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再三繰り返している、以下の二点。
(1) 中国の「報道機関」は須らく「党の口舌=中国共産党の宣伝機関」であり、中国の「報道」は全て「中国共産党の謀略宣伝=プロパガンダ」である(*1)。
(2) 謀略宣伝=プロパガンダは、謀略宣伝=プロパガンダと承知の上であれ、情報源たりうる。
上記にて二点に基づいて、「中国の報道」=「中国共産党の謀略宣伝=プロパガンダ」を材料として数多記事にしている弊ブログであるが、どうも中国共産党の謀略宣伝力と言うのは、落ちているのでは無かろうか。
無論、理想=最強の謀略宣伝は「謀略宣伝と悟らせない謀略宣伝」なのであるから、「中国の報道」と言う時点で、「相応にハンデを背負って居る」訳ではあるが。
<注記>
(*1) 少なくとも、その可能性を必ず考慮すべきである。それを言うならば、「中国の報道」に限らず、全ての報道・情報は「謀略宣伝である可能性」を考慮すべきであるが。無論、弊ブログ記事の情報とて、例外では無い。少なくとも弊ブログ記事が謀略宣伝である可能性を、読者諸兄は忘却すべきでは無い。私(ZERO)は、私自身がどの謀略宣伝機関にも属さず、弊ブログ記事が金銭その他の報酬のために書いた/転載した記事では無い事を知ってはいるが、それを証明する事は出来ないし、証明する気も無い。私(ZERO)自身が「無意識に謀略宣伝に加担する」可能性だって、否定しきれるものでは無い。
民主主義の宿敵は衆愚政治であり、衆愚化を防ぐ一つの有力な手段は、健全な猜疑心である。
【新華網】G7サミット、安倍首相の企ては達成困難人民網日本語版 2016年05月09日13:41【1】 G7サミットが今月末に日本で開催される。日本の安倍晋三首相はこの「好機」を利用して、日本に有利な声明を発表できるよう、サミット開催前に欧州のG7構成国を歴訪した。新華網が伝えた。
【2】 日本は今年のG7サミットの議長国であり、安倍首相はこれを機に日本を含むG7の世界的リーダーシップを示したい考えだ。このため、訪欧中に国際安全保障、経済的試練、南中国海問題などを組み合わせて示し、欧州を中心とする国際社会の支持を得ようとしていたが、実現は恐らく困難だ。
【3】 中国現代国際関係研究院の陳鳳英研究員によると、G7内には現在深刻な分裂がある。米国は大統領選に注意力を集中している。EUは英国の離脱、難民危機、テロ対策、不景気などの問題に直面しており、満身創痍といえる。日本が現在欧州の支持を得て、世界的問題によって味方につけようとしても、欧州にその力がないことは明らかだ。世界経済の成長刺激の議題において、日本と欧州の一部の国には溝がある。訪欧中、安倍首相は大規模な消費刺激、積極財政政策の必要性を強調した。これは就任以来推し進めている「アベノミクス」と一致する。
【4】 日本の「説教」を前に、ドイツは経済改善の面で自国がすでに責任を果たしたことを繰り返し強調。メルケル首相は、ドイツが昨年難民や移民100万人を受け入れ、内需を牽引し、世界経済の発展に貢献したことを指摘した。ドイツはまた、投資手段と落ち着いた力強い予算政策、持続可能な発展政策を組み合わせるべきだと考えている。
【5】 英国で安倍首相は、EU離脱は日本にとって投資先としての魅力が低下するとしてEU残留を促した。英国メディアはこれについて、アベノミクスを推し進めて以来の日本経済は英国にも及ばず、日本の「指図」にしたがう必要はないと疑問を呈した。
■南中国海情勢撹乱は成果なし
【6】 報道によると、安倍首相は訪欧中、南中国海問題に繰り返し言及した。専門家によると、南中国海問題において日本は域外国なのに干渉を続けている。安倍首相は欧州諸国を仲間に引き入れ、国際法の名目を掲げて、南中国海情勢を撹乱しようと愚かにももくろんでいる。このような「一方的な願望」の達成は困難だ。
【7】 アナリストによると、南中国海問題において安倍首相は法制の理念を利用して欧州諸国を味方につけ、G7サミットの際に声を揃え、自国の利益を持ち込もうと愚かにももくろんでいるが、このようなやり方はアジア太平洋地域の平和と発展に反するものだ。
(編集NA)「人民網日本語版」2016年5月9日
目的は、「安倍外交に対する牽制」なのであろうが・・・
余程G7サミットにおいて南シナ海問題で中国が槍玉に挙ることを恐れているのだろう。上掲記事7つのパラグラフの内、パラグラフ【2】から【5】、パラグラフ数にして過半を占めるのが「G7各国=日米欧間には溝があるので、南シナ海問題で足並みをそろえる事は無いだろう」と言う断言。
