【人民網】王外交部長が南中国海「軍事化」に言及 「このレッテルはより相応しい国がある」
【人民網】王外交部長が南中国海「軍事化」に言及 「このレッテルはより相応しい国がある」
人民網日本語版 2016年03月08日16:21  

【1】 第12期全人代第4回会議の記者会見が8日10時にメディアセンターで開かれ、王毅外交部長(外相)が「中国の外交政策と対外関係」について中国内外の記者の質問に答えた。

【2】 ロイター記者の南中国海に関する質問に対し王部長は、「南沙諸島は中国固有の領土であり、中華民族の子孫である限りこの土地を守る責務がある。中国はかつて新たな領土を求めたこともなければ、今後もそうすることはない」と述べた。

3】 王部長は、「中国が自国の島礁で防御目的の施設を建設することは、国際法の自存権と自衛権の行使に当たる。中国は南沙諸島に最も早く武器を配備した国でなければ、武器を最も多く配備している国でもなく、ましてや軍事活動が最も頻繁な国でもない。現在軍事化について論じているが、軍事化というレッテルは中国ではなく、中国よりも貼るのにふさわしい国があると思う」と述べた。

【4】 王部長は、「中国は南沙諸島で必要な防御目的の施設を建設するほか、より多くの民間用の施設を建設し、国際社会に向け公共財を提供している。これらの施設は建設中で、完成し条件を備えた後、中国は当然ながらこれらの島礁に外国の記者を含む各方面の記者を招くことを検討する。

【5】 航行の自由の問題について言及した際、王部長は、「南中国海の最大の沿岸国である中国は、南中国海の航行の自由を最も願っている。実際には、中国と当該地域諸国の共同の努力により、南中国海は現在世界で最も安全かつ自由な航路の一つになっている。ここで注意しておきたいことは、航行の自由とは横暴な航行の自由という意味ではない。南中国海とアジアを撹乱しようとする者がいれば、中国はこれを承知しないし、当該地域の圧倒的多数の国も、これを認めないだろう」と指摘した。

【6】 「南中国海の平和と安定維持に向けた中国のさまざまな積極的な努力」について王部長は、「中国は中国―ASEAN海上協力基金を設立し、40以上の協力プロジェクトを展開してきた。中国は南中国海における行動規範(COC)の協議を積極的に推進しており、2つの合意文書にまとまり、協議を『重要かつ複雑な問題』という新たな段階に推し進めている。中国はまた『海上におけるリスク管理の予防的措置』の制定を自ら提案し、特に『海上緊急事態外交ホットライン』、『海上共同捜索・救助ホットライン』の早期設置を提案している。これらは十分に中国側の誠意を示している。しかし、これらの取り組みは一部の国の干渉と妨害を受けており、それほどスムーズには展開されていない」とし、「中国はASEAN諸国と共に、南中国海の平和と発展の大局を共に維持する能力と自信を完全に有している」と述べた。(編集IM)


人工島を「領土」と宣し、領空領海を要求している強盗野郎が、何言ってるんだ?


1〉「南沙諸島は中国固有の領土であり、中華民族の子孫である限りこの土地を守る責務がある。
2〉 中国はかつて新たな領土を求めたこともなければ、今後もそうすることはない」

 ふーん。朝鮮戦争は「義勇軍であって正規軍では無い」って理屈かね。あの時は38度線を幾らか越えて南下してきたはずだが、「朝鮮半島は中国の核心的利益」なのだろうさ。

 って事は、未だ休戦中の朝鮮戦争を「中国義勇軍が再開する」可能性は相応にあるって事だな。
 
 尖閣諸島の「核心的利益」宣言だって、言い始めたのは1970年代ごろからだろうに。
 
 大体、南シナ海で「領土」を宣しているのは、人工島。正真正銘掛け値なしの「新たな領土」ではないか。突っ込むのさえ阿呆らしいほどの強弁詭弁が、実に大陸らしいのであるが、それだけに「共に天を頂けぬ」と言う思いが強くなるぞ。

 四百四州をこぞる、十万余騎の敵。
 傲慢無礼者。共に天を頂かず。
 ―軍歌「元寇」

【湯浅博の世界読解】『自滅する中国』という予言
【湯浅博の世界読解】『自滅する中国』という予言  

【1】 中国の習近平国家主席は昨年9月に訪米し、確かに「南シナ海を軍事拠点化しない」といった。果たして、この言葉を素直に信じた沿岸国の指導者はいただろうか。

【2】 その数カ月前、米国防総省の年次報告書「中国の軍事力」は、南シナ海の岩礁埋め立てが過去4カ月で面積が4倍に拡大していると書いた。中国の国防白書も、「軍事闘争の準備」を書き込んで、航行の自由を威嚇していた。

【3】 かつて、マカオの実業家がウクライナから空母ワリヤーグを購入したとき、中国要人が「空母に転用する考えはない」と語ったのと同様に信用できない。中国の退役軍人がマカオ企業の社長だったから、尻を隠して頭を隠さずというほど明白だった。

【4】 漢民族は自らを「偉大なる戦略家である」と思い込んでいる。孫子の兵法を生んだ民族の末裔(まつえい)であるとの自負が誤解の原因かもしれない。米国の戦略国際問題研究所(CSIS)の上級顧問、E・ルトワク氏は、戦略家であるどころか「古いものをやたらとありがたがる懐古的な趣味にすぎない」と酷評する。実際には、中核部分の「兵は詭道(きどう)なり」というだましのテクニックだけが生きている。

【5】 その詐術も足元が乱れることがある。米メディアが南シナ海のパラセル諸島への地対空ミサイル配備を報じた直後、王毅外相が「ニュースの捏造(ねつぞう)はやめてもらいたい」といった。すると、中国国防省がただちに「島嶼(とうしょ)の防衛体制は昔からだ」と反対の見解を表明して外相発言を打ち消していた。

【6】 国家の外交が、ひそかに動く共産党の軍に振り回されている。軍優位の国にあっては、当然ながら国際協調などは二の次になる。

【7】 ミサイル配備が明らかになったウッディー島は、南シナ海に軍事基地のネットワークを広げる最初の飛び石になるだろう。早くも22日には、CSISが南シナ海スプラトリー諸島のクアテロン礁に中国が新たにレーダー施設を建設しているとの分析を明らかにした。

【8】 やがて、これら人工島にもミサイルを配備して戦闘機が飛来すれば、船舶だけでなく南シナ海全域の「飛行の自由」が侵される。23日訪米の王毅外相はどうにかつじつまを合わせるのだろう。

【9】 ルトワク氏はそんな中国を「巨大国家の自閉症」と呼び、他国に配慮することがないから友達ができないと指摘する。例外的に1国だけ、核開発に前のめりの北朝鮮がいるが、それも近年は離反気味である。

【10】 中国が脅威を振りまけば、沿岸国など東南アジア諸国連合(ASEAN)は、共同で対処する道を探る。オバマ米大統領が昨年はじめてASEAN大使を任命し、米・ASEAN関係を戦略的パートナーに格上げすることで、その受け皿にした。

【11】 中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)を含む札束外交で歓心を買おうとしても、従属を強要する意図が見えれば中国への警戒心はむしろ高まろう。ASEAN首脳が米西海岸サニーランズでオバマ大統領との会談に応じたのも、対中ヘッジ(備え)になってくれると考えるからだ。

【12】 オバマ政権のアジア・リバランス(再均衡)に中身がなくとも、中国のごり押しで米国とASEANの緊密化が進み、中国の影響力をそぎ落とす。それがルトワク氏のいう『自滅する中国』という予言なのだろう。(東京特派員)