1>の通りアベノミクスは「表面的なもの、超短期的なもの」と「解説」している以上、「アベノミクスには、一定の効果があった」と、中国共産党自身が認めている訳だ。

 同様に「日本の陥る悪循環」に「合格」した上記③「対中政策上の悪循環=軍拡競争」なんぞは、「20年以上軍事費二桁成長で軍拡路線を驀進して来た」中国共産党に言われても、ねぇ。そりゃ軍拡競争は「悪循環」かも知れないが、漸く防衛費増額に転じた我が国は「軍拡競争」を始めたばかり。それでも「一方的に中国が軍拡路線驀進し続ける」よりは「軍拡競争」の方がマシであろう。

 総じて言えば、上掲記事にある「日本が陥っている「4つの悪循環」」は、確実に半数は「日本が陥って居る悪循環」ではない。
 
 而して、その4つ全ては「中国共産党にとっての不都合」である
 
 そりゃぁ先述の通り「党の口舌」=「中国共産党の宣伝機関」=中国メディアの為す事だ。中国共産党の宣伝・プロパガンダであって当然なんだが、安倍政権発足当時に散々「日本軍国主義の亡霊復活ぅぅぅぅ!」と糾弾した安倍政権に、今さら「右傾化」だの「軍拡競争」だの、言った所で詮無かろうに。

 況や、「悲しいことに誰も止められない」とはなんたる言い草だ。中国共産党何ざぁ一党独裁政権で、「悲しい」も「嬉しい」もなく「誰も止められない」のが通常であろうに。

<注記>

(*1) 「指示」は、誤記であろう。 
(*2) それがどんなものかは、上掲記事からは不明だが。 








・・・にも拘わらず、上掲記事が中国メディアに報じられたという事は、

(1) 日本政府及び安部政権は袋叩きとならず

(2) 世界の平和勢力は安部首相のでたらめを阻止できず

(3) 中日世論戦で「正」である中国側は未だ勝利できない(むしろ、敗北した?)

と言う事である。

 めでたし、めでたし。