1〉 米国は大統領選に注意力を集中している。
2〉EUは英国の離脱、難民危機、テロ対策、不景気などの問題に直面しており、満身創痍といえる。
と、中国現代国際関係研究院の陳鳳英研究員なる人物の発言も引用して「日米欧間ギャップ」を強調している。が、「米大統領選挙」「経済政策」「移民政策」と、「日米欧間ギャップ」の背景為す条件は南支那海とは全く関係ないのだから、「南シナ海問題では日米欧が共同歩調を取る」可能性は「まだ」残されている。ま、そんな可能性はおくびにも出さないからこそ、上掲新華網記事はプロパガンダとして成立している、のであるが。
それでも、パラグラフ【2】から【5】は「中国現代国際関係研究院の一研究員」と言うあまり説得力の無い肩書とは言え実名を出しているだけ、上掲記事の中では「マシな方」ではある。
何しろ、パラグラフ【6】の後半は、何処の誰ともわからない「専門家(*1)」の意見として「安倍首相の外交目的=南シナ海問題における中国に対する牽制は失敗するだろう」と言う「予想」でしかない。
パラグラフ【7】は、これまた何処の誰ともわからない「アナリスト」による「G7サミットを利用して南シナ海問題における日本の国益を増大しようとする事は”アジア太平洋地域の平和と発展に反する”」と言う「意見」。
で、此処が肝心の処だと思うのだが、パラグラフ【6】の「予想」もパラグラフ【7】の「意見」も、パラグラフ【2】から【5】の大半も、「中国現代国際関係研究院の陳鳳英研究員」「専門家」「アナリスト」の主張であって、新華網記者の主張ではない。言わば「街の声」宜しく「新聞記者ならぬ”第3者”の主張を集めた」記事。
朝日新聞の投書欄かよ。
そりゃまあ、「新聞記者ならぬ第三者の意見」とする事で「中立性」や「権威」を付加できれば、謀略宣伝力もアップするのが道理であろうが、「専門家」「アナリスト」ってだけでどこの馬の骨ともわからないようじゃや、権威も中立性も皆無と言うモノ。「国現代国際関係研究院の研究員」と言うのは、権威は未だしも中立性ではマイナスであろう。
その意味では、上掲新華網記事は、相当に下手な謀略宣伝である。
そんな「下手な謀略宣伝」を、G7サミット開催前にぶち上げねばならない処に、私(ZERO)は、タイトルにした通り「中国共産党の遠吠え」を見るのであるが、如何であろうか。
上掲新華網記事が強調するとおり、「G7サミットに於いて安倍外交が南シナ海問題に関する外交的勝利を勝ち取りえない」のならば、何も「下手な謀略宣伝」なんてする必要はない。黙って日本の外交的敗北を確認し、ほくそ笑んでいれば済む話だ。
釈迦に説法の公算大だが、新華網は新華社通信のネット版であり、新華社通信は押しも押されもしそうにない程の、恐らくは自他共に認める中国共産党の宣伝機関。その中国共産党の宣伝機関が掲げた記事が上掲の通りなのだから、「中国共産党は、黙ってほくそえんではいなかった」とは言えそうだ。
それは、「中国共産党は、黙って居られなかった」と言う憶測が出来るし、本章冒頭に述べた通り、「中国共産党は、G7サミットにおいて、南シナ海問題で中国が槍玉に挙ることを恐れている。」と言う推測・推定の説得力を増すものだ。
而して、上掲新華網記事が認める通り「南シナ海問題で中国が槍玉に挙る」事は我が国の利益であり、中国共産党の不利益である。
従って我が国としては、G7サミットに限らずあらゆる機会をとらえて「南シナ海問題で中国を槍玉に挙げる」べきであろう。
3〉 このようなやり方はアジア太平洋地域の平和と発展に反するものだ。
…上記3〉で言う「アジア太平洋地域の平和と発展」とは、「中国共産党支配の前に膝を屈する」と言う意味であろう。南シナ海占拠と勝手な領土宣言および軍事化と言う中国共産党の実績が、左様な「邪推」に説得力を持たせている。
要は「身から出た錆び」ってことさね。
現代プロパガンダの祖と言えるゲッペルスも、ドイツ第三帝国の負けが込んで来ると、プロパガンダが上手くいかなくなったそうだ(*2)。
中国共産党も国を為して大凡70年にして、その謀略宣伝力が低下している、のではなかろうか。--
<注記>
(*1) 例によって実名と肩書きを報じてしまうと「如何にも中国共産党の手先らしい」とバレてしまうからだろう、と邪推も働くが。否、これこそは、「妥当な推測」と言うべきだろう。(*2) そうは言っても、「大西洋の壁/ヨーロッパ要塞」は相応の効果を挙げていたのだが。